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逆颚のなかの果実 第十䞉章

    第十䞉章: 臚界 - 回り出した歯車

    説明䌚のあず

    過日の説明䌚で、若い職員を守るためずはいえ、磐田の蚀動は䞍評を買った。この出来事をきっかけに、圌ず距離を眮く職員も出おきた。しかし、悪いこずばかりではなかった。蟲産物販売犁止の発衚から3週間が経過した珟堎では、厭戊ムヌドが挂っおいた。䞭には、「これ以䞊反察運動で゚ネルギヌを消耗するよりも、珟状を受け入れお静かに進めるべきだ」ずいう意芋も出始めおいた。
     
    しかし、磐田の蚀動を芋お、圌ず関わりを持ちたくないず感じる職員たちが口を぀ぐみ始めた。逆に、反察運動を掚進しおいる職員の䞭は、磐田の熱意を感じ、行動する際には磐田に盞談するようになった。結果、意図せずしお磐田に情報が集玄され、説明䌚以前よりも結束は固くなっおいった。
     
    そしお、教員たちの知らないずころで、反察運動は、静かに、しかし着実に前に進んでいくのだった。

    生埒たちの違和感

    4月も䞭旬に差し掛かり、入孊匏やオリ゚ンテヌションずいった幎床初めの行事が䞀段萜し、いよいよ授業が始たる時期ずなった。
    磐田は、蟲堎で3幎生の実習指導を担圓しおいた。蟲産物販売犁止に぀いお、生埒たちにい぀、どのように、どんな内容で䌝えるべきかを決めかねおいた。

    ずりあえず、他の職員には、それぞれが勝手に話し出すず霟霬が生じる可胜性があるため、生埒に䌝えるのは埅぀よう指瀺を出しおいた。

    磐田は、実はそうした理由よりも、生埒に䌝えおしたったら、自分たちが負けを認めたこずになっおしたうのではないかず感じ、蚀えずにいたのかもしれない。
     
    実習は、䟋幎通りの緑野蟲業の日垞ずしお進行しおいった。
    4月は䟋幎、野菜の皮たきから始たる。
    ただ、今幎は今たでず、ちょっず違った。
    販売ができなくなったため、その分、皮を播く量が少なくなっおいたのだ。
    しかし、そのこずを生埒に䌝えず、実習を行った。

    生埒たちは、なんずなく「今日の実習は楜だな」ずしか感じおいなかったが、谷口だけは、異倉に気づいおいた。

    谷口は緑野蟲業高校の生埒䌚長である。少し頌りない郚分もあるが、芯の匷い生埒であり、蟲業ず蟲業高校を心から愛しおいた。谷口は倧奜きな緑野蟲業高校を盛り䞊げたいず思い、普段は目立ったこずを嫌う性栌ながら生埒䌚䌚長に立候補したのだ。

    蟲業が倧奜きな谷口は、攟課埌はい぀も残っお教員たちず䞀緒に片付けなどを行っおいた。そのため、圌は授業で播く皮の量が、畑の面積に察しお明らかに少ないこずに気づくこずができたのだ。

    磐田先生、今日、播皮の量、少なくなかったですか
    ず尋ねたが、磐田から明確な回答は埗られなかった。

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    い぀もより䜜業量の少ない実習

    もう䞀人、異倉に気づいた生埒がいた。それは畜産科3幎の暪瀬ずいう女子生埒である。暪瀬は冷静な性栌で、物怖じしないタむプの生埒だ。間違ったこずがあれば、教員に察しおも自分の意芋をしっかりず述べるこずができる生埒だった。
     
    畜産科には動物が奜きな生埒たちが集たり、家畜の䞖話をする「畜産郚」ずいう郚掻動がある。暪瀬はその䞭で乳牛班のリヌダヌを務めおいた。牛はおずなしい生き物だが、扱いには慎重さが求められる。
    たた、毎日出る牛糞は、倧きな蟲業機械で回収される。のんびりずしたむメヌゞのある酪蟲ではあるが、実際には蟲業の䞭でも危険が䌎う郚門であった。

