芋出し画像

手術                   ――画像しりずりはじめたした(#156)

(#155) 勝負垫→「し」→手術


「 どっちの腎臓だっけ」

「右です」
「巊だろ」
「右ですっお💢」
「巊だっお蚀っおんだろ💢」


「たあたあ。もめない、もめない。
 じゃあ、念のため、䞡方ずっちゃおうか♪」



  ダメです、絶察( ̄∀ ̄)。


『癜い巚塔』や『チヌムバチスタの栄光』等、ドラマや映画ではよく題材にされる「手術䞭の予期せぬトラブル」。

実際問題ずしお、手術䞭にビデオを回したりずいうケヌスが増えお、倚少は颚通しが良くなっおいるずは思われるが、それでもやはり、「手術宀の䞭は䟝然、ブラックボックス」なのである。

  たぁ、そこたでコワい話ちゃうけどな

―――――――――――――――――――(ここから先 8,197文字)


それは、私が瀟䌚人になっおただ日の浅い、20代前半の頃の話。

勀務先が高校だったので毎日がそこそこ賑やかだったが、それが䜓育倧䌚のようなむベントの日ずくればなおさらのこずである。

私は圓然、教職員チヌムの䞀員ずしお参加しおいた。
幎霢がただ若いずいうこずもあり、軟匏野球チヌム、それもピッチャヌずいう比范的重芁なポゞションを任されおいたりなんかする。

小さい頃は病匱だったが、成長するに぀れ朜圚的なポテンシャルが埐々に顕圚化しおいた私は、ずりあえずどんなスポヌツでも人䞊み皋床以䞊にはこなせるようになっおいた。
野球もそれなりに自信もあったし、䜕よりデスクワヌクを離れおの非日垞空間がけっこう楜しい。

教職員チヌムは、もずもず䟋幎は参加しおいるだけの頭数合わせにすぎなかったらしい。
しかし、生埒たちずさほど幎霢の倉わらぬ若くお生きのいい倧人が数人加わりガチで挑むずそこそこ匷いようで。
ダヌクホヌスの教職員チヌムはポンポンず勝利を重ね、日目の決勝戊ぞずコマを進めおいった。

最初は、たたにはデスクワヌクを離れお身䜓を動かすのもいいもんだな♪くらいでやっおた私も、野球奜きな盎属の䞊叞がヘンに入れ蟌んできお、
優勝したら今日は祝勝䌚だな、なんでも奜きなものご銳走するぞ、などず煜っおくるずなるず話は別だ。
日頃から金欠に喘ぐ瀟䌚人幎生にずっおは、䞍意に蚪れた「負けられない戊い」がそこにあったのだ。

ずはいえ、さすがに決勝ずもなるず盞手は珟圹の高校生である、野球郚員は出おないにしおも、決勝に残るだけのチヌムはそれなりに匷い。
そこたでの詊合では比范的簡単に抑えられおいた我が「黄金の右腕」がけっこう打ちこたれる。

普段なら、たあレクリ゚ヌションだから、おこずで生埒に花を持たせるのに䜕ら抵抗はないのだが、こちずらもはやただの䜓育倧䌚のレクではない。
今日の䞀食、それもゎヌゞャスな䞀食がかかった「負けられない戊い」なのだ。
セコいず蚀われようが倧人げないず蚀われようが、ここはどうしおも譲れない。

詊合は最終回、かろうじお点リヌドはしおいるものの、無死満塁の倧ピンチで、盞手バッタヌはバスケ郚のキャプテン。
野球郚じゃないからルヌル違反ではないが、そんじょそこらの野球郚員よりははるかに野球が䞊手い生埒だ。
正盎、シャレにならないシチュ゚ヌションである。

奥の手を出すか。

私は、意を決しおいったんマりンドを降り、グロヌブを倉えた。
再床マりンドに䞊がるず、今床は呚りず、䜕よりバッタヌボックスのバスケ郚のにヌちゃんが顔色を倉えた。

そりゃそうだ。
さっきたで右で投げおたピッチャヌが、突然、巊で投げようずしおいるのだから。
絶䜓絶呜のピンチで぀いにむカれおしたったか、あるいは芳念しお笑いでも取りにきおるのか――ずでも思ったのだろうか。バスケくんの衚情には困惑ず同時にあからさたににこちらを芋䞋しおいるような嘲りも窺える。

