メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像
Photo bychocho3

1「土地は、黙っおいない」ヌグランドピアノ暎走オダゞから、時空を超える瞁の旅ぞヌ

    やくしじ 玫

    こちらは、マガゞン「玫の旅録」に収めた䞭線の人生蚘です。

    内容を䞀蚀で蚀うなら、
    【ナヌモアの仮面を぀けた人生の巡瀌蚘】
    でしょうか。

    ゚ッセむずノンフィクションのはざたに浮かんでいたす。

    珟実のドタバタ劇ず粟神䞖界歎史ず魂の瞁のグラデヌションをお楜しみください。

    およそ3䞇字あるため、章ごずに1〜8に分けおマガゞンに収録したした。䌑憩しながらどうぞ。

    序章

    私はずきどき、土地に呌ばれる。
    「呌ばれる」なんお曞くず、ひどく怪しく聞こえるかもしれない。
    けれど、それは決しお「倢でおき぀ね様のお告げがある」ずか、「枕䞊に神様が立぀」ずかではなく、たしおやスピリチュアルな話でもない。
    うたく蚀い倉えるなら「土地が手招きする」だろうか。招き猫みたいで、゜フトで可愛らしい。

      いや、䞻軞をアクティブな私に倉えおみよう。
    私は自らの意志で、土地ぞ向かう。
    そう、本筆のテヌマは「旅」だ。
    ぀たりこれは「私の人生の旅録」。

    旅ヌヌ
    それは私にずっお、私ずいう人間を統制するために必芁なものである。たぶん、これからもずっず。氞遠に。

    旅に出る理由は、そのずきどきで違う。
    けれど振り返るず、「あの堎所ぞ行く必芁があったのだ」ず、ハッずするこずがある。

    土地は、黙っおいない。

    きっず私を呌ぶために、土地のほうも黙っおいられないに違いない。
    だから吞い寄せられるように、その土地ぞ向かうのだ。

    䞀、暎走オダゞず100䞇円のグランドピアノ


    赀子の頃から、父が私を色んな土地に『連れ回しお』くれたおかげか、物心぀いた頃にはすでに「旅行」が奜きだった。

    䞀般的な家庭なら「家族旅行は子どもが喜びそうな堎所ぞ行く」ものだろう。それがスタンダヌドであり、最適解だず思う。

    実際、効がただ小孊生のころ、圌女は友人家族の旅行に同行させおもらったこずがあった。
    行き先は遊園地だったそうだ。
    圌女はその遞択肢に、子ども心に驚いたようで、
    「⚪⚪ちゃん家は旅行で遊園地に行くんだよあり埗なくない」ず、思い出しおは未だ口にする。

    どうしおこうしお、圌女がそんな子どもの頃のこずをし぀こく芚えおいるのかずいうず、父のせいだった。

    ずいうのも父は、いわゆる“䞖間の垞識“ずはペ゜の次元に生きおいる人だ。子どもを喜ばせようずするベクトルが、普通の人ずはたるで異なる。

    父は「自分が玠晎らしいず思ったものこそが最良だ」ず信じお疑わない人なのだ。
    すなわち、それが「家族にずっおも最良である」ず。

    私は少女ではなく少幎だった

      そんな父は、どうも男の子がほしかったらしい。
    おかげで私の幌少期の出でたちは、ショヌトカットにズボン。立掟な少幎だった。

    断りを入れおおくず、決しおやんちゃだったずかではなく。どちらかず蚀えば控えめだし、わがたたも蚀わ蚀えないしで、かなりがたん匷い子どもだったず思う。

    本心は、可愛いスカヌトを履きたかったし、髪だっお長くしたかった。
    「可愛い男の子ね」なんおお䞖蟞を蚀われおも嬉しくなかった。
    そりゃヌそうだよね、女の子なんだから。

    そんな少幎スタむルの私がほしかったのは、リカちゃんやゞェニヌちゃん、おたたごずセット、アッコちゃんのテクマクマダコンコンパクトずいった類のおもちゃ。

    けれども父にかかるず、こずごずく瀺される。
    「华䞋」ず。
    たるで故・小枕さんが「昭和」の時代から新時代になるずきに、サッず掲げた「平成」の文字のように。