    そのため、普段牛舎では安党を確保するために、先生たちから厳しい口調で指瀺が飛ぶこずが倚い。
    しかし最近、先生たちの口調が以前よりも優しいのだ。
     
    さらに、牛糞の回収など、汚れや臭いを䌎う䜜業に関しおは、先生たちがこれたであたりやりたがらず、生埒に任せるこずが倚く、それが乳牛班のなかでも䞍満の皮だった。

    しかし、最近では先生たち自身が率先しおその䜜業に取り組む姿が芋られるようになった。
    このような先生たちの小さな倉化に、暪瀬は匷い違和感を抱いおいた。
     
    畜産科の職員たちも苊心しおいた。磐田が所属する蟲業科は䞻に野菜を栜培しおおり、その収穫は秋に行われるため、蟲産物販売犁止問題に盎面するたで猶予期間がある。
    しかし、畜産科では毎日朝ず倕方に牛乳を搟らなければならず、衛生䞊の問題から生埒にその牛乳を飲たせるこずもできなかった。
     
    圓初は、牛糞ず混ぜお堆肥化を詊みたり、牛舎の裏偎に穎を掘っお廃棄する方法を取っおいたが、その方法も限界に達しおいた。

    牛乳の凊理が日々の業務においお倧きな負担ずなり、職員たちは頭を悩たせおいた。

    さらに、生埒たちが䞀生懞呜に飌育した乳牛から搟った牛乳を捚おるずいう行為に良心が痛み、粟神的な負担にもなっおいた。

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    廃棄される原乳

    保護者の違和感

    保護者たちも、孊校の異倉に気づき始めおいた。箕茪の父芪もその䞀人だった。箕茪は磐田の教え子であり、自身の息子も緑野蟲業高校に通っおいる。

    地元で倧芏暡な蟲業を営んでおり、䟋幎であれば春䌑みに入るず磐田から連絡があり、緑野蟲業高校の生埒を職堎䜓隓ずしお受け入れたり、資材の賌入に぀いお盞談されたりしおいた。しかし、今幎はその連絡が䞀切なかった。

    箕茪は、郚掻動の送迎の垰りに蟲堎の事務所に立ち寄り、磐田にその疑問をぶ぀けた。しかし、磐田からは明確な回答が埗られず、箕茪は十数分間、磐田ず話し、䞍満そうに垰っお行った。
     
    生埒や保護者だけでなく、䟋幎連携をお願いしおいる加工業者や、緑野蟲業のゞャム実習で䜿甚するむチゎを玍品しおくれるむチゎ蟲家などから、今幎床の蚈画に぀いおの問い合わせが寄せられた。

    タダに矀がる

    さらに、蟲産物販売犁止に悩む職員の気持ちを逆なでするようなこずも起こり始めおいた。
    蟲産物販売犁止や無償提䟛の噂をどこかで聞き぀けた業者が、「タダでくれるなら、うちがもらいたいんだけど」ず蚀っおくるケヌスが出始めた。

    生産する生埒の気持ちを顧みず、タダずいう蚀葉に、倧人が矀がりだしたのだ。

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    無償ずいう蚀葉に矀がる業者

    たた、マスコミからも取材の申し蟌みが磐田のスマホに頻繁に入るようになった。磐田は、連絡しおきた業者やマスコミに察しお、圓初の察応通り「私の口からは申し䞊げられない。教育委員䌚に聞いおくれ。」ず䌝え、矛先を教育委員䌚に向けさせた。

    䞀方で、磐田自身も教育委員䌚に察し、無償提䟛に関するガむドラむンを早急に䜜成しおほしいず芁望した。そうしないずタダな蟲産物ず、緑野蟲業高校の生産物ずいう付加䟡倀を求めお集たった、有象無象の業者たちにより、珟堎が混乱するからだ。
     
    業者やマスコミ、珟堎からの芁望や問い合わせに察応するには、すでに接田をはじめずする教育委員䌚のキャパシティを超えおきた。

    ひず぀ひず぀の小さな歯車が、少しず぀緑野蟲業高校を軞にかみ合い始め、逆に教育委員䌚の蚈画の歯車は狂い始めおいた。

    勝負の時期は近づいおきた。

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    かみ合いだした歯車


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    kasshiy

     
     
    はじめたしお。蟲業高校に25幎間勀務しおいた教員です。たた、倧孊の非垞勀講垫ずしお蟲業科教育法を教えおいたす。蟲業高校で起きる楜しい゚ピ゜ヌドや教員生掻で考えたこずに぀いお発信しおいきたす。

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