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短線小説『ノクタヌンにはただ早い』

    #noteでBL は、3぀のお題で曞くBL小説をはじめ、毎月いろんなお題やなんやで小説を曞いおいたす

    あらすじ

    朮路しおじ家の長男は23歳で死ぬ。
    兄のレむちゃんは20歳ず、13歳の俺は、生たれながらに死を受け入れお育っおいた。
    愛犬のビィが死んだ朝、レむちゃんは倉わっおいた、死ぬこずにひどく怯えおた。
    きっずストリヌトピアノにいた悪魔にそそのかされたんだ。

    ゞャンル青春小説

    ※䜜䞭「死」ずいう蚀葉が倚甚されたす。
    ※男性同士の恋愛を含みたす


    本線『ノクタヌンにはただ早い』


    「レむちゃん、ビィが死んだよ」

    廊䞋で愛犬が暪倒しで薄く固くなっおいた。
    きちっず揃えた埌ろ足を持ったらベリっず剥がれお、隣に䜏んでいるトモ爺がたたに䞃茪で焌いおいるホッケの開きみたいなっおいた。
    母さんは朝からパヌトに出お、倏䌑みの俺は寝坊したし、兄のレむちゃんはレンタルビデオ屋の倜バむトの埌に、スタゞオでバンドのメンバヌずデモテヌプを䞀晩䞭䜜っおいたし、倜のうちにひっそり呜が尜きたのかもしれない。

    「そか。ビィは䜕歳やった」

    レむちゃんはオヌルスタヌのハむカットの靎玐に急にもた぀いた。

    「13歳」
    「ほな䞀斗いっずも、もう13歳か」

    レむちゃんはい぀たで経っおも俺を小孊生くらいに思っおしたう。

    「そうよ、レむちゃんは20歳」
    「そやな、もう20幎生きたか」

    レむちゃんは膝を抱えお嗚咜を挏らした、靎玐はもう解けおいる。

    「ごめ  オトンのこず思い出しお」

    倧人が泣く姿は芋おはいけない気がしお廊䞋に目を逞らすず、タオルで包んだビィの死䜓の䞊を圱が流れた。
    颚に流された雲が倪陜を隠し、颚で流れおたた顔を出す。
    ビィは廊䞋でこのただらな圱を远いかけるのが奜きで、それをレむちゃんに教えたのは父さんだったらしい。
    だから、レむちゃんにずっお今の時間はビィず父さんの死だけど、父さんずすれ違っお生たれた俺はビィが死んだ、それだけしかない。

    18歳だったお母さんのお腹にレむちゃんができたのは父さんが16歳の時だった。
    そしおレむちゃんが6歳の時にビィがうちに来お、俺が生たれる2ヶ月前に父さんは死んだ、23歳だった。

    だけど3幎でお父さんず同じ歳になるレむちゃんはあたりにも小さく、自分が果実になるこずを知らない花の蕟のような、䜕も混じらないかたさがあった。
    黒のスキニヌデニムにブカブカのTシャツのパンクスタむルで、トレヌドマヌクはベリヌショヌトの自前の金髪ず、耳にはバンドのメンバヌのハンくんがラむタヌで炙っお刺したピアス代わりの小指くらいの安党ピンが貫通しおいお、友達のお父さんみたいな貫犄はない。
    今だっお匟のいる手前やっずで匵ったテグス皋どの意地で螏ん匵っお、也き切らない涙を手銖で拭っおいる。

    「ビィ  焌きに行こか」
    「えトモ爺の䞃茪で」

    なんでやねん、ず立ち䞊がったレむちゃんが頭を撫でた時、違和感がした。
    完培のスタゞオ垰りはい぀も汗ずタバコのベタベタした匂いがするのに、今日は服に぀いた雑倚な匂いの䞋の癜肌から、さらりずした石鹞の匂いが癜々ず銙っおいお、俺はさっきたでの考えを撀回する。
    レむちゃんの蕟は少し開いお、昚日たでず違う甘い匂いを出し始めおいる。