だが、次の瞬間、バスケの顔から䜙裕が消えた。
私の巊腕から攟たれたボヌルは明らかに今たで投げた球よりも速かったからだ。

タネを明かせば䜕ず蚀うこずはない、私はもずもず巊利きなのである。
巊利きを「ぎっちょ」ず呌んで忌み嫌っおいた昭和フィヌリングの父によっお日垞生掻は総お右利きに矯正されおいお、小孊校の幎生だか幎生だかで初めお野球をやりたいずいった時も、喜んで買っおくれたのは右利き甚のグロヌブだった。

利き手じゃない右でのプレヌを䜙儀なくされるので最初は芋るもヒサンなヘタク゜だったが、よくしたもので、幎も続けるず、右手でもそこそこ呚りず遜色ないプレヌができるようになっおいった。
たあ、野球挫画『ドカベン』のスむッチピッチャヌ、わびすけこず朚䞋次郎の逆バヌゞョンずいったずころだろうか。

野球は普段右でプレヌしおいるので、噚甚さずいう点ではもはや立掟な「右利き」だが、単玔に匷い球、速い球を投げるのなら、圓然もずもずの利き手である巊で投げた方が速い。

ストラックアりッ

ノヌアりト満塁の倧ピンチから、最倧の難関ずもいうべき盞手チヌムの䞻軞のバスケ郚員を䞉振にしずめた。あず二人。

ぶっちゃけ、たった今䞉振に切っお取ったスラムダンクが䞀番の難所で、これを越えたらあずの二人は、今日の察戊を芋る限りそこたで脅嚁ずは思えないレベルだ。

勝ったな( ̄∀ ̄)

頭の䞭では、早くもご耒矎の豪華ディナヌがチラ぀き始めおいる。
䜕にしようかな♪ 和食か 掋食か 䞭華はやや苊手なものもあるが、せっかくご銳走しおくれるずいうなら、普段ならたず手を出さないようなものがいいよな。

打算ず欲にたみれながら、久々にリミッタヌをはずした巊腕をよりいっそう力匷く振る。
そしお――砎滅の音がした。

あヌあ、極䞊のディナヌがお菓子になっちゃったよ  


――ずいうこず。ここたではいいかな

バリトンノォむスのむケボをどこか遠いずころで聞いおいお、危うく聞き逃すずころだった。
いかんいかん。
意識を集䞭させお、癜衣のむケメンボむスが指で指し瀺すレントゲン写真を芋぀める。

倧䜓の説明は理解できた。
症状ずしおはわりず単玔で、芁するに「巊肩関節脱臌」。
ただ、脱臌が起きた原因に少々問題があった。

私の肩は、肩峰ず䞊腕骚骚頭の間が異様に離れおいる、俗にいうルヌズショルダヌずいう代物らしい。しかも、その離れっぷりが、詳现に研究しお孊䌚に報告したいレベルで異垞なのだずか。

心の䞭で倧きく䞀回ため息を぀く。
「○○が異垞」
「○○が人ずは違っお」
「○○がありえないこずになっおいる」――
もずもず日本では難病指定の方が尻尟を巻いお逃げおくレベルのレアな病気を持っお生たれた身䜓なので仕方ないず蚀えば仕方ないずはいえ、30幎足らずの人生の䞭でこのテンプレ、䜕十回聞いただろうか。
正盎、たたか、お感じだが、肩に぀いお蚀われるのは初めおだ。

「――なので、今埌の治療方針だけど、察症療法的には、このたたの保存療法でかたわないず思う。
ただ、このたたの状態だず、い぀たた同じように脱臌を起こすかわからないからね。特に巊肩に぀いおは、今回脱臌を起こしたこずでよりいっそう脱臌しやすくなっおるから。
今埌も野球を続けおいくのは厳しいかもしれないね」

別に野球で食っおいく぀もりは毛頭ないので、それはいい。
今回はご銳走に目がくらんで䌝家の宝刀を抜いたらそれがたさかのポンコツだったずいうだけで、今埌はそのなたくら刀は抌し入れの奥にでもしたっずけばいいだけのこずだ。

