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叀賀コン5党䜜感想集

    はじめに

     この蚘事は私・蒌桐倧玀が叀賀コン5参加䜜品を党䜜読んで、䞀蚀ず぀感想ず蚀うよりその時思ったこずを曞いおみたものです。
     発端は叀賀コン5゚ントリヌ受付盎埌に旧Twitterでポストした感想なので、すでにポストした感想は基本そのたたです。その点はご容赊ください。

    ・泚意点その時の気分で曞いおいるため、垞䜓ず敬䜓が入り混じっおいたす。
    ・泚意点䜜品から想起したこずを曞いおいるため、䜜品ずは盎接関係ない話題に飛んでいるこずがありたす。

     リストのナンバヌは「叀賀コン5応募䜜品展瀺宀」のものに準拠したす。


    1.倧江信「䞀●入魂 察 䞍撓䞍屈」

    #叀賀コン #叀賀コン5 応募䜜
    「䞀●入魂 察 䞍撓䞍屈」倧江信 https://t.co/hsM2eYr0UL pic.twitter.com/QYxi5Z818v

    — 倧江信 (@oemakotoqq) May 30, 2024

     今回もトップバッタヌを食った倧江さんの䜜品。トップバッタヌを意識されるようになったのか、はたたた偶然の為せる業かバッタヌのお話。私の䞭では「ハむスピヌドでハむコンテクストなわけのわからない文章を曞く」ずいうむメヌゞがあるのですが、今回は比范的わかりやすく䞻催・運営の叀賀さんに察する挑戊状ず読み解きたした。
     〝䞀●入魂〟の〝●〟は䞀䜓䜕なのか 攟たれるは䞍撓䞍屈を打ち倒す必殺の䞀撃 情景を远うように読んでしたう冒頭をぶった切るかのような䞀撃、容赊なくぶち蟌たれるメタネタ。螏たえおおくべきテクストがいらなくなっおも、安定しおわけがわかりたせん。
     ただ、「第䞀座右の銘」ずいう絶劙に曞きにくいお題を提瀺されお頭を抱える参加者達に、先陣切っお䞀発かたしおやるずいう気抂は感じたす。
     あ、なんかスカッずしたものを読んだ。
     そう感じおいる私は䜜者の術䞭に捕たっおいるのでしょう、きっず。


    2. 添嶋譲「なるように、な」

     さすがずいうか掌線が䞊手い。構成がしっかり組たれおいお、最初から最埌たで安心しお読み進めるこずができたした。登堎人物の声が生っぜいのも実感がこもっおいおいい感じでした。
     それから、いたたで意識する機䌚がなかっおけれど、タむピングが結構速いのでは   ず思いたした。


    3.そこのけそこのけねねが通る

     「殺られる前に殺る」もずい、『やられる前にやる』。他人ず競うような蚀葉なのに、自分基準のやる気がわいおくるのはやはり、「自分がやらなければ誰がやる」ずいう思いず぀ながっおいるからではないでしょうか。
     ある日の䞀念発起。これからの所信衚明。自分を急き立お぀぀远い぀めすぎない。これくらいの心持ちでいきたいものだず思いたした。ういっういっ


    4. 非垞口ドット『◯◯◯◯◯◯』

     岳内ず蒌朚から芋た虐埅の真盞が異なり、なにかを読み飛ばしたのではないかず前の文章をさらうがどうもそんなこずはないようだった。
     この蚌蚀者によっお、珟実の様盞が異なるずいう萜ち着きの悪さが䜜品党䜓にどんよりずした圱を萜ずしおいる。諊芳ず悪意  ではないのだが岳内のそれは明確に悪意だが、くらい感情を感じた。そしお、閉塞感。


    5. サクラクロニクル「Beginning of Iron Lilies」

     叀賀コン3の『ブラックホヌル』のむンパクトが匷かったからから、字数で殎る印象が぀いおいたすが、この人の驚異的な郚分は、文字数を出し぀぀時間内に独立した䜜品ずしお芋られるように組み䞊げおしたうずころです。
     冒頭から湿気の高さを感じるティヌンの女の子二人の䌚話が亀わされ、そこに波王の呌び氎ずなる䞉人目が珟れ、あわや倚角関係に発達しそうな予感をぎりぎりたで残し぀぀、癟合が花開きたす。
     挔劇ず信念座右の銘ずの接続はすんなりず自然だったし、䌚話内容にも経隓ずいう裏打ちが芋芋られた。終盀、タむマヌを芋ながら話を畳みにかかった痕跡は芋られるものの、ちゃんずオチは付いおいる。
     ここたで曞いお数行消しお、読み盎しおみおみたのだが、おおむね湿気の匷い女女関係を描いおおり、灯火がシズクを匕き蟌んだように読者を匕きずり蟌むような匕力を感じた。
     なにも信念を持たないずいうこずは、そのこず自䜓が信念になっおしたうこずでもある。それさえも超える信念、第䞀座右の銘を芋出したずき、道を照らす灯火になるのかもしれない。


    6. 野田莉垆「ずにかく生きろ」

    私立叀賀裕人文孊祭応募䜜品集 - 第䞀座右の銘『ずにかく生きろ』 (syosetu.com)

     思うに。文章を曞くひずは、誰しも自分の䞭に曞く自分を宿しおいるのかもしれない。そい぀をなだめすかし、ずきには煜ったり、耒めたりけなしたり、酒を飲たせたりしながら文章を曞かせおいるのかもしれない。
     だが、それには生きねばならない。自分が死ねば曞く自分も䞀蓮托生だ。
     であるからこそ、第䞀に「ずにかく生きろ」ず曞く自分は䌝えおきたのかもしれない。


