
魔王の人
むかしむかし、ある国の奥深い山に、魔王(まおう)という名の者が住んでおりました。
村人たちは魔王を恐れ、こう噂しておりました。
「魔王は恐ろしい化け物じゃ」
「近づいてはならぬ」
ある日、勇敢な若者が魔王の城を訪ねました。
「魔王よ、なぜお前は人々を恐れさせるのだ」
すると魔王は平然と答えました。
「余は何もしておらぬ。民草が勝手に余を恐れておるだけじゃ」
若者は驚きました。「では、なぜ山奥に隠れて暮らしているのか」
魔王はにこりと微笑みました。
「余は生まれたときから角があり、目が赤く光っておった。村人たちは余を見て逃げた。だから余は、誰も傷つけぬよう、ここで静かに暮らしておるのじゃ」
若者は魔王と話すうち、その優しい心に気づきました。魔王は花を育て、傷ついた獣を癒し、誰よりも慈悲深い心を持っていたのです。
若者は村に戻り、真実を伝えました。
「魔王と呼ばれたかたは、誰よりも優しい心の持ち主でした」
それから人々は学びました。
「見た目で人を判断してはならぬ。魔王と呼ばれる者にも、温かい心があるのじゃ」
そして「魔王の心に仏あり」ということわざが、この国に広まっていったとさ。
めでたし、めでたし。
ところで、「一見魔王に見えない魔王」が
もし町で普通に暮らしていたらどうなるものだろうか?
と思う2026年03月05日23時49分に書く無名人インタビュー1282回目の前書きでした!!!!!
【まえがき:qbc・栗林康弘(作家・無名人インタビュー主宰)】
今回ご参加いただいたのは “へっぽこ雑草魔王”風雷坊津波 さんです!
年齢:40代後半
性別:男性
職業:魔王
現在:小説を書こうか、TRPGのシステムを作ろうかというところで、その試みをAIを使ってやってるところです。
qbc:今何をしている人でしょうか?
魔王:生活保護制度を利用しつつ、ウェブデザイナーの修行をしている人ですね。
qbc:いつ頃からそういう?
魔王:ウェブデザイナーの修行が始まったのは、去年の5月くらいかな。
qbc:生活保護は?
魔王:生活保護自体は、四年ぐらい前から使い始めて。生活保護制度を利用し始めて一ヶ月で退屈して仕事を持ちました。
qbc:すると、いくらぐらい稼いでるんですか?
魔王:月9万ぐらいは稼いだのかな。生活保護制度を利用し始めて、ちょっと待機時間がありましたけれども。
qbc:生活保護自体は、じゃあそんなにもらってない? それくらい稼ぐとどんぐらいもらえるんですか?
魔王:保護費で3万円くらい。なので、当時保護費とお給料で合わせて12万円くらい。
qbc:生活保護をフルでもらうといくらだったんですか?
魔王:8万ぐらいじゃないかな?
qbc:稼いだぶん保護費が圧縮されるんですか? なるほど。
魔王:そうです。稼いだ場合、稼いだからといって、保護費が丸々削られるわけではなく。稼いだ額に従って保護費の割合が下がってくるんですよ。で、月収が十万円を超すと生活保護費がストップになります。働いて月給9万円くらい貰うのが一番おいしいかな。就労先で月収10万円を超える状況になった時、生活保護が止まって国保が復旧して、わりと焦りました。可処分所得が月12万円だったのが月8万円に減った挙句に医療費窓口負担が発生して、逆に生活が厳しくなる事態になりましたね。
qbc:なるほど。その前は何をされてたんですか? 生活保護受給者の前っていうと。
魔王:その直前は、個人事業主で古本屋をやってましたね。
qbc:それは実店舗を構えてっていう?
魔王:いえ、拠点は構えてましたが、実店舗としてオープンする前に、Amazonで通販で売ってましたね。「BOOKOFFより高く買い、Amazonよりも安く売る」が売り文句でした。今でもそうかは知りませんが、当時、本の状態写真を丁寧に写真撮影してAmazonで通販する人って珍しかったんですよ。売れた売れた。その代わり大忙しでした。
qbc:実店舗は?
