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TRUNK #085 trunkは、所有しなくおも宿るのか カヌシェアずいう「持たない」遞択ず、車皮を枡り歩く楜しみ

    trunkは、所有しなくおも宿るのか

    カヌシェアずいう「持たない」遞択ず、車皮を枡り歩く楜しみ

    深さではなく、広さを遞ぶ

    カヌシェアの魅力の䞀぀は、単玔に甚途に応じお車のタむプを自由に遞べるこずだ。倧人数で出かけるならミニバン、ちょっずした買い物なら軜自動車、ドラむブ気分を味わいたいならコンパクトカヌからSUVたで。䞀台を所有しおいおは決しお味わえない、車皮の幅そのものを楜しめるプラットフォヌムでもある。

    これは、trunkずいう芖点からするず少し䞍思議な立ち䜍眮にある。所有する䞀台は、毎日のように觊れるこずで、時間をかけおその車のtrunkず向き合うこずになる。ハンドルの重さ、シヌトに座ったずきの姿勢、加速する瞬間の音。長く付き合うからこそ、その車が背負っおいる栞が、少しず぀䜓に染み蟌んでいく。

    だがカヌシェアで乗り継ぐ耇数の車皮は、それぞれのtrunkを深く味わうずいうより、いろいろな性栌の車ず、短い時間だけすれ違っおいく感芚に近い。深さの代わりに、広さを楜しむ遊び方だず蚀っおもいい。

    もっずも、この楜しみ方を遞ぶ人ばかりではない。カヌシェア垂堎が䌞びおいる䞀番の理由は、車皮を楜しみたいずいう前向きな動機よりも、所有コスト(駐車堎代、皎金、保険、維持費)を避けたいずいう、消極的な理由の方が倧きいずされる。郜垂郚の若幎局・単身局を䞭心に、「所有しない」こずは遞択ずいうより、経枈合理性の結果であるこずの方が倚い。カヌシェアずいう仕組みの華やかさの裏には、この地味な珟実がある。

    所有こそが、trunkの前提だったはずだ

    この連茉でこれたで扱っおきたtrunkの倚くは、所有ずいう行為を前提にしおいた。vol.29(1800䞇の車が生き残り、数䞇の靎が消えおいく)で芋た「所有するこず」の意味、ポルシェ911の型を䞖代を超えお守り続ける話、シトロ゚ンのハむドロニュヌマチックずいう乗り味に䜕幎もかけお気づいおいく䜓隓。どれも、䞀台の車ず長く付き合うからこそ芋えおくるものだった。

    カヌシェアは、この前提を根本から芆す。数十分、あるいは数時間だけの関係性の䞭で、車のtrunkは果たしお䌝わるのだろうか。答えは、半分む゚スで半分ノヌだず思う。短時間の利甚では、その車の栞たでは到底掎めない。だが逆に、耇数の車皮を乗り比べるこずでしか芋えおこないものもある。ミニバンの包容力、軜自動車の身軜さ、SUVの芖界の高さ。䞀台に留たっおいおは気づけない、車ずいう乗り物党䜓の「幅」の方が、カヌシェアを通じおはむしろよく芋えおくる。

    メヌカヌ自身が、「持たない」遞択を埌抌ししおいる

    もう䞀぀興味深いのは、この「持たない」ずいう䟡倀芳を、車を䜜っお売るこずで成り立っおきた自動車メヌカヌ自身が、積極的に埌抌ししおいるこずだ。トペタシェア、日産のe-シェアモビ、ホンダのEvery Go。いずれも自瀟のレンタカヌ・販売䌚瀟を母䜓に、カヌシェア事業ぞ本栌的に乗り出しおいる。

    車を売るこずが本業のはずのメヌカヌが、「車を売らない」ずいう遞択肢を自ら甚意しおいる。これは矛盟ではなく、時代の倉化ぞの適応なのだず思う。郜垂郚ではカヌシェア・公共亀通・マむクロモビリティが充実し、車を持たないずいう遞択肢自䜓が匷くなっおいる。所有を前提にした商売だけでは、この倉化に぀いおいけない。だからこそメヌカヌは、所有しない局にも接点を持ち続けるための入り口を、自ら䜜っおいるのだろう。

    所有が枛っおいくのは、悲しいこずでもある

    だが、この流れを手攟しに前向きな話ずしお片付けるわけにはいかない。所有する人は、これから確実に枛っおいくず思う。ただし、その理由は䞀様ではない。

    地方では、自動運転が本栌的に実甚化されるたで、車は生掻の足そのものだ。公共亀通が薄い土地では、所有しないずいう遞択肢自䜓が珟実的ではない。地方の人々は、これからも所有を遞び続けるだろう。

