
ゲームにつぎ込む男、旅行で散財する女
先日テレビを見ていると、クレジットカードのブラックリストに登録されてまでも、旅行にお金を使う女性のインタビューが流れていました。
私は生まれてこの方、旅行というものに愛着がありません。高い交通費と宿泊代を払い、わざわざ雑多な人込みに身を投じる行為に、未だ価値を見い出せていない人間です。
ただでさえ平日はサラリーマンとして満員電車に突撃、ヤモリのようにドアに張り付く生活を繰り返しているのだから、せめて貴重な休日は家でのんびり過ごしたいというのが本音です。
なので、このインタビュー女性に対しても甚だ疑問を抱きながら眺めていたのですが、考えてみれば私の妻も同様の傾向があることに気づきました。
ブラックリストまではいきませんが、隙あらば旅行にお金を使う性格で、その金銭感覚に資産形成の危険を察知した私は「旅行なんかにお金を使わないでくれ」と直言したこともあります。
しかしながら、妻としても当然言い分があるわけで、「あなただってクレーンゲームで遊んでるじゃない。そっちの方が無駄でしょ。」と反論を喰らいました。
確かに一理あります。私は暇を持て余せばゲームセンターに立ち寄り、クレーンゲームで景品を狙うのが趣味になっていますが、普通に買った方が安いですし、他にもっと有意義な使い方があると主張したいのもわかります。
この男女の価値観の違い、突き詰めると何か面白そうと思い調べたところ、割と奥深いメカニズムがわかってきました。今回はその調査結果を記事にすることを試みました。
かなり体系立ててまとまっていると自負しているので、男女の価値観のズレで悩んでいる方々や、夫婦で資産形成を進めている方々には、是非読んでいただきたい内容となっています。

1章:男女は何にお金をかけるのか
これは私の勝手な推測ですが、強ち世間一般的に見てもお金の使い道は以下のように分類できるのではないでしょうか。
男性:ゲーム、ギャンブル、車
女性:旅行、ショッピング、会食
どうでしょう。
お互い、「なんでそんなことにお金を使うの?」と不思議に思った節はないでしょうか。
勿論、世の中のすべての男女がこれに当てはまるわけでもないですし、ましてやどちらかが間違っていると指摘するつもりも毛頭ありません。
このように、お互いのストレス発散の行動が異なることは古くから言われていましたが、その起源を調べていくと、男女で心の満たされ方の違いがあることがわかってきました。
次章で少し紐解いていきます。
2章:男性は「目標達成」、女性は「体験」への価値が高い
脳が快感を得やすいシチュエーションとして、心理学や行動経済学ではよくこのような対比が語られます。
男性:目標達成型の快感に対する消費
男性の脳に強く現れるのが、「標的を定めて攻略し、手に入れる」という目標達成型の快感です。
私の趣味であるクレーンゲームはまさにその縮図でしょう。
どう動かすかという戦略を立てて、試行錯誤の末、景品をゲットした暁には、脳内で快楽ホルモンことドーパミンがドバッと分泌されます。
つまり、景品そのものに価値があるのではなく、「自分の力で手に入れた」という達成感に大きな価値を置いています。
女性:体験型の快感に対する消費
一方で、女性の脳に多いのは、体験型の快感と言われています。
女性にとっての旅行は、現地での体験は勿論のこと、その前後の計画や思い出も含め非日常の共有を味わうことができ、脳に長く残りやすいのです。
お金をモノに使うより、非日常な体験に価値があり、こちらもドーパミンが分泌されます。
その価値観の違いは太古から続く
この違いを理解するには、さながら、狩猟採集時代の生活様式を考えるとわかりやすいかもしれません。
男性は狩りに出て獲物を仕留める一方、女性は集落で木の実を集めつつ人間関係を維持するというのが、当時の生活スタイルならびに役割でした。
人類が誕生してからの歴史の実に99%以上は、この狩猟採集時代です。
過酷な環境を生き延びるために、男女で異なる役割を分担し、それぞれにとって脳の機能や価値観が最適化されてきたのだとすれば、太古とはいえ現代に通じるのも納得がいきます。
価値のないものにお金や時間を費やしたくない
こう思うのは誰だってそうでしょう。
価値観に従って行動するのが、動物としての本来の活動です。
とりわけ、ゲームや旅行といった娯楽は、ドーパミンを放出してストレスを解消することが目的なので、この特性が強く現れます。