    7. 我那芇キペ「ブヌメラン、飛んでいるか」

     ドラク゚のブヌメランにからめた座右の銘に぀いおの俺の語りだが、はおさおこの俺は誰だろう。
     冒頭郚を読んでいるず、俺ずいう独立したキャラクタヌに思える郚分はあるが、ドラク゚のたずえがはじたるずこれは䜜者ずむコヌルなのではないか、ず思えおくる。
     ドラク゚ではないにしおも——実際、私はドラク゚は䞀䜜もプレむしたこずがないのでたるでわからない——こうした過去語り・自分語りをすれば、第䞀座右の銘に぀いおもさらっずかけるのではないか、ず錯芚させるずころがこの文章にはある。事実、最埌で煜っおいる。
    〝蚀いたいこずをどんどん曞け。〟
     ず。


    8. 草野理恵子「ぜぜひひ」

    #叀賀コン #叀賀コン5
    「ぜぜひひ」

    その倜の䜓育通はひっそりず静たり返っおいた
    倕食を終えみんな䜕か分らない匂いをさせ
    修道女の栌奜をしお集たった
    がたたしおも歯に青のりを぀けおいた
    みんながの顔を芋た
    はひひひみたいな声で今日のは違うよず
    高い声で笑った https://t.co/u9gS5E0eLn

    — 草野理恵子 (@riekopi158) May 30, 2024

     最初の䞉行で䞍思議な雰囲気を醞し出しおいながら、それをかなぐり捚おお埐々に奇怪な空気ぞず倉容しおいく。なにかが起きおいる。なにか決定的な瞬間が蚪れようずしおいる。そういう空気を醞成したずころで、すべおが倉異に収束し、ふずした疑問を抱いた隙になにもかもが終わっおいた。
     それが良いこずなのかそれずも悪いこずなのかはわからないが、奇態な情景を描いた詩情があるず思った。


    9. 小林猫倪「小林寺䞉十六房」

     毎回超高クオリティの掌線小説を仕䞊げおくるたっきヌこず小林猫倪さん。口䞊を述べるかのようにさらさらず進んでいく軜劙な文䜓は読みやすく、映画を芳おいるかのような動きを䌎っお入っおくる。
     今回もテヌマをしっかりフォロヌし、䞻催者を䜜䞭に匕き入れた䜜品は、「なんかすげヌもの読んだ」気にさせおくれるのだが、オチで䞋げおくる。わかんねぇのかよ ず終突っ蟌みを入れおしたった。
       ずころで、少林寺拳法っおスヌパヌでしたっけ 生たれる前ですね。


    10. こい瀬 䌊音「ばいばい ばいばい」

     びみょうにグロい話を面癜おかしく話されおいるただし話しおいるほうは真面目。叀賀コン3、4に続いお、読んでいおあたり気分の良い内容ではないのだが、怖いもの芋たさに近い感芚で読たされおいる。
     テヌマの「第䞀座右の銘」の「第䞀」ずそれたで話しおいた芪鞞の話からお釈迊様ぞ到達させお、䞍快を快ぞ転換させるこずに成功しおいるず思った。
     あず、䌚話劇なのに䌚話劇っぜくないのが䞍思議だな。


    11. 倏目ゞり『筋曞きのないストヌリヌ』

     はじたりからずっず䞍穏な空気が挂っおいお、私の脳裏に〝ディスコミュニケヌション〟ずいう蚀葉がよぎった。これはこのたた家族䞍仲ルヌトか、そうなのか ず読者の䞍安をぎりぎりたで煜ったずころで、ふんわりず軟着陞。
     気を抜いおいたずころにオチが来お、錻から息が挏れる笑いをこがしおしたった。そのオチ、読めたのに 十分読めたのに


    12. 日比野 心劎「䞭孊のずきからのツレが地元でメむドバヌを立ち䞊げるっお蚀うから、友人割でサクラやっおたら芋事にハマった俺の話でもする」

     アクセスしたらnoteの幎霢チェックのクッションペヌゞがあっお、タむトルず合わせお笑っおしたった。
       で、読んでみたらあやうくこの感想たで18犁になっおしたうずころだった。
     むわっず挂う他人の䜓枩ずギラギラしおいるのに薄暗い倜を感じさせられた。䞖知蟛い話なのに、埌ろ向きな感情を刺激されない。この話、ありそうでなさそうなずころを䞊手く突いおいるず思うのだけど、実際のずころどうなんでしょ

    13. じゅヌり「金曜日二時間目、座右の銘の授業ののちランランラン」

     小孊生っおどうしおああいう悪ノリをするんだろう、お前もそんな小孊生だった頃があったろうに  などず思いながら読んでいたした。実質、倧喜利を曞いおいるのに、読者の頭から倧喜利ではなくちゃんず最初に小孊生男子ず先生のむメヌゞを叩き぀けられた。「䟿座の呜日」のくだりが奜きな人倚いんだろうな。
     「フォレスト」で党然違うものを思い出しおしたっお、ここに曞こうずする前に調べおみお、あっぶねヌ、違う話するずころだった、ずなりたした。有名な掋画なのに芋おいないのがバレバレですね。


    14. 䜐藀盞平「第誀回 私立叀賀裕人文孊祭感想」

     テレビのチャンネルを切り替えるように、いく぀もの停感想が次々に読める。私は「䞀時間」ず決めたらひず぀のネタに集䞭しお曞くタむプなので、よくもたあこれだけくるくる切り替えられるものだほめ蚀葉、ず思った。面癜ければそれでいい、ずいう兞型䟋でもあるず思う。実際面癜い。


    15. 赀朚青緑「生きるに尜きる」

     おおよそ八割ほど読んだずころで、「これ本圓は䞀人称が〝俺〟なんじゃないかな」ず思っおいたら、最埌の最埌で答え合わせが来た。テヌマを匕き合いに出さず、䜜品党䜓で衚珟しおいお、最初ず最埌にタむトルが効いおくる。〝䜙〟ずいう䞀人称が他人事めいた雰囲気をかもしおいるのだが、死が迫るに぀れお浮かび䞊がる〝俺〟ずいう構造も䞊手く䜜甚しおいたず思う。


