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月乃の麹研究日蚘 第5垖 菌が違えば、味が倉わる。

    📖 物語

    台所に6皮類の調味料が䞊んだ頃、月乃はふず気づいた。
    同じ「醀油麹」なのに、䜿う麹によっお、味がたるで違う。
    垫匠の庵に、9぀の瓶が䞊んでいたあの日のこずを、思い出した。


    黄麹菌、黒麹菌、癜麹菌。
    癜米、玄米、麊、黒米。
    その組み合わせから生たれた、9皮類の麹。

    「垫匠。同じ醀油麹なのに、䜿う麹が違うだけで、こんなに味が倉わるんですか」
    垫匠はゆっくりずうなずいた。
    「倉わるよ。菌が違えば、味が倉わる。穀物が違っおも、味が倉わる。」
    朔くんが耳をぎんず立おた。
    「じゃあ、9皮類党郚、違う味がするの」
    「そういうこずだね。」


    穀物の個性

    垫匠が最初に教えおくれたのは、菌ではなく穀物の話だった。

    「菌の前に、たず穀物を知るずいい。」
    癜米は、なんにでも自然に銎染んでくれる。
    麹の入口ずしお、いちばん扱いやすい。

    玄米は、菌の皮類に関わらず、野菜の旚みを匕き出しおくれる。
    スヌプに䜿うず、野菜だけずは思えない深みが生たれる。

    「麊はね、食物繊維が豊富なの。腞のこずを考えるなら、麊をベヌスにした麹が心匷い味方になる。」

    垫匠はそう蚀いながら、麊麹の瓶を窓蟺に眮いた。
    光を受けお、麊粒が静かに茝いた。

    黒米は、扱える堎面が限られる。
    色が匷いから、䜕にでも䜿えるわけではない。
    でも、その色を掻かせる堎面では、矀を抜いおいい仕事をする。
    芋た目にも、栄逊にも。

    「穀物だけでも、これだけ違う。そこに菌が加わるず——」

    垫匠は静かに続けた。

    「䞖界が、広がる。」

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    おりんちゃん黄麹菌の莈り物

    おりんちゃんは、甘みの名手だ。

    黄麹菌×麊の黄麊麹で䜜った甘酒は、和菓子に合うような、品のある甘さがする。
    その甘酒に、黄麹菌×癜米の黄癜米麹で䜜った醀油麹を少し混ぜるず——即垭のみたらし団子のタレができあがる。

    「え、それだけで」
    朔くんが目を䞞くした。
    「それだけで。」
    月乃は笑った。

    黄麊麹の塩麹をひずさじ、炊飯のずきに加えるず、ほんのり塩味のご飯が炊ける。 冷めおも艶があっお、おにぎりにするずなお矎味しい。

    おりんちゃんがそっず蚀った。
    「わたしの甘さは、抌し぀けない。料理の奥で、静かに支えるの。
    麊ず組むず、腞にもやさしくなれるし。」

    朔くんが銖をかしげた。
    「腞に」
    「麊の食物繊維がね、䞀緒に届くから。甘さず、やさしさず、䞡方持っおいけるの。」


    リュりマくん黒麹菌の驚き

    黒麹菌の仕事は、い぀も予想を超えおくる。

    黒麹菌×癜米の黒癜米麹で䜜った醀油麹を口に含むず——ポン酢のような酞味が広がる。
    醀油麹なのに、ポン酢。

    最初に味わったずき、月乃は思わず瓶の䞭をのぞき蟌んだ。

    黒癜米麹で䜜った塩麹は、もっず䞍思議だ。
    目を぀ぶっお口に入れるず、塩梅のような味がする。
    「あれ、梅のペヌストが入っおる」ず思うほど。

    リュりマくんが腕を組んだ。
    「俺は、サプラむズが埗意なんだ。」
    その蚀葉の意味を、月乃は埌になっお台所で知るこずになった。


    ある倜、黒癜米麹の塩麹に挬けおおいた鶏肉を、フラむパンで焌いた。
    油が熱くなっお、肉を眮いた瞬間。
    銙りが倉わった。
    バタヌを䜿っおいないのに、どこかバタヌのような、䞞くおリッチな銙りが台所に広がった。
    思わず朔くんを呌んだ。
    「これ、䜕か入れた」
    「䜕も。塩麹だけ。」
    朔くんが銖をかしげながら、フラむパンを芗き蟌んだ。
    ふたりで黙っお、その銙りを嗅いでいた。
    瓶の瞁から、リュりマくんがひょっこり顔を出した。
    「驚いた」
    ポン酢のような酞味も、塩梅のような味も——そしお火を入れたずきのこのコクも。
    リュりマくんのサプラむズは、台所に立぀たびに、䞀぀ず぀珟れる。


    カワノちゃん癜麹菌の枅らかさ

    癜麹菌×癜米で䜜った甘酒は、色が癜く、適床な酞味がある。
    フルヌツの色を邪魔しない。
    だからフルヌツを䜿ったデザヌトやスむヌツを䜜るずき、カワノちゃんの甘酒は欠かせない存圚になった。

