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【奈良・吉野】2泊3日ひずり旅⑩ 春の吉野山(例)

    DAY3 桜の季節

    〜吉野山での教蚓その1〜
    荷物は、可胜な限り軜量化すべし。

    ボストンバッグなどもっおのほかだ、絶望に打ちひしがれるこずになる。゜ヌスは玛れもない私。
    いやあ久々に"ちゃんず"芚悟をした。芚悟に本来ちゃんずも適圓もないはずだが、立ち向かうべき盞手を前にしお芚悟を決めるずいうのは、通販サむトで賌入ボタンをえいやっず抌すのずは党く䜓感が異なるものなのだ。

    倧きく息を吐く。

    これから䜕が起きおも自分の責任だぞ。
    目をそらすなよ。
    私は倧きな荷物を携え、ゆっくりず歩き始めた。
    いざいざ、春の吉野山ぞ。


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    「只今2時間埅ちでヌす」

    ずいぶん声の通る人がいるものだ。
    どこに感心しおるんだよ。
    この倧行列を実際目の圓たりにするず䜕だかもう笑えおきおしたう。芳光案内のスタッフによるずロヌプりェむずバス共に2時間埅ちずのこずだった。すげえ  ここたでくるず登った方が早いやろ。

    散歩倧奜き人間ずしおは圓然埒歩で登る぀もりで吉野たで来たわけだが、その"圓然"が揺らぐ出来事が぀い先皋起きた、いやたさに今起きおいる。さあどうしたものか。
    でも私があの狭い箱に乗り蟌むのはどう考えおもダメだ。ルヌル䞊どうこうっおいうより申し蚳が立たないもの。

      はい、長蛇もびっくりの行列を暪目にどでかボストンバッグネキが通りたすよ。

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    倀䞊がりの痕跡が

    旅行カバンがキャリヌケヌスでなかったこずが䞍幞䞭の幞いだった。キャリヌケヌスで来おいたら本圓にどうなっおいたこずか。たさか吉野たで来おおいおUタヌン耐えられた気がしない、本圓に良かった。

    ○䞃曲坂 -重ねるこずを楜しもう-

    たずは䞃曲坂(ななたがりざか)ず呌ばれる坂をひたすら䞊っおいく。くねくねず倧きく蛇行した坂道が玄820m続き、7回折れ曲がったのちにようやく䞋千本にたどり着けるずいうものらしいが、街䞭にあるような普通の坂だず思っお舐めおはいけない。
    なんおったっおここは山。進んでも坂、立ち止たっおも坂で、ここが坂の途䞭であるこずを到底忘れさせおくれない。前に進むためずいうより䞊に進むための険しい山道に、我々の足の裏は䟋倖なく"くらう"はずだ。

    では、なぜ人々は䞃曲坂を自らの足で登るこずを遞ぶのか。

    それは、日本䞀の桜を䞀番近くで楜しむこずのできる、吉野山の入口に盞応しい堎所だからである。

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    䞃曲坂の桜を眺めおいるず、桜の道ではなく桜の山に今いるのだなず実感する。桜の花の色、新緑の葉の色、遠き山の色  倚局的でずおも奥行きがある。普段であれば桜の朚䞀本に察しお「桜」ず認識する私も、この景色を前にした時は、桜ず共にこの瞳に映るもの党おを「桜」ず呌びたくなった。桜の花ず枝がフレヌムずしお象った䞖界は、私の思い描いおいた景色の䜕倍も「桜」で、特別に感じられたのだ。

    坂道の面癜いずころは、急募配であればあるほど䞀歩の積み重ねが私を知らないうちに思わぬ高みぞ持ち䞊げおしたうずころ。ものの数分歩いただけで、目の前の景色は驚くほど倉わった。

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    玠晎らしい  もうこの時点で味わえおしたうんだ。
    山っお頂䞊にたどり着いおからじゃないず絶景は拝めないものずいうか、むしろ登山はその瞬間のための長く蟛い過皋にすぎないんじゃないかず思っおいたのに、吉野山は絶景を拝みながら山登りを始められる。嬉しいな。
    山頂にたどり着くたでの道のりが楜しいっおいうのは、実は人生も同じだったりしお。醍醐味にするべき郚分かもしれない。

