見出し画像

【古今東西ダンスミュージック祭り】 fhána 「The Look of Life Tour」 を観ました

 大好きなバンド!ですが、最後に行ったのは『Cipher』のリリースツアーの新潟公演。つまりレーベルを移籍して新体制になってからは、初めてのライブ参加になります。


新編成への期待と不安と…

 移籍後初というのは、言い換えれば和賀さんの脱退後は初めてのライブ参加ということ。和賀さんのギターが好きだったので、正直まだ複雑な気持ちでした。どんなライブになるのか心配だったのはもちろんのこととして、それ以上にバンドとしての存続など、より根源的な不安を感じていましたし、新しい編成を観ることでそれを突きつけられるのではないかという恐怖もありました。そんな不安を抱える中、照明が消え、オープニングの"(Life is Coming Back)"が流れ始め…。

 1曲目は"Beautiful Dreamer"。私の不安をかき消すかのような激しいトリプルギター。これ以上に、新体制を象徴する曲はありません。続いてライブの定番"現在地"。和賀さん楽曲ですね。towanaさんのボーカルは絶好調な感じで、観客もめちゃくちゃ盛り上がっていました。佐藤さんがピアノに座り"Runaway World"へ。3曲目も観客がかなり盛り上がっていたし、コーラスもみんなで歌っていて楽しかったです。名古屋、いいぞ…!この曲は、サビは疾走感があるけど、後半でテンポが半減するという構成がかっこいいなと思います。そして改めて聞くと結構ギターの存在感があることに気づきました。ギターソロで中西さんが大暴れしていたのも最高!

 ジャージークラブを取り入れたという"(名古屋) City Dream City"は、振りをみんなで練習してから本番へ。ボーカルのキュートさが際立つ曲だと思いますが、レコーディング当日に歌詞が上がってきたことをtowanaさんが詰問するシーンもありました(笑) そのままアルバム曲が続きます。"Matching Error"は原曲ではイメージがなかったけど、ギターの2人がめちゃくちゃ盛り上がっていました。特に、Cメロのノイズをインナージャーニーの本多さんが演奏していてかっこよかったです。続いて"Spiral"。これはシングルのカップリングだった時からお気に入りの1曲でした。イントロの特徴的なフレーズはギターの生演奏だったのが個人的にびっくりでした。本多さんの引き出しの多さに感心します。佐藤さんのボーカルも良い雰囲気。そしてやっぱりtowanaさんのボーカルが絶好調。特に「薄っぺらいボーダーに隠された」のところが、ベースの動きもあいまって大好きです。

 この日のリズム隊は初体験のメンバーでした。これまでfhánaでベースを弾いていたプレイヤーとしては、お馴染み前田さん、須藤さん、そして田辺トシノさんが印象的でしたが。今回の目黒さんはものすごくタイム感が良くて、かつ技巧的という印象で、途中のソロでスラップを高速でやっていたときには度肝を抜かれました。北村さんのドラムは手数が多いイメージ。(個人的にThe First Takeのファタールも最高でした) よっちや張替さんはタイトというのか、キレが印象的なドラムだったので、この日はまた違った雰囲気になっていて楽しかったです。
 ギターでは、中西さんはハイポジションでのカッティングが多く、本多さんは基本パワーコードを引きつつノイズやワウなどの飛び道具という印象。そんな本多さんがときたま奏でるカッティングがめちゃくちゃかっこよかったです。


"The Look of Life"の楽曲たち

 MCを挟んで"天使たちの歌"へ。正直に言って、この曲は初めはあまりピンときていませんでした。よくも悪くも味付けが薄いと言うべきか…。しかし、アニメの中で聞いていくうちに、ものすごく好きな1曲になったし、今回のライブへの参加を決めたのもこの曲が決め手だったと言っても過言ではありません。サビの歌詞がだんだん変化していくところが特にお気に入りで、主人公の2人が未来を向いていく過程が表されている感じがします。言葉じゃ飾り切れない、両手では抱えきれないほどの奇跡。それを踏みしめて生きていくんだという希望を感じられる曲です。最近のfhánaの楽曲の中でも再生数が多く、曲に対してもアニメに対しても肯定的な意見が多くあるのも、なんだか嬉しいです。

