ポストに届いたミステリー
帰宅して一番の楽しみはいつもポストのなかにある。
私には海外の友人が何人かいて、不意に届く手紙や絵はがきが私の日々を彩っている。
もちろん毎日届くわけではないからこそ、ポストの中に郵便物を見つけたときには驚きと喜びが一度に湧き上がる。
さて、本日は??
と見ると、中にはヨーロッパの雰囲気が漂う絵はがきが1枚と近況がしるされていた。
この春はいくつかの国に行ってきたよ。そしてあとは予定が特にないの。
夏はどこかに行く?
読み終えて彼女が書いた国に思いを寄せる。
ヨーロッパは隣国が何国もあって訪問しやすそう。いつか訪れてみたい。そのためにはもっと治安もましにならないとね。
返事はどうしようかな。そうだ、私もこの夏急に予定ができたんだった。
それを書きたい!
差し出し人は?
とここまで読んでふと記名がないことに気がついた。正確にはサインはあるが、見覚えがない。
しかも、彼女が旅してきた国は、私が彼女だと思った相手からは聞いたことのない国ばかりだった。
もちろん、旅先として急に行くことはあるだろうけど、私が思う彼女なら、必ず家族のことも書き添える。彼女には娘が2人いて、末の子はまだ小学生くらいだったはず。
となるとこの差出人は誰なのか全くわからなくなった。
念のため、私が思う彼女の過去の絵はがきの筆跡を見比べてみる。
似てるような気もしてくる。
彼女とは半年ほど音信不通になっていて、このタイミングでやりとりしないと自然消滅の可能性もある。
もし違ったとしても、彼女に絵はがきを送ってみるのは言い考えとも言える。
でもここに来て、差出人は別人だと私は思い始めていた。
この筆跡に見覚えがあった。
そして、名前のサインが、はっきりと意味がある文字に見えてきた。
でも彼女が誰なのか、わからないし、まず住所がわからなかった。