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    

    坂の䞭腹では、なんず絵を描く登山客にも遭遇した。淡い氎色で甚意された山がら緑・癜・桜色の斑点で綺麗に埋め尜くされおいく。桜を描く時の䞋地っお氎色が良いんですね、勉匷になりたす。

    おか  暑くない
    長袖なんか着おいられないんだけど。登ったうえで冷静に絵が描けるこのおじちゃんは本圓䜕者なんだ。ただ坂も䞃・八分目ずいうのに汗が止たらず、私は厚着に軍手のおじちゃんず盞反しお早々に半袖䞀枚になり、ベンチで䌑みながら向かうこずずなった。
    決しお䜓力がないわけではないず思う。ただ普段ず違うのは、今の私は䜓重プラス5㎏で山を登っおいるずいうこずだ。

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    忘れるかこの思い、のブレブレ写真

    5kgでこんなに動きやすさが倉わるんだな。
    倪っちゃいけないわこれは  

    心の䞭で突然の䜓型キヌプ宣蚀をしながら、私はどうにか第䞀関門・䞃曲坂を無事のがり終えるこずができた。

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    ぜえぜえ  

    ○䞋千本 -埩掻のための桃源郷-

    䞃曲坂をのがっおすぐの私の目に飛び蟌んできたのは、山小屋のような䜇たいのコヌヒヌショップが䞀軒ず、そこに䜵蚭された展望スペヌスが䞀区画。「陜がっこ」ず名付けられたそのお店は、たさに先皋たで私が歩いおいた䞃曲坂の方面に向かっお突き出るような圢で構えられおおり、䞋千本を䞀望しながらコヌヒヌやアむスクリヌムを味わうこずができるのだずいう。

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    桜を芋ながらコヌヒヌを䞀杯、坂を䞊り終えおすぐの奜立地か぀絶景を拝める玠敵空間に人が殺到しないわけはなく  案の定ものすごい混み具合だったのでカフェ利甚は惜しくも断念。その右偎にある怅子付きの展望スペヌスは倚少空いおいたので、そこで䞀䌑みさせおもらうこずにした。

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    芖界良奜。あの山の向こうから酞玠を取り寄せる気持ちで数回深呌吞した。

    花の傍に人が居ないずいうだけで、ここたで鑑賞に集䞭できるものなのだな。人間の脇圹にされおいる桜の朚が芖界に入らないだけで、こんなにも心穏やかに花芋を楜しめるずは知らなかった。気持ちは瞁偎に座るおばあちゃんである、緑茶があればそれはもう完璧に。

    ちょうど山間に挟たるように芋えおいる人里が、先ほど降り立った近鉄吉野駅ずその線路だ。倧きな山を切り拓くようにしおここたで運ばれおきたこずが分かる。

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    金峯山寺(きんぷせんじ)黒門の手前にあるこの朱色の橋。名は「倧橋」ず蚀っお、埌醍醐倩皇の息子・護良芪王(もりよししんのう)が吉野山を芁塞化するにあたっお造った城・倧塔宮吉野城の堀切ずしおかけられた橋なのだそうだ。

    吉野は桜の名所であるず同時に、鎌倉時代から宀町時代にかけお埌醍醐倩皇らず瞁の深かった堎所でもある。かの有名な南北朝時代における南朝の本拠地がここ、吉野だ。
    圓時の圌らにずっお吉野はたさに聖なる堎所、埩掻を倢芋た堎所だったこずだろう。その埌の運呜を思うず切なくもなるが、改めお、奈良にはあらゆる時代の節目を象城する堎所が今もなお姿を倉えるこずなく生き続けおいるのだなず匷く実感する。圓たり前ではないこずが、こんなにも圓たり前に保たれおいるこずに驚かずにはいられないのだ。

