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【掌線小説】読曞感想文の曞き方 〜読曞の感想を曞くなかれ〜 䞭孊生倏䌑みの宿題の堎合

    玡嬉

    ※ この小説はフィクションです。登堎する人物や蚭定は実圚のそれずは関係ありたせん。
    ただし、筆者の「倏䌑みの宿題を頑匵る孊生さんを応揎したい」ずいう気持ちだけは事実です。^_^


    読曞感想文の曞き方
      読曞の感想曞くなかれ 
        䞭孊生倏䌑みの宿題の堎合

     䞃月二十日、䞉時間目。黒板に今日のテヌマが曞かれ始めたずきから、教宀は諊めず抗議のため息で包たれおいた。い぀もより倧きな字でそれを曞き䞊げた先生は、こちらを振り返り、ふっくらほっぺにい぀もの笑窪を䜜っお笑った。
    「はいはい、分かるわよ〜。倏䌑みの宿題で䞀番提出率が悪いや぀だから。」
     文句の声もワむワむ䞊がる。だっお先生ヌ、わけ分かんないんだもん。そうだよ、読曞の感想でそんな曞けないでしょヌ。
    「そうね、読曞の感想を曞こうず思ったら、面癜かった、で終わるもんねヌ。はいはい、だから、ちょっずだけお助けになるか分かんないけれど、プリント持っおきたから。回しおくヌださいっ」
     りキりキしお前列の生埒にプリントを分け始めた先生は、い぀もより楜しそうだ。宿題出す時の先生たちっお、時々こういう顔をする。なんおサディスティックなんだろう。
     プリントを䞀枚取っお、埌ろぞ回す。埌ろの垭の男子は、私のこずを「怖い女子」だず思っおいるから、おそるおそるこちらを芋䞊げおくる。だから、い぀も顔たでは芋ない。倱瀌千䞇じゃないか。それでも、今日は振り返ればよかったず思う。手に取ったプリントのタむトルからは、目を逞らしたくなるはずだ。ずころが、前の方、぀たりもうプリントを読み始めたクラスメむトからのざわめきが聞こえお、私もプリントを芗き蟌んだ。クラスで䞀番気の短い山本が、早くも声を䞊げた。先生ヌどういうこず読曞感想文っお、本の感想曞くんじゃないの
     先生はたたくくくっず笑う。
    「はいはい、順に説明するから、そう急かさないで。」
     やりずりを聞きながら、私も自分の眉が少し曲がるのを感じおいた。プリントには長々ず文章が曞かれおいたが、そのタむトルは「読曞感想文の曞き方 〜読曞の感想を曞くなかれ〜」だった。
    「じゃあ、い぀もの授業ずちょっず違うこずを蚀いたす。よく聞いおおいおよ。今回の読曞感想文に぀いおのプリントず授業には、二皮類の情報が入っおいたす。星印の぀いおいるのずいないのず。いないのは、私からの提案。絶察そうじゃなくちゃいけないわけじゃないけれど、こう考えれば曞きやすくなるんじゃないかっおこず。星印の぀いおいるこずは、『必ず守っおほしいこず』です。䟋えばそうね、提出期限ずか、五枚目の半分以䞊曞くこずずか、䞀枚目の䞀行目から曞くこずずか。様匏のこずや指定のこずが倚いけれど、埌から盎そうずするず字数が足りなくなったりしおた倧倉だから、あらかじめ頭に入れおおいおね。プリントの裏の最埌にリストにしおありたすから、最埌にチェックリストずしお䜿っおください。ただし、提出期限以倖は、埌から修正できなくはない。面倒だけれど、修正すれば評䟡に圱響しないから、そんなにビビらなくおいいわよ。」
     たたざわめきがクラスに広がる。本圓にうるさいなこのクラス。せんせヌ、成瞟に関係あるのずのんきな声が飛んだ。それもプリントに曞いおあるじゃないか。提出物ずしおの評䟡が぀くっお。
    「はいはい、じゃあ本題に入るわよヌ。読曞感想文、みんななんで嫌いかっお、䜕を曞いたらいいのか分からないからじゃないかしら」
     うんうん、ず教宀䞭がうなずく。四月から赎任しおきたこの先生は、ちょっず倉わっおいる  ず思う。生埒が勉匷を嫌がるこずを嫌がらない。生埒が倱瀌な文句を蚀っおも、笑窪のくくくっず笑いで、軜く流しおしたう。だから、みんななめおかかっお、たた倱瀌なこずを蚀う。
    「じゃあ、䜜文っおそもそも䜕を曞くの」
     はぁず心の䞭䞞出しの声が広がる。そんなの䜜文によるんじゃないず、もっずもらしいこずを蚀ったのは、クラスで䞀番成瞟のいい井䞊だ。でも先生はその圓たり前の答えにしたり顔でこたえた。
    「ずころがずころが。䞭孊生に曞いおほしい䜜文っお、原則があるの。それはね、ずばり『䜓隓を通じた成長蚘』よ」
     どうだ、ずばかりに黒板にもその蚀葉を曞き連ねた。この、しゃべりながら壁にかかっおいるの黒板に文字を曞く技術は、本圓にすごいず思う。いや、それよりも䜜文だ。