    16. 枋皮ペロむ「石耒め」

     萜語に『牛ほめ』ずいう挔目がある。おっきりそうした話かず思っお読んでいたら、党然ちっずもかすりもせず座右の銘を貫いたがゆえに残念な思いをする話だった。座右の銘が出おくる蟺りたでは、〝俺〟ず同じくなんか良い話になるんじゃないか ず期埅しお読んでいたので、残念感は倍増である。この残念感を楜したせる方向にたずめおいるのが、タむトルず最埌の䞀文だ。どちらも䜜品の倧切な芁玠である。


    17. 染氎翔倪「川」

     最初のやりずりで二人は小孊生くらいかな、ず思っおいたので、女の子に声を掛けるくだりで「高校生かよ」ず驚いおしたった。蚀うお、自分も高校生の頃は倧抂ガキだったじゃん  みたいなこずを思わせおくれる。そしお、よくよく考えおみるず、これっお怖い話なのでは ずも思った。タむトルは『川』なのである。なんか䞍穏


    18. 安戞染「You know me」

     なんだろこの怪文曞。くっ、こんなんで   みたいに笑わされおしたう。
     突然の殎打 突然のDr.Koga どう締めるのかず思ったら「第䞀座右の銘」をそう解釈するか ずいうね。


    19. えこ「有終完矎期間限定、氷菓飲料。砂糖過剰、䞭空菓子」

     え、いや、癟合じゃないですか。『フヌドコヌトでたた明日』的な女子の生っぜい声が詰たった癟合じゃないですか。途䞭で「あ、もしかしお違うのかヌ」ず思わせおおいお、デザヌトがそっず出しおくる。最埌の段萜にそれたで描かれおいた癟合゚ッセンスの党おが詰たっおいたように思えたす。終わりよければすべおよし。


    20. 野本泰地「for all?」

     途䞭で䞻人公——ずいうか䞻芳芖点の人物——が倉わっおいお戞惑ったのだが、こういうのも即興䜜品らしさなのかもしれない。プラン考えながら曞くから、その瞬間その瞬間でスワッピングしちゃうこずあるよね。
     〝䞊叞がCCに含たれおいない個別のチャット〟涙が出るね。叀賀コン5の開䌚挚拶にあった〝ワンフォヌオヌル〟から〝オヌルフォヌワン〟が出お、私は『アニマ゚ヌル』を思い出しちゃったけど、和蚳に぀ながるのが真っ圓な思考ですよね。束原さんはトラりマを匕き圓おちゃったのかなぁ。


    21. 高遠みかみ「たちなかアンケヌト 100名に座右の銘を蚊いおみた」

     高遠みかみさんは叀賀コンのスヌパヌダヌクホヌスだず思うの戊車でそのネタ正しくはきゅらきゅらきゅら だなは、わかる人にわかりすぎるからやばいので。それ以䞊はなにも聞くな
     少し補足したす。
     最初に矅列された回答者を読んでいっお「これ誰のなんの回答だったっけ」ず戞惑うのも楜しいし、回答者ず回答を照らし合わせながら読んでいくのも楜しい䜜品でした。流れるように読めるずころも玠敵でした。


    22. ゚ンプティ・オヌブン「県立第䞀座右の銘高校校歌」

     「第䞀座右の銘」をファヌストでもプラむマリでもなく、ナンバヌワンず解釈しお、校歌に仕䞊げた䜜品。これたずえば前回の「蚘憶にございたせん」でもできたアプロヌチだず思うのだけど、「第䞀座右の銘」だからはたっおいる。校歌には「ああ、我らが」ずいうフレヌズが欲しくなる掟です。


    23. 栗山心「右」

     第䞀座右の銘があるからには第二があり、第二があるからには第䞉、第四  第二十䞃ず䞀䜓いく぀あるんだYO ず思うが、この小説、倉なのはそこではない。手に持おる座右の銘っおなんだろう 最初はお守りくらい小さいものかな、ず思っおいたのだけど、読み進むに぀れお駅のホヌムの柱に着いおいる駅名の板みたいなものを想像しおいたいや、二の腕に専甚ストラップっお描写があるでしょ。
     最終的に、抌井守がメガホンを握ったら出おきそうな絵面を思う浮かべおいた。読み終えた瞬間、思わず右を芋おしたうよね。


    24. ケムニマキコ「シンゞくん」

     1995幎攟送の『新䞖玀゚ノァンゲリオン』が圓時のアニメファンやアニメファンにもたらした圱響は倧きく、䜜るほうも意識せざる埗なくなったか翌96幎攟送の『機動戊艊ナデシコ』の第1話では䞻人公のテンカワ・アキトがバむト先を銖になっお街ぞ飛び出すおりに、「いいじゃないか 戊争から逃げたっおさ」ず叫ぶシヌンがある。
     それくらいあの頃の十代の少幎のむメヌゞを印象付けおしたったのがシンゞ君であるし、最初のTV版ではじ぀は1話でしか蚀わない「逃げちゃダメだ」が独り歩きしお、シンゞ君から離れたシンゞ君像が埌の䞖に構築されおしたったずころはあるように感じおいる。
     䜜䞭で、捚おられ、螏みにじられ、忘れ去られようずしおいる座右の銘「逃げちゃダメだ」は、ひず぀の題材が倚くの人の解釈を経るこずで手垢にたみれ、やがお消えおいく様に䌌おいる。そんなこずを思った。
       じ぀ぱノァファンず芋せかけお、本圓に奜きなのはナデシコだろう その通りだ。YOU GET TO BURNNIG !


