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TRUNK #088 広げる街ず、名前を倉える街 䞖界のモヌタヌショヌ、生存の分かれ道

    広げる街ず、名前を倉える街

    䞖界のモヌタヌショヌ、生存の分かれ道

    自動車の展瀺䌚ずいう堎所が、今、䞖界䞭で違う運呜をたどっおいる。ある街はその名前ごず生たれ倉わり、ある街は静かに開幕そのものをやめ、そしおある街だけが、䌚堎が足りないずいう理由で敷地を倍にしおいる。

    東京は、二床、名前を倉えた

    東京の自動車ショヌが看板を掛け替えたのは、これが初めおではない。1954幎に始たった「党日本自動車ショり」は、1965幎の乗甚車茞入自由化を控えた1964幎、「東京モヌタヌショヌ」ぞず改名する。海倖メヌカヌ3瀟が初めお出展したこの幎、倉わったのは䞭身ではなく、察倖的な立ち䜍眮だった。囜内向けの展瀺䌚から、囜際的なむベントぞ。

    二床目の改名は、はるかに倧がかりだった。来堎者数が1990幎代の200䞇人芏暡から、2017幎には77䞇人たで萜ち蟌む䞭、2023幎、「東京モヌタヌショヌ」は「ゞャパンモビリティショヌ」ぞず生たれ倉わる。圓時自工䌚䌚長だった豊田章男氏は、䞀床「ゞャパンオヌルむンダストリヌショヌ」ずいう案を打ち出し、これを撀回した末に「モビリティショヌ」ぞず着地させおいる。今回倉わったのは看板の察倖的な立ち䜍眮ではない。展瀺する䞭身そのものの定矩だ。自動車ずいう䞀぀のゞャンルの展瀺䌚から、モビリティ産業党䜓、他業皮・スタヌトアップたで含めた「オヌルむンダストリヌ」ぞの転換。1964幎の改名が芋せ方の倉曎だったずすれば、2023幎の改名は、trunkそのものの再定矩だった。

    その効果は数字にも衚れおいる。初回のJAPAN MOBILITY SHOW 2023は来堎者111侇2000人、過去最倚ずなる475䌁業・団䜓が参加し、モビリティ産業党䜓の裟野を広げる方向で䞀定の成功を収めた。2025幎も101䞇人が来堎し、「モヌタヌショヌはオワコン」ずいう声に察しお、䞀定の反蚌を瀺しおいる。ちなみに、この䌚堎である東京ビッグサむトは、Formula E東京E-Prixの舞台でもある。同じ堎所が、展瀺ずいう静的な芋せ方ず、実際にレヌスが走るずいう動的な芋せ方の䞡方を匕き受けおいる。

    もっずも、東京の開催頻床がここで初めお萜ちたわけではない。1973幎の第20回たでは毎幎開催されおいたが、1974幎、オむルショックの圱響で開催そのものが䞭止に远い蟌たれ、1975幎以降はパリサロンずの亀互開催ずいう圢で隔幎開催に移行しおいる。頻床ずいう点では、東京は半䞖玀近く前に、既に䞀床「毎幎」を手攟しおいた。ゞャパンモビリティショヌになっおからは、この隔幎サむクルがさらに間延びしおいる。本䜓の開催は2023幎、2025幎、そしお次は2027幎の予定で、間の幎(2024幎、2026幎)は「Bizweek」ずいうビゞネスむベントにずどたり、䞀般公開ずしおの開催は行われおいない。名前を倉え、䞭身を広げるこずで延呜を図りながらも、開催頻床ずいう軞では、段階的に間隔を広げおきた歎史がある。

    消える街、移る街、瞮む街

    海倖に目を向けるず、もっず厳しい珟実が広がっおいる。1905幎から続いおきた䞖界最倧玚のモヌタヌショヌの䞀぀、ゞュネヌブモヌタヌショヌは、2024幎、事実䞊の開幕䞭止に远い蟌たれた。長い歎史を持぀看板が、静かに幕を䞋ろした瞬間だった。

    フランクフルトモヌタヌショヌは、名前も開催地も倉えおいる。「IAAモビリティ」ぞず改称され、開催地はフランクフルトからミュンヘンぞ移った。東京の二床目の改名が「䞭身の再定矩」だったのに察し、フランクフルトの堎合は「堎所そのものを移す」ずいう、さらに螏み蟌んだ遞択だ。

    パリモヌタヌショヌは2024幎に埩掻を果たしたが、その足元は盀石ずは蚀えない。2026幎、BMWはコスト削枛を優先し、パリぞの出展を取りやめおいる。か぀お䞖界を代衚する自動車ショヌの䞀぀に、䞻芁メヌカヌが出展を芋送る。これは単なる䞀瀟の刀断以䞊に、モヌタヌショヌずいう堎そのものの集客力・投資察効果ぞの疑問笊ずしお読むこずができる。

    デトロむトモヌタヌショヌ(北米囜際オヌトショヌ)も、開催時期・芏暡ずもに、か぀おの存圚感を取り戻せずにいる。䞖界5倧モヌタヌショヌず呌ばれおきた顔ぶれのうち、無傷のたた生き残っおいるものは、実はほずんどない。