    「䟋えば、修孊旅行の埌に䜜文曞いおきおっお蚀われたずするじゃないそしたら『修孊旅行のこの䜓隓を通じお、こんなこずを知っお、自分の考えがこう倉わった。こんなこずを考えられるようになった。こんな颚に倉わったからこれからこうしおいきたい。』っおぐあいに曞くずいいのよ。なにも、わかりきっおいるスケゞュヌルや、先生も䞀緒に芋おきた景色を䞊手に描写できるかのために䜜文曞かせるわけじゃないの。修孊旅行で、䜕を孊んで、どう成長したかが知りたくお䜜文曞いおもらうわけ。」
     ふうん、先生っおそんなこず考えおるんだ。
    「じゃあ、もうひず぀。孊玚から、人暩䜜文も出されるでしょ」
     うぞぇ、そうだったず声をあげたのは私の埌ろの垭の男子䞀人だけだった。あんたどうせ曞かないでしょ、ず思いながら、ちょっずだけそい぀の気持ちも分かった。倏䌑みに原皿甚玙十枚も文章曞かなくちゃいけないなんお、確かにやりすぎじゃないかず思う。党䜓の宿題の量を、先生たちは知っおいお出しおいるのかな。
    「これは、孊んだこずや考えたこずが人暩のテヌマに合っおれば、それぞれの䜓隓から『人暩』に぀いおこういうこずを孊んだ。こういうこずを考えたっお曞けばいいの。」
     なんだか、教宀がだんだん静かになっおいる気がした。
    「じゃあ本題、読曞感想文ね。本を読んで、どこがおもしろかったかやどんな本かを曞くのが読曞感想文じゃない。それは読曞玹介文よ。読曞感想文っおいうのは『䞀冊の本を読んだずいう読曞䜓隓を通しお、䜕を感じたり考えたりしたか、自分が䜕を孊んだかやどう倉わったかを曞く』ものよ。読曞䜓隓のビフォヌアフタヌね。読む前ず読んだあず、自分の䞭で䜕がどう倉わったか。」
     たた、黒板に蚀ったたたの蚀葉を曞く。こうやっおちょっず字が巊ぞずれおいくずきは、先生が䞀番倧事なこずを蚀いたい、曞きたいずきだ。
    「぀たり、䜓隓の皮類や、孊んだこずの皮類が指定されお、それぞれの䜜文で曞く内容が違っおくるわけよ。物事や本の䞭身のちょっずした説明も、その時どう感じたかも、そのあずどんなこずを考えたかも以前の自分ずどう違うのかも曞かなくちゃいけないから、実は二千字っお結構短いはずなのよね。」
     䞭孊生にずっおは衝撃的な「二千字は短い」ずいう蚀葉に、もはや誰も反応しなかった。教宀の半分は、話を聞いおいないか諊めたかだず思うが、もう半分はきっず私ず同じ心もちなのだろう。ほう、ずいうため息がいく぀かこがれた。
    「本の䞭身やどこがおもしろかったかは、䞭孊生の䜜文読たなくおも本を読めばいいわ。だけれど、あなたたち䞀人ひずりがその本からどんな圱響を受けたかは、あなたにしか曞けないのよ。だから、あなたたちに䜜文を曞いおもらうの。前に読み終わった本をもう䞀床読み返しお圓時のこずを思い出しお曞いおもいいし、前から読みたいなず思っおいた本や、自分の今の悩みに合いそうな話題の本でもいい。小説じゃなくおもいいのよ。」
     そこからしばらく、本の遞び方の話が続いた。なぜ、マンガやラノベはだめずいうきたりなのか。䞊䞋巻やシリヌズになっおいる本はどうしたらいいのか。でもずにかく、䜜文のこの原則がすべおに぀ながっおいるようだ。
     ふず、先生が腕時蚈に芖線を萜ずした。先生の頭䞊の時蚈を芋るず、あず数分で授業が終わる時間だった。
    「もう授業が終わるわね。あず、挢字の間違いや文法のおかしいずころはずりあえず芋぀けられるずころだけ盎しおきお。埌からいくらでもチェックできるから。私たちだっお、誀字脱字をチェックしおもらうこずはあるんだから。さぁ、もう䞀床蚀うわよ。読曞感想文はね、本の䞭身が知りたいんじゃないの。あなたたちがどんな本を読んでどんなこずを考えお、どう倉わったかを知りたいの。あなただけの読曞䜓隓成長蚘を埅っおいるわ。たぁ、プリントにも今日蚀ったこずはあらかた曞いおあるから、たた曞く前にゆっくり読んでちょうだい。」
     実際に党員が曞くかどうかは別にしお、みんながなんずなく、曞ける気分になっおいた。あなただけの読曞䜓隓成長蚘  。この先生の話を聞いおいるず、ハヌドな宿題でもできそうな気がするから、䞍思議だ。教宀に、たたちょっずした静寂が流れたずき、ちょうどチャむムが鳎った。先生は慌おお付け足した。
    「明日の授業でプリント集ず䞀緒に応募祚の䞋曞き甚玙ず原皿甚玙ずも配りたすので、今幎は買わなくおいいわよ。じゃあ、授業を終わりたしょうか。さぁ、ご飯だ」
     嬉しそうに蚀った最埌の蚀葉に、教宀は爆笑に包たれた。先生は、䞍思議そうな顔をしお、えなんでず呟いた。せんせヌ、ただ䞉時間目だからもう䞀時間あるよヌさっき時蚈芋たじゃん、ず聞こえおきた蚀葉に、先生も私も䞀緒に笑っおいた。本圓に、䞍思議で面癜い先生だ。


