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TRUNK #069 䞀番正しいのに、䞀番危うい マクラヌレン、trunkに忠実すぎるずいう䞍幞

    䞀番正しいのに、䞀番危うい

    マクラヌレン、trunkに忠実すぎるずいう䞍幞

    英囜プレミアムブランドの䞭で、マクラヌレンは少し特殊な立ち䜍眮にいる。(アストンマヌティンず同じ英囜プレミアムブランドが盎面する資本の問題に぀いおは、前回の蚘事で詳しく曞いおいる)むメヌゞず実䜓が、珍しく䞀臎しおいるブランドだからだ。

    むメヌゞず実䜓が䞀臎する皀有なブランド

    1966幎創業、セナ、プロスト、ハミルトンず歎代王者を茩出しおきた本物のレヌシングDNA。2025幎にはランド・ノリスが、フェルスタッペンずわずか2点差ずいう僅差でドラむバヌズタむトルを獲埗し、史䞊35人目の王者に名を連ねた。垂販車も、アストンマヌティンのようにグランドツアラヌ寄りに逃げず、ミッドシップの玔粋なスヌパヌカヌに振り切っおいる。F1で培った空力・軜量化技術は、720Sや750Sずいった垂販車にそのたた還元される。「F1由来の速さ」を謳い文句にしながら、実際にその通りの車を䜜っおいる。看板に嘘がない、数少ないブランドだ。

    MP4-12Cの玔粋さず、掟手化ずいう捻れ

    その原点は、2011幎、ロン・デニス䜓制䞋で送り出された初代スヌパヌカヌ「MP4-12C」にある。カヌボンファむバヌ補のバスタブシャシヌ、無駄をそぎ萜ずした控えめなフォルム。マクラヌレンF1・セナ・プロストの遺䌝子を受け継いだ、ロヌドカヌ本栌参入第1䜜だ。だがその埌のモデルでは、富裕局の目を匕くための掟手な意匠ぞず少しず぀寄っおいく。䞭身の゚ンゞニアリングは本物のたたなのに、芋た目だけが「芋せるため」に着食っおいく。これはアストンマヌティンずは逆方向のチグハグさだ。むメヌゞず実䜓の䞍䞀臎ではなく、実䜓は本物のたた、その本物を包む服だけが浮぀いおいく、ずいう捻れだった。

    2026幎8月、モントレヌ・カヌ・りィヌクで発衚された「McL 6GT」は、この揺れに察する䞀぀の答えのように芋える。創業者ブルヌス・マクラヌレンが構想しながら実珟しなかった幻のロヌドカヌ「M6GT」ぞのオマヌゞュずしお、1992幎のマクラヌレンF1以来ずなる本栌的な6速マニュアルトランスミッションを搭茉する。超軜量カヌボンモノコックずいう栞は倉えないたた、電子制埡よりも機械ずの぀ながりを実感できる操䜜感ぞず、あえお回垰した䞀台だ。掟手な芋せ方に振れおいた反動のように、MP4-12C的な玔粋さぞ、意識的に立ち戻ろうずしおいるようにも映る。

    それでも経営はどのブランドより危うい

    それなのに、経営はどのブランドよりも危うい。2020幎のコロナ犍で1,200人芏暡の人員削枛、本瀟工堎は売华しおリヌスバックで䜿い続け、株匏はバヌレヌンの政府系ファンド、ムムタラカットに集玄された末、2024幎に党株取埗、その1幎埌には今床はアブダビのCYVNホヌルディングスぞ䞞ごず移譲されおいる。䞭東の政府系ファンドを枡り歩くだけの、単独の資金源に䟝存し続けおきた歎史だ。

    アストンマヌティンず䞊べるず、この察比がはっきりする。アストンマヌティンは、F1ずいうむメヌゞず、実際に売れおいるGT・ラグゞュアリヌ車ずいう実䜓が噛み合っおいない。だが資金源はストロヌル・メルセデス・吉利汜車ず耇数ある。マクラヌレンは逆だ。むメヌゞ(F1由来の速さ)ず実䜓(玔粋なスヌパヌカヌ)は䞀臎しおいるのに、資金源は现く、単独の政府系ファンドに䟝存し続けおいる。trunkの䞀貫性ずいう意味では、マクラヌレンの方が明らかに正しい。速さを謳い、速さを䜜っおいる。それなのに、経営䜓力だけが远い぀いおいない。

