
【AIと始めてみた】「Idea Generation」が、多忙なプレイングマネージャーの思考をブーストする武器になるまで
日本の化学メーカーにおいて、キャリアの階段を登り始めた人間が直面する最初の壁。それは「プレイングマネージャー」という役割ではないでしょうか。
突然チームを任され、マネジメントの職務が加わる一方で、一人のプレイヤーとしての成果も求められ続ける。私自身、このステージに変化した当初は、チームを牽引するための新たな調査や戦略立案に割ける時間の少なさに頭を抱えていました。
そんな多忙な日々の中で、私が最近「AIと一緒に始めてみた」のが、生成AIを活用したアイディア生成のワークフローです。特に、Geminiのプレビュー機能である「Idea Generation」が、プレイングマネージャーの強力な壁打ち相手になると気づきました。
1. Geminiがもたらす「思考の拡張」
現在、私の職場ではGeminiがセキュアに利用できる環境が整い、日常業務に欠かせない存在となっています。Googleの圧倒的な検索技術を背景にしたDeep Research機能や、自分専用の資料庫として活用できるNotebookLMなど、Geminiのエコシステムは非常に強力です。
その中でも、私が最近注目して使い始めたのが、プレビュー機能の「Idea Generation」です。企業研究者にとって、アイディアの質はプロジェクトの成否を分けるオリジナリティの源泉。それをAIとどう共創していくか、その運用方法を模索し始めました。
2. 「Idea Generation」でアイディアを戦わせる
この機能の面白さは、圧倒的な「量」と「客観的な評価」にあります。
プロンプトとして「解決したい課題」や「研究の方向性」を入力すると、AIが1時間ほどかけて約100前後のアイディアを生成します。驚くべきは、それぞれのアイディアに対して数千字規模の詳細な提案書が作成される点です。
さらにユニークなのが、生成されたアイディア同士をAIが戦わせるプロセスです。様々な組み合わせで評価(スコアリング)を行い、成績の良い順にリストアップしてくれます。実際に試してみると、プロンプトの調整は必要ですが、非常に的確、かつ自分一人では思いつかなかった視点のアイディアが並びます。
3. 「情報の海」をNotebookLMで攻略する
しかし、ここで大きな問題に直面しました。数千字の提案書が100本。すべてを読み込むのは、物理的に不可能です。そこで私は、「NotebookLMとの連携」という運用をセットで始めてみました。
アイディアの選別: スコア上位20位と、あえて「5の倍数(25位、30位…)」のアイディアを抽出します。下位のアイディアにも、飛んだ発想の原石が混ざっていることがあるからです。
NotebookLMへの集約: 抽出したアイディアをすべてNotebookLMに登録します。
対話による構造化: NotebookLM上でマインドマップを作成させたり、チャットで対話しながら共通する施策や独自の強みを抜き出したりします。
このワークフローにより、膨大なAIの出力を「使えるアイディア」へと効率的に昇華させることができるようになりました。
最後に:AIは「答え」ではなく「問い」をくれるパートナー
プレイングマネージャーとして走り始めた今、私がAIと一緒に始めてみたこの取り組みは、単なる効率化以上の意味を持っています。
AIが生成する膨大なアイディアは、そのまま「正解」になるわけではありません。しかし、それらと対話することで、自分が何を大切にしたいのか、チームとしてどこを目指すべきかという「問い」が明確になります。
「研究者としての勘」と「AIの圧倒的な物量」。この両輪を回すことで、プレイングマネージャーという難しい職務を、よりクリエイティブなものに変えていけるのではないか。まだ試行錯誤の途中ですが、AIという新しい相棒と共に、この「迷路」を楽しんで進んでいこうと思っています。