
トヨさん工房 #09|販売ページを作ったら、手が止まった
前回、
革しおりを袋に入れて、
台紙をつけて、
小さなシールも貼ってみた。
それだけで、
急に「届けるもの」に見えてきた。
そこまでは、
うれしかった。
でも、
そのあと私は、
新しいしおりを作れていない。
* * *
minneで、
革しおりの販売ページを作った。
公開した。

けれど、
販売ページを作った瞬間、
急に現実になった。
誰かが買うかもしれない。
そこまで想像したら、
なんだか急に、
手が止まった。
売れなかったら寂しい。
でも、
売れたら売れたで、
私は本当に送るのだ。
当たり前だけど。
その当たり前に、
少し身構えている。
* * *
新しいしおりを作ればいい。
在庫を増やせばいい。
そう思っているのに、
なかなか動けない。
たぶん私は、
売ることそのものよりも、
ちゃんと届けることに、
緊張しているのだと思う。
* * *
私はまだ、
ちゃんとした工房を持っているわけではない。
机の上で革を切って、
音を立てないように穴をあけて、
失敗しながら、
少しずつ作っている。
でも、
そこを私は、
トヨさん工房と呼ぶことにした。
名前をつけたら、
少しだけ、
本当にそこにある気がしたからだ。
途中の姿を、
途中のまま形にする場所。
ここでも、
私はまだ途中にいる。
* * *
読んでくださり、ありがとうございました。