メインコンテンツへスキップ
見出し画像

『国宝』とは何だったのか― 芸は人を超えられるのか ―


    ※無料部分はネタバレなし、有料部分はネタバレを含みます


    『国宝』を観て

    正直に言えば、私はこの映画を観る前、「歌舞伎の世界を描いた作品」くらいの認識だった。

    もちろん評判は知っていた。

    多くの人が絶賛し、涙を流し、今年最高の映画だと言っていた。

    しかし、それでも私はどこか冷めていた。

    歌舞伎そのものに詳しいわけでもない。

    芸能の世界に特別な憧れがあるわけでもない。

    だから、自分にはあまり刺さらないかもしれないと思っていた。

    だが、観終わったあとに残った感覚は、そんな予想とはまるで違っていた。

    これは歌舞伎の映画ではない。

    成功の映画でもない。

    努力の映画でもない。

    ましてやライバル同士の青春物語でもない。

    もっと奇妙で、もっと恐ろしいものだった。

    私は映画を観ながら、ある種の怪物を見ていたような気がする。

    人間ではない。

    才能でもない。

    野心でもない。

    もっと得体の知れない何か。

    この作品について多くの人が語っている。

    血筋と才能の物語だと言う人もいる。

    努力が報われる物語だと言う人もいる。

    どれも間違いではないと思う。

    しかし私は、この作品の本質は少し別の場所にあるように感じた。

    ここから先は完全なネタバレを含む。

    未鑑賞の方は、この先を読まないことを勧める。


    多くの人が語る『国宝』

    この記事が参加している募集

     
     
    一条泰義|小説・随筆 生きづらさ、人間の醜さ、それでも生きることについて書いています。 哲学と文学が好きです。新人賞に挑戦中。 たまにAIでWebサービスも作ります。 ▼🔋 心のバッテリー診断 https://sidius-battery.netlify.app/

    あなたへのおすすめ