ただ、荷重に匱い肩ずいうのは少々問題だ。
職業柄、数幎に䞀床は転勀が埅っおいるわけで、そこに぀きものなのは匕越しであり、その準備で本やらCDやらを詰めた段ボヌル箱は、䜕十個あるかしれない。もはや脱臌埅ったなし、である。
匕っ越しのたびに脱臌するのでは、おちおち転勀もできやしないではないか。

「根本的に治したいなら、遞択肢は倧きく二぀」

䜇たいに嚁厳を感じさせる幎配の担圓医は、私の目の前でチョキを出す。

「䞀぀は手術」

だろうな。さすがにそれくらいは想像が぀く。いやだけど。

「もう䞀぀は」

そう、もうひず぀の遞択肢は䜕だ 少しは期埅できる方法か

「日垞の筋トレで、筋肉の鎧を䜜る。これは千代の富士ずかもやっおいる方法なんだがね」

なんず
いやいや、そんなん二択ちゃうでしょ。たあ、筋肉の鎧いうくらいやから、少々シンドい回数こなし、継続しおかなアカンのやろけど、筋トレで枈むんやったら、楜なもんだ。

「どんな筋トレですか」

前のめりの私の問いにむケボの担圓医は自らその方法を実践しお芋せおくれた。
方法自䜓は単玔だ。巊腕を盎角に曲げ、内偎にひねるようにしお肩を身䜓の内偎に入れる。これをひたすら反埩するだけ。
極めおむヌゞヌだ。

「わりず簡単そうですね。なんか、やれそうです。それ、䞀日どのくらいやればいいんですか」

「そうだな、ざっず、五千回、できれば六千回ずいったずころだろうか」

(・_・)

䞀瞬耳を疑った。
思っおたんずれロが個ちがう。
それは極めおクレむゞヌだ。

私の動揺を芋おずったのか、ドクタヌがさらに詳现な説明を始めた。

「千代の富士の堎合は、プッシュアップ、たぁ腕立お䌏せだな。これを䞀日1000回。あずダンベルの䞊䞋運動も加えおたみたいだがね。ただ、これは屈匷なアスリヌトだからこなせるのであっお、䞀般人がやるには負荷が倧きすぎるんだな」

だから、䟋の単玔な筋トレか。
た、負荷が小さくなる分、同じ筋肉鎧を䜜るのに回数が倚くなるのは道理ずいうものだ。
りルフが腕立お1000回おいうなら、般ピヌの筋トレで5000から6000、確かに決しお無茶な数字ではないのだろう。
それに、冷静に考えれば、回ストロヌク秒お単玔蚈算なら、時間集䞭すれば3600回できるわけだから、時間で7200回。匷ちアンビリバボヌなくらい時間をずられるわけでもないのか  。

ずはいえ、だ――

手術の日皋は䞀週間埌ず決定した。

――毎日6000回筋トレできるほど、私の肝は据わっおいない( ̄∀ ̄)。

今すぐここから逃げ出したいっ


手術自䜓は、特に問題なく無事終了した。
患郚を固定しお入院週間。それで問題ないようなら、デスクワヌクの日垞生掻には戻れる。

野球のピッチャヌのような旋回運動はもう厳しいかな、
結局、蚺察だけでなく手術オペも執刀しおくれたむケボの担圓医はちょっず申し蚳なさそうにそう蚀葉を濁したが、こちずら䜕も来シヌズンのドラフト指名を埅぀ような身ではないので、たるっきり無問題モりマンタむだ。

これたでの人生で、入退院は䞡手䞡足では足りないくらい繰り返しおきたので、入院ずいうこず自䜓ぞの䞍安はたるでなかった。
匷いおいうなら、初めおの病院ずいうこずず、人郚屋ずいう倧郚屋の入院が久々、その皋床のこずだ。

――なんお高をくくっおたのが甘かった、
そう気づかされたのは、入院初日の倜のこず。

自分を入れお人郚屋の人たでが埋たっおいる倧郚屋の、自分を陀く人が党員いびき持ちずいう、奇跡ずしか蚀いようがないコラボレヌション。
しかも、その声がたあデカい。
昌間は䜕回も聞き返さないず䌚話にならないくらい声の小っさい50代サラリヌマンが、おたぞ䞀䜓誰やねんずツッコみたくなるくらい打っお倉わった倧音声で、そのいびきカルテットをリヌドしおいるのだ。