    ぀たり掲げられたものは決定事項であっお、それ以倖の遞択肢はないのである。

    ここだけ聞くず、ケチで傲慢な父ず思えるけど  たあ、正盎に蚀えばそうなのだけれど、父の埗意技は脳内倉換。
    「嚘がほしがっおいるカワむむおもちゃ」ではなく、「自分が玠晎らしいず思うもの」を買う。
    「自分の玠晎らしいず思うもの」「嚘がほしがっおいる、喜ぶもの」だから。

    そんなこんなで我が家には、䞀般的な女の子が持぀おもちゃの代わりに、父セレクトのモノがゎロゎロしおいた。

    分かりやすい䟋を挙げるなら、ブランコ。
    本来なら庭に眮くような、でっかい察面匏の二人乗りブランコが郚屋を占拠しおいたこずがある。
    「え家の䞭にブランコ‥すごいね笑」
    来客にはこう蚀われる皋床。他人事だからだろう。

    なので少々むンパクトに欠けるから、䞀番のビックリ案件を挙げおみたい。

    ピアノをめぐる園児ず父の攻防


    ピアノを習い始めたのは、4歳だった。
    私が玠盎で、気の穏やかな子どもだったのを蚌明できるず思うけれど、

    「あのね、幌皚園にあるのず同じ四角いピアノアップラむトがほしいな」

    ‥ずいうようなコトを蚀ったのを芚えおいる。

      神様、
    園児だった私のこの蚀葉  、
    どこか萜ち床はあったのでしょうか

    圓時は名叀屋に䜏んでいたため、家族でダマハの本拠地・浜束ぞ。プチ旅行。

    私の垌望は「四角いピアノ」だった。
    けれど父が遞んだのは、グランドピアノ  。

    これを読んだ倧人は、こう思うかもしれない。
    「アップラむトじゃなくおグランドピアノ いいお父さんじゃないの」

      ちょっず埅っおほしい。
    たしかに、嚘をピアニストにしたいのなら話はわかる。
    あるいは、グランドピアノがむンテリアになるような豪邞なら、それも玠敵だず思う。
    でも。
    䞀般家庭に、グランドピアノは本圓に必芁だろうか。

    そもそも私は、「幌皚園の菅沌先生が匟いおいるのず同じピアノ」がほしかった。そう蚀ったのに。
    この時ばかりは、むむ子ちゃんで、わがたたを蚀わない私もごねる。

    いっそ、効がよくやっおいたように、床を転げ回っおバタ぀いお倧泣きすれば良かったのかもしれない。でもそれは私のプラむドが蚱さないし、どのみち結果は倉わらなかっただろう。

    せっかくだから、日の目を芋るこずのなかった私の心の内を残しおおこうず思う。

    芋事、父のハヌトを射止めたグランドピアノ。それは昭和の終わりで100䞇円台だったず蚘憶しおいる。
    おそらくあの頃は、バブルで景気がよかったのだず思うけれど、私は子ども心に「100䞇円は高い」ず思った。

    だから私は、本来のお目圓おであるアップラむトを買っおもらうために、心の䞭で策を緎り、実行した。

    「グランドピアノなら、黒いのじゃなくお、あっちの方がいい」

    私はそう蚀っお、指を指した。
    お店でディスプレむされおいる䞭でも、スポットラむトを济びお、ひずきわ厇高な茝きを攟っおいた癜いグランドピアノを。
    お倀段、200䞇オヌバヌ。

    「お目が高い」ずばかりに、案内しおくれおいたおじさんスタッフはニコニコしおいる。
    さすがに200䞇は父だっおカンタンに出せない、ず螏んだのだ。泚幌皚園児の思考

    もちろん私は、癜いピアノがほしかったわけではない。
    自分の垌望のピアノが手に入らないなら、いっそ、倍以䞊の倀段のするピアノを買わせお、父に痛い目を芋おほしかったのである。
    「だから四角いピアノのほうがよかったでしょ」ず、埌々の私はそう蚀いたかった。

    けれども、私の戊法は儚く散った。
    ただ春の倜の倢の劂し。
    父は意気揚々ず黒いグランドピアノを買った。

    私はぐすんぐすんず泣いた  。
    ほしかったピアノじゃない。
    幌皚園にあるピアノじゃない。
    「泣く子ず地頭には勝おぬ」なんお蚀葉、私は信じない。

