
子どもたちの声が聞こえにくくなっている――放課後児童クラブの現場から見た世界
2026年2月8日、第51回衆議院選挙の開票日。
自民党は高市早苗首相のもとで単独過半数に迫る約300議席を獲得し、SNSでは若い世代を中心に「高市さん推し」の熱気が広がりました。
XやTikTokでの積極発信が選挙を動かしたと言われる中、私は放課後児童クラブの支援員として、少し遠い目で見ていました。
子どもたちが帰った後の静かなクラブルームで、今日も一日の出来事を振り返る――そんな日常の中で、政治の変化が私たちの現場にどう響くのか、静かに考えていました。
この記事は、私のような福祉現場の人間が感じる「今の社会の空気」を伝えるものです。
批判ではなく、対話への招待です。
一緒に、子どもたちの未来を考えてみませんか?
「強い日本」の裏で増える現場の負担「強い日本」「経済再生」という言葉は、心強い響きがあります。
高市政権のもとで、こども家庭庁の2026年度予算は前年度比959億円増の7兆4,229億円に膨らみました。
少子化対策や若者支援が強化されるのは歓迎すべき動きです。
しかし、現場の放課後児童クラブでは、別の現実が進行しています。
全国の登録児童数増加と支援員不足の推移、2025年度の登録児童数は過去最多の156万8,588人に達し、前年比約5万人増です。
一方、待機児童数は1万7,013人と依然として解消されていません。
支援員の不足は深刻で、東京都の調査では「大いに不足」「不足」「やや不足」を合わせた割合が65.1%に上ります。
平均年収は285万円と低く、慢性化する人手不足が続いています。私たちのクラブでも、常勤支援員が複数配置されるはずの基準を、兼任や短時間雇用でしのいでいます。
子ども一人ひとりの個別支援が、時間不足で薄まってしまうのです。
「強い国」を目指す中で、こうした基幹的な支援体制が揺らがないよう、現場からは強く願っています。上下の分断が子どもたちの心に影を落とす選挙後のSNSでは、政治的な左右対立が目立ちましたが、私が現場で感じるのは、それ以上に「上下の分断」です。
経済格差が子どもたちの関係性にまで及んでいるのです。日本の子どもの相対的貧困率は11.5%(2021年)と、約9人に1人が貧困状態にあります。
ひとり親家庭の貧困率は50.8%とOECD加盟国で最高水準です。
この格差は、放課後クラブの日常会話に現れます。
「うち貧乏だから」「勝ち組じゃないよ」――子どもたちの言葉に、大人社会の価値観が映っています。教育格差研究では、このような分断が学力・進学格差を生み、世代間連鎖を招くと指摘されています。
SNSの影響で「持っている/持っていない」が可視化され、子ども同士の比較意識が強まる。
いじめや孤立の背景に、こうした「上下意識」が潜んでいるケースが増えています。
政治の安定が経済成長を促すのは良いことですが、格差の連鎖が子どもたちの未来を狭めないよう、注意が必要です。インクルーシブ教育の現場で起きていることインクルーシブ教育は、すべての子どもが共に学ぶことを目指します。
しかし、特別支援教育コーディネーターの配置率は、小学校で99.4%、中学校96.6%と高い一方、実際の運用に課題が残ります。
幼稚園では73.6%と低く、地域差も大きいのです。私たちのクラブでは、発達特性のあるAくんのような子がいます。
好奇心旺盛ですが、集団遊びで孤立しがち。
支援員の目が届かないと、「迷惑」との声が上がり、心理的な負担が増えます。
文部科学省の調査でも、支援の質が研修不足で形骸化している実態が明らかになっています。
多様な子どもたちが一緒に学ぶ教室の様子(イメージ)このような状況で「競争力強化」の教育政策が進むと、多様性を必要とする子どもたちが後回しになる可能性があります。
子どもの権利条約(1994年批准)の精神を守るため、現場配置の強化が急務です。児童虐待と支援の空白2023年度の児童虐待相談件数は過去最多の22万5,509件(前年比5%増)でした。
警察庁の2024年データでも、摘発件数は2,649件と11.1%増加。
放課後クラブは、そうしたSOSの最初の窓口になることがあります。「家でご飯食べられない」「お母さん怒ってる」と小さな声で話す子が増えています。
栄養不良やメンタル不調の兆候も。
国連子どもの権利委員会は、日本に対し「包括的人権法整備」や「虐待防止強化」を繰り返し勧告していますが、現場では人員不足が対応を阻んでいます。私たちは日々、家庭訪問や相談所連携を試みますが、限界があります。
虐待防止の「最前線」として、クラブの役割をどう位置づけるかが問われています。SNSと分断の連鎖SNSの力で選挙が変わったのは事実です。
しかし、タイムラインの罵倒や分断は、子どもたちの世界にも影を落とします。
家庭格差で友人を遠ざける子。
教育格差が社会分断を加速させる研究結果も出ています。私たちはクラブで「みんな違ってみんな良い」を実践します。
でも、大人社会の分断が続けば、子どもたちの寛容性も育ちにくくなります。
SNS発信を「理解のツール」に変えていくことが、未来への一歩です。現場の叫びと小さな希望放課後児童クラブの支援員離職率は高く、精神的負担や人間関係が課題です。
私も、過労で辞めていく同僚を見てきました。
それでも、子どもたちの「今日も来てよかった」の一言が支えです。私たちはXやnoteで現場データを発信します。
あなたも、シェアやコメントで広めてください。
子どもの未来は、私たちの声にかかっています。あなたのタイムラインに、子どもたちは?子どもの貧困率11.5%、虐待22万件超――これらの数字が、あなたの日常に届いていますか?
「強い日本」は、待機児童1.7万人をどう守るのでしょうか?分断の社会で、インクルーシブ教室は成り立つでしょうか?政治支持は自由です。
ただ、その先にいる子どもたちの現実を、一度見てほしい。
福祉現場はいつも、あなたの声を待っています。一緒に、子どもの笑顔を守りましょう。
あなたのお仕事、生きる力に役立ったり、心に響く物があれば、サポートいただけると励みになります。