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『地雷グリコ』は誰でも知ってるあの遊びが!と驚きつつ青春時代を思い出させてくれる作品だった

『このミステリーがすごい!2025年版』で1位に選ばれた作品です。「このミス1位って宣伝文句だけでしょ?」と少し疑っていましたが、読み始めたら普通に止まりませんでした。疑ってすいませんでした。

小学生の頃に「グリコやろう!」は誰もが通る道ではないでしょうか。ジャンケンポン、グーで勝ったら「グ・リ・コ」で3歩、パーで勝ったら「パ・イ・ナ・ツ・プ・ル」で6歩、チョキで勝ったら「チ・ヨ・コ・レ・イ・ト」で6歩。そうそのグリコです。

その遊びが「グリコだけで、こんなに面白くなるの?」――。『地雷グリコ』を読んだ時、最初に思った感想でした。単純なゲームに、極限の駆け引きと心理戦を組み合わせることで、ここまで緊張感が出せるのかと驚かされました。

本作では、あの単純な遊びに「地雷」というルールが追加されます。相手の思考を読み、心理を誘導し、どこに罠があるのかを推理していく。ルール自体はシンプルなのに、読み合いが異常に深い。「相手がこう考えるなら、自分は逆を突く」「いや、それすら読まれているかもしれない」――そんな心理戦が何重にも重なっていきます。読んでいる側も自然と参加している感覚になり、「次はどう来る?」とページをめくる手が止まりませんでした。

本作最大の特徴は、「派手な事件が起きなくても面白い」という点だと思います。銃撃戦もありません。殺人事件もほとんどありません。それでも緊張感が継続してあるのは、勝負そのものが会話と心理で成立しているからです。登場人物の一言一言に意味があり、表情や反応まで含めて情報戦になっています。

読んでいて感じたのは、「単純なルールほど、人間性が出る」ということでした。複雑なゲームではなく、誰でも知っている遊びだからこそ、相手の性格やクセが浮き彫りになります。慎重な人、大胆な人、ハッタリを使う人、読み過ぎる人。それぞれの思考パターンが勝負にそのまま出るのが面白かったです。

原作小説ではなくアニメ版を見て非常に面白かった『氷菓』を思い出しました。高校生主人公の青臭さが心地よく感じるミステリーだからでしょうか。高校を舞台に、若いからこその甘酸っぱさも感じることができました。静かな会話劇なのに、見ている側はずっと緊張する。そんな独特の魅力がある作品でした。将来的にアニメ化や映画化もされると思います(お願いします!)。

デスゲーム系作品が好きな人や、『ライアーゲーム』『カイジ』系の駆け引きが好きな人にはかなり刺さると思います。普段読書をしない方にもおすすめできる作品でした。読書を全くしない高校1年生の長男にもおすすめしておきました(嫌な顔されましたが笑)。


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