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鬼武者WSクリアしました~『強さとは』を考えた話~



はじめに

この記事は『鬼武者 Way of the Sword』のストーリーやエンディングを含む、ネタバレ全開の感想です。未クリアの方はご注意ください。

先日YouTubeでは、この感想の一部を6分程度の動画にしました。動画では話しきれなかった内容も含めて、今回はnoteにすべて残しておきます。

🎥 YouTube: https://youtu.be/rxE4vYd4Q2s

鬼武者シリーズは今回が初プレイだったのですが、想像していた以上に骨太で、やり応えのある作品でした。


🗡️ 難易度は「剣戟」を選んだ話

難易度は「活劇」と「剣戟」の2つから選べて、感覚的には活劇がEASY、剣戟がNORMALくらいの位置づけだと思います(1周クリアすると「鬼殺」という、たぶんHARD相当の難易度が解放されます)。

初見で剣戟を選んだのですが、とにかく難しかったです。

  • ボス「撫雷」:唯一1回で倒せた相手

  • ボス「羅掌願」:12回挑んでようやく撃破

  • ラスボス「源義経」:回数は数えていませんが、4時間以上かけてようやく勝利

自分のゲーム経験の中でも過去最高難易度だったと思います(フロムゲーは未プレイなので、あちらはもっと大変なんだろうなと今から震えています)。

それでも敵の攻撃パターンを覚えて、受け流しや見切り回避を織り交ぜながら反撃していくのは純粋に楽しかったです。攻撃によって「回避しないといけないもの」「受け流ししないといけないもの」が分かれているので、それを見極めながら戦う緊張感がクセになりました。


🤔 『強さとは』というテーマについて

このゲーム、根底に「強さとは何か」というテーマがあるように感じました。宮本武蔵を描く作品には切っても切れないテーマの一つで、井上雄彦さんの漫画『バガボンド』でも同じテーマが扱われています。

日本語には「心技体」という言葉がありますが、技を磨き体を鍛えるのと同じくらい、心の成長も必要という意味だと自分は捉えています。

作中、酒呑童子との戦いの中で、武蔵が静御前や出雲阿国の強さに言及するシーンがあります。自分にはない他者の強さを認め、自分の弱さに気づいた大事な場面だったと思います。そして弱さを認めたうえで、「無いものは無い、無い物ねだりをしても仕方がない」と、今持っているものを最大限に活かして勝負する(完全覚醒)。そして酒呑童子を倒す、という流れが非常に熱いシーンでした。

ふと、「情けねぇがこれしかねぇ」という歌詞が頭に浮かびました。(これ分かる人いるかな?)

そしてこの「強さとは」というテーマは、作中のキャラクターだけでなく、プレイヤー自身にも向けられているように感じました。今できる自分の技を最大限に活かして挑むしかない強敵。何度も打ちのめされながらも挑み続ける心の強さ。開発側には、プレイヤーにも身をもって体験してほしいという意図があったんじゃないかと勝手に想像してます。


💬 好きなシーンたち

一切皆苦

個人的に一番響いた言葉です。思い通りにいかないことばかりで、想定外なことが突然起きるのが人生。そんな中でも藻掻き苦しみながら前に進むしかない。そんな時間を小野篁が「これもまた一興」と楽しんでみせるセリフに、救われた気持ちになりました。

そう簡単に切り替えられるものではないですが、自分なりに考えて自分なりの正しさで物事が思い通りに運んだ瞬間は、まさに「一興」だなと感じます。ハンター×ハンターのジンにも、狙い通りに獲物が動いた時の喜びを語るセリフがありますが、あれに近い感覚な気がしています。

『楽しいから』

小野篁が武蔵に語った、剣に生きる者にとって戦いこそがすべてであり、端的に言えば「楽しいから」だ、という趣旨の言葉。武蔵はこれを言われた当初、いまいちピンときていない様子でした。

でも、生死をかけたギリギリの戦いの中で湧いてきた感情は、恐怖よりも高揚感だったんだと思います。もっと強い相手、自分が死ぬかもしれないというギリギリの状況すら、どこかで楽しんでいる。そんな気がしました。

静御前の「この上ない屈辱」

静御前は数百年前に源義経に斬り刻まれ命を落としており、霊体となって武蔵についてきています。普段はとても冷静で、感情をあまり表に出さないおしとやかなキャラクターです。

道狂という、源義経側の存在が静御前の遺体を修復し弄んでいる場面があり、その姿を見せつけられたうえ、最後には幻魔に貪り食われてしまいます。それを見て一度は「もう役目の終わった、亡骸」と口にする静御前ですが、武蔵の一言で表情が一変。唇を嚙み締め、血を滲ませながら、鬼の形相で自分の遺体を見つめて「この上ない屈辱」と吐き捨てます。

普段あまり感情を表に出さない静御前だからこそ、この表情がどれだけの苦しみを物語っていたか伝わってきました。ネガティブな感情ほど表に出しづらいものだと思いますが、それでも我慢できなかったんだろうし、武蔵になら、こういう感情を見せてもいいと思ったのかもしれません。


🔍 道狂の目的、考察

道狂には「生まれた世界から拒絶され、堕とされた」「なぜだかも分からず捨てられた」という趣旨のセリフがあり、「天の偉い人に、自分が堕とされた理由を教えてほしかった」という願いも語られます。

道狂と戦うステージは嵐山で、嵐山といえば「嵐山竹林の小径」が有名です。そして作中の資料アイテム「奇録帖」には「月から来た姫君」という項目があり、竹取物語、つまりかぐや姫について触れられています。
さらに、道狂が「耀う姫」と呼ばれていたことも、かぐや姫説を補強する材料に見えます。

「耀う姫」と呼ばれていたことから考察勢の中には道狂=かぐや姫説を唱える人もいますが、確たる証拠はないと考えています。ただ、上記のセリフから「月に生まれ、地上に堕とされ、月に戻りたいと願っている」ことは確定情報だと考えています。エンディングでは道狂が佐々木巌流を連れて上空へ登っていくシーンが描かれており、月に戻れたかどうかは分かりませんが、それが目的だったことを示唆しているように思います。

⛵️ 出雲阿国のセリフ(小ネタ)

武蔵が舟の操縦がわからずにあたふたしている時に出雲阿国が操縦の仕方を教えて「ったく、舟くらい動かせないといつか困るよ!?」というセリフがあります。これはあの有名な伝説の巌流島の戦いに向かう時、舟に乗っていくのでその時困るでしょ、という事も掛かっているのかなと思いました。本編とはまったく関係ありませんが、個人的にはこのセリフが巌流島の戦いとつながっているように感じられて、少し嬉しくなりました。


おわりに

シリーズ初プレイでここまで心に残る展開があるとは思っていなかったので、良い意味で予想を裏切られました。プレイ済みの方がいたら、感想や考察をぜひ聞いてみたいです。

ボスに何度も跳ね返されながらそれでも挑み続けたこの数週間も込みで、ひねもすのたりと迷走中。

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