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バラバラになる䞖界の音楜チャヌトSpotify6幎分のデヌタから探るロヌカル化珟象

    以前、圓研究宀では「掋楜離れ」をデヌタから怜蚌し、それが日本だけの珟象ではなく、䞖界䞭で「アメリカのヒット曲離れ」が進行しおいるこずを報告したした。たた「文化的雑食性オムニボア」ずいう芖点から、サブスク時代のリスナヌが時代やゞャンルや蚀語を軜々ず越えお音楜を楜しむ様子も可芖化しおきたした。

    今回はその続線ずしお、さらにデヌタの範囲を広げた怜蚌を詊みたす。具䜓的には、䞖界最倧芏暡の音楜サブスクリプション・プラットフォヌムSpotifyが公開しおいる 侖界73カ囜のWeekly Top 200チャヌト、玄6幎分2020幎1月〜2026幎3月のデヌタ を分析し、䞖界の音楜チャヌトが本圓に「バラバラ」になり぀぀あるのかを、耇数の角床から怜蚌しおいきたいず思いたす。

    たずロヌカル率を定矩しおみる

    䞖界䞭の人々がSpotifyで同じ楜曲を聎いおいるのか、それずも囜ごずに異なる楜曲を聎いおいるのか。これを確かめるには、各囜のチャヌトに占める「その囜でしか聎かれおいない曲」がどれくらいあるかを远跡しおみるのが、最もわかりやすいアプロヌチではないでしょうか。

    ただし、Spotifyのチャヌトデヌタには「この曲のアヌティストはどの囜の出身か」ずいう情報が盎接含たれおいたせん。そこで、ここでは少し異なる方法を考えおみたす。それは、

    各トラックが「同じ週に䜕カ囜のチャヌトにランクむンしおいるか」をカりントし、3カ囜以䞋にしかチャヌトむンしおいない曲を 「ロヌカル曲」 ず定矩する。

    ずいうものです。3カ囜以䞋ずいう閟倀は、「同蚀語圏の隣囜でチャヌトむンするケヌス」を蚱容し぀぀、「グロヌバルヒット」ずは明確に区別するための蚭定です。たずえば日本のチャヌトで1䜍になった曲が台湟でもチャヌトむンしおいれば、それは「文化的に近い近隣囜での人気」であっお「グロヌバルヒット」ではないだろう、ずいうような考え方です。

    この定矩で各囜・各週のTOP 200におけるロヌカル曲の割合を蚈算し、73カ囜の平均倀の掚移を可芖化しおみたしょう。

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    å…š73カ囜平均のロヌカル率曲数ベヌス再生回数加重の週次掚移。緑曲数ベヌス、赀再生回数加重。垯は四分䜍範囲。

    たず緑色の線曲数ベヌスに泚目しおください。2020幎の巊端では玄37%だったロヌカル率が、右端の2026幎には52%皋床にたで右肩䞊がりに䞊昇しおいたす。぀たり、2020幎にはチャヌトの6割以䞊がグロヌバルヒットで構成されおいたのが、2026幎にはロヌカル曲が過半数を占めるようになった、ずいうこずになりたす。6幎間で +16ポむント の䞊昇です。

    次に赀色の線再生回数加重ベヌス、再生回数で重みづけした堎合を芋おみたしょう。緑の線より垞に数ポむント䜎い䜍眮を掚移しおいたす。これは「ロヌカル曲はチャヌトにランクむンしおはいるものの、1曲あたりの再生数ではグロヌバルヒットにやや劣る」こずを意味しおいたす。ただし、2本の線の間隔が幎々瞮たっおいる点に泚目しおください。ロヌカル曲の再生シェアも着実にグロヌバルヒットに迫り぀぀あるこずが読み取れたす。

    散らばっおいる点は各週の実枬倀、色の぀いた垯は73カ囜間のばら぀き四分䜍範囲を瀺しおいたす。垯の幅が広いのは、日本のようにロヌカル率が90%を超える囜からアメリカのように20%皋床の囜たで、囜ごずの差が非垞に倧きいこずを反映しおいたす。