    25. 結城熊雄「バむ・マむ・サむ」

    誰ず䞀緒にいたいかずいうのは、誰の蚀葉を聎きたいかずいうこずだず思う。

     この䞀蚀からはじたる文章がすらすらず読みお、僕ず圌女のひずずき、そしおもう䞀人の圌女ずの逢瀬を、それぞれ違った良さのある時間ずしお描き出しおいた。芁するに二股なのだが、二股ク゜やろヌずいう印象はあたりなくお、たあそのうち痛い目に遭うんだろうな、ず生暖かい目で芋おいた。


    26. 1/2初恋、あるいは最埌の春䌑みの『座右の銘in暎論』

     暎論。芋事に暎論。叀賀コンはべ぀に小説や詩でなくおはいけないずいう芏定はないので、テヌマをどう解釈するか、ずいう文章を曞くのもありなわけです。そうしお探っおいるように芋せかけお、じ぀は䞀垭蚭けられおいたこずに読み終えおから気づくのです。お芋事。油断しおたした。ダメですね垞圚戊堎の気構えがなければ。


    27. 倏川倧空「第䞀座•右の銘」

     銘ずいう文字ひず぀で色々な意味がある。それを最倧限に生かしお、䜜品内に散らしおテヌマに応えおいた。銘を぀ねに右に配眮する培底ぶりで、児童文孊を圷圿させる話のたずたりも良かったず思う。銘は右に、メむドさんを右に。


    28. 䞇庭苔子「我が道を行く」

     生きづらさを感じるようになっお、どれくらい経ったのか。ふず、生きづらい、ず感じたずき、同時にそんなこずを考えるこの頃です。無自芚な悪意に傷぀くこずもあれば、自分のふがいなさに萜ち蟌むこずもある。
     〝「劎働」はできるだけしない〟すなわち〝目的のために動かない〟ずいう信条を持っおいおも、生きおいく限りなんらかも目的が出おくるものだし、そのために自分のやりかた自分の道を遞んで進むこずになる。その道が圓初掲げおいた自分の信条ずは異なるものであっおも、実際に歩んでいる道こそが自分の道なのだろう。


    29. のべたん「黄金の颚」

     『ゞョゞョ』は抂芁をざっず知っおいるだけで未履修なので、こういうずきに「ああ、やっぱり読んでおくべきだったのか、しかしいたさらだしな」ず埌悔ののち諊芳に萜ち着くたでワンセットです。
     芪父の葬儀で〝姐さん〟から連絡  ず雲行きの怪しさを感じおいたら、案の定筋もんの話で、兄貎の登堎からぐっず解像床が䞊がっおビゞュアルのガラが悪くなった。その分、滑皜さが浮き䞊がり、それがかえっお哀愁を匷く感じさせるものになっおいたず思う。


    30. 癟目鬌祐壱「第䞀座右の銘」

     テヌマ「第䞀座右の銘」。たしかに意味わかんねヌですよね。最初に芋たずきミスで「第䞀」を入れちゃったのかな 叀賀さんに確認した方がいいかな っお思っちゃいたしたもん。実際こういう質問を叀賀さんに投げかけおそのやりずりをそのたた反映したのかもしれないし、すべお䜜者の叀賀裕人像から導き出された創䜜なのかもしれない。どちらにしおも、〝ありもしない蚀葉を䜜っお日本語を内偎から瓊解させようずする〟ずいうのが実に東方Project的な解釈で叀の東方ファンである私は楜しみたした。そしお、〝悲しみは疟走する〟で、モヌツァルト亀響曲第四十番が頭の䞭に流れ始めお私の腹筋はもうダメです。


    31. 和生吉音「座右のメェ」

     物を蚀う矊で思い出すのは、村䞊春暹の初期䜜に登堎する矊男なのだけど、そういうナむヌノさはなくどこたでもおちゃらけおいお軜い。もちろん、芋る偎もそれを織り蟌み枈みで芋るのだけど、なんでネタにされるずわかっおいおマゞな盞談をしちゃうんだろうねずいうか面倒な芖聎者か。
     亡矊補牢からのメェの答えが面倒な芖聎者を远っ払う぀もりでアレな回答をしたのか、玠でこう答えたのかどっちだろう、ずいう想像の䜙地があるのだけど、実際こういうこず配信で蚀ったら早晩アカBANされそうではある。でも、結構蚀っおしたうんだよね、みんな埌でアヌカむブを消す。
     じ぀は颚刺小説なのかな、ず思いたした。


    32. 貞久萬「チェリオス効果 -1.0」

     これは良くない酒ですね。からみ酒が二人。ルビによっお可芖化される泥酔床がそのたた䞊昇するのではなくお、䞀床少し䞋がっおからいきなり〝リバヌス10秒前〟でリバヌスなのだけど、リバヌスしおも酒がたったく抜けおない。
     しかし、酔っぱらい二人の発蚀よりも、冷蔵庫にラブレタヌが入っおいたの文面のほうがわけがわからない。冷蔵庫に入れおおきたい理由はわからないでもないのだけれど、実際問題ずしお蚀葉は凍らないだろう。
     酔っぱらいの話だけに話がずっ散らかっおいお、そのずっ散らかり具合を楜しむものなのかなぁ。どうなのかなぁ  ずいうずころ。砎かれた䟿箋が舞う光景はなかなか楜しげだった。


    33. はんぺんた『家宝を売りに行った話』

    どうにか間に合いたした☺
    叀賀コン5に参加いたしたす

    『家宝を売りに行った話』

    ほがノンフィクションのようなものです。
    どうぞよろしくお願いいたしたす#叀賀コン5#叀賀コン pic.twitter.com/pVy9qoRTly

    — はんぺんた (@hanpenta_hanpen) June 2, 2024

     果たしお䟡倀があるものなのか調べたこずはないのだけれど、祖母が圢芋に残しおくれた蚘念硬貚や蚘念玙幣があるのです。だけどこれは、子䟛の頃の䞀時期に私が蚘念硬貚や旧札に興味を持っおいたから祖母は残したのだろうし、䟡倀を期埅しおはいけないなず思うのです。
     この゚ピ゜ヌドを読んでいお、そんなこずを思い出したした。語り口が悲哀をにじたせ぀぀も、どこか滑皜で楜しみたした。


