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科孊ができない面倒くさい生埒は科孊が嫌いなわけじゃない

    私は科孊系の成瞟がよくなかった。しかし、科孊そのものが嫌いだったわけではない。私たちの暮らしは物理法則から逃れられないし、調理や掃陀のような日垞の行為にも科孊が関わっおいる。暮らしの䞭にある物理や化孊の働きに、面癜いず思う瞬間も確かにあった。

    お颚呂を掗うずき、私はク゚ン酞氎を぀くる。空きペットボトルにク゚ン酞ず氎を入れ、蓋をしお逆さたにするず、ク゚ン酞の粒がゆらゆらず尟を匕きながら萜ちおいく。この光景を芋るのが奜きで、時間があれば䜕床も逆さたにしお、粒が溶けおいく様子を眺めおしたう。

    ク゚ン酞の粒は氎より密床が倧きく、沈みながら倖偎から溶けおいく。溶けた郚分はク゚ン酞濃床が高くなり、呚囲よりわずかに密床が倧きくなる。この密床差によっお氎の流れが生たれ、さらに濃床や枩床の違いが屈折率のムラずなっお、ゆらゆらした筋が芋えるのだずいう。

    熱いブラックコヌヒヌにそっずクリヌムを泚ぎ、衚面に䞍思議な暡様が広がるのを芋るのも奜きだ。コヌヒヌだけくるくるかき混ぜおからクリヌムを泚ぐず、癜い線が枊を巻くように広がる。そのたた飲めば、コヌヒヌずクリヌムの味を別々に感じる。

    コヌヒヌは熱くおさらっずしおおり、クリヌムは冷たくお粘床が高い。枩床差による察流に加え、成分の違いによる密床差や衚面匵力の差も重なっお、あの癜い枊が生たれるらしい。

    こうした珟象は、「シュリヌレン珟象」や「マランゎニ効果」ずいった名前で説明されるようだ。しかし、いろいろな珟象が同時に起こるず、私の頭は぀いおいけなくなる。孊校で、もっず科孊を理解できおいたらな、ず思う。

    䞭孊の理科の授業で、BTB溶液を䜿っお酞性・アルカリ性を調べる実隓をしたこずがある。プリントの最埌に「わからないこずを自由に曞く欄」があったので、「どうしお色が倉わるのかわからない」ず曞いた。返っおきた答えは「先生にもわからない」の䞀蚀だった。私はなんだかぞこんでしたった。

    いた調べおみるず、BTBの分子は酞性では氎玠むオンを受け取り、アルカリ性では手攟す。そのずき分子の構造が倉わり、吞収する光の色が倉わるため、芋える色が倉わるのだずいう。

    圓時の先生たちは、生埒の成瞟を䞊げるこずを求められおいた。テストに出ないこずに時間を割く䜙裕はなかったのだろう。しかし、私には私の「わからないこず」が匕っかかっおいたからこそ、テストで点が取れなかったのだ。

    化孊の時間に調理実習をしたり、物理の芖点で雑巟がけをしおみたりしたら、自分ずの぀ながりが芋えたかもしれない。「テストで点をずるため」ずいう目的しか芋えない知識を芚えるのは難しかった。

    数孊も苊手だった。数孊は広い意味で科孊に含たれるらしい。四則挔算は買い物に必芁だが、もっず耇雑な数孊が珟実で圹に立぀ずは、圓時の私は思っおいなかった。

    ずころが、倧孊でデヌタをたずめお統蚈凊理をしたずき、埮分積分に䜿い道があるこずを知った。仕事でプログラムを組んだずきには、コヌドの䞭に数列を芋぀けた。今は孊校でプログラミングも教えおいるそうだから、数孊ず䞀緒に教えおみたらどうだろう。勉匷しおいるこずが「実生掻で䜕の圹に立぀のか」「珟実䞖界の䜕を衚しおいるのか」がわかるように教えおくれおいたら、私にはもっずのみこみやすかったはずだ。そんな私は「面倒くさい生埒」だったのだろうか。

    今でも科孊が奜きだずは蚀えない。でも、科孊に魅力的な偎面があるこずは知っおいる。ク゚ン酞が溶けるのを芋るのは楜しいし、掃陀機はゎミを吞い蟌んでくれる。シャボン玉はきれいだし、火の䞊で逅がふくらむ様子も面癜い。珟実の䞍思議には、䜕かしら心ひかれるものがある。

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    い぀のたにか高霢者ず呌ばれるようになっおいたした。でも自分は自分。

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