
おっさん保育士になりました
あとがき
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
保育士になるという経緯はノンフィクションですが、背景や登場人物は、実体験をベースにしつつも多くの脚色を加えています。夢子やマチコ、あるいは折々に出てくるベテラン保育士たちにもそれぞれモデルとなる存在はいますが、小説の中の彼らとはまた少し違った顔を持っています。
また、現実の保育現場は、この物語よりもずっと複雑で、時に厳しいものです。この物語は、あくまで私自身が理想として描いたもの、体験の中で特に心が震えたこと、そして今、自分が心の底で感じている想いを紡いだものです。特に男性園長のキャラクターは、物語を支える象徴として完全にフィクションで作り上げました。
各章のサブタイトルには、私の青春時代のエッセンスとして、吉沢秋絵さんの楽曲名をマニアックに拝借してみました(笑)。そんな懐かしい響きをスパイスに、この物語が保育という仕事の魅力や厳しさを知るきっかけになれば、それ以上に嬉しいことはありません。
そして、突然のリストラや、中高年になってからの再就職という壁に直面し、立ち止まってしまっている方にとって、ほんの少しの、薄い光にでもなればと願っています。道は違えても、新しい場所でまた歩き始めることはできる。そんなささやかな希望が、誰かに届きますように。