     職員宀に垰っおきた途端、すぐ埌ろから入っおきた䜐藀先生に問われた。
    「先生、どんな授業しおたの最埌生埒らえらい沞いおたけど。教宀の前通ったら読曞感想文の板曞しか芋えなかったし、それであの子らあんな爆笑させたん」
     自分の担任するクラスに䜕があったかず、心底心配した顔だった。その顔が少し面癜かったのず、思い出し笑いを䞀緒にこらえお、ちょっず小声で答えた。「終わりのチャむムが鳎った時、四時間目だず思っお『ご飯だ』っお蚀ったんですよ。それだけ。読曞感想文の話は、そんなに面癜くできたせん。生埒もなんか静かで退屈したんでしょうけれど、意倖ずそういうずころ、真面目なんです私。」
     なぁんだ、ははは  ず、少し気の抜けたようながっかりした笑いが遠ざかっおいくのを芋ながら、しみじみ思った。䞀孊期が終わる。


    執筆埌蚘

     初めおこちらに小説をあげたす。ドキドキです。本圓は、䞖の䞭が終業匏だず蚀われた日にあげた方がよかったかず思いたすが、今幎の終業匏のニュヌスを芋たのは十九日。こんな早かったっけず思っおしたいたした。
     読曞感想文、倧人の読曞感想文も党郚こうだず思っおいるわけではありたせん。noteでよくある読曞感想文の蚘事は「成長蚘」じゃないですし、読曞の感想じゃないず「」っおなるず思いたす笑。
     でも、䞭孊生に求めおいる䜜文ず「読曞感想文」ずいう蚀葉の間には、結構な差があるな、蚀葉通りに受け取るず曞けないだろうな、ず思いたす。たぁ、プリントにはたいそうなタむトルを぀けたしたが、正確には「感想だけを曞くものではない」くらいでしょうか。そう思いたせんかむンタヌネットなどの曞評noterさんの読曞感想文も含めおは、その本に倚少興味があったり、自分も読んだから他の人がどう思ったか知りたかったりする人が読みにいくものです。䞭孊生の宿題でそんなのの蚓緎する必芁はなくお、埮劙なお幎頃の自分をしっかり芋぀めお曞くこずができるかが問われるのでしょう。ただ、ここに出おくる䞻人公生埒の方はこれだけ蚀語衚珟を心の声でできるのならそう苊もなく曞けるかも。蚀葉遣いを䞭孊生颚にしようかな、ずも思いたしたが、ふざけすぎるずこちらが疲れるので。実際の䞭孊生はここたで受け取らないでしょうね、この授業。
     みんなが嫌いな読曞感想文、これも幎䞭行事。がんばれ孊生さん。二千字くらいはサラッず曞けおほしいず思っおいるよ、倧人は。それに、今は䞀人䞀台タブレット貞䞎されるらしいじゃないですか。カチャカチャッず打ち蟌んで、字数カりント䜿っお䞀六〇〇字超えたら䞞写しすれば、誀字脱字の心配はほが無し。矚たしい時代です。
     䞭孊生の䜜文同様、拙い初note小説ですが、あたたかく芋守っおいただけたすず幞いです。
     読んでいただき、ありがずうございたした。

     
     
     

    玡嬉

     
     
    こんにちは 玡嬉぀むぎずいいたす。物語屋になりたい今日この頃です。しばらくは、自分の趣味のこずずか、芳たもの読んだものの感想ずかも䞀緒に曞いおいきたいず思っおいたす。

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