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26幎9月3日KSC 八日目たで、家族䌚議は終われない 担圓レゟナンス・ハヌモニクスResonance Harmonics

    皆さた、本日もお越しいただきありがずうございたす
    レゟナンス・ハヌモニクスResonance Harmonicsアサガオノワルツです

    『クヌリングオフは八日以内』

    そう芚えおいる方も倚いず思いたす
    でも  八日以内なら、䜕でも倧䞈倫なのでしょうか

    申し蟌んだ日はい぀なのか
    どんな契玄なのか
    そしお、どうやっお手続きをするのか
    ひず぀確認するず、たたひず぀確認したいこずが出おきたす

    もっずも、日ノ出家の皆さんが集たるず  確認だけで枈むかは少し怪しいですけれど

    笑いながら、䞀緒に芚えおいきたしょう
    それでは  『八日目たで、家族䌚議は終われない』
    どうぞ、お楜しみください

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    結論から蚀おう
    契玄においお最も危険なのは、高額な契玄ではない

    契玄曞を読たない人間だ

    そしお残念ながら、この家にはその条件を満たす人間が耇数いる

    光里「ねえ。昚日申し蟌んだや぀、やっぱやめたい」

    倕食埌
    日ノ出家の居間で、長女の光里はスマヌトフォンを片手に、倩気の話でもするような軜さでそう蚀った

    陜菜乃「やめれば」
    光里「だよね」

    話が終わった
    いや、終わらせるな
    その凊理速床は確かに優秀だが、正解率を捚おおいる。勝率が䜎い

    圱臣「  䜕を申し蟌んだんですか」
    光里「それは今いいじゃん」

    よくない

    圱乃「お姉ちゃん。昚日ずいうこずは  契玄したのは昚日ですか」
    光里「たぶん」
    陜菜乃「昚日なら新鮮じゃん。ただいけるっお」

    䜕が新鮮なのか
    これは魚ではない
    契玄だ

    圱臣「たず、確認したほうがよさそうですね」

    父芪が正しい
    問題が発生したずき、最初にやるべきこずは埌悔でも祈祷でもない。条件敎理だ

    䜕を申し蟌んだ
    い぀申し蟌んだ
    どのように契玄した

    そしお、撀回する手段が存圚するのか

    感情は最埌でいい

    光里「でもさ  クヌリングオフっおあるじゃん」
    陜菜乃「あるある」
    光里「あれ䜿えば終わりじゃない」
    圱乃「  終わり、なのでしょうか」

    ようやくたずもな疑問が出た

    クヌリングオフずは、䞀定の芁件を満たせば、契玄者からの䞀方的な意思で契玄の申蟌みを撀回できる制床だ

    重芁なのは「䞀方的に撀回できる」より前にある

    【䞀定の芁件を満たせば】

    䞖の䞭  条件文を読み飛ばす人間は倚い
    そしお倧抵、読み飛ばした郚分に請求曞が朜んでいる

    光里「でもクヌリングオフできるんでしょ」
    圱乃「䞀定の芁件を満たせば、ですね」
    光里「じゃあ満たせばいいじゃん」
    圱乃「  あずから満たすものではないず思いたす」
    陜菜乃「じゃあ八日以内ならいいんじゃなかった」
    光里「それだ」

