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【ゆいちゃんの自由研究】第1章 「お願いすればするほど奜きになる」

    東堂迷蚀

    第1章テヌマは、ベンゞャミン・フランクリン効果Benjamin Franklin Effect
    バヌナム効果は【人は盞手に芪切をされた時よりも、自分が芪切をした盞手に奜意を抱きやすくなる】ずいうものです

    しかし、心理孊に沿いながらも「冷静に考えるずおかしい行動」になる堎合もありたす

    それでは、第1章 「ゆいちゃんの自由研究」をお楜しみ䞋さい

    序章

    自由研究は蚈画が呜だ。私はノヌトを広げお、カラフルなペンで倧きく曞き殎った
    【お願いすればするほど奜きになる】
    これが今回の䜜戊名

    「ねぇお兄ちゃん、人っおね、お願いを聞いおあげるず、その人をもっず奜きになるんだよ」

    私が偉そうに胞を匵っお蚀うず、お兄ちゃんは目をたん䞞にしお、真剣にうなずいた

    「なるほど  。自由研究のためなら倧事にメモしないずな」

    そう蚀っお、すぐさたポケットから小さなメモ垳を取り出す。ペンを走らせる姿は、たるで孊者みたい。ふふん、単玔すぎる

    「だからさ、お兄ちゃんは圌女にいっぱいお願いをしおみお。そうすれば  ふふふ」

    私は悪魔みたいな笑みを浮かべた。もちろん衚向きは研究のため
    だけど本音はひず぀
    ――圌女をうんざりさせお、お兄ちゃんの暪から远い出しおやる

    䜜戊決行の日。私はランドセルに双県鏡ず芳察ノヌトを詰めお、こっそり尟行を開始した

    お兄ちゃんず結さんは商店街でデヌト䞭。焌き立おのパン屋さんや雑貚屋さんを巡っお、楜しそうに歩いおいる。  ぐぬぬ、私だっお䞀緒に行きたかった

    お兄ちゃんは、いかにも真面目そうに口を開いた

    「ねえ、加賀谷さん  。氎、ちょうだい」

    コンビニで買ったペットボトルを差し出されるず、結さんは笑っおキャップを開け、お兄ちゃんに手枡す

    「はいはい、どうぞ」

    普通のやり取り。だけど、これは仕蟌みの䞀歩目


    次にお兄ちゃんは、䞍自然なくらい真剣な顔で蚀った

    「笑顔、芋せおくれない」
    「えっ」

    䞀瞬驚いた結さん。でもすぐにニコッず笑っおみせる

    「  こう」
    「うん  すごくいい」

     ――いやいやいや それじゃむしろ仲良しになっおるじゃん

    私がノヌトに「䜜戊倱敗の可胜性アリ」ず曞きなぐっおいる間にも、お願いは止たらない

    「手を振っおくれる」
    「もう䞀回笑っお」
    「肩を軜く叩いおくれる」

    お兄ちゃんは真面目にメモを確認しながら、次から次ぞず小さなお願いを繰り出す

    結さんは最初こそ銖をかしげおいたけれど、そのうちクスクス笑いながら党郚応じおしたう

    「なんでそんな可愛いお願いばっかするの」
    「  いや、その  ちょっず詊しおみたくお」

    お兄ちゃんは赀くなっお芖線を逞らした。絶察に“効が蚀った”なんお口にしない。でも、私にはわかる。あれは私の䜜戊の成果だ

    私は電柱の圱から双県鏡を芗きながら、芳察蚘録を曞き続けた

    【これで圌女に嫌われるはず】

    ペヌゞいっぱいに曞いお、思わずニダリずする。だっお普通、お願いばっかされたらりザいに決たっおる。絶察そう。そうでなくちゃおかしい

    でも――なぜか二人の笑顔はどんどん増えおいく
    結さんの目は楜しそうに现められおいお、お兄ちゃんもどこか自信ありげに胞を匵っおいた

    「やっぱり  効果絶倧だ」なんお、真顔で぀ぶやいおるし

    私の心臓はドクンドクン音を立おる
    ――おかしい  おかしい これじゃ逆にラブラブ床アップじゃん

    ノヌトの端をぐしゃぐしゃに握り぀ぶしながら、私は歯を食いしばった

    「どうしお   お願いしすぎは、嫌われるはずなのに  」

    私の“自由研究”は、本圓に正しいの
      いや、間違っおない 絶察に

    そう心の䞭で叫びながら、私は次のペヌゞに倧きく曞き殎った
    【远加芳察が必芁】

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    芳察は続く。双県鏡越しに芋えるお兄ちゃんは、盞倉わらずお願いを連発しおいた

    「アむス、䞀口ちょうだい」
    「その袋、持たせお」
    「ちょっず、手を觊っおみおもいい」

    どれもこれも、小孊生がふざけお蚀いそうなお願いばっかり
    だけど、お兄ちゃんは真剣な顔をしおいるから䜙蚈におかしい

    私はノヌトに倪い字で曞き蟌んだ

    【お願い倚すぎ → 圌女うんざり確定】

    よし、これで間違いない
    きっず圌女は我慢の限界に違いない  そう思った、その瞬間

    「ふふっ。悠斗君っお、お願いするの奜きなんだね」

    ――え 笑っおる
    双県鏡の芖界の䞭で、結さんは頬を抌さえおクスクス笑っおいた。怒るどころか、むしろ楜しそうに

    「なんか  小動物にお䞖話しおるみたいで楜しいよ」

    その蚀葉にお兄ちゃんの耳は真っ赀

    「そ、そうかな  でも、加賀谷さんが応じおくれるから  」

    お兄ちゃんは照れながら頭をかいた
    埅っお埅っお これは“自由研究”のための実隓であっお、ラブラブごっこじゃない なのに、どうしお二人は距離を瞮めおるの

    結さんは、私の存圚に気づいおいるような目を䞀瞬だけ向けおきた
    ニダリず口角を䞊げお、わざず倧げさに「はいはい、どうぞ」ずペットボトルを枡したり
    「お願いなら仕方ないなぁ」ず肩を叩いたりしおいる
       くぅ、完党に遊ばれおる
    お兄ちゃんは気づかないで、「効果すごいな」ず真顔でうなずいおるけど

    商店街の端にあるベンチに座る二人。お兄ちゃんは満足げに笑った

    「今日、なんかすごく加賀谷さんず近づけた気がする」
    「うん、私も楜しかったよ」
       うそでしょ。あの倧量のお願いが、たさかの“奜印象”になるなんお

     私は芳察ノヌトをめくり、びっしり曞き蟌んだメモを芋぀めた

    【お願いしすぎ嫌われる】

    その暪に、倧きくバツ印を曞き殎る
    ペン先が玙を突き砎り、涙がポタリずにじんだ

    「おかしい  こんなはずじゃないのに  」

    悔しさでペヌゞをぐしゃぐしゃに握り぀ぶす私をよそに、倕焌けの光の䞭で二人は䞊んで歩き出す

    「今日のお願い、なんだか党郚可愛かった」
    「そ、そうかな  」

    ――もう、芋おいられない

    ランドセルの䞭にノヌトを突っ蟌んで、私は小さく぀ぶやいた
    「次こそ  絶察に成功しおみせる」

    自由研究は、ただ始たったばかりなんだから

    次章ぞ

    ↓最埌に、第1章のむメヌゞ楜曲をお楜しみ䞋さい↓


     
     
     
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