    囜ごずに芋るず、䜕が起きおいるのか

    この党䜓トレンドの内偎で、囜ごずにどのような違いがあるのでしょうか。

    各囜のロヌカル率の倉化スピヌドを「幎あたり䜕ポむント倉化しおいるか」で評䟡し、党73カ囜をランキングにしおみたした。

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    å…š73カ囜のロヌカル率トレンドランキング。ゎヌルドロヌカル化進行、ブルヌグロヌバル化進行。

    ゎヌルドの鉛筆型のバヌが右に䌞びおいる囜ほどロヌカル化が速く進んでおり、䞋郚のブルヌのバヌが巊に䌞びおいる囜はグロヌバル化が進行しおいたす。䞀目でわかるのは、ゎヌルドが圧倒的に倚いずいうこずです。ほが党おの囜でロヌカル化が進行しおいたす。

    䞊䜍に泚目するず、 南アフリカ+13pp/幎、ルヌマニア+10pp/幎、ハンガリヌ、ブルガリア、゚ゞプト ずいった囜々が突出しおいたす。䞀方、ブルヌ偎グロヌバル化が進行に出おいるのは むギリス-1.6pp/幎、ニュヌゞヌランド-2.0pp/幎 など、䞋郚に集たっおいる英語圏の囜々が䞭心です。

    この非察称性は興味深く感じたす。英語圏の囜々のチャヌトは元々グロヌバルヒット英語楜曲で構成されおいるわけですから、「ロヌカル化が進たない」のではなく、「自囜の音楜がそもそもグロヌバルヒットそのものである」ずいう構造的な特性を反映しおいるに過ぎないのかもしれたせん。

    では、䞻芁な囜の個別の掚移を芋おみたしょう。20カ囜を4段に分けお䞊べたパネルチャヌトです。

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    囜別の曲数ベヌスvs再生回数加重ロヌカル率の掚移。4段×5列パネル。䞊段ロヌカル化䞊䜍囜、䞭2段䞻芁垂堎、䞋段倉化が小さい囜。

    各パネルの巊䞊に囜旗が衚瀺されおいたす。1段目がロヌカル化の進行が速い囜、2〜3段目がSpotifyの再生芏暡が倧きい䞻芁垂堎、4段目が倉化の小さい囜です。緑の線が曲数ベヌス、赀の線が再生回数加重のロヌカル率を瀺しおいたす。

    こうしお䞊べおみるず、いく぀かの類型が浮かび䞊がっおきたす。

    • 高䜍安定型日本、ブラゞル、むンド元々80〜90%ず高いロヌカル率を維持しおおり、自囜の音楜垂堎が匷固であるこずがうかがえたす

    • 急䞊昇型むンドネシア、フィリピン、韓囜2021〜2022幎頃から急激にロヌカル率が䞊昇しおいたす

    • 䜎䜍安定型アメリカ、むギリス20%前埌で暪ばいずなっおおり、先述の構造的理由によるものず考えられたす

    韓囜の䞊昇は、K-POPの囜内回垰あるいは囜内垂堎の成熟を瀺唆しおいるのかもしれたせん。むンドネシアやフィリピンでの急䞊昇は、これらの囜でロヌカルな音楜シヌンが急速に成長しおいるこずの反映であるように芋えたす。たずえばむンドネシアではBernadyaさんのような囜内むンディヌアヌティストが数億回再生される芏暡に成長しおいたす。

    フィリピンでもDionelaさんらOPMOriginal Pilipino Musicのアヌティストが同様の存圚感を瀺しおいたす。いずれも玠晎らしい音楜なのでぜひ聎いおみおください 


    各囜チャヌトはどれくらい独自になっおいるのか

    ロヌカル率ずいう指暙に加えお、別の角床からも怜蚌しおみたしょう。次のグラフは、「各囜のTOP 200に含たれる曲が、平均しお䜕カ囜でチャヌトむンしおいるか」を远跡したものです。

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    䞊パネル独占率1カ囜のみチャヌトむン曲の割合の掚移、䞋パネル平均チャヌトむン囜数の掚移。どちらも曲数ベヌス再生回数加重。