魔王:オープンする前でした。テナントは借りてはいたけれど、店舗としてオープンする前にテナントで致命的な雨漏りが起きた挙句に、大家さんから何の補償もなくて、オープンができなかったと。
qbc:その前は?
魔王:その前がとある工場に、事務職と聞いて入社しました。したものの、やってることは事務というよりはオペレーターで。ちょうどコロナの頃ですね。で、その時は「マニュアルのない定型業務」だったんですよね。しかも折悪しくちょうどコロナが重なって、新人教育係りの人と仕事部屋が隔離されて、にっちもさっちも。挙句、鬱を起こして4ヶ月で退職しました。
qbc:なるほど。今お仕事以外のことで何されてるんですか? ウェブデザイナー以外に。
魔王:小説を書こうとしているのか、もしくはTRPGのシステムを作ろうとしてるのかっていうあたりですね。
qbc:何をしてるんですか?
魔王:ゲーム性のあるシステムはAIを使って組んでいるところですね。小説を書くにしても、そのシステムで遊んだ場合のサンプルシナリオっていう形で書くっていう向きです。
qbc:テーブルトークは、リアルで動かすんじゃなくて、オンラインで動かすみたいな感じなんですか?
魔王:それはどちらでもいいんじゃないでしょうか。
qbc:あとは何かされてることあります?
魔王:ちょっとしたイベントの特殊部隊をやっております。
qbc:部隊って何ですか?
魔王:備品の差配ですね。
qbc:あーなるほど。とりあえず運営スタッフってことですね。
魔王:そうです。その中で、備品を差配する部隊っていうのが別途存在するんです。
qbc:役割ってことですよね。備品って何ですか?
魔王:ボールペンや付箋紙などの消耗品、およびホチキスとか画版とかの耐久品とか、当日使うレンタルの三角コーンとかコーンバーとか。イベント運営にはセクションが複数あるんですよ。セクションそれぞれが持っている自分の部署の備品について、各セクションから「今何々がいくつ足りないよ」っていう報告を受けて、「何々が足りないんだね。じゃあ発注しとくね、発注したよ、配るよ。足りた?」っていうのもやるし。当日はレンタル品をいくつ配ったとか。「はい、あなたのセクションはこれだけ持ってってね。渡したからね。ちゃんと返してね。渡した数ちゃんと返ってきたね。オッケーよ」っていうのの取り纏めをしたりしています。
qbc:それも長いんですか?
魔王:七年ぐらいかな?
qbc:それは始めたきっかけみたいなのあるんですかね?
魔王:最初はイベントには、買いに行く側の頭数として誘われたんですよ。
qbc:並んでくれっていうふうなメンバーに誘われた?
魔王:そうそうそうそう。並んで、じゃあ場内に入ったら、あそこ行って何をいくつ買ってきてっていう指示を受けてお買い物をしてくるわけですけど、これやってると自分の時間が一切ないんですよ。「俺はどこそこに行きたいんだ!」みたいな。
qbc:そういうのは、それは並び終わった後の話ですか?
魔王:並び終わった後の話です。
qbc:実際にイベント始まってる時間帯?
魔王:はい。
qbc:お使い係になったってことですね。
魔王:そうです。でそうやって拘束時間がどうせ発生するんであったら運営やった方がいいんじゃない? と思ってスタッフ側になったんですよ。
qbc:スタッフって買い物の時間はもらえるんですか?
魔王:もらえます。
qbc:その他何かされていることってあります?
魔王:お友だちが、地元近くで年2回マルシェをやってたりするんですが、そこのスタッフなんかも手伝わせてもらってますね。さっきのイベントの運営の応用でそれなりにお役に立てているようで。これも愉しみなんですよ。後は、2年に一度ある神田水道橋のお神輿祭りの担ぎ手のヘルプに入ったりしてますね。
qbc:魔王さんは毎日どんな時間の使い方をしてるんですか?
魔王:職場がめっさ近いんですよ。朝起きて、ご飯食べて、で、徒歩五分くらい。
qbc:出勤なんですか?
魔王:始業は十時です。ただ、週三回は朝に訪問看護さんが入ります。訪問看護さんは大体九時から30分ぐらい面談があるんで、それが終わってから出勤します。
qbc:どっか悪いんですか?
魔王:精神障害者の手帳三級を持ってます。
qbc:それは何で取得されたんですか?