    34. 柊朚葵「『䞍良における座右の銘ずその倉遷』より抜粋 第十䞉章」

     髪を染め、改造制服を着お、煙草を吹かす䞍良孊生。こういう䞍良孊生はいたも存圚するのだろうか。圌・圌女ら達ず私の行動範囲あるいは掻動時間が重ならなくなっおしたったため、目にするこずがなくなっおしたっただけなのだろうか。なんずなく、人知れず消えゆく者達ずいう蚀葉が思い浮かんだ。冒頭でここに語られる䞍良達のこずを〝特異な䟋〟ずしおいるが、こんな奎らもいたかもしれない、ず思わせるずころがある。


    35. げんなり「ノヌマラむズ」

     すわっ、ペンギンSFか、ず思ったら猫SFで、正確にはペンギンSFか぀猫SFだった。「第䞀座右の銘」が最埌たで出おこないかな、ず思わせおおいお、ごく自然なかたちで差し出しおくる構成が䞊手かった。猫かわいさが際立っおいる。


    36. はしもずゆず「䞃転び八起きたたは䞃転八倒」

     ああ、ああ  、やりたすね。吊るの倱敗。瞄をかけた物が折れお倱敗するパタヌンず、䞈倫が瞄がなかったために手ぬぐいなどで代甚したら代甚品が切れお倱敗するパタヌンがあるず思いたす。私は飛ぶ぀もりで近くのビルに忍び蟌んで屋䞊の瞁に立っお、月があたりに近かかったので旧に灰になっお螊っお垰ったこずがありたす。
     䞃転び八起き。䞃転八倒しながら生きおいこうず思いたす。それでも私は、幞せになりたいのです。


    37. 蒌桐倧玀「雚䞊がりの青は日々是奜日未完」

     未完になった最倧の原因は、埌半でタむマヌをたったく芋ずに集䞭しお曞いおいお、残り時間を意識しお話を畳むこずができなかったから。今床から別途50分頃に鳎るタむマヌを仕掛けおおくしかないか、ず思った。
     前回ず同じ登堎人物を䜿ったのは、䜿い回しではなく、今床は違う角床から圌女達を描いおみたかったから。そこにテヌマをからめるのはなかなか難易床が高くお、そういうこずは他でやれ、ずいう気がしないでもない。
     癟合ではあるのだけど、かなりプラトニックに寄せおある。この二人は、たずそれぞれが曞く人間であり、その郚分に惹かれ合っおいる、ずいう前提があるからだ。
     叀賀コン5を盛り䞊げる䞀助になればず思い、未完状態で出したのだが、今床は完成版に察する期埅倀を高めおしたっお結局自分の銖を絞めおいる気がする。


    38. ししゃも「早く寝るこずを座右の銘にしろ。」

     「第䞀座右の銘」っお蚀っおも曞くこずないんですよねヌ、ず曞いちゃうのもありなんだず思わされた。そう蚀い぀぀もしっかり曞いおあるし、よもやお郚屋の写真が出おくるのでは  ず思っおいるず匕き合いに出されたのは圚りし日の答案。
     最初から最埌たでロヌテンションなのに沈み蟌むこずはなく、矎味しくいただきたした。


    39. 只鳎どれみ「Quest」

     怪文曞ずそれを解析する二人で描かれる掌線。五回出力される怪文曞は、蚀葉遊びを䞊べただけずも取れるし、詩のようなおもむきもある。テヌマの「第䞀座右の銘」っおいう意味はわかるのだけど、ちょっず倉な蚀葉に感じられる印象を䜜者自身のフィヌルドに攟り蟌んであらためお提瀺したのだろうか。読むこずの楜しさを感じさせる文章だった。


    40. 䞖界 圗星 灯台 プヌルサむド アサルトラむフル「ど」

     䞀気に最埌たで読たせる饒舌䜓じょうぜ぀たいで、読み終わったずき「あれ 座右の銘どこいった」ずなるのはちゃんず蚀及があるからで、気づくず遠くたで連れお行かれる酩酊感がある。 第䞀座右の銘の第䞀をスルヌしおいるようでいお、䜜品を読んでいるず䜕を第䞀に考えるか、みたいなこずが浮かび䞊がっおくる。短い助走で、遠いずころたで飛んだ䜜品。


    41. 虹乃ノラン「My 1st MOTTO:」

     教蚓、道端に転がっおいる猶コヌヒヌの猶を蹎飛ばしおはいけない。
     䞀人称で話が進行する小説なのだけど、䌚話シヌンでなぜか登堎人物の顔が芋えない。たるで、煙草の煙にうずもれおしたったかのように霞んで、それなのにしゃべる口元や煙草を持぀手、煙を吐くずきに動いた腕などのパヌツがよく芋える。
    〝奜きになっお、もっず〟でファンサか などず脳倩気なこずを考えおいた読者です。


    42. 矀青 すい「第䞀座右の銘」

     うわヌ、矎しいわヌ。 最初の節ず最埌の節が照応しお、すっず心に入っおくるずころも綺麗。
     これはXにポストした感想なのだけど、付け加えるこずがない。あらためお読んでもそう思う。詩ずしおの矎しさだけではなく、蚀葉遊び、文章のリズム、そこから導かれる意味が「第䞀座右の銘」に぀ながっおいる。テヌマそのたたのタむトルを生かし切った䜜品でもあるず思う。私は奜き。


    43. 比良岡矎玀「先茩は蚀った。ナキオに看取っおもらえたらそれで」

     因果応報ずいう蚀葉が真っ先に浮かんだのだが、あらためお読み返しおみるずサむコパス蚺断に䜿われる心理テストを思い出しおしたった。倫の葬儀に珟れた倫の友人にひかれた奥さんは、その埌我が子を殺しおしたう。その理由はなぜか答え「䌚いたくお」ずいうや぀。
     この小説における珟圚、先茩をひいた車を運転しおいた人物ず孊生時代の先茩が圓たり屋ずしお圓たった車を運転しおいた人物は、もしかしお同䞀人物なのではあるたいか 刑事達はあえおその郚分を䌏せお僕に聞き蟌みを行っおいたのではないだろうか
     医垫から知らせを受けた埌の〝ああ〟がやるせない。


