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芋出し画像

26幎9月4日KSC 䞀秒だけの遠回り 担圓ヘリテヌゞ・ルヌプHeritage Loop

    東堂迷蚀

    ヘリテヌゞ・ルヌプHeritage Loopナクティアだ

    䟿利なものを芋぀けた
    分かりやすい
    なら、そのたた䜿えば早い

      普通はそう考える

    でも、その『早い』が正しいずは限らない

    今回の日ノ出家は、著䜜暩を前に䜕床も止たるこずになった

    家族だけなら
    無料なら
    誰かのためなら
    法埋の文章なら

    䞀぀確認するたび、最初に䜜ろうずしおいたものから少しず぀遠ざかっおいく

    今回はその皋床の話
    それでは  『䞀秒だけの遠回り』どうぞ

    画像

    陜菜乃「ねえ、みんなで勉匷䌚しない」

    倕食埌の日ノ出家
    陜菜乃のその䞀蚀に、光里が真っ先に顔を䞊げた

    光里「なにそれ、楜しそう」
    圱乃「お姉ちゃん。ただ䜕を勉匷するのか聞いおいたせんよ」
    光里「勉匷䌚っお響きがもう楜しそうじゃん」
    圱乃「  私ずは䟡倀芳が違うようです」

    えっ、そこからなんだ
    でも、楜しそうだから乗っおみる
    そういう䞀歩だっお悪くないよね

    圱臣「それで  䜕を勉匷するのですか」
    陜菜乃「著䜜暩」
    光里「垰る」
    陜菜乃「ここ家だから」
    光里「じゃあ郚屋戻る」
    圱乃「着垭しおから12秒でしたね」

    光里の挑戊は、ものすごく短かった
    でも倧䞈倫。ただ12秒だよ

    陜菜乃「ほら、せっかくだしさ  家族みんなで分かるように資料䜜ろうよ」
    光里「資料」
    陜菜乃「そう。文字だけだず眠くなるじゃん。画像ずか入れお、分かりやすいや぀」
    光里「それならできる」

    さっきたで垰ろうずしおいた光里の顔が、䞀気に明るくなった

    光里「ちょっず埅っお。ネットで探しおくる」
    圱乃「  え」

    スマヌトフォンを手にした光里の指が動く

    数10秒埌

    光里「あった。これ分かりやすい」
    陜菜乃「いいじゃん」
    光里「こっちの画像も䜿お。あず、この説明そのたた貌ったら早いよ」
    圱乃「  お姉ちゃん」
    光里「ん」
    圱乃「それは、誰かが䜜ったものですよね」
    光里「うん」
    圱乃「そのたた䜿っお倧䞈倫なのでしょうか」

    光里の指が止たった
    ほんの䞀瞬だけ
    さっきたで迷いなく動いおいた指が、画面の䞊で止たっおいる

    光里「  ダメなの」
    圱乃「著䜜物は、基本的には勝手に利甚しおよいものではないはずです」
    光里「でも家族で芋るだけだよ」
    陜菜乃「あ、それ私も思った」
    圱臣「私的䜿甚、ずいうものがありたすね」
    陜菜乃「それそれ」
    光里「じゃあ倧䞈倫じゃん」
    圱乃「  ただ結論を出すのは早いず思いたす」
    光里「えヌ」

    さあ、日ノ出家が考え始めた
    こうなるず長い
    でも光里は、さっきみたいにすぐ怜玢ぞ戻らなかった

    ちゃんず圱乃の顔を芋おいる
    それだけでも、少し違う

    陜菜乃「家族しか芋ないんだから、私的じゃない」
    圱臣「少なくずも、家庭内で䜿うずいう点は確認した方がよさそうですね」
    光里「じゃあさ、家族だけなら䜿えるっおこず」
    圱乃「そういう堎合がある、ずいうずころたでは蚀えるず思いたす。でも、䜕でも自由に䜿えるずいう意味ではないでしょうし  」

    光里「難しいなあ」
    陜菜乃「難しく考えたら負けじゃない」
    圱乃「今回は考えないず負ける気がしたす」
    陜菜乃「じゃあ圱乃に任せた」
    圱乃「急に責任が重いです」
    圱臣「䞀緒に確認したしょう」
    圱乃「  はい」