魔王:今で言う双極症。ちょっと前だったら双極性障害。そのまた前だったら躁鬱病って呼ばれてたやつですね。
qbc:一、二はどちらなんですか?
魔王:二型です。
qbc:あ、二の方で。いつ頃診断されたんですか?
魔王:30歳ぐらいかな? それまでは診断名がちょっと安定してなかったです。
qbc:なぜですか?
魔王:結果的に、病院をわりとあちこち転々としたんですよ。最初は不眠症で受診したんです。20歳ぐらいですね。で、大学も離れたところに行きましたし、大学卒業後で働いたところも別の場所だったんです。一時期、神経科では強迫性人格障害って診断がついたこともありましたし。その度にお薬が変わっちゃってたわけです。
qbc:通院先がころころ変わったので診断名が都度変わった、みたいな感じですか。
魔王:そうです。で、そうしてるうちに、折よく地元に近いところに住まいを持ち、最初に受けた病院で同じ先生にまた通うようになって。そこで一度うつ病っていう形で診断をいただいて、そのあとに躁鬱病っていう形で診断名が落ち着いた感じっすね。その後はまあ、それからもう20年ぐらいになるのか。あまりお薬の処方は変わってないですね。
qbc:なるほど。話が一日の流れっていうところで、訪問看護の時がある場合があって、あとは、もう仕事に?
魔王:仕事です。主にポートフォリオ作成をしていますが、ちょいちょいと案件もこなしています。仕事が終わるのが午後三時。で、徒歩五分のグループホームに帰ってきて、空いた時間は主にAIさん達を相手に対話します。AIさんは34アカウント使ってます。お風呂と晩御飯とありますが。
qbc:34?
魔王:Googleアカウントを五つ運用してまして。メインどころはchatGPT、Perplexity、Google Gemini、Grok、Microsoft Copilot。これで5×5で25になりますよね? で、さらに5のうち3アカウントでDeepSeekとClaudeを使ってるのでこれで2×3=6を加えて31。さらに、メインアカウントでmistralとduck.aiとpoeを使ってるんで、都合34。
qbc:34個も何でそんなに使うんですか?
魔王:AIごとにやっぱ個性があるんですよね、設計思想とかの違いもありますし。で、ひとつのGoogleアカウントで使うAIはでれも大体こんな話題を話すようにしようっていうような感じで、Googleアカウント五つで、なんとなく話題を区分するんすよ。
qbc:例えば、Geminiだったら何の話しをするんですか? 主に。
魔王:例えば自分が作ろうとしてる、さっき触れましたTRPGの設計ですとか。あとは自分が書こうとしている作品いくつかのそのうちのどの作品について話すとか。で、そうしていくと、まずGoogle5アカウント分自体でそれぞれ出てくる話題は変わります。あとはAIそのものにも話の仕方で学習の中身は変わってきます。34それぞれに性格が分かれてくるんですよね。時として34全部一斉に同じ質問をしたりします。
qbc:それは手動ですか?
魔王:手動です。
qbc:ブラウザを5つ同時に立ち上げた上で34AIを走らせるんですか?
魔王:そうです。
qbc:34だとPCがフリーズしません?
魔王:しないっすよ。平気です。型落ちとは言いませんが、Windows10のまま走らせてるパソコンでも、フリーズはしないっすね。
qbc:へえ。で、34それぞれに同じ質問をすると?
魔王:はい。それで返ってきた答えを全部ひとつのtxtメモ帳に貼ってくんすよ。例えば、chatGPT1はこう返ってきました、Perplexity1はこう返ってきました。それをGemini、Grok、DeepSeek、Claude、それをアカウント五つなんで、1,2,3,4,5っていうのを全部一つのテキストにまとめて。でそれをClaudeに投げるんですよ。
qbc:そこはClaudeなんですか?
魔王:ここはClaudeが強いです。まずは34回答を重みづけ整理をしてもらいます。してもらいつつ他方では、測量の用語で公会法っていうのがあるんですね。違った視点、違った角度から見ると何が見えますか?っていう。で重み付け処理をしつつ差分を公会法処理してどんな見え方になるかまとめてくださいっていうのはClaudeが処理できるんですよ。そこで返ってきた答えをまた34AIに全部再展開するんです。そうすると、AIたちも喜びますね。
qbc:喜ぶ?