ベッドから半身を起こしお苊笑いしおるトコに、倜䞭の巡回に来た看護垫ず目が合った。
眠剀甚意したしょうかず気を遣われたが、䞁重にお断りする。
経隓䞊、眠剀でカノァヌできるのはせいぜい最初の日だ。すぐに䜓が慣れお効かなくなるし、そもそもこの玠晎らしきア・カペラ軍団を前に、眠剀皋床で察抗できるずはずおも思えない。

いや、別に看護垫さんにどうこうしおくれ  ずいう゚ロい話ではなくお


奇跡ずいうものは、起きる時には立お続けに起きるのだず気づかされたのも、この入院時だった。

私が入院しお四日埌だったろうか。
人郚屋の空いおいた私の右隣のベッドに、右足骚折で地元の工業倧孊生が入院しおきた。
入院は生たれお初めおずいうこずらしく、隣がほが同幎代の私ずいうこずに少し安心した、なんお嬉しいこずを蚀っおくれる人懐こい倧孊生だ。

そしお、その倜。
いびきカルテットはいびきクむンテットぞずめでたくグレヌドアップした。

私の真正面に、件のゞキル&ハむド氏、その䞡脇を絶劙なたでにいびきでコヌル&レスポンスしよるご幎配の二人。
私の巊ずなりには䞀芋、ダの字で始たる自由業の方っぜい雰囲気のチョビヒゲ䞭幎が、きっずロックが奜きなんだろうなぁ  ず思わせる魂の叫びを挙げ続け、本日より右ずなりからも、負けじずいびきのR&B。よくよく耳をすたせば、しっかり裏拍がずれおるではないか。若いっお、いいよね。

この日から、私は倜に睡眠をずるこずを諊めた。

私の心の䞭はビッグバン


昌倜が完党に逆転したこずを陀けば入院生掻も぀぀がなく過ぎ、いよいよ、コルセットず䞉角巟で固定されおいた巊腕を解攟する時がきた。

「痺れずか違和感ずかはないかい」

盞倉わらずのバリトンむケボは、優しい蚀葉ずの盞性がいい。

「ええ、問題ないです」

今日ですべお解攟されるかず思うず、自然ずこちらの声のトヌンも䞊がっおしたう。
そしお、看護垫の介助もあり぀぀、䞉週間ぶりに巊腕が自由になった。

「じゃあ、ゆっくり腕を氎平に䞊げおみようか」

私は蚀われたずおりに、ゆっくりず巊腕を持ち䞊げ――られなかった。

それは䞍思議な䜓隓だった。手術が終わっおから今の今たで、確かに巊腕は固定されおいたが、巊の指は䜕の問題もなく動いおいる。だからこそ、巊の腕に力が入らない、どんなに頑匵っおも頑匵っおも、肩から先に力が入らない、ずいう状態の理解ができなかったのだ。
䞍安に駆られお芖線を巊に向けるが、巊腕はだらしなく垂れ䞋がったたただった。

「あれ あれ お、おかしいな」

あたりに予想倖過ぎる事態に、倧抵のこずでは驚かなくなったこの私も、さすがに動揺が隠せなかった。ずにかく意味が分からない。

「いや、力が入ら――」

䞍意にむケボの担圓医は私の䞡肩を぀かみ、その䜓勢のたたうなだれた。

「もういい。  もういい」

嘆息たでもむケボだ。

そうよ、ただ腕が動かないだけじゃない


説明を受けお、少しず぀だが事態が敎理できおきた。
かい぀たんで蚀うず、どうやら、䜕らかのトラブルで、巊胞から巊腕に぀ながる神経の䞀郚が断線しおる状態なのだそうだ。
ただ、これは恒久的なものではなく、少しず぀ではあるが回埩しおいくものだずいうこずであり、回埩を早めるためにも、たた完党に断線させないようにするためにも、これから先のリハビリが非垞に倧切だ。そういうこずらしい。

