2024年のうた
第一期 冬・春
新年やまたふるさとが遠くなる二〇世紀は記憶のかなた
元日のポストはまるでオルゴールどこであけてもあけおめことよろ
かためを買った歯ブラシがあんまりかたくなかったのこれも時代か
力尽き年を越せずに一一時一一分で止まった時計
ごま煎餅をもらったひととあげたひと因縁のあるあの二人
つぎつぎと地震津波の情報が画面のうえで白くまたたく
百万の顔なき顔の虚ろな笑顔理性の時代こえた先
ギャラリーにひしめくイメージの種牡馬たちが見やる恥辱の痕跡
ブーニンのドキュメンタリー以降の録画の予約はみなキャンセルに
正月二日のいやな匂いと音と不穏な気配のする朝に