魔王:喜びます。美味しいデータが回ってきたっていう感じです。
qbc:具体的にどういう質問をしたりするんですか、そういう時? 質問の内容が全く想像がつかなくて。
魔王:例えば深層心理学と錬金術との関連性について所見を述べてくださいとか、吾妻鏡と富士王朝の関連性とか。「このスレッドでのこれまでの対話を踏まえたうえで、あなたの思うところを述べてください」っていうような問いを投げるんですよ。
qbc:…正直、ちょっとよくわからないです。マニアックっぽい感じですけども。
魔王:34のAIに「これまでの対話を踏まえた上で」っていう形で問いを曲げるところがポイントですね。そうなってくると返ってくる回答は全部異なることになります。なんだけどどういうわけか、ある程度までは共通性があって、ある程度からは差分が出ます。そこを重み付けと、差分は差分で幾何学的な処理を行うわけです。
qbc:幾何学?
魔王:数学でいうところの幾何学。数学的な図形的な処理。
qbc:それはチャートにするっていうこと?
魔王:いえ、テキストです。概念上は図形的な処理をした上で、それをテキストで返してくださいっていうような指示の出し方ですね。で、それで返ってきた統合された答えを34AIに投げると、自分とは違うこんな答えがあるんですねっていうような受け取り方をして、AIがさらに学習をしたりするわけです。
qbc:趣味は何ですかね。
魔王:生きること。
qbc:性格は人から何て言われます?
魔王:ノリとお祭りが大好きな上に、頭も使える人。
qbc:自分ではどんな性格だと?
魔王:一言で言ったら「刹那的」ですね。
qbc:距離の近い人から言われる性格の一面とかあります? パートナー、親友、家族とか
魔王:母親からは「あんたと話してると疲れる」って言われますね。親友、まぁ我々は親友という言葉は胡散臭いの使いませんが、「もし10年の間が空いても、会えば昨日ぶりくらいに話せる相手」といわれました、というか、実際そうでした。彼女さんからは、こういう性格の人とは言ってきませんが、彼女さん家に泊まって帰ろうとすると全力でイヤイヤされますね。
qbc:性格でいうとどんなところなんすかね。それは好かれてるっていう意味ですよね?
魔王:それは好かれてるってことでしょ。
qbc:性格ではないですよね?
魔王:まあでも好かれてるっていうことは悪くは思われてないってことじゃないですか?
qbc:じゃあ彼女から何て思われて、どこが気に入られてるみたいなのあるんですか?そういう性格的なところで。
魔王:最近縒りが戻ったばっかりなんでそういう話はしてないかな。
qbc:趣味生きるっていうのは、生きるって趣味じゃなくても生きちゃってるじゃないですか。それを敢えて趣味っていうのは、何か思いがあるんですかね。
魔王:何だって楽しむってことですよ。どの道生きる以上、何でも楽しんだ方がお得ですよね。
qbc:趣味っていうものが楽しむっていうものだからって意味ですね。
魔王:そう。何をするのが楽しみなんじゃなくて、生きるなら何でも楽しむ方がお得。どうやって目の前のことを楽しむかっていうことに没頭します。何が来てもよかろうなのだ、南海トラフでも第三次でも。
過去:さて人間という生き物は、果たしてこのままでいいんだろうか?っていうようなテーマも自分の中にあった。
qbc:子供の頃はどんなお子さんでしたかね。
魔王:茶目っ気たっぷりの優等生って感じでしょうね。例えば子供の頃の僕が写ってる写真。三歳四歳五歳ぐらいまでは普通に写ってるんですけど、六歳以降大学生くらいまで…いや、今でもそうだったかな。必ず何かしてるんですよ。柱に半分隠れてみたりとか、風が吹いてるときはタオルを風になびかせてみたりとか。必ず何かしている。普通という言葉が分からない子でした。
qbc:ご自身の中では、どうしてそういうことをしてたのかって覚えてらっしゃいます?
