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Photo bychona_illust

でたらめの倜

     䞭囜語を孊び始めお1幎が経った。
     毎週土曜日に1時間、台湟出身の先生ずのレッスンに通っおいる。
     途䞭で怠けそうで、48回分の授業料を最初に䞀括で払っおしたった。たった1幎。それでも、払ったのだから䜕かは身に぀けおやろうず、自分なりに䞀生懞呜勉匷した成果がどれほどのものなのか。詊したくなっお、人生初の台湟ぞの䞀人旅を決めたのだった。

     台湟南郚の倧郜垂、台南ず高雄を巡る5日間の旅。5月の台湟は、半袖でも頻繁に汗を拭うような陜気だった。

     高雄に着いお初めおの倜。倕食は絶察に倜垂で取ろうず決めおいた。
     六合倜垂は、芳光客も倚く掻気がある、高雄の䞭でも倧きな倜垂である。玄300メヌトル続く倧通りの䞡偎には、雞排(チキン)、麵線(スヌプにずろみのある極现の麺料理)、そしおその堎で䜜っおくれるフルヌツゞュヌスずいった屋台が軒を連ね、熱気の䞭であちこちから客寄せず泚文の声が飛び亀う賑わいだった。

     蚵仔煎(牡蠣オムレツ)を食べようず、いく぀かある䞭で䞀番人が集たっおいる屋台に近づいおみた。鉄板からはゞュァッずいう音が聞こえおくる。焌き目はカリッず、䞭の牡蠣の銙りが豊かなオムレツを想像しお順番を埅぀。他に䞊ぶのはみな珟地の人たちのようで、期埅が高たりながら、オアチェン、オ、ア、チィ゚ンず口の䞭で緎習しおいた。
     蚵仔煎ひず぀、ここで食べたす。初心者䞞出しの䞭囜語で䌝えるず、阿姚おばちゃんは頷いただけだった。 
     あれ、お金はい぀払うの 
     ここで料理ができるのを埅っおればいいの 䞍安になっお蟿々しく聞いおみたが、早口な返事は䞊手く聞き取れない。最埌には阿姚が通りの䞭倮に蚭眮された簡易テヌブルを指差しお、あそこで埅おずいうこずをなんずか䌝えおくれた。

     面倒なこずをさせおしたったなぁず思いながら、テヌブルに腰掛ける。料理を持っおきおくれた阿姚は、テヌブルでお金を受け取るず、意倖にも「どこの人なの」ず話しかけおくれた。
     嬉しくお、少しびっくりしながら日本人だ、ず蚀うず、あぁ〜ず蚀いながら埮笑んで、

     「口音有點シァ」

    ず蚀った。
     コむりン(口音)ペりディ゚ン(有點)、そこたでは聞き取れた。「発音がちょっず 」その埌、「シァ」ず蚀った肝心の最埌の蚀葉の意味がわからない。
     私が曖昧に笑うず、阿姚は屋台に戻っおいった。
     牡蠣オムレツを食べながら忘れないように急いで、「口音有點シァ」ずスマホにメモをずった。ホテルに戻る道すがらずっず、コむりンペりディ゚ンシァ、コりむンペりディ゚ンシァ、ず頭に刻み蟌むように繰り返しながら歩いた。

     ホテルに戻っおすぐ、「シァ」ず聞こえる、ピン音(発音蚘号)が「xia」である䞭囜語を調べた。するず、こんな字を発芋した。

    瞎 [副]でたらめにむやみに

     高雄のロヌカルな倜垂。そこで䜕十幎ず店を出しおきたであろう阿姚が、䞋手な䞭囜語で泚文をする客に笑っおかけるひず蚀。

     「発音がちょっずでたらめだね。」

     これだあのシチュ゚ヌションでは、きっずそう蚀ったに違いない。
     その前に私はリスニング胜力の乏しさで阿姚に手間をかけさせおいた。人が溢れる倜垂の熱気の䞭、さらに熱い鉄板の前で働いおいるのに、客が䜕も理解しおいない顔でもた぀いおいたら少し嫌味を蚀っおやりたくもなるだろう。  

     パズルの最埌のピヌスがハマったようにスッキリずした気持ちになった。

     そしお、でたらめず蚀われおも䞍思議ず悪い気にはならなかった。阿姚の笑顔はカラッずしおいお気持ちよかったし、それよりも、こうしお生きた蚀語を孊びずっおいくこずの楜しさに打ち震えるような気持ちにすらなっおいた。もっずわかるようになりたい。そう匷く思った。


     旅行から戻った最初のレッスンで、この出来事ず感動を先生に話した。するず先生は、うヌん、ず蚀いながら䞍思議そうな顔をした。少し考えお、「それはこうだったかもしれたせんねぇ」ず蚀っおホワむトボヌドに倧きく

     像

    ず曞いた。
     像xiang、発音はシアン。シァ、ではなく。でたらめではなく、
    「発音がちょっず(日本人)っぜいね」
    ず蚀ったのだろうず。

     䞀瞬ぜかんずしおしたった。そうだったのか。貶されたのではなくお、阿姚は聞いた通りの印象を蚀っおいただけだった。
     話しかけおくれお嬉しかった阿姚ずの短い䌚話。その誀解が解けおよかった。

     でも、あたりにも滑皜で少し笑っおしたった。私は、存圚しない阿姚の蚀葉にハッパをかけられ、感動し、勝手に燃えおいた。それが先生の指摘で、呆気なく厩されたのだった。


     垰っお来おからも面癜い旅行だった。「瞎」はすっかり蚘憶に定着しおしたったが、今のずころ䌚話に登堎したこずはない。

     
     
    あかぎです。仕事の垰りや䌑みの日に゚ッセむを曞いおいたす。

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