 続いて"永遠という光"。この曲が本当に大好きで…!fhánaと言えば、"青空のラプソディー"のようなはじけた曲も人気ですが、個人的にはこの曲や"いつかのいくつかの君との世界"のようなミドルテンポの曲も大好きです。それにしても、本当に佐藤さんの書くメロディーは天才的だなぁと思います。「今 僕だけの鍵が 扉を開く」とか「糸を手繰り君の元へ帰ろう」のバランス感覚なんて信じられません。さらに、最後のサビの歌詞をtowanaさんが決めたというインタビューを直前に読んでいたので、このライブでも「絶対に嫌だ」という歌詞を噛み締めて歌っているのがわかってグッときました。演奏的には感情の揺れ動きを表すかのように畳み掛けるドラムの演奏がよかったです。

 表題曲"The Look of Life"は5周年の時の"Stories"を感じさせますし、"What a Wonderful World Line"のようなメロディーも意図的かどうかはともかく含まれていて、そういう節目の曲な感じがあります。インタビューでも言われていましたが、歌詞はちょっと生々しいというか、これまでにないパーソナルさで描かれているのが印象的でした。あと、Cメロの3連符的なフレーズがめっちゃかっこいいです。これもかなり盛り上がってよかったです。


古今東西ダンスミュージック祭りタイム!

 その盛り上がりのまま、"星屑のインターリュード"へ。大名曲。中西さんがかなりノリノリで演奏していたのが嬉しかったです。というかツインギターでこの曲が聴けるのが何気に初めてでちょっと感慨深かったです。コード引きのフレーズとカッティングのフレーズを分担されていて、ギターならではの良さがありました。他にも2番のAメロのベースはスラップではなく、低音域と高音域を行き来するテクニカルなフレーズになっていてこれまでにないよさがありました。やはり観客もこの曲が好きなようで(kevinさんもDJセットで結構かけていることもあり?)みんなサビではジャンプしていました!楽しい!…のだけれども、踊るというよりかはしっかりメロディーやアレンジの素晴らしさを味わいたい気持ちもあった私です(笑) アウトロはピアノソロではなくそのままジャーンと楽器をかき鳴らして潔く終わるスタイルで、その勢いのままにさらに"Give Me Love"へ。ラテンっぽい感じがかっこいいですよね。Cメロの畳み掛けるところではギターのお二人が向かい合って弾いていたのが視覚的にも楽しいです。

 4つ打ちで盛り上がるダンスチューン繋がりで"Relief"。中西さんがコード、本多さんがクリーントーンでのカッティングと言うパート分けでした。「この曲こそ、和賀さんのギターがないとやっぱり寂しいなあ…」なんてことを思っていたら、2番のAメロで本多さんがマシンガンのようなエフェクトをかけていて、なんというリスペクトだ!と感動しました。本多さんも「ぶちかましたぜ!」というような笑顔で、なんだかこちらも嬉しくなりました。アウトロのギターソロは中西さん。ちょっとギターが上手すぎてびっくりしています。シュレディングマスターですね。最高に盛り上がっていました。

 そういえばfhánaのライブといえば、佐藤さんのMCがゆる〜いことで有名(?)ですが、その間じゅう本多さんはずっと、コーチの話を真剣に聞く野球部みたいな真剣な面持ちで佐藤さんの方を向いていたのが印象的でした(笑) 中高生の時の部活が気になるところです…。