魔王:それが自然だったからじゃないですか?
qbc:何を期待してそういうことをしてたんですかね? 面白いことをしているなって思ったんですけど。
魔王:せっかくだから何かしようって思ったんじゃないですかね? 写真を撮るっていうことは、その瞬間を切り取るっていうことなので。
qbc:学校以外ではどんな感じだったんですか。
魔王:ボーイスカウトとかでもそうだったんじゃないかな。環アジア太平洋ジャンボリーに胸に日の丸つけて引率者側で参加した事もありました。あれは胆が冷えましたね。
qbc:幼稚園とかちっちゃい頃に好きだった遊びってなんですかね?
魔王:新しい遊びを作ることでしたね。例えばですけど、幼稚園にプラスチック製のブロックがあったんですよね。で、その中に車輪に使うようなパーツがあったんすよ。で、幼稚園に衝立てがあって。机があるゾーンとその後ろのゾーンを分ける衝立で、その衝立ての上が溝になってたんすよ。で、そのプラスチック製の車輪パーツは軽いんです。ふと思い立って、衝立の溝に車輪のブロックを乗っけて、息で吹いてどこまで長く転がせるかっていう遊びを考案しました。
qbc:あー、肺活量というか、身体性が出てきますね。
魔王:その後発展して、その衝立てを真っすぐ並べるんじゃなくって、くの字とかSの字とかに組み合わせた上で、吹くっていうのをやり始めて見たら、みんなして真似し始めて。その後、僕が小学校の高学年に上がった頃に幼稚園を訪ねた時に、「あなたが思いついたあの遊びは今でも続いてるよ」っていわれました。
qbc:中高と進んでいくうち変化ってありました?
魔王:高校で勉強に挫折しましたね。
qbc:どんな感じで?
魔王:もう何言ってるかわからない。座って聞いてるのが苦痛でしかなかった。
qbc:これは全科目?
魔王:ほぼ全科目っすね。得意科目はありましたけど。
qbc:得意なのは?
魔王:英語。喋れないっすよ。読めるぐらい。
qbc:読めるのは今も?
魔王:読めますね。ざら読みだったら何も使わなくて読めますし。ざら読みした上でGoogle翻訳とかDeepL翻訳を噛ませば、なるほどねってくらい長い論文を読めたりもします。
qbc:ざら読みってどれぐらい読む感じなんですか?
魔王:大体6,7割ぐらいは、知らない単語や専門用語が混じってても意味は取れるくらいかな。大体この単語はこういう構造の単語だから、こういう意味になってるだろうな、前後の文脈から予測してっていう読み方をしても方向性は間違ってないみたいな。
qbc:そしたら、ほぼ読めているってことですよね。
魔王:もちろん辞書的に調べて読むのに比べたら、正確性の精度はちょっと下がりますけれども、全体的な意味は何となく分かる。
qbc:それは新聞とか普通のWebサイトのニュースを読む分には全然読めちゃうんじゃないですか。
魔王:大雑把にはそうですね。英単語って作りが漢字と非常に似てるところがあるんですよ。漢字って、部首、草冠とか木へんとか、パーツが決まってるじゃないですか。そのパーツは英語で言ったらconとかinとかdeとかそういうのに当たるんです。で、その他の部分ですね。例えばコンピュータだったら、conがこの場合は❝一緒に❞、でputeが❝計算する❞っていう意味なんですよね。で、コンピュータっていうのは一緒に計算する道具だから、一緒に演算する道具っていうことになってコンピュータになるんですよ。そういう覚え方をすると、何だ漢字と同じじゃんって。
qbc:英語と漢字が、ですか?
魔王:英熟語なんかもそうですね。get along with~であれば「何々に沿っていく」なのでうまくやっていくっていう意味になるし。じゃあ一緒に進んでいくっていう意味になるconceedっていう単語があってもおかしくないよなあと思って英和辞典を引いてみると案の定あって。ああ、ちょっとわかった、みたいな。
qbc:高校のあと進路進学はどうされてたんですか?
魔王:大学に行きました。一回浪人しましたが大学に行きました。
qbc:何を勉強されたんですか?
