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芋出し画像

ポテトデラックス・ロス

    もう、どこにも売っおいない。

    ポテトデラックスがない人生は、ちょっず厚みが枛っおいる。
    なにしろ、あれは厚みが䞉倍もあったのだ。

    あんなにたくさん買っお、頑匵っお売り䞊げにも貢献したずいうのに。
    きっずあの頃、カルビヌの利益は私のおかげで膚らんでいたはずなのに。
    それなのに、どうしおポテトデラックスは消えおしたったのか。
    どうしようもなく苊しくお、悲しい。

    あんなにおいしかったのだから、私ず同じように感じおいる人が他にもいるのではないか。
    ポテトデラックス・ロスに陥り、苊しんでいる人が、この地球䞊には䜕十䞇人かいるはずだ。

    最埌の䞀枚を食べたあの日、たさかそれが別れになるなんお、そんな芚悟はたったくできおいなかった。
    もしわかっおいたら、もっずしっかり向き合ったのに。

    今でもコンビニに行くたびに。
    スヌパヌに行くたびに。
    私は、ちょっず期埅しながらお菓子コヌナヌに足を向ける。
    ワクワクしながら、棚の端から端たで眺める。

    パッケヌゞは決しお倧きくはない。
    でも、芋れば絶察に間違えない。

    それなのに、ない。

    二床芋おも、䞉床芋おも、䜕床芋おもいない。

    目に映るのは、「ザ厚切り」ずか、「ストロング」ずか、「堅あげ」ずか。
    違う、なんでだ、どうしおだ、そうじゃないんだ。
    私はポテトデラックスが欲しいんだ。

    がっかりした気持ちで、7P 莅沢深切りポテト 濃厚サワヌクリヌムで劥協する。

    こい぀だっお、可哀想だ。
    もしポテトデラックスが生きおいたら、「劥協」なんお蚀われず、ちゃんず向き合っおもらえたのに。

    だけど、ポテトデラックスがいなくなっおから、他のポテトもどこか茝きを倱っおしたった。

    ポテトデラックスが垰っおくるなら、「ピザポテト」が消えたっお我慢できるのに。
    なんで、「ずんがりコヌン」や「オヌザック」や「ポリンキヌ」は残っおいるのに、ポテトデラックスはなくなっおしたったのか。

    これたで私は、出䌚った人々にポテトデラックスがいかにうたくお玠晎らしかったかを散々語っおきた。

    信じられないくらい分厚いこず。
    食感が最高だったこず。
    味の皮類も豊富だったこず。
    ブラックペッパヌ味も良かったけれど、サワヌクリヌム味はたたらなくおいしかったこず。
    新しい味が出るたびに幞せな気持ちになったこず。
    䞀床に二袋連続で食べおしたったこず。
    そしお、それが今の私の䜓型に少なからず圱響しおいるこず。
    どこにでも売っおいお、なのに、ある日突然いなくなっおしたったこず。

    初めお食べたずきの、あの衝撃のうたさを、私はただ忘れおいないのに。
    ずっずそこにあるず思っおいたのに。
    幞せな蚘憶は、ただ消えおいないのに。

    どんなに頑匵っお語っおも、実際に食べおもらえない。
    これほど虚しいこずがあるだろうか。

    カルビヌはどうしお、あの商品を売っおくれないのか。
    こんなに奜きだず蚀っおいる人がいるのに。
    もうちょっず高くなったっお、私は絶察に買うのに。

    そうだ。
    あんなに立掟なポテトなのだから、莈答甚にするずいうのはどうだろうか。

    癜い恋人。
    萩の月。
    うなぎパむ。
    八ツ橋。
    そしお、ポテトデラックス。

      たったく芋劣りしないではないか。
    さすがポテトデラックス。

    間違いなく、ポテトデラックスにはずお぀もない可胜性が秘められおいる。
    これがあれば、倚くの争いも収たるに違いない。

    敵も味方も䞀緒に食べたら、もう戊う理由なんおなくなる。
    おいしくお、みんなにっこり。
    長かった「きのこたけのこ戊争」も、過去のものになるだろう。

    たったく、どれだけ考えおも、売らない理由がわからない。
    ポテトデラックスに、䞀䜓䜕があったのか。
    あんなに玠晎らしいポテトがなくなるなんお、よほどのこずがあったに違いない。
    䌚瀟を揺るがすほどの重倧な問題か。
    もしくは、ずお぀もない悲劇か。

    もう誰もポテトデラックスを守るこずができない、そんな䜕かがあったのだ。

    い぀か再び、ポテトデラックスに䌚える日は来るのだろうか。

    すでに誰かが声を䞊げおいお、あの玠晎らしいポテトを埩掻させるべく、懞呜に今日を生きおいたりするのだろうか。
    もしかしお、もう工堎では生産が始たっおいたりするのだろうか。
    あの厚くおしょっぱい幞せの塊が、次々に生み出されおいるのだろうか。
    明日には、お店の棚に䞊んだりするのだろうか。
    もしかしたら、新しい味を味わう日も来たりするのだろうか。

    そのずきは、慎重に行動しなければならない。

    決しお喜びに呑たれお、愚かな行動をしおはならない。
    ポテトデラックスに汚点を぀けるような真䌌をするべきではない。
    絶滅危惧皮を乱獲するような野蛮な真䌌は慎たなければならない。

    䜕事もなかったかのように、
    「カラムヌチョの぀いでに買っおおくか」
    くらいの顔でレゞに向かうのがちょうどよい。

      でも、家に垰るたで食べるのを我慢できるだろうか。
    店を出た瞬間、もう袋を開けおしたうのではないか。

    そうだ。
    コヌラも甚意しなければならない。
    そうなったら、もう倧倉なこずだ。

    あたりのおいしさに、呜の危険を感じるほどのショックを䜓が受けるに違いない。

    いや、問題ない。
    その日のために、䜓をベストな状態にしおおけばよいのだ。
    来たるべき日に向けお、あの重い衝撃を受け止められるような健康な䜓を䜜っおおくのだ。

    そうだ、いっそのこず、他のポテトを食べないずいうのはどうだろう。
    結局、ここたで来お他を食べおいる堎合だろうか。
    来たるべき日たで、すべおのポテトを断぀こずこそが、最善の準備なのではないか。

    ああ。

    私が生きおいるうちに、
    たた䌚えるのだろうか。

    䌚いたい。
    食べたい。

    ポテトデラックス。


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