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知らぬが仏、知るは苦悩、知らすは破壊。そこから・・ ~ 舞台 岸辺のアルバム ~

チケットサイトから案内がくる度に、熾烈なチケット争奪戦に挑み続け、連戦連敗だった、小林聡美さん出演の各公演・・・(号泣)
ようやく、念願の出演チケットが取れました、ヒャッホーーウ☆
そして、見たことが無いのですが、テレビドラマの傑作と言われているストーリーで楽しみ激増!!
いそいそと東京芸術劇場シアターイーストへ出掛けて参りました。

上辺と下辺とを繋ぐ道で、アルファベットの「I」のような舞台装置。
自分は下辺の辺りの席で、演者さんが目と鼻の先で演じられていて息遣いもリアルでした(ほとんどの席がそういった近距離でしたが)。

超有名なドラマであらすじもご存じな方が多いと思われますが、つらつら~んと感想と一緒に書いてみます。


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舞台は、1970年代の多摩川土手沿いにマイホームを構えている4人家族の田島家。

杉本哲太さん演じる父・謙作は中規模商社の部長で仕事一筋。
小林聡美さん演じる母・則子は日々の家事に追われ、家族との会話以外はほとんど他人と会話も無い専業主婦。
芋生悠さん演じる娘の律子は、やたらとプライドが高い上智大学生。
細田佳央太さん演じる息子の繁は高校三年生の受験生。いまひとつ勉強に集中出来ずに、ついつい家族にかまってちゃんしてしまいます。

一見どこにでもある平凡な家庭ですが、ある日家に一本の電話が掛かって来たことから小さな波風が立ちます。

ある日掛かって来た電話。
則子が出ますが、「どなた?」と尋ねるも無言で電話は切れます。
この日から無言電話は続き、則子が「警察に言うぞ!!」と投げかけると、相手は男で、「奥さんを街で見かけて、気になっています。雑談しませんか?」とまさかのアツアツトークがスタート。
「からかわないで!!」とプリプリする則子。
しかし、翌日以降も掛かって来る電話。
いつしかこの雑談電話を楽しみにし始めます。
しばらくして、男から「会いませんか?」と禁断の提案が!!
最初は喫茶店で雑談をする程度、、だったのに、お互いの家庭を壊すつもりは無いと同意の上で一線を超える付き合いが始まります。
則子の"女の部分"が日常に漏れ始めます・・

友達から紹介されたアメリカ人と付き合い始めた律子。
しかし付き合っているつもりなのは律子のみであると判明します。
キレた律子がアメリカ人のアパートに押しかけたところ、「彼」じゃないアメリカ人がおり、この男に乱暴されます。後日「彼」から「こないだのアメリカ人と付き合えば良い」と都合の良い女として扱われていたことに気付き、そして・・

謙作の会社にやや傾いている雰囲気が漂い始め、本来手を出すべきではない案件を、出来る部下と一緒に主導することになります。
それでも会社の傾きぶりは留まるところを知らず、このヤバい案件から手を引かせたい伊勢志摩さん演じる部下の女性が動きます・・

繁は家族の不穏な動きに気付いているようで気付かない。
しかし、則子の秘密を友達のお母さんから、律子の悲しい事実を本人から、謙作の仕事のヤバイ内容を部下の女性から、次々と知らされてしまい翻弄される繁。

家族が大揺れとなっている最中、大型台風が近づいて来て・・


あれよあれよと、傷ついている家族たちが台風の渦に巻き込まれていくように飲み込まれる様。どうにか家族を元の家族に戻したい繁の奔走っぷりに胸を打たれました。若さなのかもしれませんが、自分がやらないと!!のしゃにむな繁。。
情欲に溺れたようで、男との雑談が日々の虚しさと寂しさを埋めていた事実。
本人が思うほどの価値を、他人が見出してくれている訳では無かった高すぎるプライドの果て。
仕事に没頭することであらゆる出来事から目を背けていたのに、その仕事の源泉である会社が終わってしまう張子の虎だった事実。

ひとりで家族の秘密を抱えていた繁がキレて、全員にぶちまけ、家族を破壊してしまった時、リアルな台風が家をも破壊します。
物理的にも精神的にも拠り所だった家が大破し、かろうじて持ち出せたアルバム以外全て失います。
しかし、それぞれの秘密だった出来事も台風一過となり、もう一度やり直そうとする家族の姿がありました。。


本当にあった多摩川水害が背景となっている当舞台。
個々の身の上に起こる出来事が全く笑えないですし、家が台風で破壊され、家族の仲も破壊するというとてつもない出来事であり、そこからの再生を目指す重すぎっぷり。
ですが、会話や人物のキャラが暗くなるストーリーをどん底まで突き落とさない素晴らしさ。
序盤の空虚な家族の時は感情があるようで無さそうな棒読みとも言えそうな状態から、波風が立ち始めた辺りから感情や体温を感じさせ始めます。
繁がきりきり舞いし始めた辺り、台風が近づく嵐の前の静けさのように、ハラハラがスタートし、やめとけ、黙っとけば誰も傷つかんよーーー!!っと拳を握りました。
部下の女役の伊勢志摩さんは二役されていましたが、どちらのキャラも微妙な立ち位置ながらコミカルで面白かったです。
さとちゃん(小林さん)はテレビや映画で見たまんまで、「ああ、きみちゃんっっ!!」と「やっぱり猫がすき」の役柄が頭をよぎりまくり。
さとちゃんの余り見たことがないラヴなシーンがあり、見たことのある役柄とは全く違う一面を見ることが出来て良かったです♪

約3時間の中に濃密な出来事が詰まりまくりでしたが、どの出来事も雑に扱われておらず、昭和の原作ドラマですが登場人物の誰かに何らかの感情移入が出来ると思います。
自分はもちろん繁ちゃん(笑)

「I」な形の不思議な舞台ですが、見えにくく感じることなく楽しめると思います。
まだ始まったばかりの舞台で、自分が観た回は当日券が出ていました。
もし機会がありましたら、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?

自分は原作ドラマを無性に見たくなっています。
Tverにあるかなぁ???


イラストが返って生々しい感じ。
男役の田辺誠一さんがイイ男でした☆



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