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たた、春が来たよ゚ッセむ・note創䜜倧賞 応募䜜品

    ムワッずした空気が、肌にたずわり぀く。


    語孊孊校のキッチンには、䜿甚枈みのお皿やコップ、スプヌンなどが無造䜜に、積み重ねられおいた。
    氎道のパむプが昚日から壊れおおり、氎道が䜿えないからだ。


    氎道工事の人たちは来おいるけど、䜜業ただ終わっおなさそうだ。
    さっき芗いたら、人で楜しそうにおしゃべりしおいた。


      たあ、いっか。

    私は、リビングの怅子に座った。

    「日本っおさ、道路から氎が出るっお、ほんず」


    フィリピン人のクリスが、聞いおきた。

    圌は私の英語の先生だ。


    「  氎」

    「雪が降ったらさ、氎がでるっお聞いたんだ」


    ああ、消雪パむプのこずか。

    「ホントだよ」

    「リアリヌえヌ党郚、そうなのどこでも氎がでる」

    クリスのテンションが、䞀気にあがった。子どものように、目を茝かせおいる。

    「  党郚じゃないよ雪が倚い゚リアだけ」

    私はクリスのテンションが高すぎお、思わず匕いた。


    「フィリピンはさ、雪が降らないだろだから、よくわからないんだよね。
    氎が出るっおさ、実際にどんな感じなの」

    「そうだなあ。道路が凍ったら、車が滑っお危ないでしょ
    えっず  英語で、なんお蚀うんだろ  。こうやっおさ、道路から氎がでるんだよ」

    私は手を䜿っお、道路から氎が出る様子を、再珟しおみた。

    「Ohヌ日本はホント、面癜いなHAHAHA」

    クリスは埌ろにのけぞっお笑った。


    「  笑いすぎでしょ。私の䜏んでる゚リアも、雪が降らないから、よくわからないけどさ」


    ふず芖線の先に、さっきの人組が芋えた。

    盞倉わらず、楜しそうだ。


    「  ねえ。工事の郚品っお、もう届いたの」


    「ああ。ただ、届いおないよ。」

    「えっ  じゃあ、圌らは今、䜕しおるの」

    「やるこずないから、おしゃべりだよ」

    そう蚀っおクリスは、授業の準備を始めた。

      なんか、平和だな。


    「さ、今日のトピックは、ティヌン゚むゞャヌの自殺に぀いお、だよ」

    そう蚀いながらクリスは、枚のプリントを私の前に出しおきた。

    新聞の切り抜き、だろうか。そこには、橋の写真が1枚ず、短い英語の文章が茉っおいた。


    「  はあ。昚日は麻薬。で、今日は自殺か。なんか重いテヌマ、倚くない」

    私は思わず、ため息が出た。


    「瀟䌚問題はね。僕たち、倧人の責任だよ。僕はね、瀟䌚問題を解決したいんだ」

    クリスは手に顎を乗せお、私をたっすぐ芋぀めおいる。

      さっきたで道路の氎で、倧笑いしおたのに 。)

    クリスはこう芋えお、意倖ず真面目だ。

    私は芖線を、プリントに萜ずした。

    ワヌルド、ワヌスト1の文字が、目に入っおきた。

    自殺の䞖界ランキングに関する蚘事かな  

    「本文を読む前にさ、君の意芋を聞きたいんだけど。」

    クリスは続けお、蚀った。

    「君は自殺には、賛成それずも、反察」


    「んヌ。  たあ、賛成ではないね」

    「good。僕は反察だ。カトリックだからね。」

      カトリックっお自殺ダメなんだっけ

    「そういえば。リナも、カトリックっお蚀っおた気がする。」

    「フィリピン人のほずんどは、カトリックなんだよ」

    「  じゃ、フィリピン人の自殺は少ない」

    「  統蚈䞊、はね。」

    そうなんだ  


    「日本はさ。自殺が倚い、っお蚀われおるよ」

    「なぜ」

    「  少なくずも、カトリックじゃないからね」

    「もし、君の家族や友人が、自殺を遞んだ堎合はどう賛成、それずも反察」

    「意芋は同じだよ。賛成はできない  でも」

    私は少し、考えた。

    「んヌなんだろう。䟋えば、自殺を遞んだ人の気持ちを、リスペクトじゃないな。英語での衚珟が、難しいんだけど  。

    ずりあえず、完党な吊定はしたくないんだよ。圌らの意志を、倧事にしたいずいうか  」


    「なぜ」


    なぜ、か  。


    「  昔、私の友達が、自殺したんだよね」

    「  そっか。それはずおも、残念なこずだね」

    「そう、それはそうなんだよ。圌女の死は、悲しい。倚くの人が、悲しんだ  。
    でも、吊定したら  なんか、圌女に倱瀌な気がしお。それはしたくないんだよ。  それは圌女が遞んだこずだから。」


    「  そうだね。それも、立掟な君の意芋だよ。
    賛成か反察か、どちらか䞀぀を、遞ぶ必芁はないよ」

    クリスはそれを蚀った埌、静かに蚀った。


    「Dear you. We love you.」


    「  なに、それは」


    圌はプリントの写真を指差しお蚀った。

    「この韓囜の橋に曞かれおいた、蚀葉だよ。ここはね、自殺する人が倚い堎所なんだ」


    「  」


    「『私たちは、君を愛しおる』このメッセヌゞをね、䞀人でも倚くの人に届けたい。僕はね、そう思っおるんだ。」


    「  いい、蚀葉だね。」


    「ああ。いい蚀葉だ。」





    あれは、20歳になる春だった。

    「電話、珍しいね。どうしたの」

    「  ねえ。最近、どうしおる」

    「楜しいよ。そっちは」


    少し間をあけお、圌女は蚀った。

    「  たた、䌚えるよね」

    なんで、そんなこずを聞くんだろう、ず思った。
    でも、そのずきの私には、それ以䞊螏み蟌めなかった。


    電車のラむトが、ホヌムを照らしおいた。

    「あ。たた、あずでメヌルするね」

    電車に乗った私は、携垯のメヌルボックスを開いた。圌女にメッセヌゞを送るために。


    ——もうすぐ、誕生日だよね。どっか行こうか


    圌女から、返事は来なかった。


    私は、リビングのバルコニヌに行った。

    高台にある、この寮から芋る景色は、ずおもきれいだった。県䞋には、深い
    緑が広がっおいお、向こうには湖が芋える。



    「いい景色  」

    「いい景色、だろ日本には、こんなにいい景色、ないだろ」

    クリスは、誇らしそうに蚀った。

    熱気を含んだフィリピンの颚は、生ぬるくお心地よい。

    たた、誰かが笑っおいる声が、遠くから聞こえおきた。


    私はさ、君が19歳で完成させた䞖界に、ただいるよ。

    今幎もね。
    たた、春が来たよ。




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    旅するXPちゃん#28


     
    「ただ間に合うのか、もう遅いのか」 ――迷いながら、今日も知らない駅で降りる。 答えはただ、芋぀かっおいない。 それでも、いい。それだけでいい。 知らない駅で降りお、知らない自分に出䌚う。 旅ず、すこしの哲孊。 ▌第21回文芞思朮゚ッセむ賞 䜳䜜受賞

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