    北京だけが、䌚堎を広げおいる

    その䞀方で、䞭囜だけがたったく逆の方向に進んでいる。2026幎4月24日から5月3日たで開催された北京モヌタヌショヌは、総展瀺面積38䞇平方メヌトルずいう過去最倧芏暡を蚘録した。これたで課題だった「展瀺スペヌス䞍足」を解消するため、䞭囜囜際展芧センタヌ(順矩通)ず銖郜囜際䌚展センタヌ(新囜展二期)ずいう2぀の䌚堎を連絡通路で぀なぐ「双通聯動」方匏を初めお採甚しおいる。䞖界の䞻芁メヌカヌが撀退や瞮小を遞ぶ䞭、北京は物理的な床面積そのものを増やしお察応した。BYDや吉利ずいった䞭囜勢に加え、トペタ、日産、フォルクスワヌゲンずいった海倖勢も含め、䞖界初披露181台を含む蚈1451台が展瀺されおいる。䞊海モヌタヌショヌず隔幎で開催されるこの2぀の䞭囜ショヌは、今や䞖界3倧モヌタヌショヌに匕けを取らない芏暡ぞず成長し぀぀ある。

    䜕が、この差を分けおいるのか

    同じ「モヌタヌショヌを開く」ずいう行為でありながら、なぜこれほど運呜が分かれるのか。答えは単玔だ。ゞュネヌブ、フランクフルト、デトロむト、そしお東京の盎面しおきた瞮小は、いずれも成熟した垂堎で起きおいる。技術の進化はあっおも、消費者にずっおの「驚き」が幎々薄れおいく段階にある垂堎では、モヌタヌショヌずいう堎そのものの求心力も、比䟋しお匱たっおいく。

    北京ず䞊海が逆行しおいるのは、単に景気が良いからではない。䞭囜の自動車産業そのものが、EVずいう新しい䞻戊堎で、囜家戊略ずしお急成長しおいる真っ最䞭だからだ。芋せたいものが、䌚堎の床面積を远い越すペヌスで生たれ続けおいる。モヌタヌショヌの盛衰は、単なるむベント運営の巧拙ではなく、その囜の自動車産業が今どの段階にいるかを映す、正盎な鏡になっおいる。

    東京がたどった二床の改名は、この文脈で芋るずより鮮明になる。1964幎、囜内向けから囜際的な堎ぞ倉わろうずした東京は、日本の自動車産業が急成長する真っ只䞭にいた。2023幎、自動車から「モビリティ」ぞず看板を掛け替えた東京は、既に成熟し、単䜓の自動車ずいう枠だけでは客を呌べなくなった垂堎の、生き残りをかけた遞択だった。同じ「名前を倉える」ずいう行為でも、その䞭身は、成長期の勢いず、成熟期の延呜では、たったく違う意味を持っおいる。

    北京が䌚堎を広げ続けられるのは、あず䜕幎だろうか。ただしこの問いには、もう䞀段倧きな留保を぀けおおく必芁がある。2026幎に入り、䞭囜のEV垂堎そのものには陰りが芋え始めおいる。BYDの新車販売は6幎ぶりの枛収に転じ、新興EV埡䞉家の䞀角も赀字に転萜した。それでも北京モヌタヌショヌが芏暡を拡倧できたのは、ロボタクシヌや人型ロボットずいった次の芋せ堎が、切れ目なく䟛絊され続けおいるからだ。裏を返せば、その䟛絊が途切れた瞬間、北京もたた東京やゞュネヌブず同じ坂を䞋り始める可胜性がある。

    技術の進歩ず経枈発展のスピヌドが幎々速くなっおいる今、モヌタヌショヌずいう展瀺圢態そのものの賞味期限は、以前より短くなっおいるのかもしれない。東京が「驚きがなくなるたで」に半䞖玀近くかかったのに察し、倉化の速い今の䞭囜では、同じ道のりがもっず短い幎月で蚪れる可胜性もある。

    もっず蚀えば、北京の䌚堎を歩いおいるのは、もはや「自動車ショヌ」の客だけではない。ロボタクシヌ、人型ロボット、フィゞカルAI。看板はただ「自動車ショヌ」のたただが、䞭身は既に車の枠を超えお広がり始めおいる。東京が「自動車」から「モビリティ」ぞず名前を倉えたのは、䞭身が既に倉わっおしたった埌の远認だった。北京は今、その東京がたどった道の少し手前、看板ず䞭身がただずれおいる過枡期を歩いおいる。いずれ北京もたた、「自動車ショヌ」ではなく、フィゞカルAIショヌずでも呌ぶべき䜕かぞず、看板を掛け替える日が来るのかもしれない。そしおい぀か北京もたた、䌚堎の名前を倉える日が来るのだろうか。あなたの街のモヌタヌショヌは、今どちらの段階にいるだろうか。

    過去回をテヌマ別にたずめたマガゞン「TRUNK SPINE」、はじめたした。第1匟は「顔」、第2匟は「誰がこの車の埌ろにいるのか」——ディヌラヌ資本構造をめぐる12本です。

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    展瀺䌚ずいう堎所が、なぜ人を動かせるのか、あるいは動かせなくなるのか。消費者心理から読み解く䞀冊。

    ザ・ニュヌロマヌケティング 最新の科孊が暎いた消費者の「買いたい」を行動に぀なげるビゞネス戊略(遠藀貎則 著)

    ※本蚘事にはアフィリ゚むト広告が含たれたす。

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