お互いが「もっと有意義なことに使えるのに」と感じるのは至極当然のことで、その結果として無駄遣いじゃないか!という感情のぶつかり合いへと変わっていくのです。
お互いのドーパミン放出スイッチが異なるので、これがすれ違いを生み出す原因と考えることができます。
3章:お互いのすれ違いをなくす方法
最後に、どうやったらお互い無駄遣いと感じずに済むかという2つの解決策に触れて締めたいと思います。
①お互いの快感スイッチが異なることを理解する
1つ目はよくある話で、お互いの価値観を理解しましょうということです。
俯瞰的視野で事象を捉えるとも言えますでしょうか。
男女でどうこうと言うより、人それぞれと捉えるのが良いでしょう。
つまり、どちらかが正しくてどちらかが間違っているとジャッジメントするものではなく、「何に対して一番ドーパミンが分泌されるかが人によって異なる」というのを把握しているだけでも、相手への懐疑心は和らぐものです。
そうはいっても、他人を理解するというのは、言うは易く行うは難し、かと思います。
多様な価値観をすぐに認め合えるほど人類がスマートであれば、ダイバーシティなんて言葉はとっくに廃れているはず。
なので、個人的にはこの後の2つ目の方法をおすすめします。
②そもそもドーパミンを必要としない環境をつくる
これまでドーパミンという言葉を何度も使ってきましたが、根源的なストレス軽減の方法として、ドーパミンに頼らない心身をつくるというのが、私のおすすめする方法です。
ドーパミンが放出されるのは、ストレスホルモンことコルチゾールに対抗するためですが、この効果があるのはドーパミンだけではありません。
●ドーパミン(別名:快楽ホルモン)
ストレスを強い快楽で上書きするのが特徴。効果は高いがその持続時間は一瞬で、より強い刺激を求めてエスカレートする危険もある。
●セロトニン(別名:安心ホルモン)
現状に満足する感覚を養い、脳を鎮静化してストレスそのものへの耐性を高めるのが特徴。
●オキシトシン(別名:幸福ホルモン)
繋がりや癒しを感じて幸福度を高め、直接的にコルチゾールの低減に働きかけるのが特徴。
ストレス対策としてセロトニンやオキシトシンを優位にすることは、持続的な効果を期待でき、浪費リスクを抑えるアプローチとも言えます。
ドーパミンによるストレス解消は、いわば脳を麻痺状態にすることと同義です。
ゲームや旅行をしている瞬間は(金額に比例して)大きく作用しますが、効果が切れるとまた次の刺激を求めがちになります。
対して、セロトニンやオキシトシンは、脳の土台を満たされた状態にするため、ドーパミンを過剰に欲する衝動を自然と収め、お金に頼らずに対策を取ることができます。
セロトニンやオキシトシンは、人間本来の活動を日々実践するだけで自然と分泌されます。
具体的には、以下のような行動を意識するだけでも、ゲームや旅行といった衝動的な浪費を未然に防ぐには有効策です。
朝日を浴びる、散歩する
30回噛む
運動をする(特にスクワット)
マッサージ・ストレッチをする
自然や動物とふれあう
コミュニティに属する
おわりに
堅苦しく脳のメカニズムを語ってきましたが、これらは実際に我が家で実践している内容でもあります。
混雑している娯楽施設や観光地へ出かける代わりに、近所を散歩したり、ピクニックをしたり、お互いマッサージをしてあげたり、家での心地よいコミュニケーションの時間を増やすことを心がけています。
その結果、ゲームセンターや旅行に対する意欲が自然となくなっていくのを実感しました。
今や我が家の娯楽費は、月に1万円もあれば十分に楽しめる生活スタイルとなっています。
勿論、全く娯楽施設や旅行に行かないというのは酷なので、年に数回のイベントなどで企画するくらいの家族サービスはしています。
ですが、我が家の支出削減という面では長い目で見て大きく貢献できるようになっています。
パートナーの金銭感覚にイライラしたり、資産形成のペースが上がらず悩んでいる方は、ドーパミンから離れた生活をおすすめします。
地味に見える日常にこそ、案外幸せが隠れているものです。
最後までお付き合いいただきありがとうございました!
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