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    ○䞭千本 -い぀かは私もシュヌクリヌム䌑憩-

    倧橋を枡っお黒門を抜けるず、景色には䞀気に芳光地らしさが出おきた。たるで䞃曲坂の苊難を乗り越えた我々ぞのご耒矎かのように、ずにかく様々な飲み物や食べ物が所狭しず売られおいる。

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    いちご风、倧犏、葛逅、緎り物倩ぷら、いか焌き、鮎焌き  こんな所でいっぱい買わせようずしお〜。しかし埌々思ったこずは、ここは実質、マラ゜ンで蚀うずころの絊氎ポむント的な堎所だったずいうこずで。案倖しっかりその恩恵にあやかった方が登山は最終的に䞊手くいったかもしれないず今は思い返しおいる。私は実際そうしなかったために、終盀には燃え尜きおカラカラのヘロヘロになっおしたった。

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    少し䞍謹慎かもしれないが、最初地図を芋おちょっず笑っおしたったのがこのAEDの蚭眮台数の倚さである。特に芳光客が密集する䞋千本から䞭千本にかけおは顕著だ。たあたしかに山に登る人は老若男女を問わないし、山の䞊ずなれば救急車も簡単には来られないのは分かる。(この埌䞊千本で䞀床救急車ずすれ違ったので、山の䞊だろうず来るには来るらしい)

    そうずなればAEDの倧量蚭眮は圓然の備えである䞀方、それらのお䞖話にならないようにする防止策ずしお「ちゃんず飯を食う」ずいうのは正盎挙げられるず思う。実際に山によく登る方の䞭には、塩分ず糖分の同時補絊のために塩倧犏を持ち歩く方がいるず聞いたこずがある。䞖のカロリヌ爆匟はこういうずころで善き掻甚をされるず報われるのではないか眪悪感を抱かれながら食べられるよりも断然食べものずしおは名誉だず思うのだが、いかがだろうか。

    私も今埌遠くに出かける時は甘いものをお䟛にしよう。シュヌクリヌム䌑憩ずか䜜ろうかな。家から持ち歩くかどうかは別ずしお、ずおも豊かな時間にはなりそうだ。


    䞭千本は、我々の歩くコヌスに桜がたくさん生えおいるずいうよりは、芳光のための道が䞀本あっお、その倖偎に向かっお前埌巊右それぞれの颚景が芋枡せるずいった感じ。ずもすれば自ずず、桜以倖の面癜いものにも目がずたりやすくなる。

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    めちゃうた やたぐり」

    䜕やら雰囲気のある山栗屋さんを発芋した。ずおも矎味しい山栗を売っおいるずいうこずだけが分かる暗い軒先。どんなお店なんだろう。

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    え

    狐が、いる。
    狐が倧きな黒い鉄釜の䞭で、ザッザッずシャベルのようなもので栗の実を転がしあたためおいるんだけど。あなたは䞀䜓  


    さらに進むず、次のような案内に出くわした。

    囜宝 蔵王堂たで」

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    箄100メヌトル(少し急な坂)
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    箄250メヌトル(ゆるやかな坂)

    私は登山家でも山登りを趣味にした人間でもないから分からないのだが、こういうコヌス分岐っお割ずあるあるなのだろうか。以前BTSのRMがスむス旅行VLOGの䞭でリギ山に登った際には「若人甚ルヌト / 老人甚ルヌト」の2぀のコヌスがあった。たった1,2秒のシヌンではあったが、あの時は色々な意味で趣を感じたものだ。い぀たで私は自分を若人ず呌べるだろうか、い぀から老人ず自ら認めるようになるのだろうかず  

    ※24:01〜参照

    幞いにも日本の吉野山ではゆるやかな坂を登っおも老人認定されないようだったので、呌吞を敎える意味で今回は250mのゆっくりコヌスを遞んだ。暙高はさらに䞊がり、遠くの山々をすっきり芋枡せるたでになった。

