
高天原からの密命4 真相版② 味耜高彦根命『密命は次世代へと引き継がれた』
◯味耜高彦根命
このシリーズで既に記した通り、この神は大国主命の子神でありながら記紀の国譲りの場面にはほとんど登場しません。
これはとても不思議ではないですかね?
ですが、やはりこれも事前に予定していた通り、シナリオの通りだとしたらどう思いますかね?
この神は出雲の神ですが、嘗ての古代祭祀族「鴨氏」と非常に緊密な関係にあります。
鴨氏の本拠地とされるのが葛城地方(現:奈良県御所市)。ここに鎮座する高鴨神社は鴨氏が祀った神社です。

そしてここで主祀神として祀られているのが「迦毛大御神」(カモノオオミカミ)。
この神の正体、誰だと思います?
味耜高彦根命、なんです。
鴨氏が古代から祀っている祖神です。
「高鴨神社」は通称で、正式名は「高鴨阿治須岐託彦根命(タカガモアジスキタカヒコネノミコト)神社」
でも皆さん、何で出雲の神が大和国葛城の祭祀族の祖神なのか、大変疑問に思いますよね。
これには色々な説が有りますが、その中の一つに下記の様な説が。
鴨氏とはその出自が出雲族であり、出雲から葛城地方へ移動してきた一派である。
これは味耜高彦根命が地元の出雲人の一部を率いて葛城へ移動した、ことのようです。
だからだと思いますが、実は鴨氏と出雲族には共通点が有ります。
それは両方共に祭祀一族であること、そして古代から共に高い製鉄技術を持っていたこと。
古代の葛城の製鉄は、出雲のたたら製鉄とは違い、近くからはあまり砂鉄が取れないため「くず鉄(破片など)」を一度溶かし直して、良質な鉄器に再加工する「精錬・鍛冶技術」が主流。
近くには製鉄遺跡も発見されています。

西に葛城山、金剛山
南には大動脈、紀の川が流れています
※民族学伝承ひろいあげ事典 より
ここで以下の構図が成り立ちませんかね?
……味耜高彦根命は
父の大国主命の指示により、天津神との統合に向けて出雲から東方へ、更なる拠点作りを担当
➜それで一部の出雲人を率い、瀬戸内海へ出て摂津(大阪)辺りに行き着く
➜摂津から近い葛城地方は、葛城山からの豊富な水があり、紀の川などの水脈も近くにあるので、そこに統合のための拠点作りを始める
➜瀬戸内海や紀の川などの航路を使い、出雲から豊富な鉄くずを運び入れ、葛城の製鉄産業を発展させて地盤を固める
もし、この構図だとすれば
国譲りの時は葛城に滞在していたのかもしれません。だからその場面には登場しなかった、と。
ですがもう一つ、別の見方が。
こっちの方がより現実味が有るかもしれませんが😅
皆さんもご存知の通り、鴨氏はその後の日本において大変重要な祭祀一族となります。
京都に下鴨神社や上賀茂神社を建て、律令制においては国家機関の一つである陰陽寮で朝廷に仕え、天文学、暦の編纂や吉凶を占う陰陽師の主流となった一族。

この方の師匠は賀茂(鴨)氏
この様に国家に大変な影響力を持つ祭祀一族である鴨氏。そしてその祖神にあたる味耜高彦根命。
もしこの神がホントは国譲りの場面に登場していたとしても
悪いイメージ(負けた側の神)のまま記紀に記すことは到底出来るわけがない。だから最初から登場させないことにしよう
との、当時の国家による政治的配慮が有ったのでは、とも考えられます。
次回も密命を引き継いだ神々について記します。(「高天原からの密命4 真相版③」へ続く)