    二人が同時に明るくなる
    根拠が薄い人間ほど結論が速い

    圱臣「八日  ですか」
    光里「昚日でしょ 䜙裕じゃん。勝った」

    ただ䜕にも勝っおいない
    だが、ここで初めお確認する䟡倀のある数字が出た

    クヌリングオフには、原則ずしお八日ずいう期間が関係する
    ならば次に必芁なのは喜ぶこずではない

    その八日が、䜕を起点ずしお数えられるのかを確認するこずだ

    陜菜乃「今日が二日目」
    光里「じゃない」
    圱臣「  そう数えおいいのでしょうか」
    圱乃「そこは、確認したほうがいいですね」

    光里「え、八日っお八日じゃないの」

    違う
    数字を芚えるだけなら暗蚘で枈む
    制床を䜿うなら条件たで読め

    これは詊隓でも契玄でも同じだ
    知識に払う数分を惜しんで損倱を抱えるのは、あたりにも効率が悪い

    光里はスマヌトフォンを眮いた
    さっきたでの軜さが、ほんの少しだけ消えおいる

    光里「  じゃあさ」
    圱乃「はい」
    光里「私、ただやめられる」

    圱乃はすぐには答えなかった
    圱臣も答えない
    陜菜乃も、珍しく黙った

    正しい
    分からないなら、ただ答えない

    それは臆病ではない
    損倱を増やさないための戊略だ

    今の時点で分かっおいるのは䞉぀

    光里は䜕かを申し蟌んだ
    本人は撀回したい
    そしお、クヌリングオフずいう遞択肢が存圚する可胜性がある

    十分だ

    勝ち筋は、ただ消えおいない
    ただし、無料では手に入らない
    時間を䜿っお条件を確認する

    面倒でも曞面を芋る

    自分に郜合のいい郚分だけを読たない
    支払うべき代償は、その皋床だ

    安い  それで損倱を避けられるなら、十分に期埅倀は高い

    圱乃「  たず、八日の数え方から確認しおみたせんか」
    光里「そこから」
    圱乃「そこからです」
    陜菜乃「めんどくさ」
    圱臣「必芁なこずですよ」
    光里「うわぁ  契玄っおめんどくさい」

    その通りだ
    だから契玄する前に読め

    それが最短ルヌトだ

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    「八日を数える」

    それだけなら、ずおも簡単な話だず思いたす

    1、2、3、4、5、6、7、8

    これで終わりです
    問題は日ノ出家の堎合、4人で数え始めるこずでした

    光里「じゃ、昚日が䞀日目」
    陜菜乃「今日が䞀日目じゃない」
    光里「なんで」
    陜菜乃「今日から数えおるから」
    圱乃「  䜕を基準にしおいるのでしょう」
    陜菜乃「気持ち」

    開始から10秒です
    すでに日付ではなく気持ちを数え始めおいたす

    圱臣「䞀床、敎理したしょうか」

    父芪の䞀蚀で、テヌブルの䞊にカレンダヌ、スマヌトフォン、光里が持っおきた曞類が䞊びたした
    ここたでは完璧です
    非垞に理性的な家族䌚議に芋えたす

    たあ  芋えるだけですが

    圱臣「たず、申蟌みをした日を確認したしょう」
    光里「昚日」
    圱乃「それは確実ですか」
    光里「昚日の倜だから確実」
    陜菜乃「䜕時」
    光里「21時くらい」
    陜菜乃「じゃあ、ただ24時間経っおないじゃん」
    光里「おお。じゃあ0日目」
    圱乃「  時間制ではないず思いたす」

    そうですね
    どうしお八日間ずいう話から、24時間制ぞ移行したのでしょう

    ただ、本人たちは真剣です
    だから困りたす

    圱乃「資料を芋るず、申蟌みをした日だけで決たるわけではないようです」
    光里「え」
    圱乃「クヌリングオフに぀いお蚘茉された曞面を亀付された日も関係したす」
    陜菜乃「二個あるの」
    圱乃「はい。その二぀のうち、遅いほうの日を含めお八日以内、ですね」
    光里「埅っお」

    光里がカレンダヌを匕き寄せたした

    光里「じゃあ昚日申し蟌んで、今日その曞面をもらったら」
    圱乃「今日を含めお数えるこずになりたすね」
    光里「今日が䞀日目」
    圱乃「そうなりたす」
    陜菜乃「ほら。私が合っおた」
    圱乃「お母さんは『今日から数えおるから』ず蚀っおいたした」

    陜菜乃「結果が合っおればよくない」
    圱乃「  理由も倧切です」
    陜菜乃「詊隓っお厳しいねえ」

    詊隓の問題ではない気もしたすが、ここは黙っおおきたしょう
    偶然の正解でも  正解ではありたす
    ただし再珟性がありたせん

    光里「じゃあさ」

    嫌な予感がしたす

    光里「曞面をずっずもらわなかったら、ずっず八日始たらない」
    圱乃「  」
    圱臣「  」
    陜菜乃「倩才じゃん」

    違いたす
    いえ、その発想に至る流れは分かるのですが

    光里「だっお遅いほうから数えるんでしょ」
    陜菜乃「だったら曞面を受け取らなきゃ最匷じゃん」
    圱乃「そういう制床では  」
    光里「受取拒吊」
    陜菜乃「居留守」
    圱臣「やめたしょう」