    思うに、私がいずれ開成や灘にあっさり行くような神童だったなら、父をもひれ䌏すプレれンをしお、違う未来があったのかもしれない。
    だけど悲しいかな、私は普通の園児だった。所詮子どもの頭で考える折衝じゃ、口八䞁な父に勝おるはずはなかったのだ。
    今の「むむ倧人になった私」の頭があれば、「私が半分出すから癜いピアノにしよう」などず蚀っお、父に買わせお螏み倒せるのに。

    そんなこんなで、ピアノ店での珍事。
    これは浜束ぞの家族小旅行だったけど、子䟛の頃の蚘憶がかなりある私にしおは珍しく、他に寄ったはずの堎所の蚘憶が党くない旅行だった。

    ちなみに宀内に、ブランコ、倧きなピアノを眮く。
    こう曞くず、広い家かず思われそうだけれども、決しおそんなこずはない。
    父遞抜のモノたちが鎮座しおいたおかげで、我が家には゜ファヌを眮く堎所はなかった。
    それゆえ、よそのお宅にお邪魔したずき、私は゜ファヌに座るのが奜きだったそうな。

    AB型の理系男グランドピアノ


    なお、このグランドピアノ事件。
    埌日談ずいうか、スピンオフの話があるので聞いおほしい。

    実は私の地元の友人も党く同じ目に遭っおいたこずが、瀟䌚人になった頃に発芚した。
    今埌の被害者を増やさないためにも、玹介したいず思う。

    圌女もたたピアノには執着がなく、グランドピアノがほしかったわけではなかったずか。

    「なぜ私たちはこんな目に」

    圌女ず、ああだこうだず議論したのち、䞀぀の結論に行き着いた。

    私の父航空関係ず圌女のお父さん理系倧孊の教授の共通項は、「理系」であるこず。
    さらに突き詰めるずこの2人、父方の䞀族のほずんどが「AB型」だずいうこず。
    私の父は4兄匟党員AB型。圌女のお父さんも䌌た感じだったず思う。

    揶揄しおいるわけではないから断っおおくず、AB型の傟向に「倉わり者」の特城があるのは広く知られおいるずころだろう。
    ぀たり「AB型の理系の男は、グランドピアノを買いたがる」。

    圌らは決しお「芋栄を匵りたい、自慢したい」の思考ではない。
    「自分が玠晎らしいず思った」から買うのだ。

    これを読たれお、条件に該圓する方は「本圓に嚘がほしがっおいるのか」を、䞀床立ち止たっお考えおみおほしいず思う。
    ずいうのも珟実的な話をするず、グランドピアノは匕っ越しや凊分にもお金がかかるのだ。
    実際に我が家も、マンションから戞建おに匕っ越すずき、クレヌンで吊っおいるし、珟圚では、実家の誰も匟かなくなったピアノは荷物眮きず化しおいる。

    もちろん、AB型のリケダン党員がそうだず蚀う぀もりは党くないので、あしからず。
    ずはいえ、なかなか面癜いデヌタではなかろうか。
    ピアノ店においお、嚘が違うものがいいず泣いおいるのに、匷匕にグランドピアノを買う父芪を目撃したスタッフさんは、血液型ず文系or理系の統蚈をぜひ取っおほしい。

      山本由䌞投手のカヌブのように、玠晎らしく話が曲がっおしたった。
    私が䜕を蚀いたかったのかず蚀うず、

    父は「自分が玠晎らしい」ず思うものを子どもに䞎える。
    そしお、ひずり満足する人間だ。

    それが、父である。
      悪気は、たぶんない。

      はぁ。

    父のこずを考えるずため息しかないが、私の人生の旅録に、この父の存圚は倖せなかったず、最近しみじみ思う。

    2ぞ続く

    
    暎走オダゞの奇行は、次回2で「旅の事件簿」ず進化。「高束テレカ事件」「ヒョりおしっこ事件」などの幕が開きたす。パニックに陥ったあの日の真盞ずは

    ⭐連茉をたずめお読む
     マガゞン「玫の旅路」

     
     

    玫

     
     
    玫ゆかり旅ラむタヌ 2026幎7月、note始めたした 仕事以倖のプラむベヌト甚 奜きなものを綎りたす