    44. 子鹿癜介「ザキカワさん」

     ザキカワさん。圌は二床座右の銘らしきこずを口走ったけれども、ひず぀はたったく機胜しおおらず、もうひず぀はただの抌し぀けだった。さお、この電話を受けお、ここたで話を聞いたひずの座右の銘はなんだったのだろうか そんなこずを思った。


    45. 入間しゅか「金蚀集め」

     〝金蚀買取人〟ずいう蚀葉が面癜いですよね。二人称小説かな、ず思っお読んでいたら存圚しない蚘憶が二人称で、実際に䜓隓しおいるこずが䞀人称で語られおいた。ただ、䞀人称で語られおいる郚分も果たしお、本圓に〝僕〟の実䜓隓なのか疑わしい脳の損傷がはげしいらしいからな。だけれども、〝きみ〟ずしお語られる存圚しない蚘憶も〝僕〟が芋る情景も実感を䌎っお読める。それこそ振り䞋ろされたバットの残圱さえも芋えた気がした。


    46. 掞村静暹「神様のずどめ」

     諊芳の話だず思っお読んでいた。けれども、途䞭から〝神様のずどめ〟があるからこそ、どうにもならないず思うこずもそれでも生きおいるのなら生きおいおいいんだよ、ず自身を肯定するような意味があるんじゃないかず思った。短い䜜品の䞭に、ひず蚀では蚀い衚せない母ぞの思いが詰たっおいお、母が亡くなったいたもその蚀葉を通じお存圚の倧きさを思い知らされる。


    47. 豆腐『ゞェル男「お前みたいなや぀を萜ずすためだよ」

     ひねくれた孊生の物蚀いを聞いおいるみたいだなあ、ず思っおいたけれど、たさしくその通りだったずは。匕甚されるCoccoの歌詞ず掗緎された語り口に隙されそうになった。最埌の䞀文を読んで玍埗、タむトルをもう䞀床芋おもう䞀回玍埗した。


    48. 霋藀優「癜昌セゟン」

     しれっず、〝旊那〟ず〝奜きな人〟が䞊べられお出おきお、この〝私〟も倧抂だなず思う。
     〝私〟にずっおは䞍気味ずいうか気持ちの悪い類の話なのだろうが、読んでいる身からするず〝埘埊〟に興味が湧いおしたっお、ホラヌゲヌムでの゚ンカりントを埅぀ような心持ちにさせおくれる。たたプラヌザ内の描写が现かで、FPS芖点で建物の䞭を歩いおいるような印象を受けるためなのかもしれない。


    49. 久乙矢「宇宙の終わりず第䞀座右」

     「第䞀座右の銘」を分解しおこのSFに仕立おたのか、このSFの原案がたずあっおそこに「第䞀座右の銘」を圓おはめたのか、どっちだろう。「座右」で方向が倱われた䞖界だから「巊がない」ずいう発想は、そこたで飛躍できるのか、ず思わされた。物語がほが教宀の䞭で進行しながら、宇宙たで広がる壮倧さを持っおいるずころはゞュブナむルSFらしさがあっお良いですね。


    50. 菊池藍「Novel 1」

     途䞭から圓初の䞻芳芖点だった〝私〟が消倱しお、䞀人称から䞉人称に切り替わっおいるように読めお困惑した。ひずが消える話なので、これは狙っおのこずなのか即興ゆえの人称の混乱なのか刀断に迷うずころである。
     時間ず距離の感芚が曖昧になる感芚は、非垞にうたく挔出されおいたので、この困惑を楜しむべきなのかず思う。


    51. 小林「アヌネスト」

     テヌマからネタが思い぀かなかったこずをそのたたネタにしお曞いたのかな、ず読み進めおいくず、そんな安穏ずした読曞の隙に付け入るように、ずりっ、ずりっ、ずりっ、ず闇に匕き蟌たれるような思いがした。小説を曞いおいる人間は曞いおいない人間の䜕倍も䜕十倍か狂いやすいず蚀うからね。最埌に打たれる句読点が虚しい。なんおこずのない雑談から䞀気に䞍穏な話に持ち蟌む手管はさすがです。


    52. 祐里「神颚に散る桜」

     戊争小説ずいうよりは、昚今の䜙呜もの——死亡確定ロマンスず蚀われた方がしっくりくる——ずしお読みたした。ただ、その逆ずしお読む人もいるはずで、そうした読者からするず個人のものだった座右の銘が集団のものずなったずきの恐ろしさを感じさせるのかな、ず思いたした。


    53. くもしろ薔「柘抎の花がこがれる」

     ケ・セラ・セラ。軜い調子で口にするような蚀葉なのに、繰り返されるそれにはしっずりずした重さがある。それを口にした母の声を思い出すからだろうか。ケ・セラ・セラ。䜜䞭でこの蚀葉が語られるたび、重たげな花びらが思い浮かんだ。


    54. 海音寺ゞョヌ「我以倖皆和菓子」

     俳句や短歌は字数ず音節が決たっおいる定型詩だず思っおいたのですが、なんか最近結構長いスパンの最近はその蟺が自由なようで、もずもず詳しくはなかった俳句ず短歌に぀いおの理解が難しくなっおいたす。二銖目など特にわかりたせんすみたせん
     桜桃忌っお倧宰ですよね。やっぱりさくらんがを持ち蟌んで皆和菓子だったのでしょうか。それずも酒だったのでしょうか。どの歌句からもそんな想像を広げお読むこずができたした。


    55. 升宮生「今日も雚」

     この䜜品、もしかしお未完かなぁ。叀賀コンでは未完成原皿でも応募できるので、自分のようにあえお未完ず぀けおいないず読者はそれを完成原皿ずしお読む。なぜ雚は止たないのか。なぜ男は自分なら止めるこずができるず思ったのか。そしお、なぜ男はいた第䞀座右の銘を答えるこずができないのか。いく぀もの謎を内包し぀぀、今日も雚に党おが染たっおいく。タむトル倧事ですね、やはり。


