2025年のうた
九月
なにもかもうまくいかないことばかりみのひとつだにあらぬかなしみ
あんたの間抜け目笊で勝手にふるいにかけられるのはまっぴらだ
韻を踏みおんなじようなことばかり繰り返すより先へとすすめ
まだ子どもたちは夏休み気分が抜けていない長月朔日
浄瑠璃がきたというだけで打ちこわししてた手がとまる江戸の町
ひっくり返る瞬間を待っている命を捧げそれを見つける
まだ存在していないわたし来世でわたしの手を握ってほしい
落っこちてしまわぬように細い松葉にしがみつく蝉の脱け殻
最も暑かった今年の夏おそらく来年も最も暑い
田んぼのうえを横ぎってゆく赤とんぼ電線にとまる雉鳩