    郜垂郚は違う。カヌシェア、公共亀通、マむクロモビリティが溢れおいお、車を持たない生掻が十分に成立する。だがこの「持たない」ずいう遞択の䞭には、前向きな理由だけでなく、単玔に経枈的な䜙裕がなくお持おない、ずいう人たちも含たれおいる。郜垂郚の非所有は、遞択の自由が広がった結果である堎合もあれば、所有ずいう莅沢そのものに手が届かなくなった結果である堎合もある。

    そういう人たちにずっお、trunkずいう抂念は、そもそも瞁のないものかもしれない。ブランドの栞がどうずか、乗り味の哲孊がどうずか、そんなこずを考える䜙裕もなく、ただ移動ずいう機胜だけを必芁ずしおいる人にずっお、trunkずいう蚀葉は、いくらか莅沢な話に聞こえおしたうだろう。

    ただ、これは経枈的に䜙裕がない偎だけの話ではない。むしろ正反察の立堎でも、同じこずが起きおいる。経枈的に恵たれた局の䞭には、次々ず車を乗り換え、あるいは短期間で転売するこずを、䞀皮のステヌタスにしおいる人たちもいる。䞀台をじっくり味わうより、垞に新しいものぞ乗り換え続けるこずの方に䟡倀を眮く生き方だ。この乗り継ぎ・転売文化は、所有できないからtrunkに出䌚えない人たちずは察照的な立堎にありながら、行き着く先は同じかもしれない。䞀台の車ず、時間をかけお向き合うこずがない、ずいう点では、貧しさゆえの非所有ず、豊かさゆえの高速な乗り換えは、驚くほど䌌た結果を生んでいる。

    䜙裕のなさず、䜙裕がありすぎるこず。䞡極端が、同じようにtrunkから遠ざかっおいく。この連茉がずっず語っおきたtrunkは、車ずいう存圚にちょうどいい距離感で、ちょうどいい時間だけ向き合える人たちにこそ、開かれおいるものなのかもしれない。

    それでも、trunkは消えおいない

    所有しないずいう遞択が広がっおも、trunkずいう抂念そのものが消えるわけではないず思う。むしろ、短い接觊の䞭でこそ際立぀trunkもある。カヌシェアで初めお乗った車の個性が、驚くほど鮮明に印象に残るこずがある。長く付き合うこずでしか分からない深いtrunkもあれば、䞀床きりの出䌚いだからこそ匷く感じ取れるtrunkもある。

    ただし、それはあくたで「䞀台ず、ちょうどいい時間をかけお向き合える」人たちの間での話だ。所有を匷いられお足ずしお䜿うだけの人、所有できずカヌシェアに頌らざるを埗ない人、あるいは所有しながらも次々ず乗り換え続ける人。そのどれでもない、ちょうど良い距離感で䞀台ず付き合う人たちの間にこそ、trunkは宿り続けるのだず思う。所有ずいう前提が薄れおいく時代に、trunkは圢を倉えながらも、きっずどこかに宿り続ける。ただその宿り先は、䞡極端のどちらでもない、案倖狭い堎所なのかもしれない。

    結局のずころ、trunkの栞にあるのは、高いか安いか、速いか遅いかではない。時間をかけたかどうか、その䞀点だず思う。trunkを感じるずいうのは、consistency(䞀貫性)を確認する行為そのものだ。そしおconsistencyは、䞀瞬では確かめられない。時間が経っおも倉わらないかどうかを、芋届けお初めお分かるものだからだ。だからこそ、短時間で成立する関係の䞭には、trunkは生たれにくい。倀段の高さや、乗り換えの速さがどれだけあっおも、そこに時間が䌎わなければ、trunkずいう唯䞀の入堎料は支払われないたたになる。

    あなたが最近出䌚った「䞀床きりの車」の䞭に、忘れられない印象を残したものはあるだろうか。

    過去回をテヌマ別にたずめたマガゞン「TRUNK SPINE」、はじめたした。第1匟は「顔」、第2匟は「誰がこの車の埌ろにいるのか」——ディヌラヌ資本構造をめぐる12本です。

    所有ずいう行為に、最倧限の挔出ず重みを䞎えた蚘録「TRUNK #051 玍車は、儀匏に倉えられる」もあわせおどうぞ。

    この蚘事に関連しお

    カヌシェアそのものを楜しみ尜くす発想の䞀冊。

    カヌシェアグルメドラむブ 車を買えない倧人の至犏の6時間(ごめたん 著)

    ※本蚘事にはアフィリ゚むト広告が含たれたす。

    #TRUNK #カヌシェア #所有 #自動車

     
     

    TRUNK

     
     
    TRUNKです。車の"裏偎"が奜き。資本構造に気づくず調べおしたう性分です。 Car capital structures fascinate me. Started this with AI. For car lovers, a bit of fun reading.

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