    䞊のパネルは「独占率」、぀たり1カ囜でしかチャヌトむンしおいない曲の割合です。緑色の線が右に向かっお䞊昇しおいるのは、「その囜だけでしか聎かれおいない曲」が幎々増えおいるこずを瀺しおいたす。

    䞋のパネルはより盎感的です。青い線が瀺す「平均チャヌトむン囜数」に泚目しおください。巊端の数倀ず右端の数倀を比べおみるず、18.2カ囜から10.1カ囜ぞずほが半枛 しおいるこずがわかりたす。぀たり「TOP 200の曲が同時にチャヌトむンしおいる囜の数」が、6幎間で半分近くになったわけです。

    この2぀の指暙はいずれも、先ほどのロヌカル率の䞊昇ず完党に敎合しおいたす。䞖界の音楜チャヌトが「バラバラ」になり぀぀あるこずは、耇数の異なる指暙から頑健に支持されおいるず蚀えそうです。


    むンドの逆説ロヌカル化ずグロヌバル進出の同時進行

    ずころで、囜別の独占率トレンドを確認したずきに、面癜い発芋がありたした。 むンドの独占率が䞋がっおいる のです。

    ロヌカル率は80〜90%ず非垞に高いむンドのチャヌトはむンド音楜が支配にもかかわらず、独占率が䜎䞋しおいるずいうこずは、「むンドの曲が他の囜でもチャヌトむンするようになっおいる」こずを意味したす。次のグラフでその2぀の指暙を重ねおみるず、逆説がくっきりず浮かび䞊がりたす。

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    むンドのロヌカル率䞊昇ず独占率䜎䞋の掚移を重ねた1枚。オレンゞロヌカル率、ティヌル独占率。

    オレンゞの線ロヌカル率が右肩䞊がりに96%たで䞊昇しおいるのに察し、ティヌルの線独占率は逆に64%から52%ぞず䜎䞋しおいたす。2本の線がはさみのように開いおいく構図が、「自囜チャヌトのロヌカル化」ず「自囜音楜のグロヌバル進出」の同時進行を芖芚的に物語っおいたす。

    これは矛盟しおいるように芋えたすが、むンドの音楜垂堎の巚倧さ人口14億人ず、Arijit Singhさんのようなアヌティストに代衚されるボリりッド音楜やパンゞャブ音楜の囜際的な浞透を考えれば、むしろ自然な珟象なのかもしれたせん。

    瀟䌚孊者ロヌランド・ロバヌト゜ンが「グロヌカリれヌション」ずいう抂念で瀺したように、グロヌバル化ずロヌカル化は察立するものではなく、同時に進行しうるものです。むンドの事䟋は、たさにその奜䟋なのかもしれたせん。


    ゞャンルの䞭身を芗いおみる䜕がロヌカル化を駆動しおいるのか

    ここたでの分析では「䜕カ囜でチャヌトむンしおいるか」ずいう指暙でロヌカル化を捉えおきたしたが、実際にロヌカル曲を構成しおいるのはどんなゞャンルの音楜なのでしょうか。

    Spotifyのデヌタから今回分析察象ずした玄11.6䞇曲のアヌティストのゞャンル情報を取埗し、「囜名や地域名を含むゞャンル」をロヌカルゞャンルずしお分類しおみたした。j-pop、german hip hop、afrobeats、reggaetonなどがこれに該圓したす。これらを10の倧カテゎリに集玄し、それぞれのストリヌムシェアがどう倉化しおきたかを可芖化しおみたしょう。

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    ロヌカルゞャンルカテゎリ別ストリヌムシェアの掚移折れ線。Latin, Afro, K-pop, J-pop, Desi/Indian, Euro Local, SEA等の個別掚移。

    倪い線で匷調されおいる4぀のカテゎリに泚目しおください。これらが近幎急成長しおいるゞャンル矀です。

    最も䞊を走っおいる赀い線が Latinラテン で、圧倒的なシェア玄25%を占めおいたすが、2022幎をピヌクにやや䜎䞋傟向にありたす。䞀方、倪い線の䞭で右端にかけお急䞊昇しおいるのが SEA東南アゞア で、2022幎以降にシェアを急拡倧しおいたす。これは先ほど芋たむンドネシアやフィリピンのロヌカル化ず芋事に連動しおいたす。同様に Desi/Indianむンド系 ず Arabic/MENAアラブ・䞭東 も2022幎以降に目に芋えお䞊昇しおいたす。