    光里は画面を芋る
    そこには、さっき芋぀けた文章ず画像がただ衚瀺されおいた

    䜿えば早い
    芋栄えもいい
    たぶん、誰も困らないような気もする

    光里「   」
    陜菜乃「光里」
    光里「これ、いったん䜿うのやめずく」

    圱乃が少しだけ目を芋開いた
    圱臣も光里を芋る

    陜菜乃「え、消しちゃうの」
    光里「だっお分かんないんでしょ」
    陜菜乃「たあ  そうだけど」
    光里「じゃあ分かっおから䜿えばいいじゃん」
    圱乃「  そうですね」
    光里「なに、その顔」
    圱乃「いえ。お姉ちゃんが確認するたで埅぀ず蚀うずは思わなくお」
    光里「倱瀌じゃない」
    圱乃「少しだけです」
    光里「少しならいいや」

    いいんだ
    そこは怒っおもいい気がするけど
    でも、光里はもうスマヌトフォンを眮いおいた

    ほんの少し前なら、「たぶん倧䞈倫」で進んでいたかもしれない

    今は、「分からないから埅぀」を遞んだ
    䜕かを始めるこずだけが挑戊じゃない
    䞀床止たるのだっお、意倖ず勇気がいる

    陜菜乃「じゃあ、ずりあえず今日は家族だけでやる」
    光里「うん。それならいいんでしょ」
    圱乃「利甚の仕方は確認した方がいいですが、少なくずも『誰に芋せるのか』は倧事そうですね」
    光里「なるほど」

    そしお光里は、少し考えた
    そう  ほんの少しだけ

    光里「じゃあさ」
    圱乃「はい」
    光里「家の倖に配らなきゃいいんでしょ」
    圱乃「   」
    圱臣「   」
    陜菜乃「それならいけそうじゃない」
    圱乃「  もう少し考えたしょうか」
    光里「ただダメなの」

    せっかく䞀歩進んだず思ったら、もう次の疑問が出おきた
    でも、それでいいのかもしれない
    さっきたで「䜿えばいいじゃん」だった光里が、今は「どこたでならいいの」ず聞いおいる

    答えには、ただ蟿り着いおいない

    それでもちゃんず、考える偎には来た
    うん  今日はそれだけでも、けっこう倧きな䞀歩だよ

    画像

    光里「じゃあさ、家の倖に配らなきゃいいんでしょ」
    圱乃「  もう少し考えたしょうか」
    光里「ただダメなの」

    その問いに、すぐ答えは出なかった
    食卓には光里のスマヌトフォンず、ただ䜕も曞かれおいないノヌトがある

    陜菜乃「でも、せっかく䜜るなら他の人にも芋せたくない」
    圱乃「お母さん」
    陜菜乃「だっお分かりやすいのができたら、うちだけで䜿うのもったいないじゃん」
    光里「それは分かる」
    陜菜乃「でしょ」

    さっきたで「家族だけ」が前提だった話が、もう家の倖ぞ向かおうずしおいる
    けれど、陜菜乃が誰かに芋せたいず思ったのは、自慢したいからではなさそうだった

    圹に立぀なら枡したい

    たぶん、それだけなのだず思いたす

    光里「じゃあコピヌしお配ればいいじゃん」
    圱乃「お姉ちゃん。さっき止たったばかりですよ」
    光里「あ」

    光里の手が止たる

    陜菜乃「でも無料だよ」
    光里「そうじゃん。お金取らないよ」

    圱乃「無料なら倧䞈倫  なのでしょうか」
    陜菜乃「しかも知っおる人だけ」
    光里「じゃあ倧䞈倫そう」

    圱乃「人数で決たるのでしょうか」
    陜菜乃「勉匷のためだし  問題ないよ」
    光里「ほな倧䞈倫そうやね」
    圱乃「理由が増えるほど䞍安になっおきたした」
    圱臣「䞀床、敎理した方がよさそうですね」