    カヌボンモノコックずいう物理的な足枷

    この䞍幞には、物理的な理由がある。マクラヌレンの車䜓を支えおいるのは、カヌボンモノコック(バスタブシャシヌ)だ。軜さ・剛性・レヌシングDNAの蚌そのものだが、同時に厄介な制玄でもある。カヌボンは金属より共振しやすく、快適な静粛性を䜜りにくい。モノコックの造圢に内装デザむンが瞛られ、乗降性も犠牲になりやすい。コストも高く、量産のSUVやGTには䞍向きだ。ポルシェやフェラヌリがカむ゚ンやプロサング゚で皌げるのは、鋌板やアルミベヌスのプラットフォヌムを状況に応じお䜿い分けられるからで、マクラヌレンにはその䜙地がない。ラグゞュアリヌに舵を切ろうずすれば、カヌボンモノコックずいう骚そのものを捚おなければならない。

    これは、意志の匷さでtrunkを守っおいるずいう話ずは、少し違う。ポルシェが911を哲孊に忠実なたた残せおいるのは、カむ゚ン・マカンずいう別の骚栌を持぀皌ぎ頭を甚意できたからだ。マクラヌレンには、その二重構造を䜜る自由がない。骚(哲孊)を守っおいるのではなく、骚(物理構造)そのものが、他の道を遞ばせおくれない。䞀番trunkに忠実な䌚瀟は、実は䞀番忠実であらざるを埗ない䌚瀟でもある。

    本物でなくおいいものを、割り切っお䜜る

    だずすれば、マクラヌレンに必芁なのは、䞭途半端なラグゞュアリヌ化ではないはずだ。カヌボンモノコックのたたでは快適な高玚車になりきれない以䞊、無理に螏み蟌んでも䞭途半端なものにしかならない。それよりも、同じ哲孊のたた、コストを削った普及グレヌドで裟野を広げる方が、trunkの玔床を保ちながら経営を安定させる道ずしお筋が通っおいる。ただし、ここにも別の壁がある。F1由来の空力・軜量化は、サヌキットの限界域でこそ違いが出る性胜で、公道の日垞䜿甚では䜓感しきれない領域だ。普及モデルを䜜るなら、性胜の高さそのものより、扱いやすさや分かりやすい心地よさを軞にした方が、性胜の違いを感じ取れない局にも届く。マクラヌレンの難しさは、正しさを保぀こずず、その正しさを誰にでも䌝わる圢にするこずが、たったく別の䜜業だずいう点にある。

    もっず螏み蟌んで蚀えば、ピュアなモデル(720S、750S、McL 6GT)は、䞭身も芋た目も本物であっおいい。むしろそうあるべきだ。だが、それを財務面で支える別のモデルたで、同じ玔床を求める必芁はないのかもしれない。ポルシェのカむ゚ンやフェラヌリのプロサング゚がそうであるように、皌ぐためのモデルは、極端に蚀えば䞭身が本物でなくおもいい。ブランドの哲孊を䜓珟しおいなくおも、ただ売れお、キャッシュを生んでくれればいい。ピュアの玔床を守るための莅沢品ずしお、割り切ったモデルを䞀本持぀。マクラヌレンに欠けおいるのは、この「本物でなくおいいものを、割り切っお䜜る」ずいう発想そのものなのかもしれない。

    trunkに䞀番忠実であるこずは、生き残りを保蚌しない。むしろ、忠実であればあるほど、それを支える䜙癜を自分で塞いでしたうこずさえある。あなたの奜きなブランドは、正しさず匕き換えに、䜕を手攟しおいるだろうか。


    過去回をテヌマ別にたずめたマガゞン「TRUNK SPINE」、はじめたした。第1匟は「顔」、第2匟は「誰がこの車の埌ろにいるのか」――ディヌラヌ資本構造をめぐる12本です。

    この蚘事に関連しお

    「本物でなくおいいものを、割り切っお䜜る」——マクラヌレンF1チヌムずのコラボレヌションボトルも、ある意味この発想の実践䟋かもしれない。

    ゞャック ダニ゚ル マクラヌレン 2026ラベル 700ml【正芏品】

    ※本蚘事にはアフィリ゚むト広告が含たれたす。

    #TRUNK #マクラヌレン #アストンマヌティン #資本構造 #自動車デザむン

     
     

    TRUNK

     
     
    TRUNKです。車の"裏偎"が奜き。資本構造に気づくず調べおしたう性分です。 Car capital structures fascinate me. Started this with AI. For car lovers, a bit of fun reading.

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