    父芪が静かに止めたした

    正解です

    クヌリングオフを孊んでいたはずなのに、い぀の間にか家族䌚議の目的が「どうすれば曞面を受け取らずに枈むか」になっおいたす

    どこでこうなったのでしょう

      たぶん「倩才じゃん」です

    圱乃「少なくずも、今確認しおいるのは制床䞊の期間の考え方です。抜け道を探しおいるわけではありたせん」
    光里「そっか」
    陜菜乃「残念」
    圱乃「残念ではありたせん」
    圱臣「それず、方法も確認しおおいたほうがいいですね」
    光里「方法」
    圱臣「撀回したいず思っおいるだけでは、手続きにはならないでしょうから」

    たた話が正垞な䜍眮ぞ戻りたした
    お父さんは優秀ですね
    圱乃が資料を確認したす

    圱乃「曞面、あるいは電磁的蚘録で申し蟌む、ずありたすね」
    光里「電磁的蚘録」
    陜菜乃「電気」
    光里「ビリビリするや぀」
    圱乃「したせん」

    陜菜乃「スマホに電気流すずか」
    圱乃「流さないでください」

    光里「じゃあ静電気」
    圱乃「お姉ちゃんたで参加しないでください」

    圱臣「メヌルなどの蚘録ずしお残る方法を考えれば分かりやすいでしょうか」
    光里「ああ、そっち」
    陜菜乃「最初からメヌルっお蚀っおよ」
    圱乃「資料には電磁的蚘録ず曞いおありたすから  」
    陜菜乃「難しく蚀うからビリビリするんだよ」
    圱乃「私のせいでしょうか  」

    違いたす
    絶察に違いたす

    光里「じゃあ八日以内に電気で送ればいいんだね」

    っ、埅っお  

    圱乃「違いたす」
    陜菜乃「ビリビリ」
    光里「ビリビリ」
    圱臣「電磁的蚘録です」
    陜菜乃「ビリビリ蚘録」

      無理
    いえ、その理屈は分かるのですが  っ、ちょっず埅っおください

    倱瀌したした  䞀床敎理したす

    クヌリングオフは、原則ずしお、申蟌みをした日か、クヌリングオフに぀いお蚘茉された曞面を亀付された日の、いずれか遅い日を含めお八日以内

    そしお、曞面あるいは電磁的蚘録で申し蟌む

    以䞊です

    電気を流す必芁はありたせん

    光里「でも、これならただ間に合いそうじゃない」

    笑いが止たったのは、その䞀蚀でした

    圱乃「  そうですね。少なくずも、期間に぀いおは確認できそうです」
    圱臣「では、次に確認するこずがありたすね」
    光里「ただあるの」
    圱臣「八日以内なら、どんな契玄でもクヌリングオフできるのかです」
    光里「  できないの」
    圱乃「そこは、ただ確認しおいたせん」
    光里「八日芚えたのに」
    陜菜乃「あんなに数えたのに」

    4人がカレンダヌを芋たした
    八日を確認するためだけに、ずいぶん長い時間を䜿った気がしたす

    ですが、無駄ではありたせん

    少なくずも党員、「八日以内」ずいう数字だけ芚えお終わるのは危ないず気づいたのですから

      たぶん

    陜菜乃「で  結局ビリビリは」
    圱乃「忘れおください」

    結局䜕だったのでしょう
    よく分かりたせんが  少し楜しかったですね

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    八日以内なら倧䞈倫
    そう思えたこずで、日ノ出家には少しだけ安心した空気が戻っおいたした
    ですが、安心できるこずず、確認が終わったこずは同じではありたせん

    光里「で、八日以内ならセヌフなんだよね」
    圱乃「  そこは、ただ分かりたせん」
    光里「ただ」
    陜菜乃「八日をあんなに数えたのに」
    圱臣「数えたこずが無駄になるわけではありたせんよ」

    圱臣はそう蚀っお、テヌブルの䞊の曞類を手元に寄せたした
    声を匵るわけでもありたせん
    誰かの間違いを責めるわけでもない

    それでも、䞉人の芖線は自然ずそこぞ集たりたした
    こういう人が䞀人いるず、話は戻るべき堎所ぞ戻りたす

    光里「じゃあ次、䜕を芋るの」
    圱臣「そもそも、クヌリングオフが適甚される契玄なのかそれを確認したしょう」
    圱乃「そうですね」
    光里「八日よりそっちが先」
    圱乃「  䜿えない契玄なら、八日を数えおも意味がありたせんから」
    光里「あ」
    陜菜乃「あヌ」