    だけどこの匂いが俺は恥ずかしくおたたらない。

    隣のトモ爺ず小女姫こずずめさんが䞹粟蟌めお育おおる倧きな癟合の花の真ん䞭に、倪く突き抜けるような立掟なシベを芋た時ず同じ、突然の尿意を䌎うざわめき。

    䜕が違うんや

    泚意深く芋おたら、耳にトレヌドマヌクの安党ピンがないこずに気が぀いた。
    あんなものどこに萜ずすんだろう
    なのにレむちゃんは気にするこずもなく電話の䞋のタりンペヌゞを出しお番号を調べ始めた。

    「䞀斗、今から焌き堎に電話しお聞くさかい、スヌパヌで段ボヌルもうおきおビィを入れおあげお。小女姫さんに蚀うおお花も少し分けおもうお」
    「圹堎」
    「ちゃうよ、焌き堎。オトン焌いたずこ」

    え父さん焌いたん
    情報量が倚すぎお、俺は逃げるようにスヌパヌに走った。

    ちょうど火入れをする日だからず滑り蟌みで受け付けおくれ、トモ爺に借りた軜トラで坂の䞊の焌き堎に行った。
    受付のおじさんにレむちゃんがお金を払っおいる間に煀けお黒い軍手をしたおじさんに案内されお、舞茞の段ボヌルに仕舞ったビィを抱えお焌华炉に向かう。
    「ここ眮いお」ずおじさんが指差した䌚議宀にある机にビィの箱を眮くず、レむちゃんが远い぀いおきお線銙に火を぀けた。

    揺れる煙に目を现めた涙でがやける芖界で、机の䞊に同じように䞊ぶ箱や剥き出しの動物達の死䜓を芋た。
    死䜓は存圚感が異垞に匷く、どれも目が開いおいた。
    そう蚀えばビィの目も開いおいた。

    「レむちゃん、」
    「䞀斗、今はビィにお祈りする時間」

    金属のお茶碗をリィィンず鳎らしお、生きおいるレむちゃんだけ目を閉じた。

    「十字架ないもん」
    「ビィは仏教の犬や」
    「ペヌキヌやのに」
    「仏教のペヌクシャヌテリアもおる、南無阿匥陀仏」
    「それ䜕」
    「仏さた、愛しおたすっおこず」
    「なむ、ビィ」
    「略すな」

    煀けた軍手でキャップのツバを掎んで脱垜しながら、おじさんもビィにお祈りしおくれた。

    駐車堎に向かう途䞭「オトンもここで焌いたんほんた」ずヒ゜ヒ゜聞いおいるず、おじさんが「人間はあっち」ず事務所みたいな自動ドアの立掟な建物を指差しお「ちょっず前たで墓堎で焌いおたけどな」ず぀け加えた。

    「死んだ時、オトンも目ぇ開いおたん」
    「閉じおたんちゃう」
    「それっお寝たん熱いから寝おる間に焌いたん」
    「どんな最匷睡魔やねん。たぁ氞眠っお蚀うけども。おか、そんな話今せんでも」
    「あかんよ、レむちゃん死んだら俺がせなあかんから聞いずかな」
    「あのなぁ、」

    「だっおレむちゃん23歳で死ぬやろ朮路しおじ家の長男はみんな23歳で死ぬんやから」

    「䞀斗ッ」

    レむちゃんが匟かれたように振り向くのず同時に、道路を挟んだ向かいの霊園からぶわっず癜い鳩が飛び立った。

    埌ろから来たおじさんが銖にかけたタオルで汗を拭いながら、京郜の方ではお別れに鳩を飛ばす文化が残っおいる地域があるず教えおくれた。
    結婚匏みたいやなぁず思う俺の隣で、目を閉じお祈り始めたレむちゃんが今床はやけに癜々しく芋える。
    だっお昚日たで死は圓たり前の家族内䌚話はずやったのに、今のレむちゃんは芋おいられない。
    ノヌトの提出期限を頌み蟌んで匕き延ばしおる時の友達みたいでいじらしい。

    垰りに少し遠出しお、この蟺りで䞀番倧きい海の近くの駅に向かう。
    コンコヌス内で開催される恒䟋の秋祭りに、レむちゃんのバンドがラむブをするらしく、䞋芋がおら゜フトクリヌムを買っおもらった。
    倏䌑みずはいえ平日の昌䞋がり、誰もいないステヌゞの隅のストリヌトピアノに珍しく人が座っおいお、

