
「かーちゃん!コンビニ行こうぜ!」
「かーちゃん!コンビニ行こうぜ!」
深夜1時。息子からの誘い。
親としては断るべきなのだろう。
いいよ!行こ行こ!
息子から声をかけられた私は、光の速さでサンダルを履いていた。
モラルや倫理観などない。
初夏の夜。
少し冷えた空気が昼間の温度を湿っぽく変える。
風に乗って鼻をくすぐる、新緑の匂いが心地いい。
「夜中のコンビニって何か楽しいよな!ワクワクする!」
息子は鼻歌交じりにスキップしていた。
昔はよく深夜に部屋着でコンビニ行ってたな。
アイス食べたくなって、フラッと立ち寄って、雑誌の立ち読み始めたりして――
息子を出産し、1年でシングルマザーとなった私。
振り返ればこの数年、深夜にコンビニに行くことなんて出来なかった。
自動ドアが開くと同時に鳴り響く入店音。
宵闇の中で光るコンビニの看板。
レジで事務作業をしている店員さん。
久しぶりに見た生活が、ここにあった。
息子に連れ出された深夜。
私は何回目か分からない青春を、今も謳歌している。