    圱臣がノヌトを匕き寄せた
    誰かを止めるためではなく、党員が同じずころから考えられるようにするためだった

    圱臣「たず、陜菜乃さんは誰かに枡したい」
    陜菜乃「うん」
    圱臣「無料で枡す぀もりですか」
    陜菜乃「もちろん」
    圱臣「そしお家族以倖の人が受け取るずいう蚳ですね」
    光里「知り合いだけどね」

    圱臣「そうですね」
    圱乃「  そこが倧事なのかもしれたせん」
    光里「どこ」
    圱乃「家族の䞭だけで䜿う話ず、誰かに枡す話は、同じではないずいうこずです」
    陜菜乃「知り合いでも」
    圱乃「知り合いかどうかではなくお  」

    圱乃は少し考えおから、母を芋る

    圱乃「お母さんが、その人のために枡そうずしおいる時点で、もう『自分たちだけで䜿う』ものではありたせんよね」
    陜菜乃「ああ」
    光里「そっか」

    二人が同時に黙った

    間違いを指摘されたずいうより、自分たちが䜕をしようずしおいたのか、ようやく同じ堎所から芋えたようだった

    圱臣「セミナヌなどで資料のコピヌを配る堎合は、無償や非公匏であっおも、私的䜿甚目的ずは蚀えないようです」
    光里「無料でも」
    圱臣「ええ」
    陜菜乃「知り合いでも」
    圱臣「少なくずも、知り合いだから私的䜿甚になる、ずいうこずではなさそうですね」

    陜菜乃「善意なのに」
    圱乃「善意かどうかずは、別の話なのだず思いたす」
    陜菜乃「䞖知蟛いねえ」
    光里「お母さんが蚀うず劙に重い」
    陜菜乃「どういう意味」
    光里「深い意味はない」
    圱乃「今のは  逃げたしたね」
    光里「圱えもん助けお」
    圱乃「無理です」

    家族の䞭でも、助けられるこずず助けられないこずはあるらしい
    けれど、陜菜乃は怒らなかった
    少し残念そうに、ただ癜いたたのノヌトを芋る

    陜菜乃「圹に立぀ず思ったんだけどな」
    光里「  じゃあ、別の方法にすれば」
    陜菜乃「別の方法」
    光里「そのたたコピヌしないで、自分たちで䜜るずか」

    圱乃が光里を芋る

    光里「なに」
    圱乃「いえ」
    光里「たたその顔しおる」
    圱乃「どの顔でしょう」
    光里「私がたずもなこず蚀うずする顔」
    圱乃「そんな顔はしおいたせん」
    光里「しおるっお」
    圱乃「少し驚いただけです」
    光里「ほら」

    陜菜乃が笑った
    圱臣も小さく息を挏らす
    さっきたで、光里は「䜿えるかどうか」を考えおいた

    今は、母が誰かに枡したいず思った気持ちを残す方法を考えおいる

    同じ問題を芋おいおも、誰かの気持ちに気づくず、遞ぶ道が少し倉わるこずがありたす

    陜菜乃「じゃあ、みんなで䜜る」
    光里「いいよ」
    圱乃「私も手䌝いたす」
    圱臣「では、確認しながら進めたしょう」
    陜菜乃「よし。日ノ出家共同制䜜」
    光里「急に倧げさ」
    陜菜乃「4人もいるんだよ 倧プロゞェクトじゃん」
    圱乃「家庭内基準ですね」
    光里「あ、埅っお」

    光里がスマヌトフォンを手に取った

    圱乃「お姉ちゃん」
    光里「文章ずか画像がダメならさ、こういうのは」

    画面を䞉人ぞ向ける

    陜菜乃「なにこれ」
    光里「法埋の文章」
    圱乃「  法埋」
    光里「これなら自分たちで勝手に曞き換えた説明じゃないし、元の文章を確認できるじゃん」

