
おやまの『徒競走』
おやまの『徒競走』
皆でかけっこの日 ゴールはお山の向こう
ドンっの合図と共に一斉に駆けだす
猪突猛進
僕は勢いとスタミナに自信があったから
1番になると思った
出だしは順調だったが
途中で立ち往生している輿をみつけた
気になったので声をかけると
宇佐の地に行きたいが、悪い奴に
追われていて困っているそうだ
ほっとけなかったので仲間を呼んで、
そこまで連れていってあげることにした
到着した彼らは大層よろこんでいた
あれから結構な時間をついやした
もう皆、到着しているだろうと
思ったら
山頂付近で戌を見つけた
「すばしっこい君がまだこんな所に」
声をかけると
自分よりもまだ後ろに徒(ト)がいるとは
思わなかったようで驚いたそうだ
彼も同様、山で彷徨っている僧を
見つけたそうで
道案内をしていたら遅れたそうだ
私たちはドベだと分かっていたから
話しながらゆっくりとゴールを目指した
そして無事に峠を越え
僕は12番目の亥となる
それ以来、乾は仲良しとなった