    薄く衚瀺されおいる線は倉化が緩やかなカテゎリで、Euro LocalやJ-popなどは比范的安定したシェアを維持しおいたす。

    囜境を越えるゞャンル、越えないゞャンル

    そしお最も瀺唆的だったのが、次のチャヌトです。ロヌカル曲ずグロヌバル曲のゞャンル構成を巊右に䞊べお比范しおみたしょう。

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    ロヌカル曲vsグロヌバル曲のゞャンルカテゎリ構成比范暪棒グラフ2枚䞊び。巊ロヌカル曲3カ囜以䞋、右グロヌバル曲3カ囜超。

    巊のパネルがロヌカル曲3カ囜以䞋でチャヌトむン、右のパネルがグロヌバル曲3カ囜超でチャヌトむンのゞャンル構成です。

    たず右のパネルに泚目しおください。 グロヌバル曲のゞャンル構成は、実にLatinが78.7%を占めおいたす。 他のカテゎリずの差は歎然で、囜境を越えお倚数の囜のチャヌトに同時ランクむンできるロヌカルゞャンルは、ほがレゲトンを䞭心ずしたラテン音楜だけだずいうこずになりたす。たずえばこのような楜曲が、数十カ囜で同時にチャヌトむンしおいたす。

    次いでK-popが11.5%で、ロヌカルゞャンルでありながらグロヌバルに浞透する皀有な存圚であるこずがわかりたす。

    ここで巊のパネルに目を移しおみおください。ロヌカル曲の䞖界では、Euro Local、Latin、SEA、Arabic/MENAなど倚様なカテゎリがバランスよく分垃しおいたす。右のパネルずの察比は鮮烈です。グロヌバルに「勝おる」ゞャンルはごく限られおいるのに察し、ロヌカルの䞖界は実に倚圩であるこずがわかりたす。

    J-popは巊のパネルでは5.1%の存圚感がありたすが、右のパネルではわずか0.4%にずどたっおいたす。日本の音楜はチャヌトの倖偎で聎かれおいる可胜性はありたすが、少なくずもTOP 200のレベルでは極めおロヌカルな存圚であるようです。

    ここに、以前の埒然研究宀noteで分析した、日本のむンディペンデント・アヌティストLampさんの海倖での人気構造ずの接続が芋えおきたす。Lampさんはアメリカで日本の10倍以䞊聎かれおいたしたが、

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    アメリカのSpotifyチャヌトには登堎しおいたせんでした。チャヌトの「倖偎」で静かに浞透するタむプのグロヌバル化ず、チャヌトの「内偎」で数字ずしお衚れるグロヌバル化は、異なるメカニズムで動いおいるずいうこずです。

    今幎のSpotifyのたずめが出たした。

    僕たちの音楜をたくさん聎いおもらえおずおも嬉しいです。

    Spotify以倖の配信サヌビスで聎いおくれた人も、CDやレコヌド等で聎いおくれた人も、本圓にどうもありがずうございたす。

    是非たた来幎も聎いおください pic.twitter.com/IFdW9KFur9

    — Lamp 染谷倧陜 (@lamp_someya) December 7, 2024

    文化的雑食性のゆくえ

    ここたでのデヌタを総合するず、䞖界の音楜リスニングには明確な「ロヌカル化」のトレンドが確認できたす。各囜のチャヌトは6幎間で着実に「バラバラ」になり぀぀あり、それぞれの囜のリスナヌが自囜や自蚀語圏の音楜をより倚く聎くようになっおいたす。

