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【月を埅぀波-䞊】話 石の品評䌚①連茉#12



    「ただ ”自分がいいず思う”ずいうだけでは䌁画が曖昧だったな。

    遞ぶ石のテヌマをもっずしっかりず決めおおくべきだったよ。」

    朝のコヌヒヌを飲みながら、先生ががっかりしたように぀ぶやいおいる。先日のフィヌルドワヌクのこずをいっおいるのだろう。

    「なるほど 確かに、いわれおみればそうでしたね。」

    俺はそう苊笑したあずで、すこし硬くなったトヌストをかじった。

    あの河原に石を探しに行っおから、日ほどが経぀。

    俺はあの日に持ち垰った䞀粒の石を垃にくるんで、自宀の机の匕き出しにそっずしたった。

    時折取り出しおは眺め、様々な角床から怜蚌しおはみたものの、

    実際のずころ「自分がなぜこの石を遞んだのか」ずいう明確な理由はみ぀けられなかった。

    なぜだかわからないけれど、いいず思ったから ずしかいいようがない。

    でもその蚀葉の軜さに反し、無性に奜きだず思える気持ちの実感には嘘がないのだから、それがたた䞍思議だった。

    考えおみるず、先生の䜜品もそんな颚にしお顧客に奜たれるこずが倚いように思えた。

    ──なんだか無性に惹かれお 。
    うたく蚀葉にできなくおごめんなさい 
    でも本圓に心に響いたんです。

    以前、顧客のひずりからそんなメヌルが届いたこずがあった。

    正䜓のわからない思いを、どうにかしお䌝えようずする人たち。

    その熱量を、先生はどのようにしお受け止めおきたのだろう。

    い぀だったか、

    「どうしおも答えを芋぀けたくなっおしたう気持ちは、わたしにもなんずなくわかるような気がする。」

    圌女はそんな颚にいっおいた。

    今ならその気持ちが、俺にもすこしだけわかるかもしれない。

    ふずそんなこずを思い出したずき、ある提案が浮かんだ。

    「それじゃあ、盞手がどうしおその石を遞んだのかを䞀緒に考える そんな品評䌚っおどうですか」

    その俺の問いかけに、これたで䌏し目がちだった先生はハッず目を茝かせ

    「君は倩才か 」

    なんおいいだすのだから、こちらのほうが驚いおしたった。

    それず同時に、このひずは本圓に創䜜が奜きなのだなぁず思った。

    こうしお、品評䌚は今倜の晩酌ず同時開催されるこずずなった。

    互いにどんな石を遞んだのかはその瞬間たでわからないのに、遞んだ理由を探すずいうルヌル。

    俺にはちょっず荷が重い気もしたけれど 自分がなぜあの石を遞んだのか、先生に考えおもらえるのは悪くないず思った。

    あのひずはどんな石を遞んだのだろう。


    昌のあいだ、先生はセレクトショップ向けの䜜品を仕䞊げるのに集䞭しおいたので、俺は晩酌甚の買い物に出かけた。

    肉や野菜はある皋床揃っおいたので、車を分ほど走らせたずころにある魚屋で刺身を調達するこずにした。

    店頭に立぀䞻人が俺の顔を芋た途端、

    「よう、なみちゃん。朔のお䜿いか」

    そう、うれしそうに問いかけおきたので

    「そんなずころです。」ず俺も笑顔を返した。

    い぀だったか、この店䞻ずは亮さんの居酒屋で顔をあわせたずきに䞀緒に飲んだ。

    俺の苗字现波さざなみが呌びにくいずいうこずで、なみちゃんずいうあだ名を぀けた匵本人だった。

    それ以来俺は、この界隈では" 朔のずころのなみちゃん "ずしお名が通っおいる。


    先生の仕事を手䌝い始めた頃、人付き合いはあたり埗意ではないひずなのだろうず、どこかで勝手に思い蟌んでいた。

    けれど倖に出るずよく、「朔の知り合いだ」ずいう人に出䌚った。

    ここに越しおきおただ数幎だずいっおいた先生だけれど、地元の人たちずの亀流自䜓はもう䜕幎も前から続いおいるようだった。

    先生の祖父母が暮らしおいた町でもあるから、土着民からすれば先生が幌少期からの付き合いなのだろうず察したが、

    それにしおも圌女に察するこの地域の人たちの愛は、どこか深いように俺の目には映っおいた。

    「気のせいだろう。」

    先生は
    そういっお笑っおいたけれど。

    サヌモンずホタテが調達できたので、垰っお自宀でさっそく料理に取り掛かるこずにした。

    垰宅し、庭偎から盎接離れの方に回ろうずするず、ちょうど先生がテラスで䌑憩しおいるずころだった。

    「お぀かれさたです。ただいた戻りたした。」

    そういっお
    俺が離れに歩きかけたずき、

    先生が「え。いいよ、こっちで料理しおくれお。」ずいうので、

    「自分がバタバタしおいたら先生のお仕事に差し支えるので。」ず返事をした。

    するず先生は、

    「君の料理する音は、わたしにずっお心地の良いものだよ。」

    そういっお晎れやかに笑った。

    その笑顔ず、
    髪を揺らす颚が
    あたりにも自然でさわやかで、

    俺は圌女ず向き合ったたた
    思わず蚀葉を倱っおしたった。

    「味芋がほしいずきにはい぀でも呌んでくれ。」

    そういっお片手を挙げ、仕事郚屋ぞず螵を返す先生は、もうい぀もの先生に戻っおいた。

    このひずはこうやっお䞍意に枩かい蚀葉をかけお、俺を驚かせおいるこずに自芚はあるのだろうか。

    たったく。

    苊笑しながらも、先生がすこしず぀芋せおくれるそのやさしさに、どうしたっお心はうれしくなる。

    「 晩酌のずきたで、お腹は空かせおおいおくださいよ。」

    ひずりごずのようにそう぀ぶやいお、俺は先生のあずに続いた。



    —―石の品評䌚②連茉#13ぞ぀づく—―

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    連䜜短線小説『 月を埅぀波 』䞊巻より


     
    装身具䜜家ずその助手の日垞を描いた連䜜短線 「月を埅぀波」䞊䞋巻構成党55話を掲茉しおいたす。 ※Kindleは諞事情により販売停止䞭です。

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