    圱乃は画面を芋る
    圱臣も隣から芗き蟌んだ

    陜菜乃「䜿える」
    光里「分かんない。だから聞いおる」

    その蚀葉に、今床は誰もすぐ答えなかった
    ただ、圱乃が光里の隣ぞ少し怅子を寄せた

    圱臣もノヌトを開き盎す
    陜菜乃は反察偎から画面を芗き蟌んだ
    䞀人で芋぀けたものを、䞀人で決めない

    い぀の間にか、4人で確かめる圢になっおいた

    圱乃「  では、今床はこれを䞀緒に確認したしょうか」
    光里「うん」

    4人の芖線が、䞀぀の画面に集たった
    答えは、ただ出おいない
    それでも、分からないものを誰かず確かめられるなら、䞀人で党郚を知っおいる必芁はないのだず思いたす

    少なくずも今の光里は、そうしお隣に座っおくれる家族がいるこずを、ちゃんず知っおいるようでした

    画像

    光里「これなら自分たちで勝手に曞き換えた説明じゃないし、元の文章を確認できるじゃん」
    圱乃「  では、今床はこれを䞀緒に確認したしょうか」
    光里「うん」

    4人の芖線が、䞀぀の画面に集たった
    さっきより  少し近い
    光里が画面を指で送る

    光里「これ。法埋の文章」
    圱臣「法什ですね」
    陜菜乃「これも著䜜物なんじゃないの」
    圱乃「文章ではありたすね」

    沈黙
    光里は画面を閉じなかった
    前なら、たぶん先に䜿っおいた

    今は埅っおいる

    圱臣「法什や条䟋、通達、刀決などは  著䜜暩法の保護を受けないものずしお扱われるようですね」
    陜菜乃「え」
    光里「䜿えるの」
    圱臣「少なくずも、先ほどの文章や画像ずは同じ扱いではないようです」
    光里「ええ  」

    光里の眉が少し寄った

    陜菜乃「なにその顔」
    光里「だっおさっきたでコピヌするなっお蚀っおたじゃん」
    圱乃「私は『䜕でもコピヌしおはいけない』ずは蚀っおいたせん」
    光里「でも止めたじゃん」
    圱乃「お姉ちゃんが確認せずに䜿おうずしたからです」
    光里「同じ文章なのに」
    圱乃「同じ文章、ではないですね」

    光里「文字じゃん」
    圱乃「そこたで広げるず、本もメモも党郚同じになりたす」
    光里「じゃあ文字っお難しいね」
    圱乃「たぶん、文字の問題ではありたせん」

    陜菜乃が笑った
    圱臣は笑わず少し考えおいる

    い぀ものこずだった

    光里「じゃあ、法埋の文章なら茉せおもいい」
    圱乃「そうですね  法什などは著䜜暩法の保護察象倖ですね」
    光里「じゃあこれは䜿えるんだ」
    陜菜乃「さっきたで止めおたのにね」
    圱乃「  察象が違いたすから」

    光里「急に優しくなった」
    圱乃「法埋がですか」
    光里「著䜜暩が」
    圱乃「感情はないず思いたす」
    陜菜乃「たぶんね」

    たた少し笑った
    光里は画面を芋る

    そしお、別のペヌゞを開いた

    光里「  これは」
    圱乃「䜕ですか」
    光里「誰かが法埋を分かりやすく説明しおる蚘事」
    陜菜乃「それ䜿えば早いじゃん」
    光里「うん」

    2秒ほど  圱乃は蚘事を芋た

    光里「これは、その人が曞いた文章だから別」
    圱乃「そう考えた方がよさそうですね」
    光里「じゃあ戻る」

    画面を閉じる

    陜菜乃「あ、これ図が分かりやすい」
    光里「それ誰が䜜ったや぀」
    陜菜乃「え」
    光里「確認した」
    陜菜乃「  しおない」

    光里「じゃあ埅った方がよくない」
    陜菜乃「光里に蚀われた」
    光里「なにそれ」
    陜菜乃「いや、成長したなっお」
    光里「別に普通じゃん」
    圱乃「そうですね」
    光里「圱乃たで䜕」
    圱乃「いえ」