    56. 春氞睊月「本物のあそびずいうものは。」

     『梁塵秘抄』を誰かが匕き合いに出しおくるかな、ず思っおいたので嬉しい遭遇だった。第䞀座右の銘ずいういささか構えたテヌマから、緊匵感を解きほぐすように綎られる文章を楜しみたした。


    57. 堀郚未知「のりパンチ力の愛」

    きっずなにかを曞くずきは瞛られたいずきず攟たれたいずきがある
     いやあ、これ真理だな、ず思った。
     「ぱんちカ」ずか「ガッちから゜」ずやられた埌だったので、「のり䞀いち」を「のりヌ」ず玠で読んでしたっお、やられた、ずなった。そしお、この段階に至るたで、冒頭の路䞊芳察小説はどこかに぀ながるず思っおいお、銅像の配眮はい぀出おくるのだろう、ず期埅しお読んでいたので、二床やられた、ず思った。


    58. 入谷匙「回転するコルク」

     集団でラゞオ䜓操ずかなんずか校䜓操ずかしおいるずき、ふず我に返っお呚りを芋枡しお「こんなずころで䞀䜓自分はなにをしおいるのだろう」ず人生の意味に぀いお考えおしたったこずがある。そんなこずを思いだした。
     でもこれ、監芖塔があっお監芖されおいるのに、党員が統䞀された動きを取っおいるわけではないのだよね。カオスさきわたる。
     なんだこれ っお感じなのだけど、そのなんだこれ がどういうわけか面癜い。そしお、これを曞いおいる最䞭にnoteが゚ラヌを吐いお、なんだこれ ずなりたした。


    59. 束本玲䜳「私は麻薬」

     「第䞀座右の銘」から離れおいくように思えお、その実ずっずそれに぀いお語っおいるのだ、ず読み終わる頃になっお気づいた。テヌマを䜜品党䜓で語るずいうこずに察しお、取り組み方が党力で党身党霊で前のめりだず感じた。あやうさずしたたかさが絶劙な均衡の䞊に成り立っおいる。


    60. 吉野玄冬「矎ず共に歩んでゆく生」

    叀賀コン、䜕ずか曞けた。流石に䞀時間だずずっ散らかっおる気がしなくもないけれど、皆ぞの゚ヌルのようなものず受け取っおもらえたらな、ず。#叀賀コン #叀賀コン5 pic.twitter.com/EOsA1Hjrva

    — 吉野玄冬 (@sieben_Islay) June 3, 2024

     執筆ずいうか芞術は䌝わらないこずをいかに䌝えるか、ずいうこずでもあるず思うので、たず自分が自䜜を肯定しなければはじたらない。そうあるものだし、そうあっお欲しいず思う。


    61. 藍笹キミコ『「倢は歩み出せば目暙になる」』

     車怅子バスケットボヌルを実際に芋るず、その迫力に圧倒されたすよね。僕も声高に「倢を叶えるために云々」ずいう蚀説は苊手なのですが、自分にずっおは䞀歩ず぀進んでいく「珟実」も他人にずっおは途方もない倢だったりするので話すが難しい題材なのだず思いたす。䜕事もたずはやっおみるのが倧事


    62. 奥野じゅん「戞籍に座右の銘の蚘茉が必須になっお、五十幎が経った。」

     よくたずたった制床運甚。読みやすい短さで、5分シリヌズに茉っおそうな印象受けた。ディストピアが描かれるずき䞀番恐いな、ず感じるのは圓事者がそのディストピアの制床に察しお笑顔で䞇歳しおいる様を芋るずきなので、「うわ、この䞖界嫌だな」ず思わせる䞍快感のあおり方も巧みだった。
     それからアンケヌトぞの誘導ありがずうございたす。


    63. 接早原晶子「I always stroke my cat when I’m sad.」

     埮劙な暗さを感じさせ぀぀も良い話なのかな、ず思っおいたら゚グい別れ話が出おきお思わず「ひでぇ」ず挏らしゲラゲラ笑った。それから歌うように次の話ぞ運ばれそうくるかっお感じのオチでした。
     っお、぀ヌか、これノヌプランか぀酒入れお、さらに締切ぎりぎりで曞いおいるのかよ どうしお時間内にオチたで付けおたずめられるんだよ あのノリノリな感じは酔っ払いだからなのか ず頭の䞭が「」で䞀杯になっおしたった


    64. 仲根工機「ドキノレパヌク駅にお」

     タむトル、〝ナンシヌ〟、〝パむン曹長〟、〝垂堎〟ずいう蚀葉から、勝手に䞖界恐慌頃のアメリカを描いたものだず思い蟌んでしたったのだが、実際は遥か未来おそらくを描いただった。
     思い蟌みで読んじゃいけないな、ず思いたした。
     堎面が次々ず倉転する様は、仕掛けの倚い舞台喜劇を芋おいるかのようでした。せわしない動きそのものを楜しむずいうか、ずっ散らかり具合を楜しむものなんだろうな、ず。


    65. 化野倕陜「卒業文集」

     考えおみれば、テヌマが「第䞀座右の銘」なのだから卒業文集にからめた話を曞くのはごく自然な発想だず思う。しかし私はたったく思い぀かなかったやはり、ひねくれおいるのだろうか
     この䜜品は着県点が面癜くお、生埒ではなく教垫の立堎から文集に曞く蚀葉に悩む姿を描いおいる。名蚀を曞かなければいけない立堎にあっお、その堎しのぎを繰り返しおきた先生が、時を経お蚀葉を莈った卒業生からその蚀葉が今も生きおいるこずを知らされる。この構造を䞀時間で組みあげ、掌線の圢にたずめ䞊げおいる点にも驚かされた。
     ずころで、私は䜜䞭に出おくる〝倧人の目から芋た倧人ぞの憐憫ずいうものが、ひどく恐ろしかった〟ずいう蚀葉に震えあがった。それは、たしかに恐ろしい。


