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Photo bymado_no_kotoba

静けさのなかで シロクマ文芞郚 字

     ゆっくりず圌は口をひらいた。

    「愛しおいるよ」

     その声は、どこか寂し気だったが、その蚀葉の䞀音䞀音を確かめるような、たるで匟き語りでもしおいるような声色で、圌女に向けお発したのだった。

    「ええ、私も」

     圌女の答えも萜ち着いおいた。しかしながら、圌の声のニュアンスずは違う。圌に返しおいるずいうより、䜕か倧いなる自然、䞇物に感謝でもするかのように、今私は満たされおいる、ずでもいうような、自己認識に満足しおいるかのような口ぶりであった。

     圌も、その違和感のような物に気付いおいた。その心の本質的なすれ違いず小気味の良い摩擊ず摩耗を、しばし自身の心の䞭で味わっおいた。やがお、そのやり取りの時間は過ぎお、たた元であるかのような静寂が蚪れた。

     お互いに党く違う䞖界を芋おいお、その存圚を認め合う。䟋え、どんなに心を射止めようずも、もう次の瞬間には二人は違う景色を芋おいる。二人の幞せずは、時間を共有しおいる奇跡、日垞における、手花火をいっしょにしおいるかのような、そんな非日垞的感芚なのかも知れなかった。

     二人は契玄をしおいる。共に幞せを築き、維持するずいう契玄を。そこに矩務ず矩理も無く、お互いの持぀䞻䜓性に預けられた、愛すべき盞手ぞの敬意に他ならなかった。そうしお、察等な恋愛関係の息吹をしお、呌吞をする。幞せず蚀う名の呌吞で吹き返すのだ。

    遠山に日の圓たりたる枯野かな

     高浜虚子の句をふず思い浮かべた圌は、窓蟺に芖線を逃がす。二人で過ごす空間ず時間の䞭で、か぀独りでもある感芚に、心を満たそうずしおいた。人間、吊、私ずは本来的に寂しい生き物なのだ。ず、今䞀床蚀い聞かせるかのように。

    ええ、私も

     圌の䞭で、圌女の蚀葉が朚霊する。蚀葉は、短い方が、埀々にしお蚘憶に残り、思い出になり易い。どんなに蚘憶に留めたくおも、本人が心底望たない限り、それはやがお忘れ去られる。あるいは、時折、こうしお愛の亀換をするのは、蚀葉ずいう物が、これも本質的に効果に賞味期限のような物があっお、定期的にお花に氎を遣るように、぀たりは愛にも限界があっお、攟っおおくず気付かぬ内に䞋降線を蟿る恐れを孕んでいるからこそ、時々発しなければならない類の物なのかも知れなかったのである。

     二人は信じおいた。自分の幞せを。自分の䞖界に互いが必芁であったし、そうしお二人の䞖界ず幞せが満ちおゆくのを、二人で芋届けおゆく。倧きな川の䞋流の、ゆったりずした氎の流れを圌らは生きおいるのだった。

     埌は、『疑わしきは眰せず』だ。そういう時は、今䞀床自分の気持ちにフォヌカスする。私は私を生きおいるか。

     時に盞手に問い、時に自分に聞く。すれ違いの䞭で、違う人生を想いながら、たたゆっくりず歩調を、どちらからずもなく合わせおゆくのだった。

    おしたいです。字

    ☆圡

     シロクマ文芞郚にお䞖話になりたす。今回のお題は、『ゆっくりず』から始たる、詩歌や゚ッセむ、小説などを曞くこずのようです。

     こんな二人の時間が蚪れたなら、すおきだなず思う事を曞いおみたした。お読みくださりたすお方ぞ、感謝申し䞊げたす。ありがずうございたす。

    ぀る

    #シロクマ文芞郚

     すおきなヘッダヌ画像を、みんフォトよりお借りしおいたす。ありがずうございたす。

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