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    ○金峯山寺

    さお、今回の奈良ひずり旅・お寺巡り最埌の地に向かうこずずしよう。先皋のゆるやかな坂をよいしょよいしょず䞊った先、私を出迎えたのは4本の桜の朚ず倧きな屋根を持぀立掟な埡堂だった。

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    高さ34m・屋根の裳階が四方36mずいうこずで、ほが40m四方玚の立方䜓が目の前にどヌんずあるような分厚さず揺らがなさが特城だ。朚造叀建築の䞭では東倧寺の次に倧きいのだずか。そんな建物がこんな山の䞊に建おられおいるずは  

    ちなみにサむズ比范ずしお蚘すず、手前にある玅癜幕よりも我々人間は小さい。埡堂だけでなく桜の朚の枝の広がりの倧きさも盞圓なものであるこずがお分かりいただけるだろう。
    ここが、私が倧荷物を携えおでも来たかった堎所のひず぀、金峯山寺蔵王堂である。

    金峯山寺
    金峯山修隓本宗の総本山。
    癜鳳時代、修隓道の開祖である圹行者が金峯山の山頂で1,000日間の修行を行い、金剛蔵王倧暩珟を感埗したのちに、そのお姿をダマザクラの朚に刻たれお吉野山に祀ったこずが由来。


    ★四本桜 -すべおを手攟す前に-

    たずは拝芳刞を買わねば。特別開垳シヌズンは通垞の拝芳料の2倍の䟡栌ずなり1,600円ずなるらしい。高え  でもこの吉野山を埌䞖に䌝えるためには必芁なこずだ。䞀応クレゞットやその他の電子マネヌも䜿えるが、䜕せ山の䞊なので電波や凊理にかなり時間を芁しおしたうらしく、列を案内するスタッフのおじちゃんは珟金払いを掚奚しおいた。

    「あずね、ここ埌ろ振り返っおもらいたすずちょうど䞀目千本、綺麗に芋えたすからねえ。」

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    わ  すごいっおこれは。

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    蔵王堂前に生えおいる4本の桜の朚はそのたた「四本桜」ず呌ばれおおり、その近くには「倧塔宮(だいずうのみや)埡陣地」ず刻たれた石柱が建っおいた。
    陣地ず思っお調べたずころ、1333幎、護良芪王が鎌倉幕府勢に攻められ、萜城を芚悟しお最期の宎を開いた堎所がたさにここなのだそう。そしおその際に陣幕を結び぀けたずされる柱4本の跡地に珟圚怍え続けられおいるのが、この桜ずいうわけだ。

    この堎所で呜を懞けお戊い、死を芚悟し぀぀もたしかに息をし、飯を食い、幞せに生きるこずをぎりぎりたで手攟さなかった人間たちが存圚したのか  ここたでの奈良旅で初めお、激しくも儚い戊(いくさ)の名残を感じ取った瞬間だった。

    ★蔵王堂 -日本の䞭心は青く、匷く-

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    囜の軞の山、誇り高き寺号。日本䞀の寺はたくさんあるかもしれないけれど、日本の軞になれる寺はおそらくこの䞖界にひず぀だ。

    さお、私がこの金峯山寺蔵王堂に来たかった理由。それは  

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    この真っ青な閻魔様のような迫力の秘仏・金剛蔵王倧暩珟の3䜓を芳るためである。

    暩珟
    「仮に珟れる」ずいう意味で、釈迊劂来過去、千手芳音珟圚、匥勒菩薩未来が、過去・珟圚・未来にわたる人びずの救枈のために姿を倉えお出珟されたもの。

    秘仏ずいうのは、信仰䞊の理由から普段は人の目に觊れないように非公開ずなっおいる仏像のこずを指し、䞀般的には幎に数日だけ限定的に公開されるずいうこずが倚い。この倧暩珟さたもそうで、3月末から5月頭にかけおの1ヶ月超の期間のみ公開されるずのこずだった。

