「もう名古屋から出てけ」――ピサノに海外へ行ってほしい理由
小久保玲央ブライアンが日本代表で先発した。

それを見ていて、真っ先に思ったのが
名古屋グランパスの
ピサノ・アレックス幸冬堀尾
のことだった。
これ、日本代表への道がまたひとつ険しくなったな...
と。
でも同時に思った。
だからこそ、ピサノは名古屋から出ていってほしい。
もちろん「いらない」という意味ではない。
逆だ。
もっと上に行くために、だ。
小久保が日本代表で先発した
9月28日のベネズエラ戦。
日本代表のGKとして先発したのは小久保玲央ブライアンだった。
前半45分をプレーし、後半から鈴木彩艶に交代した。
日本は2−1で勝った。
JFAの公式記録でも確認できる。
今回の日本代表GKを見ると、
鈴木彩艶
小久保玲央ブライアン
早川友基
という並びになっている。
ここにピサノが入っていく。
かなり大変だ。
しかもピサノは年代別代表でも、現時点で絶対的な正GKという位置ではない。
そこで思った。
名古屋で「将来が楽しみなGK」をやっている時間は、そんなに長くないんじゃないか。
ピサノは怖いGKだと思う
名古屋サポの間でピサノを見ていると、よく出てくるのが、
「怖い」
という感覚だ。
これはシュートストップの話ではない。
パス回しとポジショニングだ。
ピサノはかなり攻撃的にボールを動かす。
相手が前から来ているのにDFへつなぐ。
自分も高い位置まで出ていく。
「そこに立つの?」
「そこでつなぐの?」
と見ている側がヒヤヒヤする。
もちろん、実際にミスをすれば即失点につながる。
中盤の選手がパスを一本ミスするのとは違う。
GKの場合は、後ろに誰もいない。
だから余計に怖く見える。
でも、自分はむしろそこがピサノの面白いところだと思っている。
「危ないからやめろ」で終わらせてほしくない
GKというと、日本ではどうしても、
シュートを止める
ハイボールを取る
ミスをしない
というところに目が行く。
もちろん全部大事だ。
ただ今のサッカーでは、
GKも攻撃のスタート地点
になる。
DFの後ろに立ってボールを受ける。
相手がプレスに来たら、一人引きつけてパスを出す。
最終ラインの後ろを広く守る。
つまりGKもフィールドプレーヤーみたいにボールを扱う。
ピサノがやっていることは、その方向にかなり振れている。
だから怖い。
ただ、自分としては、
「危ないからやめろ」ではなく、「そのプレーをもっと上手くしろ」
と思う。
そこを消して普通のGKになってしまったら、ピサノの「面白さ」まで消えてしまう。
だからシュミット・ダニエルなのか
ここでシュミット・ダニエルの存在が面白くなる。
現在の名古屋のGK陣は、シュミットが背番号1、ピサノが35。
で、武田もおるよ。
シュミットは34歳、ピサノは20歳だ。
名古屋が公式に、
「ピサノを育てるためにシュミットを獲った」
と言っているわけではない。
だから、そこは自分の見方だ。
でもピサノにとって、シュミットから学べるものはかなりあると思う。
シュミットも足元を使うGKだ。
ゴール前だけに張り付くタイプではない。
だったらピサノは、かなり近いところで実物を見られる。
どこまで前へ出るのか。
いつつなぐのか。
いつ蹴るのか。
危険を感じたら、どこでプレーを切るのか。
ピサノに必要なのは、たぶん
「攻撃的なGKをやめること」
ではない。
攻撃的なGKのまま、危険と安全を見分ける精度を上げることだと思う。
ただし、ずっと学んでいるだけでは困る
問題はここだ。
シュミットの後ろで勉強していればいい、では終わらない。
ピサノはもう20歳だ。
今後、日本代表を本気で狙うなら、どこかで毎週試合に出ないといけない。
鈴木彩艶はすでに日本代表の中心にいる。
小久保玲央ブライアンも今回A代表で先発した。
その二人と競争するなら、
「将来性があります」
だけでは足りない。
試合で何度も判断して、
ミスして、
修正して、
また試合に出る。
GKは特に、この繰り返しが必要になる。
だから自分は、
もう名古屋から出てけよ。
と思う。
いや、名古屋サポとしてだ。
「出てけ」は期待の裏返し
普通なら「出てけ」はかなり悪い言葉だ。
でも今回は意味が違う。
名古屋でベンチに座り続けるくらいなら、外へ出てほしい。
国内でもいい。
海外ならもっと面白い。
大事なのはクラブの名前ではなく、試合に出られることだと思う。
もちろん海外へ行けば自動的に成長するわけではない。
移籍してベンチなら意味がない。
だから条件はひとつ。
正GKとして試合に出られるところへ行く。
コーチである「楢さん」やシュミットから盗めるものを盗る。
そして、その先は自分で試合を経験する。
その流れが一番いい。
日本代表に入るなら「普通のGK」では足りない
鈴木彩艶がいる。
小久保玲央ブライアンも出てきた。
だからピサノが日本代表まで行くなら、
「大きくて、シュートを止められる若手GK」
だけでは厳しい。
むしろ今、名古屋サポが怖がっている部分。
前へ出る。
つなぐ。
相手のプレスを外す。
高い位置を取る。
そこが武器になる可能性がある。
もちろん今はリスクも大きい。
だからこそ消すのではなく、磨いてほしい。
小久保が日本代表で先発した試合を見ていて、ピサノに立ちはだかる壁がまた高くなったように感じた。
でも、それでいい。
壁が高いなら、名古屋の中だけで競争していても仕方がない。
シュミットから学ぶ。
試合に出る。
できれば海外へ行く。
そして、あの怖いくらい攻撃的なGKのまま、日本代表まで上がってくる。
名古屋サポとしては、その方がずっと面白い。
だから言う。
ピサノ、もう名古屋から出てけ。
もちろん、もっと上へ行くために。

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(了)
