メインコンテンツへスキップ
見出し画像

【ショートショート】インフル念写

    「私のこと好きなら、ちゃんと念写して」

     そんなコマーシャルとともに発売された【撮れるんです】。真剣にその相手のことを念じないと写真にその姿は写らない。好きならその背景は天国のように眩まばゆく光り、嫌いならば地獄のような様相を呈する。

     若者を中心に爆発的な勢いで浸透した念写ブームは、愛の証明のツールとして使われている。


    「このオヤジを念写してもらいたいの」

     薄暗い路地のどん詰まり。看板も出ていない寂れた店内に、似つかわしくない上等な服を着た淑女が訪れていた。淑女は1枚の写真を目の前の男に手渡した。

     写真を見ただけで、どんな人物でも好きになることができる特異体質の持ち主。それがこの店の店主【念写屋】である。

    「ほうほう、なるほど。これは……高く付きますよ」

    「いくらでも構わないわ。私がいくら念写しても地獄三昧なのよ」

     男はライトに透かすように写真をかざした。

    「ドナルド・トランプね。まあ、嫌いじゃないですよ、おれは」

    「日本の未来はあなたに掛かっているわ」

    「では、あちらの部屋でお待ち下さい、総理」


    終


    たらはかにさまの毎週ショートショート【インフル念写】に参加させて頂きました。

    前回のお題はこちら


    #毎週ショートショートnote
    #インフル念写
    #サンプル便座
    #ショートショートnote
    #ショートショート
    #短編小説
    #掌握小説
    #創作

     
     
    読むことは長年していましたが、最近は書く楽しさにも目覚めました。拙い文章ですが、読んで頂けたら嬉しいです。 少しずつ公募にも挑戦し始めましたが、結果は……心折れることなく続けていこうと思います。 短編、ショートショート、エッセイなど。そのうち長編にも挑戦したいと思います。

    あなたへのおすすめ