    「雪ゆき」

    レむちゃんが声をかけるず振り返り「わ。わわ  」ず声をあげお、䞡手でほっぺを包み蟌んだ。
    すぐに倧きな䜓を䞞めお、䜕かをはぐらかすように「匟コンニチハ」ず俺の顔を芗く。
    りェヌブの倧きなパヌマのかかったワンレングスの髪を耳にかけお「お揃いで、お出かけ」ず萜ち着かないのか膝をこすりながら笑う。

    「ビィが死んでもお燃やしおん」
    「  ッなんず」
    「犬犬雪も芋たやろペヌキヌ」
    「は、あの子死んじゃったの」

    奥さたみたいなリアクションで“雪くん“は口元を芆う、俺は雪くんを知らないのに雪くんはビィを知っおいたようだ。

    「昚日の倜  にな」
    「昚倜」
    「ほら俺、レコヌディングで垰れんかった  やんで、その間に」

    目の倧きなレむちゃんの明らかな目配せに、雪くんはゎクっず喉を鳎らし、ちらりず俺を芋お䞍自然に䌚話を曲げた。

    「そうだ、零斗れいず。聞きそびれたおたけど、バンドの解散は本圓」
    俺も知っおいる内容に切り替わっお安心したのはレむちゃんの薄い唇だった。
    「俺らは雪みたいな䞀握の人やなくお端たやからしゃあない。来幎から党囜やろ俺らは解散」
    「た、はい。予定通りなら」

    シンガヌ゜ングラむタヌの雪くんはむンディヌズ界でも有名で、来幎デビュヌアルバムず党囜ツアヌがもう組たれおいるらしい。

    「なぁ、雪くんなんか犬の歌匟ける」

    雪くんはピアノに向き盎りカバヌを開けお、俺が隣に座るずにこやかに笑っお『犬のお巡りさん』を片手で匟きながら゜フトクリヌムを䞀口奪った。
    癜くなった唇を舐める人懐こい倧型の猫みたい。

    俺は倧きくお節が倪い雪くんの手が奜きになった。
    ピアノの神さたがオクタヌブにたりるように、わざずこの倧きさに拵えたような手だ。

    豪華な犬のおたわりさんを匟きながら「こんな話知っおいる」ずレむちゃんを芋䞊げる、俺はそんな雪くんの䞊を芋䞊げる。
    昔芋た人圢劇みたいに誰かが雪くんの手を糞で操っおいるのかず思っお。

    「犬は死んだら、虹の䞋で埅぀のよ。飌い䞻が、迷わないように」
    「ふうん」
    「初めおのあの䞖、䞍安でショ」
    「  俺は生たれた時から23で死ぬ死ぬ蚀われおるから平気やったけどな」

    嘘だず思った。
    昚日の倜からレむちゃんの嘘の舌の根が也いおいない。
    䞭心の奥の方が花の真ん䞭みたいに濡れお、雪くんずだけ嘘の甘い蜜を分けた。
    だから2人は俺にそわそわしおいるんだ。

    「朮路家23の呪い」
    「そ。やから生きおおも死んででもさしお倉わらんかった。
    でも、
      なぁ雪、子犬のワルツ」
    「ショパンわぉ。ペダル、ガタガタなのに」

    「お願い」

    雪くんは気が長くゆったり構えお埅っおいるような人だ。
    埌でハンくんに聞いたけど、雪くんはレむちゃんがバむトしおいるレンタルビデオ屋に通っお、話しかけるためにキヌス・ゞャレットのケルンコンサヌトの2枚組CDを毎回埋儀にカりンタヌで返华しおは、1週間延長を頌んで3ヶ月もきっかけを探し続けおたくらい。

    『子犬のワルツ』を匟く雪くんの振動ず现い指を芋る。
    筋肉の緊匵を閉じ蟌めた皮膚に浮く骚ず血管が浮き䞊がっお色っぜい。
    雪くんは倧きくおのっそりず色っぜい。
    レむちゃんを包む汗ばんだ芖線も熱垯の倜みたい。

    「なんでピアノおペダル螏むん」
    「先生にむラ぀いた時に顔を思い出しながら螏むねん」
    「うふっ、そんな日も、無きにしも非ず。  倚分ね、ドラムのペダルず、ダンパヌは䌌た圹割のはず」

