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続けるほど、じわじわ縛られる。

    140日続けたら、休めなくなった。

    毎日書けている自分が、
    少し誇らしい。

    セルフエフィカシーを味わっている。
    何かの技名みたいだ。

    そして、
    じわじわマスト君が顔を出し始めている。
    「毎日更新を続けなくちゃ。」という囁きが聞こえてくる。
    彼は、昔から自分の中にいる厄介なやつだ。

    「せっかく続いているからやめるともったいないね。」
    「いけるよ。ここまでやっているんだから。」
    「明日も頑張ろう。」

    こうした言葉でゆっくりとぼくを追い込んでくる。

    書き始めた時は、
    続けることが楽しくて、
    面白くてやっていたのに、
    いつの間にかマスト君に縛られていた。

    これ自体、初めてではない。

    20代の頃、トレーニングに熱心に取り組んでいた時もそうだ。
    1週間のトレーニングスケジュールを組んで、上半身と下半身を分けて、さらに部位ごとに分けて、取り組んでいた。
    ほぼ毎日ジムに通い、栄養管理もしていた。

    そういえば、あの頃はよくお腹を壊していた。

    「大丈夫。大丈夫。」
    「今日もバッチリやれたね。」

    マスト君は悪気はない。
    ちょっと暑苦しくて、
    ポジティブが過ぎるだけなんだ。

    だからこそ、気づくのが遅れる。
    いつの間にか、
    何のためにトレーニングをしているのか分からなくなっていた。

    それでも、
    「とにかく続けたからにはやらなきゃいけない。」
    「大丈夫。やれるって。」
    …そういうやつだ。

    「今なんのために毎日書くのか?」
    最近は、
    その問いが勝手に浮かんでくる。

    「よく分からないけど、やります!」
    そういう時のぼくは、
    だいたい体調を崩す。

    最近、エッセイを書き終わると、
    「明日も書きたい。」より、
    「もう少し考えていたい。」
    そう思う日が増えてきた。

    どうやら、
    毎日書くことより、一つの問いともう少し一緒にいたくなっているみたい。

    「140日も続けたんだから、141日も書こうよ。」
    「いけるよ。」

    今日も、
    マスト君が暑苦しい。

    #創作大賞2026
    #エッセイ部門

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