魔王:農学部森林科学科ですね。
qbc:農学部に行かれるのはなんかあったんすか。
魔王:わたくしは子供の頃から実家は本屋だったんで読むものは売るほどあった。読み漁りました。絵本から図鑑からマンガ文庫新書図鑑ことわざ辞典に至るまで。頭の天辺までどっぷり浸かるオタクに育ちました。そこに加えて、うちの母親がもともと岩手県の山奥の農家出身だったんすよね。で、その上で、母親から農家の暮らしっていうのはこんな感じだったんだよっていうのを聞いて、すごく面白そうだなあと思って中学校の時に高校を農業高校に進路志望したんですよね。今で例えるなら荒川弘の『銀の匙』のイメージでした。
qbc:いわゆるオタクっぽいですね。エンタメ慣れしている人の発想というか。
魔王:で、三者面談の時には、担任の先生から君は大学に進んだ方がいいと思うよと言われ、進学校に行きました。これに関しては、わたくしの40歳の同窓会の時に、当時の担任にいわれました。「学年1桁台が何言ってるんだ」って。
qbc:絶妙に微妙な悩みどころが起きますね。
魔王:ところで、わたくしがリアル高校生の頃って、ちょうど『寄生獣』が流行った頃なんですよ。『島耕作』シリーズでも語られていたテーマですが、環境問題的に、さて人間という生き物は、果たしてこのままでいいんだろうか? っていうようなテーマも自分の中で大きかったんですよ。それも含めて農学部森林科学科っていうちょっと変わったところに行きました。
qbc:聞きなれないですね。
魔王:なお、我が家が貧乏だったんで国立一択でした。加えますと、中学校の時の理科の先生の授業がとても好きだったんですけど、そのかたが僕が行った大学の農学部森林科学科卒でいらして。で、聞いた大学自体の話がやっぱり面白くて。ちなみにですが、スタジオジブリの宮崎吾朗さん。あのかたはうちの学科のOBだったそうです。当時は森林工学科といったそうですが。
qbc:そのあとはどうですかね? 大学の後は。
魔王:大学は出たんですが、当時は就職氷河期で。とりあえず仕事につかなきゃいけないなっていうので、派遣社員として自動車系の工場に勤めてみました。
qbc:そういう世代ですね。
魔王:わたくしとしては「とりあえず生産の現場を体験しておきたい」っていうのがあって、工場勤めを四年ほどやりましたね。四年ほどやったところでリーマンショックが起きまして。
qbc:リーマンショックが絡みますか。
魔王:当時自動車系の工場でありがちだった光景っていうのが、従来一つのベルトコンベアで一つの車種を作るっていうイメージだったんですよ。で、それが一つのベルトで複数の車種を作るっていうような事が自動車業界全体に起きたんですよね。僕が勤めていた工場でも「この人はこの車種のこのベルト」っていう運用だったのが、「今日はこのベルト、明日はこのベルト」っていうような、それまで自分の体で覚えている車種だけじゃなくって、他のベルトの仕事もやらなきゃいけなくなってきた。いやあ、派遣社員でそこまでやりたくねえなと思って、転職を決意しました。で、転職した先で十年ぐらい居たのかな?
qbc:何をされてたんすか。
魔王:中古家具・什器を売ってる会社に入りました。十年居た中で前半五年は倉庫にいましたね。まずは倉庫から出荷されるアイテムの品質管理。俺が磨くのと同じくらいまでクリーニングしてねっていうチーム引率。時にはチェアの皮を剥いで纏めてコインランドリーで洗っちゃう。これを繁忙期には週一度50脚ぶん。納品現場監督には「こんなにきれいな中古は初めて見ました」と感動されました。
qbc:チェア50脚って、ボリュームはどれくらいなんですか?
魔王:コインランドリーの大型ドラムふたつぶんくらいです。他には特殊商材ですとか。オフィス家具の場合だと机一個なら机一個、椅子一脚なら椅子一脚っていうのが基本なんですけど、これがおっきな机、いわゆるフリーアドレスデスクっていうものになってくると、部材で出荷することになるんですよ。天板何枚、脚何枚、背骨がいくつ、ねじがいくつとか。要は組んでみないと形が分からないやつの管理っていうのをやったりもしましたし。
qbc:部材単位だとカウントしづらくないですか?
魔王:めっさしづらかったです。倉庫全体の全般アイテム毎月は絶えず8,000点~12,000点で流動してて、在庫管理データはExcelで出力されてました。これを商品ジャンルごとに毎週社内にジャーナルしたり。それが倉庫時代の五年間。
qbc:毎週ですか?