    では、これは埒然研究宀がこれたで远いかけおきた「文化的雑食性」の埌退を意味するのでしょうか。

    圓研究宀には必ずしもそのようには思われたせん。

    文化瀟䌚孊者のリチャヌド・ピヌタヌ゜ンが1990幎代に提唱した「文化的オムニボア」の抂念は、「瀟䌚的地䜍の高い人々は単䞀のハむカルチャヌだけでなく倚様な文化を消費する」ずいうものでした。しかし、ストリヌミングずアルゎリズムが普及した珟代においお、この「雑食性」はもはや瀟䌚階局の問題ではなく、情報環境のアヌキテクチャの問題になり぀぀あるように思えたす。

    チャヌトレベルでのロヌカル化ず、個人レベルでの雑食性は、矛盟しないのです。

    たずえば、ある日本のリスナヌがJ-POPを䞭心に聎きながらも、アルゎリズムの掚薊を通じお韓囜のむンディヌロックやブラゞルのMPBに出䌚い、それらを日垞的に楜しんでいるずしたす。このリスナヌの個人的な音楜䜓隓は極めお雑食的ですが、その人のJ-POPのストリヌミングは日本のチャヌトの「ロヌカル率」を抌し䞊げ、韓囜のむンディヌロックやブラゞルのMPBの再生は各囜のチャヌトに埮小な貢献をするだけです。

    ぀たり、集合的なデヌタずしおはロヌカル化が進んでいおも、個々のリスナヌの䜓隓レベルでは雑食性が高たっおいる、ずいうこずが起こりうるわけです。

    この構造は、ヒットチャヌトずいう仕組みそのものの意味を倉え぀぀あるのかもしれたせん。

    ヒットチャヌトの意味が倉わり぀぀ある

    2025幎7月にYouTubeが「急䞊昇」ペヌゞの廃止を発衚した際、YouTubeは「トレンドは倚くのファンダムによっお生み出される倚皮倚様な動画で構成されるようになった」ず説明したした。

    Billboard JAPANも「リカレントルヌル」を導入し、長期チャヌトむン曲ぞの察応を始めおいたす。

    こうした動きの背景には、今回のデヌタが瀺すのず同じ構造倉化があるように思えたす。各囜のリスナヌがそれぞれの嗜奜に沿った倚様な音楜を聎くようになった結果、「瀟䌚党䜓の最倧公玄数」であるヒットチャヌトず、䞀人ひずりのリスナヌの実際の音楜䜓隓ずの乖離が倧きくなっおいるのではないでしょうか。

    か぀おヒットチャヌトは「みんなが聎いおいる曲」を映す鏡でしたが、その「みんな」が聎いおいる曲のバリ゚ヌションが増え、チャヌトの倖偎で静かに愛されおいる曲の総量も膚れ䞊がっおいる。そうした状況では、チャヌトずいう䞀枚の鏡に映る像は、リスナヌ䞀人ひずりの䜓隓実感からたすたす遠いものになっおいく可胜性がありたす。

    過去の埒然noteで玹介した「音楜版ダンバヌ数」ずいう考え方、぀たり䞀人の人間が本圓の意味で関心を持おるアヌティストや楜曲の数には認知的な䞊限がある、ずいう仮説をここに重ねおみたしょう。

    限られた認知の枠の䞭に、これたでになく倚様なアヌティストがモザむクのように詰め蟌たれおいく。しかしその䞀぀䞀぀は異なる囜のチャヌトに散らばるため、集合的に芋るず各囜チャヌトはたすたす「独自」に芋えたす。

    ロヌカル化ず雑食性の同時進行。これは矛盟ではなく、たさにグロヌカリれヌションの音楜における珟れなのではないか...ず圓研究宀は感じおいたす。


    再郚族化を再考する

    ここで、以前Xで考察したこずに立ち戻っおみたいず思いたす。

    昚幎「英語圏垂堎は茞入曲にシェアを奪われおいる䞀方、非英語圏垂堎はロヌカルコンテンツがシェアを拡倧」ずいうLuminateレポヌトを玹介したのですが、改めお代衚的日本発アヌティストの海倖での芖聎回数を芖芚化しおみたした。海倖は劇的に䌞びおいるわけではなく、米接さんを陀いおは平衡状態に近い  https://t.co/NgFEoSFoUE pic.twitter.com/IAfzrO6ALP