    66. ハギワラシンゞ「掞窟たのしい」

     ラヌメンか 繁殖か ず思いながらタむトルをクリックししたら、掞窟に飛ばされた。二人称小説で感芚を䌝えるのっお難しいず思うのだけど、痛芚よりも血流や熱に蚎えかける衚珟でわからせおくる文章だった。
     〝アビサリア〟の姿が描写されおいなかったので、ずっさに思い浮かべたのがタマりガチ『メむドむンアビス』だった。普通に怖い。
     すっかり食われたずころたで読んで、匱肉匷食は䞖の習いなんおこずを思った瞬間、テヌマが「第䞀座右の銘」だったこずを思い出した。叀賀コンの䜜品はテヌマがどんな颚に䜿われおいるか、どこに出おくるかを意識しお読んでしたうのだけど、それを忘れさせるほどの没入感を生み出しおいる。


    67. 翠雪「青い氞遠、蝉時雚」

     振り返るずあっずいう間だったず思うのです、青春。振り返るず無駄に過ごしおいた時間があったな、ず思うのです、青春。若い時間を消費しおいるな、ず思いながらもろくでもないこずに——それこそ屋䞊に出お延々ず叫ぶずか——費やすのを止められないのもたた青春だず思うのです。
     あず、タむトルのセンスが良いなあ。


    68. 䞭務滝盛「赀いバックラむト」

     〝以接真䌝〟っお〝い぀たで〟か。読み進めるに぀れお、なぜか昭和のむメヌゞ——映画『倪陜を盗んだ男』のアパヌトの情景——が被さっおきお、ラストシヌンでアコヌスティックギタヌの音色が聞こえおしたったBGM『倏のうねり』。虚しさや悲しさよりもいたたたれなさが胞に迫っおくる䜜品だった。


    69. れロの玙「犬に䌌おいた人生だった。」

     包䞁が消えるくだりで肝が冷えた。いきなりホラヌになるわけではないのは、読んでいればわかるのだが、読み終えおもこの郚分の印象が濃い。むしろ䜙談なはずなのに。
     タむトルがどう぀ながるのか具䜓的に曞かれおいるのに、䞻人公の顔を想像するのが難しいのも印象的だった。ヘッダヌの画像のような犬を圓おはめおしたうのは、どうも違う気がした。


    70. 山厎朝日「第二座右の銘」

     冒頭の「そんな意味じゃない」ずいうのが良くわからなくお、平櫛田䞭に぀いお軜く調べた。なるほど、そう぀ながるわけか。たしかに、それはそんな意味じゃない。ここが飲み蟌めるず——平櫛田䞭の蚀葉の背景がわかるず——タむトルの第二座右の銘がどこにかかっおくるのかもわかっお、読埌感が倉わっおくる。やはり、わからないこずはすぐ調べおみるのがよい、ず思った。


    71. ずきのき『越冬蚘』

     タむトルの「越冬」ず冒頭の「卵」くらいしかヒントがないのに、䞀段萜目を読んだずころでペンギンの話かな、ずなぜかわかった。これは芋事なペンギンSFではないですか。
     ペンギンの話だず確信できるのは〝フリッパヌ〟ずいう蚀葉が出おからなのだが、私は䞍思議ず最初からペンギンの話ずしお読んでいた。そしおこの話、ペンギンの特城を芋事に掎んでいるのだが、〝ペンギン〟ずいう蚀葉は䞀切出お来ない。登堎ペンギンの名前は〝山田〟ずか〝江藀〟ずか、それ絶察ペンギンじゃないだろうずいう感じなのに。


    72. 䞍砎安敊「ある倜の䟝頌者」

     テヌマ「第䞀座右の銘」を䜜䞭に埋没させるずいうか、巧劙に朜たせた䜜品だず思った。〝メッセヌゞ〟〝メヌル〟〝画像〟などの蚀葉から舞台は珟代だず思われるのだが、䟝頌人の語り口がどこずなく西掋颚ファンタゞヌ䞖界を圷圿させる。たた、時間垯が明蚘されおいないにもかかわらず、倜を匷く感じさせた。


    73. 南囜アむス「南囜家の文献による座右の銘に関する䞀぀の考察」

     この䜜品ぱントリヌ順ではラストナンバヌなのだけど、最埌にテヌマをいた䞀床確認するかのように座右の銘ではじたり、座右の銘で終わる。短さも良い方向に䜜甚しおいお、語るべきこずを語っおさくっず終わるのが良かったです。
     第䞀座右の銘ずしお最埌に出おくる䞀節も面癜いのですが、䞭盀の〝人生をゎミ箱に突っ蟌んでダむナマむトで吹っ飛ばした燃えかすに小䟿をかけおいるものだ〟ずいう豪快な蚀い回しが特に面癜かったです。この小説はそうしたちょっずした蚀葉遊びに満ちおいお、最初から最埌たでストレスフリヌで読むこずができたした。


    おわりに

     以䞊、党73䜜品の感想になりたす。
     お疲れさたでした。

     蚘事を曞き終えたタむミングで、䜐藀盞平さんが叀賀コン4に匕き続き党䜜感想を曞かれおいる——珟時点でnoteに投皿されおいる——こずを知っお、これず䞊ぶのか  ずちょっずびびっおいたす。
     ずいうか、䜐藀さんの感想はずおも䞁寧に曞かれおいるので是非そちらを読たれるのがよろしいず思いたす。

     今床こそ最埌です。
     最埌たでお読みいただき、ありがずうございたした。

     
     
    「あおぎり たいき」小説家・䜜詞家。以前は図曞通の䞭の人。 SF、青春、癟合、珟代ドラマなど色々な小説を曞きたす。だいぶご無沙汰ですが、䜜詞もやりたす。 執筆のお仕事がほしいです。

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