うつの私が編み物に感動した話
うつ病になり、今まで当たり前にできていたことができなくなった時期がありました。
そんな私が、なんとなく始めたのが編み物でした。
ひと目ずつ編み進める時間の中で、私は少しずつ自分自身と向き合い、「つくる」ということの意味や、何かを生み出すことの尊さを改めて感じるようになりました。
この記事では、うつ病をきっかけに編み物と出会った私が、手を動かす時間の中で感じたことや、編み物が自分を取り戻すきっかけになった過程を書いていきます。
うつ病になった私が、なんとなく始めた編み物
それまでの私は、忙しい仕事に追われながらも、毎日の予定をこなし、自分なりに社会の中で役割を持っているつもりでした。
しかし、ある日を境に、今まで自然にできていたことが難しくなりました。
朝起きること。
外に出ること。
人と話すこと。
予定を立てて行動すること。
以前なら当たり前だったことに、大きなエネルギーが必要になりました。
社会の中で自分がどこにいるのか、どんな価値を持っているのか。その感覚が少しずつ曖昧になっていきました。
「自分には何ができるのだろう」
「これからどう過ごしていけばいいのだろう」
そんなことを考える時間が増えていきました。
そんな時に、なんとなく始めたのが編み物でした。
もともと手芸やものづくりには興味がありましたが、体調を崩してからは、新しいことに取り組む余裕はありませんでした。
ただ、編み物なら家で少しずつできるかもしれない。
そんな軽い気持ちで始めました。
最初は「少し気が紛れればいい」という程度でした。
将来につなげようと思ったわけでも、何か目標があったわけでもありません。
ただ糸を持ち、針を動かし、一目ずつ編んでいく。
その繰り返しが、当時の私には心地よく感じられました。
少しずつ形になっていく編み地を見ていると、「自分にもまだ何かを生み出すことができる」と感じる瞬間がありました。
うつの私が、編み物に感動した理由
編み物を続ける中で、私は少しずつ自分自身を取り戻していくような感覚がありました。
一目編むごとに、小さな積み重ねが増えていく。
その過程は、崩れてしまった場所に少しずつレンガを積み上げていくようでした。
編んでいる時間だけは、過去への後悔や未来への不安から少し離れることができました。
「今、自分は何を感じているのか」
そんなことを自然に考えられる時間になっていました。
そして、作品が完成した時、私は改めて「何かをつくり、生み出すこと」の尊さを感じました。
うつ病になった頃の私は、自分の価値を社会の中で測ろうとしていました。
仕事ができるか。
誰かの役に立てているか。
何か成果を出せているか。
そんな基準で、自分自身を見ていたのだと思います。
しかし、編み物を通して、何かを形にしていく過程そのものにも価値があることに気づきました。
以前の自分に戻るというより、新しい自分を少しずつつくっていく。
編み物をしている時間は、そんな時間でもありました。
編み物が教えてくれた、時間との向き合い方
現代の生活では、早さや効率が求められる場面が多くあります。
短い時間で成果を出すこと。
多くのことをこなすこと。
もちろん、それらが必要な場面もあります。
一方で、時間をかけながら少しずつ形にしていくことにも、大切な価値があるのだと編み物を通して感じました。
編み物は、すぐに完成するものではありません。
一段編むにも時間がかかり、一つの作品が完成するまでには多くの時間が必要です。
しかし、その積み重ねの時間があるからこそ、作品には自分だけの記憶や経験が重なっていきます。
編むという行為は、レンガを積み上げることに似ていると思います。
建築で使われるレンガも、一つ一つは小さな存在です。
しかし、それらが積み重なることで、やがて大きな建物になります。
編み物も同じです。
一つひとつの小さな編み目が積み重なり、少しずつ形になり、やがて一つの作品になります。
完成した作品を見る瞬間は、とても嬉しいものです。
同時に、そこへたどり着くまでの時間や経験も、その作品を形づくる大切な要素なのだと思います。
まとめ|編み物は、自分自身を取り戻すきっかけになった
うつ病になったことで、自分の存在意義や、自分らしさが分からなくなった時期がありました。
そんな中で出会った編み物は、私に「何かを生み出すこと」の喜びを思い出させてくれました。
編み物は、問題をすべて解決してくれるものではありません。
それでも、ひと目ずつ編む時間の中で、自分自身と向き合う時間を与えてくれました。
今の自分にできることを、一つずつ積み重ねていく。
その感覚が、日々を過ごしていく支えになっています。
これからも手を動かしながら、自分自身と向き合う時間をこれからも大切にしていきたいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
このnoteでは、編み物のことだけではなく、生活の中で感じたことや、仕事、自分自身との向き合い方についても記録しています。
手を動かす時間が、自分を整えてくれる。
そんな経験を、これからも編み物を通して届けていきたいと思っています。
Instagramでは制作風景や編み物の記録を、ショップではオリジナル編み図や作品を公開しています。
よかったら、そちらも覗いていただけると嬉しいです。