    — 埒然研究宀✍🏻 (@tsurezure_lab) February 17, 2026

    圓研究宀はこの投皿で、マヌシャル・マクルヌハンが予芋した「再郚族化」、぀たり電子メディアによっお䞖界が瞮小した結果、人々がかえっお自分たちのルヌツや蚀語、文化的な垰属ぞず回垰する珟象が、音楜ストリヌミングの䞖界でも郚分的に起きおいるのではないかず述べたした。

    今回の分析結果は、この仮説をかなりの皋床裏付けおいるように芋えたす。73カ囜のうちほが党おでロヌカル率が䞊昇しおいるずいうデヌタは、䞖界䞭の人々が「自分たちの音楜」をより倚く聎くようになっおいるこずを瀺唆しおいたす。無限の楜曲にアクセスできる環境が敎ったこずで、かえっお「私たちは䜕を聎く人々なのか」ずいうアむデンティティの問いが浮䞊し、それぞれの土地の音楜ぞの回垰が起きおいる マクルヌハンの予芋は、少なくずも 、チャヌトの集合的なデヌタのレベルでは、かなり正確だったのかもしれたせん。

    地理的な再郚族化ず、感性の共鳎による再郚族化

    ただし、今回の分析を通じお、圓研究宀の認識も少し曎新されたした。

    以前の投皿では「地理的な再郚族化」、぀たり生たれ育った土地の音楜ぞの回垰ずいう偎面を䞭心に考えおいたした。しかし今回のデヌタ、ずりわけゞャンル分析の結果から芋えおきたのは、もう䞀぀の局の存圚です。

    たずえば、ルヌマニアのManeleや゚ゞプトのアラビックポップが自囜チャヌトで急成長しおいる䞀方で、それらの音楜に囜境の倖からアクセスするリスナヌも確実に存圚しおいたす。

    日本の2003幎の楜曲、HALCALI「お぀かれSUMMER」が22幎の時を経おTikTokでバむラルしたように、

    あるいはLampがチャヌトの倖偎でアメリカのリスナヌに深く愛されおいるように、生たれた土地ずは無関係に、自分の感性が共鳎する音楜のもずに集たるリスナヌたちがいたす。

    マクルヌハンが予芋した「再郚族化」は確かに起きおいるようです。しかしそれは、単に地理的な垰属ぞの回垰だけではなく、同時に、囜境を越えた「感性の共鳎による再郚族化」ずでも呌ぶべきものも䞊行しお進行しおいるのではないでしょうか。

    チャヌトデヌタずいう集合的な指暙には、地理的な垰属ぞの回垰がくっきりず衚れおいたす。しかしチャヌトの倖偎では、感性の共鳎による囜境を越えた集たりも、静かに、しかし確実に進んでいる可胜性がありたす。K-POPのグロヌバルなファンダムも、日本のアニメ音楜を熱心に聎く海倖のリスナヌも、その珟れなのかもしれたせん。

    界隈ず再郚族化の違い

    ここで日本語で近幎䜿われるようになった「界隈」ずいう蚀葉に぀いお考えおみたいず思いたす。「界隈」はしばしば、同じ関心を持぀人々が閉じた空間に集たり、ずきに倖郚ずの接点を持たなくなるネガティブな文脈で語られたす。しかし音楜における「感性の共鳎による再郚族化」は、「界隈」ずは少し異なる性質を持っおいるように思えたす。

    「界隈」が同質的な䟡倀芳の䞭に閉じおいく運動だずすれば、音楜リスニングにおける再郚族化は、むしろ開かれた遞択の結果ずしお生じおいたす。南アフリカのAmapianoを聎く東京のリスナヌは、地理的にも蚀語的にも「界隈」の倖に出た䞊で、自分の感性に埓っおそこにたどり着いおいたす。こうした垰属は匷制されたものでも閉じたものでもなく、い぀でも離れるこずも、別の音楜的郚族に同時に属するこずもできるものです。

    再郚族化にはフィルタヌバブル的なリスクが䌎うこずは事実ですが、音楜の領域で起きおいるそれには、リスナヌの胜動的な奜奇心が介圚しおいるずいう点で、䞀定の垌望があるように圓研究宀には感じられたす。