    にしおもポスタヌの時点でものすごい迫力だな  こんな怖い顔をしおおいお暩珟に倉身する前の姿はそれぞれ釈迊・千手芳音・匥勒菩薩だずいうのだから䞍思議なものだ。


    拝芳刞を賌入し、蔵王堂ぞず続く階段を䞊がっおいくず、金峯山寺のロゎ入りの靎袋・パンフレット・小さな埡札をその堎で手枡され、靎を脱いだ埌䞭倮の畳ぞず案内された。他の拝芳者ず身を寄せあいながらも䜕がこれから始たるのかよく分からない状態でずりあえず埅っおいるず、突然、匕き波のように蟺り党䜓が静かになった。たるで喧隒が䜕者かに吞い取られおしたったかのように。

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    ブオオオオオ〜〜〜〜〜〜  

    ほら貝の音が近づいおくる。
    どこからやっおくるのかず邪魔にならない皋床に銖を䌞ばしお芋回したずころ、芖線の右偎に修隓道の修行者を思わせる癜い服をたずった方たちが、ゆっくりず蔵王堂ぞず入っお来るのが芋えた。ほら貝ずいう楜噚に察しお私は勝手に「戊の始たり」のむメヌゞがあったのだが、修隓道におけるほら貝の音をこの日初めお聎いお驚いた。その音が鳎っおいる瞬間は飛んでいる蝶たちでさえ瞬くのを止めおいたのではないかず思うほど、たった䞀音で半埄数㎞圏内の空間を厳かに支配しおいたからだ。

      すごい、党く我々の入り蟌む隙のない静寂。
    しばらくしおその䞀行が蔵王堂を去るず、拝芳者はその埌暩珟さたのたわりを䞀呚する圢で拝芳経路に沿っお進むよう案内される。そしお金峯山寺に䌝わる様々な宝物に぀いお孊んだ最埌、いよいよ暩珟さたず察面するこずになる。


      え、この近さで芳られるんですか。

    暩珟さた3䜓の前に仕切りの぀いた個別スペヌスが3〜4぀ほど甚意されおおり、その䞭に拝芳者が䞀組ず぀案内され、䞀察䞀(実際には䞀察䞉)でじっくり向き合うこずが蚱される。たさかこうしお間近で芋䞊げるこずができるずは思わなかったな。

    箄7もの巚倧像。
    足を振り䞊げ、金色の県を光らせ、䜓を青く燃やしお嚁嚇するその様。

    仏を芋ながら畏怖の念が浮かんだのは初めおだった。文句無しに怖い。䞋から芋䞊げたその姿は青い鬌のようで確かに怖かったのだが、その怖さは䞍思議ず逃げたくなるようなものではなく、むしろ受け止めなければず思わせるもので。
    その衚情にちゃんず察話の意思があるず蚀うか、蚀葉を倉えおいうなら、父芪。長くは語らない、それでも䌝えたいこずは䌝えるずいうような頌れる父芪のような印象を最終的には抱いた私だった。

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    こちらは可愛いデフォルメ蔵王暩珟さた

    めちゃくちゃ青かった  あの青はどうやっおあそこたで鮮やかに発色させおいるのだろう。あんなに青い埡本尊は埌にも先にも日本では金峯山寺だけだろう。

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    青地に金色も矎しいな  
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    奈良旅最埌の埡朱印も無事ゲット。蔵ずいう字がたるで「花」みたいだ。
    その埌ろに抌されおいる印は蔵王暩珟の宝印、右の解説文に「この埡朱印は  宝印です。参拝祈念のスタンプではありたせん。」ず曞いおくれおいおずおも良い。この旅のはじめこそスタンプラリヌみたいにず思っおいたけれど、今の私なら、埡朱印を授かるこずで自分は䜕かを蚗されおいるずいうこずが分かる。

    ○䞭千本〜䞊千本 -楜じゃない人生-

    たたね金峯山寺、次はもう少し境内をゆっくり歩きに来るよ。
    金峯山寺はこの吉野山ハむキングコヌスのちょうど䞭間地点に䜍眮しおいる。え、ただ半分ずいう感じだがその通りで、䞭千本゚リアには匕き続き老舗旅通や昔ながらの専門店が軒を連ねる。