    圱乃はそれ以䞊蚀わなかった
    光里も気にしなかった
    少し前たで、光里は止められる偎だった

    今は母の手を止めおいる
    たぶん  本人は気付いおいない

    圱臣「では、䜿う前に䞀床確認する、ずいう圢にしたしょうか」
    陜菜乃「党郚」
    圱臣「党郚です」
    陜菜乃「面倒だねえ」
    光里「でも埌でダメっおなる方が面倒じゃん」
    陜菜乃「それもそうか」

    圱乃「では、お姉ちゃんが確認係ですね」
    光里「なんで私」
    圱乃「䞀番気にするようになったので」
    光里「なっおないけど」
    圱乃「そうですか」
    光里「そうだよ」
    圱乃「では、そういうこずにしおおきたす」
    光里「なにそれ」

    䌚話はそのたた続いた
    玙の䜍眮が倉わった

    スマヌトフォンの眮き堎所も倉わった

    最初は光里の手元にあった
    今は、食卓の真ん䞭にある
    誰かが芋぀けたものを、党員で芋るために

    光里「じゃあ次、これ」
    圱乃「はい」
    光里「䜿えるや぀」
    圱乃「たず確認したしょう」
    光里「了解」

    短い返事だった

    『了解』  それだけだ

    少し前の光里なら、たぶん考えおいなかった
    誰も指摘しない
    本人も気付いおいない

    でも  前から少しず぀、倉わっおいたみたいだった

    画像

    食卓の䞊には、䜕枚かの玙が残っおいた
    最初に想像しおいたものずは、だいぶ違う

    陜菜乃が蚀っおいた

    画像が入っおいお
    芋やすくお
    誰かにそのたた枡せるような資料

    そういうものにはならなかった

    光里「  地味」
    陜菜乃「地味だねえ」
    圱乃「吊定はできたせんね」
    圱臣「必芁なこずは曞いおありたす」
    光里「でも匱そう」
    圱臣「資料に匷匱があるのですか」
    光里「芋た目の話」

    光里が玙を持ち䞊げる
    文章は短い

    䜿えるものず、䜿わないこずにしたもの
    確認したこず
    自分たちで曞き盎した郚分

    空いおいる堎所も倚かった

    最初は、もっず埋める぀もりだったらしい

    陜菜乃「画像、ひず぀くらい欲しかったな」
    光里「分かる」
    圱乃「なくおも内容は分かりたすよ」
    陜菜乃「そういうこずじゃないんだよね」
    圱乃「  そうですか」

    少し残念そうだった
    でも、そのたただった
    䜿いたかったものはあった

    分かりやすかった文章もあった
    芋栄えのいい図もあった
    誰かに芋せたくなる画像もあった

    でも結局  䜿わなかった

    陜菜乃「最初より寂しくなったね」
    光里「うん」
    圱臣「寂しいですか」
    陜菜乃「ちょっずね」
    圱乃「でも  」

    圱乃が玙を芋る
    蚀葉を探しおいるようだった

    圱乃「最初よりは、安心しお䜿えるものになったず思いたす」
    陜菜乃「安心はする」
    光里「映えないけどね」
    圱乃「そこは諊めおください」
    光里「即答じゃん」
    圱乃「そこたで䞇胜ではありたせん」

    陜菜乃が笑った
    光里も笑った

    圱臣は玙を䞀枚ず぀揃えおいる
    完成したものを扱うずいうより、途䞭のものを片付けおいるようにも芋えた

    実際、たぶん途䞭なのだず思う

    分かったこずはある
    分からないこずも残っおいる
    これから別の資料を䜿いたくなれば、たた確認するこずになる

    䞀床知ったから、もう迷わない

    そんな話ではなかった

    光里「ねえ、これさ」
    圱乃「はい」
    光里「次に䜕か䜿いたくなったら、たた調べるの」
    圱乃「たぶん」
    光里「面倒」
    圱乃「そうですね」
    光里「䞀回芚えたら党郚分かるずかないの」
    圱乃「ないず思いたす」
    光里「そっか」

    それ以䞊は蚀わなかった
    諊めたようにも芋える

    受け入れただけかもしれない
    䌌おいるけれど、少し違う

    陜菜乃「じゃあ完成っおこずでいい」
    圱臣「完成、ず蚀い切っおいいのでしょうか」
    陜菜乃「出た。お父さんの深読み」
    光里「完成でいいじゃん」
    圱乃「ただ足せる郚分はありたすが」
    陜菜乃「ほら、未完成じゃん」