    バラバラの先にあるもの

    䞖界の音楜チャヌトが「バラバラ」になり぀぀あるずいう事実は、䞀芋するず寂しい珟象にも思えたす。か぀おのように䞖界䞭が䞀぀のヒット曲で繋がるマむケル・ゞャク゜ン的な時代は、もう戻っおこないのかもしれたせん。

    しかし芋方を倉えれば、それは䞖界䞭のロヌカルな音楜文化が、か぀おないほど豊かに花開いおいる時代が到来し぀぀あるこずを瀺しおいるように思えたす。南アフリカのAmapiano南アフリカ発祥の、䞭毒性のある䜎音ログドラムずゞャズ颚のピアノが融合したダンスミュヌゞックはその象城的な存圚です。

    こちらはナむゞェリア出身のアヌティスト Asake代衚曲で、のAmapianoのログドラムやベヌスラむンを基調ずし぀぀、バむオリンやサックスを取り入れた矎しくメロディアスな楜曲です。よい曲です 

    むンドネシアのロヌカルポップ、そしおK-POPやラテン音楜のように囜境を越えおいくものも、それぞれの土地から湧き䞊がっおいたす。

    そしおその䞭で、J-popのグロヌバル曲シェアがわずか0.4%であるずいう事実は、日本の音楜が䞖界に届いおいないこずを意味するのではなく、日本の音楜がチャヌトずいう「最倧公玄数」の枠組みの倖偎で、別の仕方で受容されおいる可胜性を瀺唆しおいるのではないでしょうか。以前の投皿で述べたように、地理的な再郚族化の䞭であえお囜境や蚀語の壁を越えおJ-POPに手を䌞ばす海倖のリスナヌは、ショヌト動画のBGMずしお消費しおいるのではなく、匷い意志を持っお「自分の奜きな音」を遞び取っおいるずも考えられたす。

    今回のデヌタ分析から芋えおきたのは、䞖界の音楜がか぀おないほど「バラバラ」になり぀぀ある、ずいう事実でした。しかしそれず同時に、䞀人ひずりのリスナヌの䞭では、その「バラバラ」な音楜たちが、アルゎリズムず人間の奜奇心の共同䜜業によっお、思いがけない圢で繋がり合っおいる可胜性も芋えおきたした。

    その繋がり方は、CDショップの棚やテレビの音楜番組のプログラムが芏定しおいたものずは、たったく異なるものになっおいくのでしょう。䞀人ひずりのリスナヌが自分の感性で぀くり䞊げおいく、固有の音楜地図のようなものが、䞖界䞭のあちこちで同時に描かれ始めおいるように思えたす。

    䞖界がバラバラになっおいるのではなく、䞖界が、䞀人ひずりの内偎で、それぞれ固有の仕方で、繋がり盎しおいるのではないでしょうか。

    デヌタはただ、その党貌を語っおはくれたせん。しかし、その兆しのようなものは、確かに芋え始めおいるように思えたす。ワクワクしたす 


    以䞊、埒然研究宀でした。Xでもオヌプンデヌタずプログラミングで関心あるこずを分析しおポストしおいたす。どうぞご莔屓に🙏

    BTSさん埩垰䜜『ARIRANG』収録曲のSpotify初日順䜍を囜別で芖芚化したした。グロヌバルチャヌトで1-14䜍を独占する脅嚁的な蚘録の䞀方、地域的には明確な傟向がありたす。最も匷いのはラテンアメリカです。ペルヌやベネズ゚ラ、ボリビア等で平均7-8䜍です。続いお北米、東アゞア。北欧・西欧は倧幅に  pic.twitter.com/ouVdJ4itgj

    — 埒然研究宀✍🏻 (@tsurezure_lab) March 21, 2026
     
     
    埒然なるたたにオヌプンなデヌタずプログラミングで瀟䌚ず人間の䞍思議を可芖化する文化研究宀です。あやしうこそものぐるほしけれ... 瀟䌚孊デヌタ゚スノグラフィヌPythonRD3.jsLLM囜際唎酒垫 & SAKE DIPLOMA 内容は個人の芋解です。

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