しっとりと本編終了、からのアンコール

 キラキラした打ち込みが流れ始め"光舞う冬の日に"。この曲めっちゃいいですよね。サビは5拍子という変わった曲ですが、お馴染みtowanaさんの指揮のおかげでみんな乗りこなせているという、結構すごい曲だと思います。歌は3拍+2拍、演奏は4拍 +1拍みたいな感じがはまると気持ちいい曲です。和賀さんの音が上がりきらないチョーキングが懐かしい一方、本多さんは結構クリーンなトーンで弾いていて、これはこれでありだなと思いました!アルバム曲の"風になって"は曲も歌詞も切なくていいですよね。曲の構成やメロディー、リズムなどが佐藤さん作曲の"君は帰る場所"を彷彿とさせます。この曲もめっちゃ好きです。本編ラストはアルバムの流れ通り"Waltz of Lily"。しっとりした雰囲気で本編が終了しました。

 個人的に嬉しかったのがアンコール。初めは手を叩くだけだったのが、前方にいた人たちの声かけもあり、「アンコール!」とみんなで叫びました。久々にこういうアンコールを経験して、すごく嬉しかったです。拍手するだけでアンコールしてもらえるなんて図々しいなぁと最近よく感じていたので…。

 アンコール1曲目は"World Atlas"。大名曲ですね。「幾千の星を巡り」からのメロディーがたまらなく好きです。もともとは空白を生かすようなギターのアレンジなように思うのですが、今回のライブではツインギターのため、どちらかはパワーコードを弾く場面が多く、どの曲もロック的な疾走感がプラスされていたように感じます。MCでは何度か語られていましたが、「"World Atlas"までは非日常を歌っていた。それが折り返し地点となって、今作はより日常に寄り添ったアルバムになっている。fhánaは人生。それを支えてくれているファンの皆さんありがとう」といったことを佐藤さんが朴訥に語っていました。

 しんみりした雰囲気になってしまいましたが、まだあの2曲をやっていません。まずは"愛のシュプリーム"。このレコ発ビルボードライブを見たときイントロでめっちゃ泣いてしまったのを覚えています。そしてみんなダンスの振りができていてすごいです。ギターの2人がフレーズを掛け合い、楽しそうに演奏していて、やっぱり嬉しくなります。ちょっと話がずれますが、この曲のCメロのアレンジは小沢健二"強い気持ち・強い愛"のライブバージョン、メロディーはめっちゃスチャダラパーの"GET UP AND DANCE"のオマージュだなぁと思います。どっちの曲もめっちゃ好きなので、そういう文脈もあってこの曲が大好きだなあと思います。

 続いて"青空のラプソディー"へ。この曲が出たとき私は高校3年生の冬で受験を控えていましたが、今まで聞いたことのない曲すぎて、驚きのあまりにすぐにファンになりました。懐かしい曲です。最後にはkevinさんがステージの中心でダンスをしていて、それで私も自然と振り付けを思い出しちゃって…というのがめちゃくちゃエモかったです。ライブに行くたびに実感することですが、kevinさんは本当に上手に盛り上げてくれます。なのでfhánaのライブってめっちゃ疲れるんですよね(笑)。でも楽しいからまた行きたくなるんだよなあ、なんて思わされた素晴らしいライブでした。


最後に…

 「新しいメンバーを迎え入れてやっていく!」という決意がバリバリ伝わってきたライブでした。

 "私のための物語"のインタビューで、和賀さんは自分のことを「汚し役」と表現していたのを覚えています。それを読んでものすごく腑に落ちたというか。私が好きなのは、メロディアスなリードギター(たとえばGuns N’ Rosesのスラッシュのような)ではなくて、メロディーの良さとか聞かせどころを知ったうえで主張しすぎない、そんなギターなのだと。もちろんリードプレイやソロも大好きですし、和賀さん作曲の楽曲も大好きです、"ムーンリバー"とか"star chart"とか…。あと、無口というかクールな立ち振る舞いも(笑)

 そんなこんなで和賀さんが脱退してからというもの、気づけば少し距離を置いていたなと気付かされました。今回、恐る恐る参加したライブでしたが、結果的に大正解!また機会があればライブに足を運びたいなと思います。

いいなと思ったら応援しよう!