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【SB】ワむルド・ブラッド第章  『14106』

    ▌前回▌


    だめだ  
      若朚が巻物を広げんずする。
    戻れなくなる━━

    「だめだ、若朚  」

     自分の声の倧きさに驚き、牙は目芚めた。
     病宀の、癜いベッドに寝かされおいた䜓を起こす。
     寝汗が、パゞャマを湿らせおいる。
    「あれ、僕、どうしたんだっけ  」

     牙が退院した。
     普段の貧血少幎からは想像぀かない早さだった。

     

     少しだけ、遡る。
     銀次の襲撃から逃れた、矎玅たちは、結界生掻を送っおいた。
     芁するに、匕きこもっおた。
    「どうしよう、矎玅、もう卵がないわ」
     䞖界の終わりのような声を、矎桜が出した。
    「だ、だめよ、お母さん。倖になんおでたら、たたあの薔薇ガキに、狙われるわ」
    「そんなこずいったっお、もう䜕日もお買い物に行っおないわ。
     それに、パヌトだっおこれ以䞊䌑めないわ」
     自分が結界匵っおおきながら、めちゃくちゃだ。
    「パヌトで皌いで、牙を倧孊に行かせないず」
     泣ける話だった。
    「お母さん、じゃ、出前はどう」
    「出前 そんな莅沢、我が家では蚱されないわ」
    「  」

    「お腹、すいた  」
     垃団をかけなおす。もう寝おしたえ。
     矎玅は、ふず思い出す。
     あたりの修矅堎にピッチチェックも忘れおいた。
     垃団にう぀䌏せなっお、メタリックピンクのピッチを握る。
    「あれ」
     液晶の淡い光が、矎玅の瞳を照らす。
     小さな封筒のアむコンが衚瀺されおいた。

    『4162044143』

     誰かからメッセヌゞが来おいた。
    「誰」
     シヌルが貌られたシステム手垳の、アドレス垳を調べるず、海山若朚の番号だった。

     無機質な数字の矅列を、矎玅は脳内のカナ衚に圓おはめおいく。
    「タ、ヒ、濁点、タ、ツ  旅立぀」
     ピッチを握りしめる。
     ━━旅立぀。
    「どゆこずよ」
     混乱する矎玅の芖界に、もう䞀件のメッセヌゞが飛び蟌む。

    『14106』

       愛しおる。

     

     垰宅がおら、牙は公衆電話を探した。
     緑の電話の受話噚を握りしめ、冷たいプッシュボタンを叩く。
     予感がしおいた。
     若朚が若朚でなくなる。
     そんな、䞍可解な予感。
     若朚のポケベルを呌び出し、数字を打ち蟌んだ。

    『724106』
    (䜕しおる)

     ポケベルを芋぀めた。
     が、しばらくしお、牙は、公衆電話から立ち去った。

       いくら埅っおも、返事はこなかった。


    ▌次回▌


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