たあ、完党にむカレきったわけでないこずが分かっただけ良かった。
今はそう思うしかない。
明日から早速、リハビリに入ろう。
幎配の担圓医はバリトンノォむスに力を蟌めお、䞡手で私の䞡肩をポン、ず軜くたたいた。

枩めるこずも倧事なんやで


圓初の予定通り退院手続きをずる、ず告げるずむケボは少し意倖な衚情を浮かべた。

確かに、治療ずいっおも今できるこずはリハビリず経過芳察だけだから退院は可胜だし、デスクワヌクのみなら、やっおやれないこずもない。
それでも、少なくずもこれから䞀か月ほどは毎日の通院リハビリが必芁ずなるし、私の職堎からこの病院たでは車でも30分かかるくらい距離がある。

たしおや、目䞋のずころ巊腕は代前半の身にしお四十肩ずいう情けない状態なので、いかにデスクワヌクがメむンずはいえ、日垞生掻に支障がないかず蚀われれば、たぶん支障だらけだろう。

タむヘンじゃないか
そう心配しおくれるのはありがたかったが、自分ずしおは、ここたででも䞉週間の入院で仕事に穎開けお職堎の䞊叞や同僚たちに負担をかけおいるのだから、可胜な限り早く戻りたい、そういう気持ちが匷かった。

そしお䜕より匷く枇望しおいたこず――
そろそろ、久々にゆっくりず人間らしく倜に眠りたかったのだ。

か月ぶりに安眠できる幞せよ


ヶ月ほど、毎日の通院リハビリず週むチでの経過芳察、ずいう日々が続いた。

それたでに巊アキレス腱断裂や右ひざ前十字靭垯損傷などを経隓しおおり、リハビリの地味なシンドさはある皋床理解しおいたので、私ずさしお幎の違わない若手の理孊療法士からずおも優秀だずお耒めの蚀葉をいただくくらいに順調な毎日だった。

ただたあ、ずりあえず巊腕を氎平に䞊げるたでに玄半幎、以前ず同じレベルで自由が利くようになるのは、正盎、珟時点では日数の予想が぀かない――
そう告げられおいたずおり、最初のヶ月ではさしたる進歩もないのはいささか寂しいものがある。

「幎末はどうするんだい」

経過芳察の蚺察を終えた時に、担圓医からそう尋ねられた。
そういえば、あず䞀週間で幎が倉わる。
ずはいえ、幎末幎始は蚺察自䜓は䌑蚺だがリハビリは幎䞭無䌑でできるし、こんな䜓でわざわざ垰省する必芁もない。そう告げた。

「そうか。  よし、来週、最埌の蚺察が終わったら付き合っおくれ。リハビリを頑匵っおくれたご耒矎にキャバクラでパヌッずやろうじゃないか」

ご耒矎、ずいう蚀葉には最近あたりいい思い出がないが、たあ断る理由もない。ありがたくお受けするこずにした。

そう、もずはず蚀えば「ご耒矎」に目が眩んだのが事の発端よ。いじたしいったらありゃしない


そしお、日埌、官庁その他では埡甚玍めずなる日、垂立病院であるこの病院も、蚺察自䜓は今日で埡甚玍めだ。
い぀ものように経過芳察ず理孊療法宀でのリハビリメニュヌをこなし、むケボの先生の勀務終了を埅っお、ずもにタクシヌを飛ばした。 

か぀おは鉄で栄えおいたらしいが、今は人口も枛少の䞀途をたどっおいるこの街にそんなこじゃれたキャバレヌなんおあっただろうか
――なんお疑問が湧きもしたが、じきにタクシヌは先生埡甚達のキャバレヌ「スナック竜宮城 (仮名)」ぞ到着。
質玠な倖構えず堎末感の挂う看板を芋お䞀瞬苊笑を挏らしそうになったが、たあ、もおなしおくれるずいう気持ちが嬉しいので、现かいこずはこの際どうでもいい。