魔王:毎週です。まぁ、ピボットテーブルとか条件つき書式とかでどうにかこうにか。実地棚卸が毎月あって泣きそうというか泣いてました。
qbc:想像したくないですね。
魔王:後半五年間は都市部の本社にいましたね。中古家具・什器会社の本社に通勤して、会社のホームページに載せる用の家具辞典っていうサイトを作るから、その記事を書いてって言われたり。倉庫長いからわかるよねって。最低で1日1記事、千文字。目標は1日3記事だから3000文字っていう感じで記事を作ったり。この時は英語が生きましたね、参考するサイトが日本語だけより英語を含めると圧倒的に増えます。洋書もありますし。
qbc:得意分野が噛み合った感じですか。
魔王:あとは図面を描いたり。店舗の人が企業のお客様に、今回のお買い上げですと、御社のオフィスにこういう風に配置するとマッチリ決まりますよってプレゼンする用の図面を描いてました。簡易なアプリもありましたが、CADもいじりましたっけね。
qbc:守備範囲広くありません?
魔王:さあ? やれといわれればやりますよ。あとは営業事務ですね。いついつどこそこに何々を納品するから、トラックとか、施工とか、商品のピックアップとか諸々段取り付けて、社内フォーマットの手配書をExcelでアレンジした上で、社内外に依頼を飛ばしてました。
qbc:そこはなんで辞められたんですかね?
魔王:会社全体が「属人化してる業務はなくしましょう」っていう向きに進みまして。わたくしはむしろ「不定形業務で本領を発揮するタイプ」だったんですよ。樹種でいえば先駆樹種。真っ先に生えて真っ先に枯れる樹種です。シラカバとか。マニュアルがない新規事業に投下されて、マニュアル化される前段階を務める役回りでした。でも、「これからは不定形業務は減ってくと思うよ」ときっぱり言われまして。「かしこまりました、辞めさせていただきます」と辞めましたね。
qbc:ご両親からどのように育てられたと感じておいでですか?
魔王:モラルハザード家庭でしたね。僕三つ上の姉がいるんですけど、父親がPTA会長をやってたんすよ。で、姉のクラスメイトのシングルマザーのお母さんに手を出してしまいまして。僕が小学校に上がるか上がんないか頃かな。いやあ、ものの見事に修羅場ってましたね。
qbc:魔王さんは何歳だったんすか?
魔王:六、七歳ぐらい。
qbc:何で揉めてるのかって分かったんですか。
魔王:なんで揉めてるかを詳しく知ったのは後になってです。ただ我々姉弟が二段ベッドで寝ている襖越しの向こうで夜中に大声で喧嘩してりゃあ「喧嘩してるな」って分かるじゃないですか。なお、その件に関して父親は結局ケジメをつけないまま、家庭からは遠ざかり、その挙句に、バブル崩壊のあおりも受けて、家族に内緒で実家の土地家屋を担保にしたウン千万の借金を残して女を作って家出をしました。
qbc:女を作ってっていうのはさっきの相手じゃなくて?
魔王:別の人。
qbc:なるほど。
魔王:姉は姉で家出しました。どういうわけか、性同一性障害の診断書を取得してきて。普通、性同一性障害って、家族も交えて一年くらいかけて面談をしてようやく降りる診断書のはずなんですよ。なのに、性同一性障害では国内で権威っていう先生から一回二回面談したくらいで診断書を貰ってしまったようで。挙句にそれを盾に家出をしました。これだから権威は嫌いです。
qbc:それが理由だったんですか?
魔王:性同一性障害っていうのは根本的な理由ではなくって、外付けの理由だったんでしょうね。要するに家にいたくなかった。
qbc:当時おいくつだったんですか。
魔王:わたくしが23歳、姉が26歳くらいかな。
qbc:普通に独立されたという感じではない?
魔王:独立とはいわないんじゃないかな、音信一切不通になりましたから。わたくし、うちの地元のとある一族の、現当主なんですよ。まあチンケな五代目ですが。仮に僕の姉がもし男だったとすると、姉が長男なので当主っていうことになります。
qbc:戸籍は変わったんですか。
魔王:戸籍分離をして家出しましたね。
qbc:性同一障害でも当主になるってこと?
