
『ハルマキ、』 第19話【卒業します】
チリンチリーン
原っぱに綺麗な二等辺三角形
先頭をみみ
左にまい
右をハルマキが固める
とぼとぼ
ぺこり
「ハルマキ君、まい君」
「なんだか悪いね」
ぺこ
「大丈夫です」
びしっ!
「み、みみちゃんパパ!」
「ふ、普通ですよね」
「そうだね、よく言われます」
オレッ!
「お父さま!」
「みみは、卒業します」
うんうん
「補助輪取れるといいね」
「みみちゃん、乗ってみて」
とぼとぼ
キコキコ
「はい、みみ」
みみパパの手を離れる
赤いバイク(補助輪付き自転車)
たんたたたん
颯爽と跨るみみちゃん
脇を固める二人
「みみ、真っ直ぐ前を向いて」
「わかってますわ、お父さま!」
サドルに腰掛け、右足をペダルへ置く
「二人共、頼みましたわ」
「はーい」
「あい!」
【せーの!】
キコキコキコキコ
てくてく
でんでん
キコキコキコキコ
てくてく
でんでん
オレッ!
「ストッープ!」
てく
「どうしたの?」
でん
「あい!!」
オレッ!
「合図を決めてませんわ」
「まい君、どうする?」
「み、みみちゃんがいい」
とぼとぼ
「みみ、パパが合図しようか?」
くる
「みみ、お父さまを信じます」
びしっ
「信じます」
ぺこり
「僕も信じます」
ん?
なんだかプレッシャーだな
「ハルマキ君とまい君」
「私が合図したら手を離してくれるかな?」
「はーい」
「あい!」
「みみ」
「二人に合図を教えるから、待ってて」
「わかりましたわ」
とぼとぼ
「二人とも、ちょっといいかな」
ごにょごにょごにょ
「大丈夫ですか?」
「ず、ずるではないのでは?」
原っぱに新たに布かれた
フォーメーション
「よし、みみは真っ直ぐ前を見てね」
「はい!お父さま」
くる
「じゃあ、二人ともお願いします」
「みみちゃん、頑張って」
「み、みみちゃん!」
「みみ、出発して」
「はい!」
キコキコ
とぼとぼ
「頑張れー」
キコキコキコキコ
とぼとぼ
「みみ、ハンドルを動かさず」
「はい!」
「前をしっかり見て」
「はい!」
二人の声援が背中を押す
「1、2、3、4」
キコキコキコキコ
とぼとぼ
「1、2、3、4」
キコキコキコキコ
「みみ、そのまま」
キコキコキコキコ
「みみちゃんー!」
「み、みみちゃん!!」
声援が遠ざかる
キコキコキコキコ
「お父さま?」
くるり
三人は手を振り何か叫んでいる
お父さま?
私、乗れてるのかしら?!
「あっ!」
ガシャ
「みみちゃんー」
「今行きまーす!」
でんでん
タッタッタ
ダダダダダダダダダダ
二人の視界に父の背中が通り過ぎる
「みみ!大丈夫か?!」
少女は立ち上がる
オレッ!