いや、「キャバレヌ」お、先生ww それ、JAROっおなんゞャロ、やで

しかし、意倖ずいっおは倱瀌だが、意倖にも䞭は広くお小綺麗だった。
䞀応、女性スタッフが二人お付きで぀いおくれおもいる。

「か月間、リハビリご苊劎さた。ただただタむヘンだろうけど、頑匵っおくれ、な」
「ありがずうございたす」

こうしお、少々おかしな取り合わせではあるが、この幎最埌の忘幎䌚が静かに始たった。

遠慮せずどんどん食べおくれ。飲んでくれ。今日は私がご銳走するんだから本圓に遠慮はいらないぞ。景気よくそう蚀いながら、自身もわりずハむペヌスでりむスキヌの杯を重ねおいく副院長。
――そう、このむケボの担圓医、敎圢倖科の郚長にしお病院党䜓では副院長ずいうポゞションだったのだ。そら䜇たいに嚁厳あるわけだ。

せっかくなのでこちらも遠慮なく食べたいものは食べたいずころだが、蚀うおもこういう店はお腹を満たすための堎所ではない。どちらかず蚀えばお腹を満たした埌に来る堎所である。
そしお、本来、メむンであるはずの飲む方に぀いおは、私は目に障害を抱えおいるので、アルコヌルは付き合いの也杯皋床が限界で、あずは基本NGだ。

ならば歌え、奜きなだけ歌え。ず副院長。
かなりいい感じに酔いが回っおきおはる。
  たあ、副院長いうたら管理職だからなあ、それ盞応にストレスたたる毎日だろうし、今日で埡甚玍めずなれば、そりゃアルコヌルも進むか。

今なら、歌え蚀われたら、蚀われるたでもなく゚ンドレスで時間時間は平気な私だが、20代前半のこの頃はただ、
カラオケなんお䞀䜓い぀以来だ(゜o゜)
  おいうレベルだったので、マトモに歌えるレパヌトリヌなんおほがなっしんぐだ。それでも歌えず蚀われるもんだから、困り果おた末に、プロ野球のパ・リヌグの球団応揎歌を順番に球団歌い始める始末。

これは、意倖ずりケたわ☆

ひずしきりりケもずれたし、あずはゆっくりチビチビずやりたすかね。
歌唱匷芁も終了し、おいうか、
――副院長、いささかお酒が過ぎおたせん――
こっちがちょっず心配になるくらいアルコヌルが回り、もはや泥酔䞀歩手前ずいう颚情で゜ファに埋没しかけおおられる。

たあ、日付が倉わるくらいたでゆっくりしたらお開きだな。
そんな颚に蚈算しながら、゜フトドリンクず也きものをちょこちょこず぀たむ。
ホステスさんたちのお話を聞いおは、たたに盞槌をう぀。
それだけでなんずなく心が和んでいた。
この職に就く前は幎ほど倜の䞖界でも働いおいたので、正盎、こういう雰囲気には懐かしさにも䌌た居心地の良さを感じるくらいだった。

「倧䜓だなぁ」

いきなり副院長、埩掻(・_・)

「倧䜓、最近の若い医者はなっずらんっ」

はい(゜o゜)

「今日だっお、手術オペ䞊がりで入院した担圓患者がいるのに、考えなしにずっずず垰省しよっお」

なんやしらんが、愚痎り始めよったぞ  

「日頃から、飲むにしたっおだな、すぐに戻れる範囲内で飲たなくおどうするっおのよ」
「先生、ちょっず酔っぱらっちゃったかな。たあたあ、そのくらいにしお」
「そう、倧䜓、キミの手術の時だっお、本来だったら、なヌんの倉哲もない手術オペだったんだ。なのに、あのバカがいらんトコ、ギュヌッお抑えお、気が぀いたらずんでもないこずになっおる。
もう、激怒だね、激怒。
もういいおたえは䜕もしないでいいから、そこに立っおろ垫長コむツず替わっおくれ」

はい(・_・)
今、さりげなく、すっげえ問題発蚀しおたせんでしたか 副院長  。

「すたんなあ、すたん。ホントはこんなこずにならんかったんだよ。本圓にすたん」

  んヌず  。

少し涙声になったバリトンノォむスは、぀いにそのたた本栌的に寝おしたった。

私は、酔い぀ぶれた担圓医をしばらくじっず眺めおいた。

――た、いいか。
ここは聞かなかったこずにするのがいい。

恐らく、手術オペでやらかしちゃったのは若い倖科医だろう。誰かずいうのもなんずなく芋圓が぀く。
で、もし自分の想像どおりのその人だずすれば、手術オペの最䞭にポゞションを看護垫長オペかんに替われだの、そこで立っおろだの、もずもず高い錻を盞圓ぞし折られたこずだろう。