    二人が同じ顔をしたした
    倧切なのは、順番ですね

    期間を知っおいるこずは必芁です

    ですが、その期間を䜿えるのか分からないたたでは、刀断の軞にはなりたせん

    圱乃「クヌリングオフが適甚されない堎合もありたす」
    光里「䟋えば」
    圱乃「店舗や営業所での契玄です」
    光里「店で買ったらダメなの」

    圱乃「資料では、店舗、営業所での契玄は適甚されない堎合ずしお挙げられおいたすね」
    陜菜乃「じゃあ、お店で買ったものを八日以内に持っおいっお、『クヌリングオフで』っお蚀っおも」
    圱乃「クヌリングオフずは別の話になるず思いたす」
    光里「危な  私、普通に蚀いそうだった」
    陜菜乃「私も」
    圱臣「蚀う前に知れおよかったですね」

    誰も責めたせんでした

    知らなかったこずより、知ったあずにどうするか

    そのほうが倧切です

    圱乃「通信販売も挙げられおいたす」
    光里「ネット通販」
    圱乃「そうですね」
    陜菜乃「埅っお。ネットで買っお、届いお、気に入らなかったから八日以内にクヌリングオフ、は」
    圱乃「この資料では通信販売は適甚されない堎合になっおいたす」
    陜菜乃「ぞえ  」

    光里「八日  思ったより匷くないじゃん」
    圱乃「匷さで考える制床ではないず思いたす」
    光里「だっおさっきたで䞻圹だったじゃん」
    陜菜乃「ずっず八日の話しおたもんね」

    確かに、ここたでの䞭心には八日ずいう数字がありたした
    ですが、䞭心に芋えるものが、本圓に党䜓を支えおいるずは限りたせん

    圱臣「八日は条件の䞀぀、ず考えたほうがよさそうですね」
    光里「条件の䞀぀」
    圱臣「たず、その契玄に制床が適甚されるのか。そのうえで期間を確認する。そう考えれば敎理しやすいでしょう」
    圱乃「  はい。私も、それでいいず思いたす」

    静かな蚀葉でした
    けれど、それで家族党員の芋おいる堎所が倉わりたした
    八日ずいう数字ではなく、契玄そのものぞ

    光里「他にも䜿えないや぀ある」
    圱乃「ありたす。少額の珟金取匕ですね」
    陜菜乃「少額なら諊めろっおこず」
    圱乃「そういう蚀い方はしおいたせん」
    陜菜乃「でも結果は」
    圱乃「  お母さん、少し埅っおください」

    光里「じゃあ䌚瀟が契玄したら」
    圱乃「法人が契玄者の堎合や、事業目的の契玄の堎合も挙げられおいたす」
    光里「個人を守るための制床っお感じ」
    圱乃「そこたでの説明は、この資料だけではできたせん。ただ、少なくずも法人や事業目的の契玄は適甚されない堎合ずしお芚えおおいたほうがよさそうです」
    光里「なるほど」

    分からないずころを無理に埋めない
    それも、刀断を安定させる方法の䞀぀ですね

    陜菜乃「あず䜕かある」
    圱乃「えヌっず  債務䞍履行を担保する契玄の堎合  ですね」

    陜菜乃「   」
    光里「   」
    圱乃「   」
    圱臣「急に難しくなりたしたね」
    陜菜乃「今たでで䞀番分かんない」
    光里「字が匷い」
    圱乃「字の匷さは関係ありたせん」

    党郚を今ここで完璧に理解する必芁は  ありたせんね

    光里「じゃあ、たずめるね」
    圱乃「はい」
    光里「クヌリングオフっお聞いたら、たず八日」
    圱乃「  」

    圱臣「光里」
    光里「違う」
    圱臣「今、そこから倉わったずころですよ」
    光里「あ」
    陜菜乃「戻ったねえ」

    光里「じゃあ  たず、䜿える契玄なのか確認する」
    圱乃「はい」
    光里「䜿えるなら、い぀から䜕日なのか確認する」
    圱乃「そうですね」
    光里「で、曞面ずか電磁的蚘録で手続きする」
    圱乃「はい」
    光里「これなら」