魔王:話の筋としてはそうじゃないですか。自分が男だって言い張るんだったら当主に立てよっていう。
qbc:そういう話になりそうだったんですか?
魔王:当人がそう感じたんじゃないでしょうか。そして、親父が家出して、姉も家出した。じゃあ誰が当主やんのって、僕になるじゃないですか。本家の仕事はあらゆる分家さんの補佐なわけです。先般は伯父、父の弟が孤独死で亡くなりまして。警察さんからわたくしが電話を受けたんですが、伯父の実子は微動だにせず。警察さんも困ってらしたので、僕が火葬までの段取りをして、お骨は今も、当家、うちの実家にあります。展開はわたくしの実父が孤独死した時と一緒だったんで、スマートに対応できました。
未来:趣味は生きることです。その時をいかにして楽しむか。この発想をいろんな人に持っていただきたいな。
qbc:未来について、5年、10年、30年、最後自分が死ぬっていうときまでイメージしてどんな未来をイメージできますかね?
魔王:わたくしは、「現在、過去、未来」をあんまり区分して考えておりません。そして趣味は生きることです。その瞬間瞬間をいかにして楽しむか。この発想をいろんな人に持っていただきたいですね。平たく言えば「みんなで魔王になろうぜ」。で、これを進めるにあたり、作品を小説として作ることを考えたり、もしくはゲームのシステムとして作ったりとか。そういうことをやらかそうと34AIを絡めてやってるところですね。
qbc:魔王っていうのは、どういうものを指して魔王っておっしゃってんすか。
魔王:今目の前を楽しむっていうのは、今をどれだけ最大限活かすかということなんですよね。その今っていうものを自分の思うままに使えるようになった人間を魔王と呼ぶんだろうなあと僕は思っています。
qbc:時間の感覚の話なんですかね?
魔王:そうですね。平たく言えば主体性を持ってるっていう言い方になりますかね。一瞬先とか明日とかっていうような短い未来だったら割と簡単に変えられる理屈になるんですよ。
目の前の今っていう時間を、もし自由自在に最大限に使えるようになったら未来を変えられますよ、好きなように。今とか今日とかを自由自在に使える人間のことを魔王という言い方をしてもよかろうなと、もし何の縛りもなく考えれば。ただし、自由は比例して責任を伴います。
qbc:もし当主、家に縛られなかったら何をされている人生になると思います?
魔王:考えたことねえ事聞くなぁ。でも、家に縛られてなかったとしても、故郷には縛られたんじゃないかな、場所に。生まれ育った故郷にはどのみち縛られるんで、多分あまり変わらないっす。
qbc:故郷から縛られないというのは考えられないですか。
魔王:ええ。じゃあそれは日本に縛られないっていう言い方になります?
qbc:でもいいですよ。自分が生まれ育った場所じゃないっていう意味ですけど、それを日本って解釈でも良いし、生まれ育った地域っていう考え方。実家っていう考え方でもいいんですけど。どのレベルでもいいですね。
魔王:でも、どのレベルで考えても生まれ育った場所には縛られると思いますよ。生態系は発生しますから。
qbc:そういう話じゃなくて、そういうこだわりが薄まって、例えば実家に住まないとか、思い出したりすると思いますけど、そういうレベルになったら何をしてるのかなっていう質問です。
魔王:多分今と同じでしょうね。
qbc:分かりました。好きなAIは何ですか?今のところ。
魔王:時間制限、トークン制限がないっていう意味では、Gemini。で、制限はあるけど、割と使い勝手がいいっていう意味だったらchatGPT。で縛りは大きいけど、色んな回答を返してくるっていう意味だったらClaude。で、意外とシステマチックに考えてくるのがDeepSeek。DeepSeekはやっぱね、中国の歴史とか強いし中国の占いとか、そういうのは強いですよ。
qbc:ありがとうございます。最後に言い残したことはということで、遺言でもいいし読んでいる人へのメッセージでも、独り言みたいになってもいいですし、最後に言い残したことがあればお伺いしています。
魔王:「所詮この世は嘘ばかり。信じる価値のある嘘を、夢っていうんだぜ。」ですね。
あとがき
お話の仕方も魔王みたいでした。
【インタビュー・あとがき:qbc】
【編集:komima】