髪型は『癜い巚頭』の江口掋介だったけど、態床の䞍遜さは唐沢寿明だったなぁ  

勿論、この発蚀が真実なら、間違いなく医療過誀だ。
ただ、目の前で寝息を立おおいる圌の敎圢倖科郚長&副院長ずいう立堎を考えたら、ここで医療過誀が発芚するこずのダメヌゞは蚈り知れない。
立堎䞊、この先生も盞圓な凊分を受けるだろう。
最悪、職を倱うかもしれない。

経緯の詳现はよヌ分からんけど、泚意すれば防げる類のミスのようだ。だったらこのこずを反省材料に䜿っおもらった方がいい。

幞いにしお私の呜には別条ないし、リハビリ次第で元に戻れる公算も高い。それに、こちずら、もずもずお釣りの人生を延長戊で生きおる身なんだからしお、呜があるだけでもめっけものなのだ。

日付が倉わる頃、私は、完党に酔い぀ぶれたむケボの担圓医に右肩を貞し、もう片方をタクシヌの運ちゃんに手䌝っおもらいながら、「キャバレヌ」(笑) を埌にしお垰途に着いた。

だから先生、どう考えおも「キャバレヌ」ちゃうおww

先生を先に自宅ぞず送り、それから自分の公宅ぞず向かっおもらう。
玄束通り「キャバレヌ」での支払いは酔い぀ぶれる前に払っおくれおいた。

それだけで十分。ごちそうさた、先生。

――おっず、着いたようだ。
今日は久々にちょっず倚めにアルコヌルが入ったからなぁ。
いささか目の奥が痛い。

「いくらですか」
痛い目をしばしばさせながら、財垃から千円札を抜き取る。

「えヌず、14,800円になりたす」


(・_・)?

片田舎のタクシヌの深倜割増をナメちゃいけないわ


  た、いいか。


🎵 出おきた 出おきた 山芪爺ぃ
🎵 笹の葉担いで シャケしょっおぇ
🎵 スキヌに乗った 山芪爺ぃ
🎵 千秋庵の山芪爺ぃ


さすがに今日は、〆の䞀曲をセレクトするには時間がたりない💊💊

これは、明日以降に掚敲せなアカンやろなぁ  

みなさん、良いお幎を。

さすがに早くない ただ垫走に入ったばかりよ


2025幎月远蚘


  さお、オリゞナルでは〆の䞀曲をセレクトする時間的䜙裕がなっしんぐだったので、远蚘で䞀曲👆

盎䞊の賑やかし垯に䜕の気なしに入れたキャプションの歌詞を芋おしたった人の䞭には、
はおさおふむ(・_・)
ず頭䞊にハテナマヌクを倧量発生させる方が倧倚数だず思われるので、その説明的なものも含めお――

(分秒)

これ、道産子ならテレビのCМで䞀床は目にしたこずがあるだろう、千秋庵の『山芪爺』( ̄∀ ̄)🎵

  た、実物を食べたこずは䞀床もないけどね^m^


いや、ないんかい

#なんのはなしですか
#どうかしおいるずしか
#どうでもいいか
#ワクワクがあふれだす
#賑やかし垯


■ おたけ

今回の画像しりずり列車 (156䞡目) の前の車䞡です。タむトル「勝負垫ず右䞋のネタ画像でなにこれお匕っかかりを芚えた方がおられたしたら時間が蚱すような時にでも、芗いおみおやっおください。




いいなず思ったら応揎しよう

束平雅楜守 こんなダラダラず長ったらしい蚘事に最埌たで目を通しおいただき、その忍耐匷さず博愛の埡心にひたすら感謝☆です ありがずうございたす ご芧いただけただけで幞甚この䞊なっしんぐなので サポヌトは、私なんかではなくぜひぜひ他の優れたnoteクリ゚むタヌさんぞプリヌズ(^o^)♪

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