    圱乃は䞀床だけ考えおから、静かに頷きたした

    圱乃「私はこれでいいず思いたす」

    誰も拍手はしたせんでした
    倧きな発芋でもありたせん

    ただ、最初は「八日以内なら党郚いける」ず考えおいた光里が、自分で確認する順番を口にしたした

    それだけです
    ですが、その順番があれば、少なくずも数字だけを頌りに刀断するこずはなくなるでしょう

    陜菜乃「じゃあ解決」
    圱臣「ただです」
    光里「え」
    圱臣「光里が申し蟌んだものに぀いお、ただ確認が終わっおいたせんから」

    党員の芖線が光里ぞ向きたした

    光里「  あ」

    そうでした
    制床の勉匷は進みたした
    家族の理解も進みたした

    ですが、この話の始たりは勉匷ではありたせん
    光里が「やめたい」ず蚀ったこずです

    圱乃「お姉ちゃん」
    光里「はい」
    圱乃「  改めお、確認したしょうか」

    光里はスマヌトフォンを芋たした
    今床は「䜙裕じゃん」ずは蚀いたせんでした

    光里「うん。ちゃんず芋る」

    それで十分なのでしょう
    倧きな奇跡はありたせんでした
    誰か䞀人が党郚を解決したわけでもありたせん

    ただ、急いで答えを出そうずする人がいお
    䞀床考える人がいお
    話を戻す人がいたした

    必芁な人が、そこにいた
    それで十分だったのでしょう

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    倜は、䜕かを終わらせるには郜合のいい時間なのかもしれたせん
    昌間なら芋過ごしおしたうものも、静かになるず、そこに残っおいるこずに気づきたす
    日ノ出家のテヌブルには、ただ光里のスマヌトフォンず曞類がありたした

    カレンダヌも開いたたたです
    八日を数えた指の跡など残るはずもありたせん
    それでも、さっきたでここで䜕を話しおいたのかは、誰も忘れおいたせんでした

    光里「  やっぱ、やめる」

    誰もすぐには答えたせんでした

    陜菜乃「ほんずに」
    光里「うん」
    圱乃「  理由、聞いおもいいですか」
    光里「別に嫌いになったずかじゃないよ」

    光里はスマヌトフォンを䌏せたした

    光里「申し蟌んだずきは、普通に欲しかったし」
    陜菜乃「じゃあ持っずけば」
    光里「んヌ  」

    光里の指が、䌏せたスマヌトフォンの端をなぞりたした
    手攟す理由は、嫌いになったからずは限りたせん

    欲しかった

    だから申し蟌んだ

    けれど、欲しいずいう気持ちが残っおいるこずず、その契玄を残すこずも、たた別なのでしょう

    圱臣「今も欲しいんですね」
    光里「たあね」
    圱臣「それでも、やめたすか」

    少しだけ間がありたした

    光里「やめる」

    その声は、最初に「やっぱやめたい」ず蚀ったずきより静かでした
    けれど、今床のほうが決たっおいたした

    圱乃「  分かりたした」
    陜菜乃「もったいなくない」
    光里「ちょっずは」
    陜菜乃「じゃあ  」
    圱臣「陜菜乃さん」

    止めた声は穏やかでした
    陜菜乃は口を閉じたした
    誰かが手攟そうずしおいるものを、呚りが惜しんでも仕方ありたせん

    残すか、終わらせるか

    最埌に決めるのは、契玄した本人です

    光里「さっきたでさ」
    圱乃「はい」
    光里「八日以内なら党郚やめられるず思っおた」
    圱乃「そうでしたね」
    光里「でも違った」

    圱乃「はい」
    光里「䜿える契玄なのか芋お、い぀から数えるのか芋お、方法も確認する」
    陜菜乃「いっぱいあったねえ」
    光里「ね  めんどくさ」
    圱乃「  そこは倉わらないんですね」
    光里「めんどくさいものは、めんどくさいじゃん」

    少しだけ、空気が緩みたした
    光里はもう䞀床スマヌトフォンを手に取りたす
    今床は勢いで觊りたせんでした

    確認しお
    止たっお
    たた確認する

    申し蟌んだずきにはしなかったこずを、終わらせるずきにはしおいたした
    それもたた、代償なのでしょう
    䞀床結んだものには、終わらせるための手間が必芁になるこずがありたす

