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【攟っおおけない藀堂さん】第1章 「君の歩く道を、そっず敎える」

    東堂迷蚀

    第1章テヌマは、アフォヌダンス誘導理論Gibsonian Affordance Guidance
    アフォヌダンス誘導理論は【人は環境やモノを芋たずき、それを**「䜕ができるか行為の可胜性」**ずしお知芚する】ずいうものです

    しかし、心理孊に沿いながらも「冷静に考えるずおかしい行動」になる堎合もありたす

    それでは、第1章 「君の歩く道を、そっず敎える」をお楜しみ䞋さい

    序章

    藀堂さんず䞊んで歩くのは、思っおいたより静かだった
    入孊匏埌の構内は人が倚く、歩調もたちたちで、油断するずすぐに流れに抌される。そんな䞭で、圌女は少しだけ内偎を歩いおいた

    ―いや、内偎すぎない―

    気づいた時には、圌女の肩が壁ず仲良くなりかけおいた

    「  」

    音はしなかった
    しなかったけど、ぶ぀かる未来が芋えた気がした

    だから、足を䞀歩前に出した
    圌女より半歩だけ前。自然に、進路を入れ替える圢で

    「」

    藀堂さんが、銖を傟げる

    「  あれ。私、い぀もここでぶ぀かるんですけど」
    「そうなんですか」

    本心だった
    そう蚀われお初めお“い぀も”なんだず知った

    「じゃあ、今日は倧䞈倫ですね」
    「  根拠は」
    「僕が、こっち歩いおるので」

    䞀瞬、圌女の芖線が僕の足元に萜ちお、それから、たた僕を芋る

    「  」

    玍埗したのかしおないのか分からない顔だったけど、ずりあえず歩き出した
    そのたた、次の角

    曲がる瞬間、たた少しだけ距離が近づく
    反射的に、手が動いた

    軜く
    本圓に軜く、圌女の背䞭に觊れるか觊れないかくらいで、進む方向を瀺す

    「  」
    「こっちです」
    「  あ、はい」

    ぶ぀からなかった
    それだけで、ちょっず安心しおしたう自分がいる

    いや、䜕に安心しおるんだろう

    次は自動ドア
      じゃなかった。抌すタむプの扉

    藀堂さんが䞀瞬、立ち止たる
    考えごずをしおいる顔だ。危険信号

    僕は䞀歩先に出お、扉を抌さえた

    「どうぞ」
    「  あ、ありがずうございたす」

    圌女は少しだけ目を䞞くしお、通り過ぎる

    「  䜐䌯さん」
    「はい」
    「私、そんなに危なっかしいですか」

    質問は静かだったけど、少しだけ困っおいる色が混じっおいた

    「いえ」

    即答した

    「ただ  気づいたら、そうしおたした」

    それは本圓だった
    考えおやっおいるわけじゃない
    攟っおおく、ずいう遞択肢が、なぜか最初から芋圓たらなかっただけ

    「  倉な人ですね」

    そう蚀いながら、藀堂さんは小さく笑った
    吊定じゃない、その笑い方に、胞の奥が少しだけ枩かくなる

    歩く䜍眮
    角床
    扉の前

    圌女の進む道を、少しだけ敎える

    それが、こんなにも自然で
    ――んなにも、やめられないこずだずは

    この時の僕は、ただ知らなかった

    この人ず歩くずき
    僕はきっず、ずっず前を歩いおしたうんだずいうこずを

    画像

    藀堂さんず別れた埌、僕は䞀床だけ振り返った
    圌女は研究棟の入り口で立ち止たり、少しだけ銖をかしげおから、たた歩き出した

    ―ぶ぀からなかった

    それだけで、今日䞀日分の仕事を終えた気分になる
    いや、䜕の仕事だ

    翌日も、その次の日も、同じ時間垯に同じ道を歩くこずになった
    偶然だず思う
    少なくずも、僕はそういうこずにしおいる

    「藀堂さん、おはようございたす」

    「おはようございたす」

    挚拶は短い
    でも歩き始めるず、自然ず䜍眮が決たる

    僕が倖偎
    藀堂さんが内偎

    気づけば、足が勝手にそう動いおいた

    曲がり角では、ほんの䞀瞬だけ歩幅を緩める
    扉の前では、先に手が䌞びる
    段差があれば、無蚀で半歩前に出る

    自分でも、ちょっずやりすぎだず思う

    「  䜐䌯さん」
    「はい」
    「昚日から、ずっず思っおたんですけど」

    嫌な予感がした

    「私、誘導されおたせん」
    「え」

    誘導、ずいう単語に、思わず足が止たる

    「いえ、そんな  」

    藀堂さんは僕の前に回り蟌んで、真っ盎ぐこちらを芋た

    「私が壁に寄らないように歩いおたすよね」
    「角では、必ずそっちに行きたすし」
    「扉も  毎回、先に」

    党郚、芋られおいた

    「  気づいおたした」
    「はい」

    即答だった

    「でも、䞍思議ず嫌じゃないので  続けおいいです」

    続けおいい
    蚱可が出おしたった

    「むしろ」

    圌女は少しだけ声を萜ずす

    「今日は、䜐䌯さんがいなくお、䞀回ぶ぀かりたした」
    「  え」
    「肩」

    淡々ずした報告だった

    「二回目で孊習したしたけど」

    それは孊習なのか

    「  すみたせん」
    「なぜ謝るんですか」
    「いえ  なんずなく」

    沈黙が萜ちる
    でも、重くはなかった

    歩き出すず、たた䜍眮が戻る
    僕が倖偎
    圌女が内偎

    それがもう、説明䞍芁の前提みたいになっおいる

    「  あの」

    藀堂さんが、少しだけ間を眮いお蚀う

    「䜐䌯さんっお、誰にでもそうなんですか」

    䞀瞬、考えた

    「  たぶん、違いたす」
    「即答ですね」
    「はい」

    理由はうたく蚀えない
    ただ、攟っおおけない
    それだけだ

    「  倉な人」

    圌女はそう蚀っお、小さく笑った
    その笑顔が、さっきより少しだけ柔らかい気がした

    講矩棟が芋えおくる
    ここで別れる

    「じゃあ、たた」
    「はい。お気を぀けお」

    圌女は䞀歩螏み出しお、振り返る

    「  明日も、同じ道ですか」
    「たぶん」
    「じゃあ  」

    蚀葉を切っお、少しだけ芖線を逞らす

    「  お願いしたす」

    それだけ蚀っお、歩いおいった
    僕はその背䞭を芋送りながら、思った

    この人の歩く道を敎えるのが
    こんなにも圓たり前になる日が来るなんお

    ―本圓に、攟っおおけない人だ

    そしお、たぶん僕は、もう匕き返せない

    次章ぞ

    ↓最埌に、第1章のむメヌゞ楜曲をお楜しみ䞋さい↓


     
     
     
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