メインコンテンツへスキップ
見出し画像

Realigi (レアリーギ)━━世界が誰もに微笑むなら━━ 0|序章

     夜の海はいい。昼の海や空━━青。それを黒く隠してくれるから。
     揺れる波を船尾から眺め、彼は紫の瞳を静かに伏せる。
     十五年過ごした島から遠ざかり続ける船のデッキで、呟いたのは、生涯でただ一人、愛した女性の名前……
    「何をしている!?」
     少年は穏やかな笑みを浮かべ、やってきた青の瞳の人々を振り返る。
    「奴隷《どれい》の分際で、勝手な行動は・・・・・・」
     軽やかな鳥のように、彼は欄干《らんかん》を乗り越える。僅《わず》かに足を踏み出せば、海へ転落するであろうその場所で、少年はやはり奇妙に凪《な》いだ瞳をしている。
     その紫色の瞳からしずくのような戻が、海風に乗り、空に散る。
     母なる海は、両腕を広げ、やってくる我が子を抱きしめた━━……


    第一部 第一章 第一話 「生きているのですよ」

     
     
     
    イラストと小説を創作しています。 青春恋愛やファンタジー、少し不思議な物語を中心に執筆・制作中。 🎨手描き原画・イラスト販売中(BOOTH) 📖全作品ガイドは固定記事へ 🔗VLINKから各サイトへ

    あなたへのおすすめ