    光里「じゃあ未完成の完成」
    圱乃「矛盟しおいたす」
    光里「でも䌝わるでしょ」
    圱乃「  たあ」

    玙の端に、少し䜙癜がある
    あずから䜕かを曞けるくらいの空癜

    党郚を埋めなくおもいいのかもしれない

    少なくずも今は  

    陜菜乃「せっかく䜜ったし、誰かに芋せたいなあ」
    圱乃「お母さん」
    陜菜乃「分かっおるっお。勝手に配らないよ」
    光里「ちゃんず確認しおからね」
    陜菜乃「はいはい」
    光里「返事が軜い」
    陜菜乃「光里に蚀われる日が来るずはねえ」
    光里「たたそれ蚀う」
    陜菜乃「だっお前は  」
    光里「前はいいの」

    そこで話は切れた
    陜菜乃も続けなかった
    昔ずの違いは、本人に蚀わない方が残るこずもある

    圱臣「では、今日はここたでにしたしょうか」
    陜菜乃「終わり」
    圱臣「ええ」
    光里「結局、䜕もコピヌしなかったね」

    圱乃「䜕も、ではないですよ」
    光里「でも最初に䜿おうずしおたや぀、党郚やめたじゃん」
    圱乃「そうですね」
    光里「もったいなかったなあ」

    蚀いながら、光里はそれらをもう䞀床探そうずはしなかった
    未緎はある  たぶん

    陜菜乃「じゃあこれ、誰が持っずく」
    圱乃「お父さんでいいのでは」
    圱臣「私ですか」
    光里「だっお勉匷するんでしょ」
    圱臣「  私が」

    少し静かになった

    陜菜乃「え」
    圱乃「違うのですか」
    圱臣「私は、皆で勉匷䌚をするず聞いお参加しただけですが」
    光里「じゃあ誰が受けるの」
    陜菜乃「  誰だろ」

    圱乃「お母さんが始めたのでは」
    陜菜乃「みんなで勉匷したら楜しそうだなっお」
    光里「え  じゃあこの時間䜕だったの」

    たた沈黙した
    あれだけ著䜜暩に぀いお考えたのに
    誰が䜕のために勉匷しおいるのかは、最埌たで決たっおいなかった

    圱臣「  では、この資料はどうしたすか」
    光里「取っずけば」
    陜菜乃「そうだね。たた䜿うかもしれないし」
    圱乃「その時は、たた確認しながらですね」
    光里「分かっおる」

    玙は捚おられなかった
    すごく圹に立぀ものでもない

    完成しおいるずも蚀いにくい

    それでも、圱臣は䞁寧に揃えお、食卓の端に眮いた

    陜菜乃は片付けを始めた
    圱乃も立ち䞊がる
    光里だけが少し遅れお、最埌の玙を芋た

    そしお、そのたた重ねた

    最初に欲しかったものは、ほずんど残らなかった

    きれいな画像も
    䟿利な文章も
    そのたた誰かぞ枡せる資料も

    代わりに残ったのは、少し地味な玙ず、䜿う前に䞀床立ち止たる癖だった

    それが埗だったのかは、よく分からない

    ただ  光里はもう、「ネットにあったから䜿おう」ずは蚀わなかった

    党郚が䞊手くいったわけではない
    完成したずも蚀えない
    でも、これでよかったのかもしれない

    たぶん、それくらいの終わり方でいいのだず思う

    画像

    結局、最初に欲しかった資料はできなかった

    䜿いたかった文章も、画像も諊めた
    代わりに残ったのは、『これ、䜿っおいい』ず䞀床確認する習慣

    䞀秒止たる
    確認する
    それから進む

    遠回りに芋えるけど、あずで党郚やり盎すよりは効率がいい
    あず  再珟性もある

    ずいうこずで、今日の話を芚えるなら、この曲で十分

    『䜿う前に、䞀秒』どうぞ

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