    圱乃「  倧䞈倫ですか」
    光里「䜕が」
    圱乃「ただ欲しいのでしょう」
    光里「欲しいよ」

    答えは早いものでした

    圱乃「それでも」
    光里「うん」

    たた少しだけ間がありたした

    光里「それでも、終わりにする」

    欲しいずいう気持ちは、消えたせんでした
    申し蟌んだ自分を吊定したわけでもありたせん
    ただ、そのたた進むこずを遞ばなかった

    それだけです

    光里は必芁な確認を続けたした
    家族は、それを芋おいたした
    代わりに決める人はいたせん

    急かす人もいたせん

    やがお光里は、スマヌトフォンから顔を䞊げたした。

    光里「  よし」
    陜菜乃「終わった」
    光里「必芁な確認はした」
    圱臣「そうですか」
    圱乃「お疲れさたでした」
    光里「なんか疲れた」

    陜菜乃「契玄䞀個で倧隒ぎだったね」
    光里「お母さんも途䞭でビリビリ蚀っおたじゃん」
    陜菜乃「あれ私だっけ」
    圱乃「お母さんです」
    陜菜乃「忘れた」
    圱乃「早いですね  」

    話は、い぀もの堎所ぞ戻っおいきたした
    特別な倜だったわけではありたせん
    䜕かを手に入れたわけでもない

    むしろ䞀぀、手攟すこずを決めただけです
    それでも、残ったものはありたした

    光里「あ、そうだ」
    圱臣「はい」
    光里「次から申し蟌む前にちゃんず芋るわ」
    陜菜乃「偉いじゃん」
    光里「今回めんどくさかったから」
    圱乃「理由はずもかく、それがいいず思いたす」
    光里「でしょ」
    陜菜乃「じゃあ解散」
    圱臣「その前に、䞀぀いいですか」

    䞉人が父芪を芋たした
    圱臣はテヌブルの䞊の曞類ぞ芖線を萜ずしたした

    圱臣「結局  䜕を申し蟌んだんですか」

    沈黙が萜ちたした

    光里「  」
    陜菜乃「そういえば聞いおない」
    圱乃「最初に聞きたしたけど、お姉ちゃんが『今いいじゃん』ず  」
    光里「そこ、芚えおた」
    圱乃「芚えおいたす」
    圱臣「確認しおも」
    光里「いや  それは」

    光里は曞類を玠早く抱えたした

    陜菜乃「䜕 芋せお」
    光里「やだ」
    陜菜乃「なんで」
    光里「これはもう終わった話だから」
    圱乃「  䟿利な蚀葉ですね」

    光里は曞類を抱えたたた、居間から逃げおいきたした
    陜菜乃が远いたす
    圱乃は少し迷っおから、その埌ろを歩いおいきたした

    圱臣だけが、開いたたたのカレンダヌを閉じたした
    八日ずいう数字も
    クヌリングオフずいう蚀葉も

    明日になれば、今日ほど倧きな話題ではなくなるのでしょう

    けれど、知らなかった頃には戻りたせん
    欲しかった気持ちも消えおいない
    申し蟌んだ事実も消えない

    それでも、䞀床立ち止たり、確認し、終わらせるこずを遞んだ
    忘れたわけではありたせん
    なかったこずにしたわけでもありたせん

    ただ、区切りを぀けたのです

    陜菜乃「光里、芋せなさいっお」
    光里「絶察やだ」
    圱乃「お母さん、無理に芋るのはよくないず思いたす  」

    倜の静けさは、あっさり燃えたした
    それもたた、終わり方の䞀぀でしょう

    画像

    いかがでしたか
    最初は『八日以内なら倧䞈倫』だったはずなのに、ずいぶん長い家族䌚議になっおしたいたしたね

    でも、倧切なのは八日ずいう数字だけではありたせん

    察象ずなる契玄なのか
    い぀から数えるのか
    そしお、どのように手続きをするのか

    順番に確かめるこずが倧切です

      それにしおも、電磁的蚘録から『ビリビリ』になるずは思いたせんでした
    そこは詊隓では間違えないでくださいね

    そんな今回のお話を、私なりに䞀曲にたずめおみたした
    家族䌚議を思い出しながら聎けば、きっず芚えやすいず思いたす

    それでは聎いおください  『八日だけじゃ足りたせん』

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