    ガゎ、っず音がしお雪くんのビルケンシュトックが右端のペダルを螏むず䌞びた音が絡み始め、螏み替えるず䞀音ず぀がクリアになった。

    「ハむハットペダル」
    「はい〜音の䜙韻ずキレ。䌞びたり、切ったり」

    レむちゃんが無理やりお尻を割り蟌たせお隣に座るず、雪くんの芖線が倩井に逃げお急流みたいに『幻想即興曲』に切り替わる。
    雪くんの旋埋は錓動ず盎結し、指をたっすぐ鍵盀に䞋ろし蟌む。

    俺はたた雪くんの頭の䞊を芋䞊げたけど、すぐに奜奇心が身震いになった。
    逃げたい。
    もしもこんな動きの雪くんを糞で操れる䜕かがいたら、それは神さたよりももっず人を惑わすものだず気付いおしたった。
    この人がデビュヌしたら䞖界は雪くんのピアノに魅入られお、圌を欲しお魂を差し出しおしたう気がする。

    雪くんは亀互に人差し指ず䞭指で鍵盀を振動するように抌しながら、䜓をブルっず震わせお唇を舐めた。

    「零斗知っおるこの曲、手の圢に沿っお鍵盀を叩けるように䜜られおる。
    ピアノず奏者が䞀䜓化しお、匕き終わるず快感を埗れるように。

    ピアニストに、絶頂を味わせお終わる曲」

    雪くんの癜いシャツにレむちゃんの安党ピンが぀いおいる。

    「あなたず、あたしみたい」
    「雪ッ、」幌い匟の前で

    レむちゃん、俺もう子䟛やない。

    「こんな話知っおる」

    色づいた雪くんの声が凪の海の倜のように深くたずわり぀き、繋ぎがショパンの倜の旋埋になりかけ、止めた。

    「満月の海に、月光が道を䜜るの」

    雚垂れが䞀粒萜ちるみたいにポヌンず雪くんの人差し指が鍵盀を抌し蟌む。

    「あたし、今朝。そこであなたを埅぀倢を芋たの」

    レむちゃんの目から萜ちる涙のルバヌト。
    この悪魔は笛を吹かずにピアノの䞀音で心を支配する、才胜ずいう蚀葉を欲しいがたたにしお。

    「零斗が、迷わないように。あたしがそこで、埅぀わ」



    癜い鳩を思い出した。
    遠く飛べずに教䌚の屋根に降り「矜が切られおいる」ずおじさんが蚀うず、レむちゃんは目を開けお、肩を萜ずしお祈りをやめた。



    1歳䞊の雪くんは23歳の倜にラむブハりスの前で逆䞊したファンに腹郚を4箇所刺され、前傟姿勢になったずころナむフが䜓重で貫通し、腹郚倧動脈からの倱血性ショックで死亡。

    䞀幎埌に23歳になったレむちゃんは雪くんの远悌ラむブで蚪れた静岡で倱螪、氎深10mの海の海底から3m地点で挂っおいるのを発芋された。
    叞法解剖の結果、肺は海氎は満たされおおらず、死亡掚定時刻から換算するに月の出30分〜1時間の間になんらかの原因で急性心䞍党に陥り心肺停止した状態で萜氎したず掚枬される。

    その日はよく晎れた颚のない満月で、月光が海面に映る月の道が出おいた。
    ビィは虹の䞋で埅ちがうけを食らったが、23歳になった俺はそれで良かったず思っおる。




    こんな経緯で曞きたした。埌曞きです。


    毎月楜しくBLやっおる䌁画ですよ

    今月のお題は「平成レトロ」「睡魔」「ハト」でした。
    同じ「お題」BL小説ずゞャンルを瞛っおもこんなにみんな内容が違う
    同窓䌚みたいな気分で読めたす

    参加しおくださった䜜家さんい぀も本圓にありがずうございたす。
    私は元気です。

     
     
     
    3぀のお題でBL小説を創䜜する䌁画「noteでBL」やっおたす🊭詳现は固定蚘事で よく読んだら倉態なのに説埗力だけはある゚ッセむ、掚しの筋肉Bリヌガヌ🏀䟑倪郎さんの䞊腕䞉頭筋ぞの語りかけなど色々曞いおたす 友達になりたしょう😳

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