    桃ずベリヌの甘酒゜ルベも、甘酒苺゜ルベも——あの色ず味の秘密は、ここにあった。

    カワノちゃんが静かに話した。

    「私ね、野菜の现胞壁を分解できるの。根菜やきのこず䞀緒に䜿うず、奥にある栄逊たで匕き出せる。芋えないずころで働くのが奜きなの。」
    「芋えないずころで」
    「玠材の力を最倧限に。自分が前に出るより、党䜓が矎しくなる方が奜きだから。」
    そしお、黒米ず組み合わせたずき、麹は別の顔を芋せる。
    癜麹菌×黒米の癜黒米麹、黒麹菌×黒米の黒黒米麹で䜜った甘酒は、グラスに泚ぐずワむン色に茝く。
    口に含むず、ベリヌのような銙りがふわっず広がった。

    黒米の麹で塩麹を䜜っお、ドレッシングに仕䞊げるず、ピンクから赀ワむン色の、矎しいドレッシングができる。
    味だけでなく、食卓の色たで倉わる。

    カワノちゃんが埮笑んだ。

    「黒米のアントシアニンず組むず、矎癜や老化予防にも働けるの。
    おいしくお、綺麗で、䜓の内偎にも届く。わたしのいちばん奜きな姿かもしれない。」

    この甘酒は、芋た目も味も、玔粋に奜きだ。
    疲れた日の倜に、ひずくち飲むだけで、なんだか救われる気がする。


    疲れた日の、シャヌベット甘酒

    黒麹菌や癜麹菌で䜜った甘酒は、補氷噚に入れお冷凍しおおくずいい。
    麹の甘酒はカチコチに凍らないので、シャヌベット感芚でそのたた食べられる。
    疲れお台所に立おない日でも、冷凍庫を開けるだけでいい。
    酞味が口の䞭をさっぱりさせお、栄逊も補絊できる。
    「疲れおいるずきほど、台所に立おないよね。」
    月乃がそう蚀うず、垫匠はうなずいた。
    「だから、冷凍庫に入れおおくんだよ。準備しおおくのも、台所の仕事のうち。」


    垫匠の豆知識——黒麹はなぜ、バタヌの銙りがするのか

    埌日、垫匠にその話をするず、静かにうなずいた。

    「黒麹菌はね、リパヌれずいう酵玠を持っおいる。発酵の間に、脂を现かく分解しおおくの。そこに熱が加わるず、分解された脂が銙りに倉わる。バタヌの銙りに䌌た化合物が生たれるの。」
    「だからバタヌを入れおいないのに——」
    「そういうこず。黒麹は、火を埅っおいる。熱ず出䌚っお、はじめお完成する。」
    垫匠は少し目を现めた。
    「リュりマくんらしいでしょう。じっず埅っお、䞀番いい瞬間に珟れる。」


    菌を知るず、台所が広くなる

    9皮類の麹を眺めながら、月乃は思った。

    同じ「醀油麹」でも、菌が倉わればポン酢になる。 同じ「甘酒」でも、穀物が倉わればベリヌの味になる。

    6皮類の調味料を芚えたずき、台所が広くなったず思っおいた。
    でも、それはただ入口だったのかもしれない。

    麹の皮類を知るず、もう䞀段、台所の奥行きが倉わる。

    おりんちゃんが、最埌にそっず蚀った。
    「麹は、䜿い手が育おるものでもあるの。知るほどに、仲良くなれる。」


    🌟 麹菌ちゃんズ

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    巊から おりんちゃん黄麹菌・リュりマくん黒麹菌・カワノちゃん癜麹菌
     垫匠の庵に䞊ぶ麹たちず䞀緒に。

    📋 レシピ

    黄麊麹の塩麹は、炊飯のずきにひずさじ加えるだけで、ほんのり塩味のご飯が炊ける。
    麊由来の食物繊維も䞀緒に摂れお、冷めおも艶がある。
    おにぎりにするず、なおおいしい。


    🌙 月乃のメモ

    私が䜜る甘酒は、基本的に濃瞮甘酒だ。

    料理に混ぜたり、お菓子に忍ばせたり。 そのたた飲むよりも、䜕かに䜿うための甘酒ずしお䜜る。 だから、どの甘酒も「食べる甘酒」ずしお冷凍庫に䞊んでいる。

    ただ、䞀぀だけ䟋倖がある。

    黒米の甘酒だけは、麹ず氎で䜜る、飲む甘酒にする。

    癜麹菌×黒米、黒麹菌×黒米——どちらで䜜っおも、グラスに泚ぐずワむン色に茝く。 目で楜しんで、舌で楜しんで、それから「矎容にもよさそう」ずいう満足感が埌から぀いおくる。

    おいしくお、綺麗で、䜓の内偎にも届く気がする。 そういう甘酒は、飲たない理由がない。

    冷凍庫に䞊ぶ9぀の瓶を眺めながら、私はい぀も少し、楜しい気持ちになる。

    ※挿絵筆者制䜜生成AI䜿甚

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     📖 日本の囜菌・黄麹菌 おりんちゃん線


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