メインコンテンツへスキップ
見出し画像

その子の「今日」に間に合うために学校・医療・家庭のあいだで揺れる支援


    「今日は、少しは飲めた?」

    帰ってきたA君に、母親は毎日のようにそう声をかける。責めたいわけではない。

    確認しないではいられないのだ。昨日も飲めなかった。おそらく今日もそうだろうと思いながら、それでも聞かずにはいられない。

    A君は中学2年生。発達の特性があり、強いこだわりや潔癖さがある。手洗いや消毒を繰り返さないと不安が高まり、頭では「大丈夫」と分かっていても、身体が次の行動に進めなくなる。

    学校生活の中では、その困りごとが水分摂取やトイレの利用にまで及んでいる。

    喉が渇いても、水が飲めない。
    トイレにも行けない。
    プールにも入れない。

    言葉にすると短いが、実際にはこれは、学校で一日を過ごすことそのものに関わる深刻な困難だ。

    少し我慢すれば済む話ではない。本人の努力不足でもない。頑張れば乗り越えられるという種類のものでもない。

    毎日持っていく水筒は、ほとんど減らないまま帰ってくる。母親は、その重さでその日の状態を知る。  

     
     
    現在はこどもに関わる仕事をしてます。子どもだけでなく、過ごし辛い人達を主人公にして文章を書こうと思います。 激動の時代の中で人の価値観や考え方が共生社会の一番の壁だと考えます、誰もが過ごしやすい世の中になることを祈り記事を作ろうと思います。マガジンもよろしければ…。

    あなたへのおすすめ