メインコンテンツへスキップ
見出し画像

上だけが開いている場所

    見上げると、空が丸く切り取られていた。

    壁に囲まれているのに、上だけがぽっかりと開いている。

    光はちゃんと届いていて、木もそこに向かって伸びている。

    閉じ込められているわけではないのに、自由に出ていける感じもしない。


    上を見れば空はある。

    でも、そこに触れることはできない。

    少しだけ安心して、少しだけ不自由な感じ。


    しばらく立ったまま、木のほうを見ていた。

    枝は迷いなく上に向かって伸びている。

    他に行き場がないみたいに、ただまっすぐに。


    ふと、思う。

    ここにいるものは、最初から“上に向かうもの”だけが
    選ばれているんじゃないかと。

    横に広がろうとしたものは、きっとどこかで消えてしまった。

    だから、この場所はいつも静かで、迷いがない。
    そのかわり、どこにも行けない。


    しばらくして、もう一度空を見上げた。

    外は、思っていたよりも狭いのかもしれない。


    画像
     
     

    Mi

     
     
    今までのこと、日常のこと、思うことなど書いていこうかと思います。

    あなたへのおすすめ