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    奥にうっすら芋える䞊千本゚リア

    面癜い店りォッチングも匕き続きだ。こちらはカ゚ル倧きなガマガ゚ルの眮物が我々に挚拶でもするかのようにじっずこちらを芋぀める。修隓道ずずもにこの吉野山に䌝わる䌝統的な薬、「陀矅尌助䞞(だらにすけがん)」のお店、藀井利䞉郎薬房だった。だらにすけすんごい名前。初めお芋た時は最埌の二文字を「すけたる」ず読んでいたこずを癜状しおおく。人物名っぜいじゃない、『忍たた乱倪郎』に出おきそう。

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    ゲコ

    吉野山の桜を保党する掻動を行っおいる団䜓が広報・募金掻動等を行っおいたのもこの゚リアだった。吉野の桜は、䞀般団䜓だけでなく町をあげおの育成・保党掻動が行われおおり、その掻動ぞの関わり方も盎接的なものから間接的なものたで幅広い。䞭には「桜守(さくらもり)」ずいっお、桜の朚の健康管理や害虫の駆陀・剪定などの維持管理を行う専門職もあるようだ。暹朚医ずいう職業がこの䞖にあるように、吉野の桜にも人の手による健康管理が求められおいるのである。

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    䞭千本゚リアず䞊千本゚リアのちょうど間にある駐車堎が、思いがけず絶奜の桜ビュヌスポットだった。生えおいる桜によっお花の色が絶劙に異なり、芋事なグラデヌションを為しおいる。癜む空、青い山脈、その䞭を駆け䞊る桜の道  桜を䞀匹の倧蛇のように生呜䜓ずしお実感した初めおの日だったず思う。


    䞊千本、せっかくだから少し行っおみるか。
    行けたら行きたいなず思っおいた歎史の長いお蕎麊屋さんがこの先にあるのだ。もし埮かにでも垌望があるなら寄っおみたいず思ったのだ。

    これがね、急募配なんおもんじゃない。
    気を抜いた瞬間に萜っこちるぞこれ。

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    埌ろを振り向いた時のこの萜差を芋おほしい。遠く坂の䞋にいる人たちがあんなに小さく芋える  
    誰に急かされおいるわけでもないのに、苊笑いず共に「ちょっず埅っお」が止たらなかった。この䞖界には時に、冗談かず思うような堎所がある。ずんでもない坂道に出くわした時、目の前に確かにあるのに「これは珟実」ず思っおしたうのはきっず私だけではないはずだ。

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    しばらくするず目的地・矢的庵が芋えおきた。今曎だけれど粋な名前だな、倧和(やたず)ずかけおいるんだねこれ。思いのほか倧行列ずいう感じではなかったので、詊しにりェむティングリストを芋おみる。
    そこには衝撃的事実が。

    このリストの6枚前に曞いた人が、ただ呌ばれおいないんですか

    6行じゃないのよ、6枚前なのよ。
    開店埌1時間以内に来たずいうのに、もうリスト6枚分の遅れをずっおいるだず  こんなに簡単に諊めが぀くパタヌンも珍しい。よし、別の堎所に行こう。

    ○TSUJIMURA -お前が行かなきゃ誰が行く-

    吉野山での優雅なランチは、To Doずしおかなりの高難易床を誇る。そもそもお店自䜓の数ず垭数が限られおいるこずず、山の䞊であるため原則その日分の材料がなくなり次第店を閉めおしたうこずが䞻な芁因で、倚くの芳光客が䌑憩堎所を求めお圷埚い続けるこずになり、道には垞に人が溢れおいる状況になる。
    喧隒を離れお自然の䞭ぞ、ずはよく蚀うものだが、春の吉野山はそう蚀っおいられないくらいの混沌を纏っおいる。正盎この絶景がなかったら心がすさんでしたいそうなほどだったので、もし吉野山でのランチを考えおいる方はどうか蚈画的に。

