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Photo byyukke_75

タダで垰省する぀もりだったしたなみ海道螏砎の蚘録【創䜜倧賞2026 オヌルカテゎリ郚門】

    郚屋を敎理しおいたら、芋芚えのある玙が出おきた。
    したなみ海道のスタンプ台玙だった。

    角は少し䞞くなり、むンクもかすれおいる。
    それでも、すべおの橋のスタンプがそろっおいる。

    そういえば、ず思い出す。
    奇しくも、本日2026幎5月1日
    それは、1999幎5月1日、したなみ海道党線開通の日の話だ。

    こずの発端はそれより少しさかのがる。

    倧孊のれミ宀でニュヌスを芋おいた。
    「瀬戞内海の島々を橋で぀なぐ、玄60kmの道、぀いに党線開通」

    それを聞いたずき、同郷の埌茩ず顔を芋合わせお、
    「実家たでタダで垰れるやん」
    そんな軜い䞀蚀が、すべおの始たりだった。

    60km。
    オリンピック遞手がフルマラ゜ンを2時間ちょっずで走るなら、
    60kmでもたあ䌌たようなものだろう。

    歩行速床を5km/hずすれば、12時間もあれば着く。
    尟道を朝出れば、倜には今治。
    蚈算は、完璧だった。

    圓日、
    尟道たでは圚来線で移動した。
    着いたのは10時過ぎだったず思う。

    腹ごしらえに食べたラヌメンの、背脂の味だけは芚えおいる。
    食べ終えた時点で、すでに11時だった。

    橋に向かう道は、思っおいたよりも遠かった。
    䞀盎線ではなく、ぐるぐるず巻くように䞊がっおいく。
    遠回りにしか芋えない道を、地図ず看板だけを頌りに進む。

    倩気はよく、汗が止たらない。
    飲み物はすぐに空になる。
    自販機を芋぀けるたびに、120円が消えおいった。

    ショヌトカットできそうな道を芋぀けた。
    地図にはないが、歩けそうな蟲道。
    盎線的に䞊がれる分、早く着ける気がした。

    距離は瞮たったのかもしれない。
    だが、その代償はすぐに珟れた。

    足の裏にマメができ、かばうように歩くうちに、
    足銖や膝にも痛みが広がる。

    どこで買ったのかは芚えおいないが、
    途䞭の薬局のような堎所でテヌピングを手に入れた。

    空腹は、思考を削っおいく。
    道端の柑橘を、䜕床むしっお食べようず思ったかわからない。

    ひたすら歩き続けるも、ただ半分も到達しおいない時点で倜の垳が䞋りる。

    売店のようなお店で䜕かを買ったのだが、
    もはや䜕を食べたのかは芚えおいない。
    ただ、空腹が限界に近かったこずだけは芚えおいる。

    県境を越え、時をたわり、䞍本意ではあったが、
    倚々矅したなみ公園で仮眠をずるこずにした。

    もちろん寝袋なんお持っおいない。
    最初はベンチに暪になろうずした。
    だが海に面しおいるせいか、颚が容赊なく吹き぀けおくる。
    冷たいずいうより、刺さるような颚だった。

    呚囲を芋枡したずき、たさに僥倖ず呌べる堎所を芋぀けた。
    自動販売機の排気口である。
    庫内の熱を逃がすためのもの、ずいう知識はあった。

    背に腹は代えられない。
    枩颚の吹き出し口に䞉人で寄り添うようにしお、䜓を䞞めた。
    目を閉じ、ほどなく意識が薄らぐ。

    気が぀くず、時間だけが少し進んでいた。

    朝になっお、再び歩き出す。

    足のマメは朰れおいた。
    痛みは消えないが、進めないほどではない。

    ただ、距離を重ねるごずに、痛みは確実に増しおいった。

    倧䞉島橋を枡ったあず、しばらく進んだあずで違和感に気づく。

    スタンプがない。

    どこで芋萜ずしたのか、正確には芚えおいない。
    ただ、通り過ぎたこずだけはわかった。

    戻るかどうかの話になった。

    合理的に考えれば、そのたた進むべきだった。
    䜓力も時間も、すでに䜙裕はない。

    それでも、埌茩の䞀人が蚀った。

    「党郚揃わないなら意味がない」

    圌は䞀人、気合ず根性で2kmほど匕き返し、
    私たちのスタンプも持っお戻っおきた。
    今思い出しおも圌には感謝しかない。

    もうショヌトカットはしなかった。

    遠回りに芋えおも、案内されおいる道をそのたた進む。
    ここたでの経隓で、それが正解だず、身䜓ず本胜が理解しおいた。

    来島海峡倧橋に近づくに぀れお、登りが続いた。
    最埌に詊されおいるような道だった。

    足はすでに限界に近く、痛みは垞にどこかにあった。

    それでも止たる理由もなかった。
    歩くか、立ち止たるか、その二択しかなくお、
    立ち止たったずころで䜕も倉わらないこずだけはわかっおいた。

    考えるこずはほずんどなかった。
    ただ、足を出しお、䜓重を乗せお、たた足を出す。

    その繰り返しだけで、前に進んでいた。

    峠を越えた先で、来島海峡が芋えた。

    私たちの到着を祝犏するかのように
    オレンゞに染たった倕焌けにたたずむ来島海峡倧橋。
    あの景色は、いただに倢に出おくるほど脳裏に焌き付いおいる。

    橋を枡りきった先で、父芪が迎えに来おくれおいた。
    時間は、予定より倧幅に遅れおいた。

    地図の䞊では60kmだったが、
    あの日の自分たちが歩いた距離は、おそらくそれよりずっず長い。

    途䞭で飲んだ氎の本数も、䜿った金額も、正確には芚えおいない。

    ただ、亀通機関を䜿った方が、
    はるかに安く枈んだこずだけは間違いない。

    翌日、党橋螏砎の認定蚌を受け取りに行った。
    あのずき匕き返しおいなければ、手元にはなかった。




    それから20幎ほど経っお、ロヌドバむクに乗るようになった。

    同じ道を䞀日で埀埩できたずき、
    自転車ずいう乗り物のすばらしさを、改めお理解した気がした。

    スタンプ台玙は、今も手元に残っおいる。

     
     
    「なぜそうなるのか」を分解しお考えるのが習性。 仕様/組織/人間関係等、日垞の疑問を構造化しお玐解きたす。 正しさより玍埗感ある説明を、自分の思考で蚀語化しおいきたす。お気軜にコメントください。 匕甚、コピペご自由に。その際もコメントに䞀蚀あるず嬉しいです。

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