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Photo by2024gts

小さな幸せ

    水野和奏

    親の介護が始まったらどうしようと思われている方もいらっしゃると思います。介護と聞くとそれだけでネガティブなイメージがあるものです。ただ、介護も、やがて沢山の人との繋がりが出来るものだと、今は思っています。

    わたしは日中、一週間に一度ほど、母と少し遠くの公園へ足を伸ばします。

    数か月前に車椅子のレンタルをして以来、母を外に連れ出せるようになりました。

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    今日は、公園で子どもたちが遊ぶ姿を見ながら、焼きそばとお好み焼きを食べて、それからチョコレートを食べながら温かいお茶を飲み、のんびりと過ごしましたした。

    帰りに、いつもの場所で交代です。

    大きな娘のわたしが車椅子に座り、小さな母がわたしを押します。ほんの100メートルほどですが、母の運動タイムです。

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    わたしは祖母の介護をその昔手伝っていましたが、母と祖母は違うなと思います。

    祖母は晩年ほとんど寝て暮らしました。家にかかりつけのお医者様がみえて、良く点滴を打ってもらっていました。

    ところが、母は、先生が家に来られる日は、朝から化粧をしてベッドメイキングをします。それから階段も奇麗に掃除します。

    恐らく、起き上がれるようになったのも、そんな母の気質があったのだと思います。

    まだ体調の悪かった頃から、先生がみえる前日には決まって風呂に入りたがりました。

    「そんな、まだ無理でしょう」

    と慌てましたが、いつの間にかわたしと風呂に入れるようになり、なんと、今では忙しいわたしと時間が合わず、気が付くと一人で入っています。気力があるわ~と感心します。

    公園から帰ると、ドクターと看護師さんが来てくださいました。

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    「先生、公園から帰ったばかりですよ」

    とお伝えすると、

    「良いな~こんな日は車じゃなくて歩きがいいですよね~。それからね、太陽の光を浴びるのは骨に良いんですよ。よかったですね、○○さん」

    とニコニコと母に向かってお話しされます。これほどのお人柄のいいドクターにわたしはまだお会いしたことがありません。もう先生とのお付き合いも1年が過ぎました。

    「先生、母と晴れた日の公園を歩くと、わたし、幸せなんですよ」

    と言うと、

    「いいな~、僕は、それが幸せって言われる娘さんが嬉しいな~」

    と返ってきました。

    ご本人に面と向かっては言えませんでしたが、こうして笑顔で、

    「なにかあったら、いつでも僕に連絡してね~。Xmasでもお正月でも構わないからね。人は不思議なものでね、そんな時に限って具合が悪くなるんだ。でも迷わずそんな時は僕に連絡してね」

    と気さくに母に声を掛けて下さるのです。そんなお若いのに高齢者に本気で優しく接して下さる先生とのご縁が頂けたことも、わたしはとっても幸せなのです。

    家がだんだんと盤石になって来て、さらに人と人との繋がりが広がって、わたしは本当に幸せ者だなと思っています。

    介護は、もう限界!と泣いた時もありましたが、やはり介護はさせてもらっているのかも、と思うことがあります。



    ※最後までお読みくださりありがとうございました。



    ※12月27日㈮、「取り残された人々:日本におけるシングルマザーの苦境」の映画上映会を池袋の自由学園明日館で開催いたします。よかったら、いらしてくださいね。

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