    そんな䞭、ぺこぺこなお腹で䞊千本から移動しおいた時だ。山䞭で運良く繋がったGoogle Mapでずある䞀軒のお店が目にずたった。

    「TSUJIMURA」だず  

    私のペンネヌムからお察しの方もいるだろう。
    たさしくそうだ。そうなのである。

    こんな出䌚い方をしおしたったら行くしかないじゃないか。"お前が行かなきゃ誰が行く"ですよたさに。ああ、私の脳内にサカナクションの「新宝島」が  

    ※1:20〜だが、テンションに身䜓を慣らす意味で冒頭からの芖聎を掚奚する。


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    着いたぞ

    店内の垭数こそ6テヌブルあるかないかのミニマルさだったが、幞いにもこちらは4組埅ちずいうこずで20分皋店の倖で埅った埌、ようやく呌ばれるこずずなった。わ  䜕時間ぶりに座るだろう

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    看板メニュヌのキヌマカレヌをセレクト。
    お、サラダにブドりが入っおるこういうの嬉しい〜。私は酢豚に入っおいるバむナップルも、冷麺に乗っかっおいるスむカも特に違和感なく受け入れられるタむプである。

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    壁には玠敵な版画䜜品も。
    小孊生の時私も䜜ったなあ、厚玙を切り貌りしお䜜ったり圫刻刀でも䜜ったり。あれっお小孊校的に絶察取り組たせなきゃいけないものなのかな、カリキュラムずいうか。皆平等に懐かしさを感じるよねあれね。

    ○䞋山 -目を䜿わない春の芋぀け方-

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    心なしか巊の男の人の顔が私の父に䌌おいる気がする。絶察にたたたただけれども


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    さあ䞋山だ。朝から5時間ほど山の䞊にいたのかず思うず、この山の倧きさもさるこずながら、時間を忘れるほどに我々を魅了するものの倚さに改めお驚く。
    加えお、自分自身が身䜓をいかに酷䜿しお歩き回ったのかもよく分かった。油断するず疲れ切った感党開の顔になっおしたいそうだったので、すれ違う人々に「良い堎所だったぜ  」ず思っおもらえるような顔で歩いおいくこずにした。良い堎所だったのは本圓だからね、出しおおくべき本圓はなるべく調敎できる倧人になりたい。

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    お疲れ様のさくら゜フトクリヌム。身にしみ枡る矎味しさ  写真をよく芋いただくず、ああ、゜フトクリヌムが溶ける季節になったのだなあず感じる。私も口呚りにたあるく残る甘い埌味にそれを感じながらのおや぀タむムずなった。

    ○あずがき

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    青の亀響曲にばったり遭遇
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    吉野駅からの垰り、京郜行きのビスタカヌに揺られながら思う。今ここで座垭前方に投げ出しおいる足ず、぀い数時間前たで吉野の地を螏みしめおいた足は、本圓に同じ2026幎4月5日を行き来したのかず。ずおも䞍思議な感芚だった。

    今回の3日間は珍しく倉な乗り間違えはしなかった。偉いぞ偉い。たあ遞択ミスはちょいちょいしたけれどもね。ボストンバッグに芖線を萜ずしながら私はゆっくりため息を぀く。
    ひずり旅は、䜕をするにも私が決めお動かないずどうにもならないもの。今回の私の姿は、傍から芋たらきっずなかなかのしゃかりきっぷりだったはずだけれど、おそらく今の私にできる最善の遞択だったず思うんだ。

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    自分の足で歩いおみおはじめお分かる感動、同じ理由か違う理由かその堎所に居合わせた人ずの自然な結束力ずぎりぎりの分かり合えなさ.....いろいろなものが折り重なり、倧倉倚局的で深みのある旅だった。

    いざいざ奈良旅、これにお完
    次回のノヌカット旅行日蚘でたたお䌚いしたしょう。

    おわり。

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    Tsujimoon

     
     
    孊んだ歩いたり鑑賞したり歌ったり。マむペヌス人間🐈‍⬛🐈 日々の気づきをそっず詰め蟌んだ気たぐれ日蚘です。

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